市場調査・マーケティングリサーチ会社のアスマーク

公開日:2020.02.14

パレートの法則

  • 知識

このような言葉を耳にしたことはないでしょうか。「売上の8割は、全体の2割の商品が生み出している」
これは「パレートの法則」に当てはまる事象の一例です。

「パレートの法則」は、イタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートによって発見された法則で、ある事象の2割が、全体の8割を生み出しているという状態を示す経験則です。80:20の法則、ニハチの法則、ばらつきの法則とも呼ばれています。
例を挙げて説明します。10種類の商品を取り扱っているビジネスがあったとします。商品毎の売上額を高い順に並び替えたものが以下のグラフです。

10商品のうち、売れ筋の2商品、全体の2割の商品の売上額を合計すると、売上額の合計の80%に達します。これは、このビジネスが特殊なわけではなく、商品・サービスの数が100種類、1000種類あるような企業でも、コンビニエンスストアやスーパーなどの実店舗でも、多くの企業やビジネスでこのような現象がみられます。
また、これは商品の話に限りません。「商品」を「顧客」に変えて、「売上の8割は、全体の2割の顧客が生み出している」 これも、パレートの法則が当てはまる事象の一例です。更には、「パレートの法則」は経済に関する話だけではなく、社会現象や自然現象においても、以下のような様々な事象に当てはめられます。

  • 「Webサイトのアクセスの8割は、2割のページが生み出している」
  • 「企業の売上の8割は、全従業員のうちの2割の従業員が生み出している」
  • 「仕事の成果の8割は、費やした時間全体の2割の時間で生み出している」
  • 「故障の8割は、全部品のうち2割に原因がある」
  • 「所得税の8割は、課税対象者の2割が担っている」
  • 「都市の交通量の8割は、都市全体の道路の2割に集中している」
  • 「文章で使われる単語の8割は、全単語数の2割に当たる数の単語である」
  • 「社会全体の上位2割の富裕層が世の中の富の8割を保有している」

これらに共通して言えるのは、経済や、自然現象、社会現象において、原因と結果は平均的ではなく、ばらつきや偏りがあり、一部が全体に大きな影響を与えていることが多いということです。法則と言うよりもいわゆる経験則の類で、厳密に2:8になるということではありません。重要なことは、全体の数値の大部分は、全体を構成するうちの一部の要素が生み出しているということで、この考え方は様々な分野に当てはまり、応用することができます。
反対に、何らかの8割を占めるような2割の要素を探し出し、その理由を考えることで、他の8割の要素の改善に繋げることも出来るかもしれません。

特定製品やその競合製品についての、認知・購入経験・購入頻度・購入チャネルが理解できてないと、課題に対する的確な提案から調査実査・分析・報告業務へと進めることができません。従って、ほとんどのケースで、特定製品における各出現率を的確に調べてから調査が実施されます。
調べ方としては、保有のデータベース・オープンデータ・売上予測データなど様々のデータを活用して算出する方法があります。ただ、様々な条件が複合的に重なり、そもそも出現率が非常に少ない製品などは予測が非常に困難であります。その際に、インターネットリサーチ会社では、出現率調査を実施しています。実際に調査設計を行い、特定製品・競合製品の情報(認知度・購入経験・購入チャネルなど)をアンケート回収していきます。対象とするアンケート回答者を母集団として、アンケートごとに回答数をまとめていきます。

例えば、売上金額上位2割のお客さまには、複数の営業担当者がつき、高い頻度で訪問する等の密なコミュニケーションを取り、商品やサービスの提供時にも何らかの優遇策を講じる等、取引を継続させる施策を取ることが考えられます。売上金額についての他の8割のお客さまには、電話やメールなどを活用して、コミュニケーションにかかるコストを効率化する等の施策が考えられます。そのコストはより良い商品・サービスの開発に役立てれば、全てのお客さまに喜ばれます。

従来のビジネスでは当てはまったパレートの法則ですが、インターネットの普及によって、それを覆す事例が出てきました。
実店舗のビジネスでは、店舗面積や商品陳列に制約がありますので、パレートの法則に沿って、売れ筋商品を揃え、ほとんど売れない商品は店舗に置くことができませんでした。ところが、Amazonのようなネット販売ではWEBページは無限に作成することができますし、土地代の安い場所に倉庫を用意しておくことで、たまにしか売れない商品でも置いておくことができますので、それらの売上が積み重なって売れ筋商品を上回るような事象が出てきています。