市場調査・マーケティングリサーチ会社のアスマーク

公開日:2020.03.04

Web調査の種類・費用

  • 知識

Web調査とはマーケティングリサーチの手法の一つで、文字通りWeb上で実施する調査のことを指します。アンケート画面をWeb上に作成し、調査対象者にインターネットを利用してアクセスしてもらい回答していただきます。一般的にWeb上での回答で調査が完結するものを指します。ネットリサーチ、Webアンケートとも言います。
Web調査は、定量調査に分類され、回答結果は数値や金額、割合のように数字で表現される「定量データ」を収集する調査手法です。近年ではマーケティングリサーチの中で最も実施件数の多い調査手法となります。

  • Web上で完結するので、居住地による制限なく、回答者を集めることができる
  • 回答者に足を運んでもらう必要がない分、定価格で実施できる
  • アンケーシステムで回答の分岐や矛盾回答をコントロールできる
  • 回答者がインターネット環境のある方に限られるというバイアスがかかる
  • 回答時点や回答直後に回答について確認したり、深堀したりすることができない

Web調査は無料のセルフ型のアンケートが利用できたり、テンプレートも無料で手に入るなど、非常に手軽でリスクの少ない印象がありますが、どんな調査であれ課題の把握や調査の目的を明確にして、関係者で共有しておくことが重要です。

ホームユーステストは対象者の自宅に新製品や改良品を送付し、自宅で試用・試飲・試食してもらい、その評価や感想を回答してもらう調査ですが、Web上で回答してもらうケースがほとんどです。

ホームユーステスト

会場調査はオフラインで実施する調査ですが、質問への回答はタブレット端末を利用してWeb上で回答するケースが非常に増えています。

これらの調査は、Web上で実施することで、システム的な回答の制御が可能になり、その結果、回答精度が上がります。また、回答~データチェック~納品までの時間が短縮されます。

会場調査

Web調査というと通常は定量調査をすぐに思い浮かべると思いますが、定性調査をWebで実施する場合もあります。例えば、オンラインインタビューは定性調査ですが、Webで調査します。他にも日記調査、MROCもWeb上で実施しますが、定性調査として実施することがあります。

これらの調査は、対象者が発する言葉や対象者の行動、あるいは観察者が見たままの状態や印象などを、言葉や文章あるいは写真といった、数値化できない定性的なデータで集める目的で実施されます。一見オフラインで実施される方が向いているようにも思えますが、これらがWebで実施されているのはなぜでしょうか。

通常のインタビューは対象者に調査会場まで出向いていただく必要があります。訪問調査の場合は、こちらから出向く必要があります。そのため、地方や外出できない状況の対象者に対してインタビューをすることはともて困難でした。その点、オンラインインタビューは通信環境さえあればどこでも実施できます。また、対象者は自宅などリラックスした環境でインタビューを受けられるため、よりプライベートな内容や率直な意見を聴取できるというメリットもあります。

オンラインインタビュー

対象者の自宅等を訪問するエスノグラフィ調査では、実際に訪問する等のコストがかかります。
それに代えて、Web上の日記システムを使えば、訪問にかかるコストを抑えることができます。また、例えば、食事日記、美容手入れ状況など、自宅の様子を撮影してもらうなど、Web上で利用シーンを確認することもできますし、その時の気持ち等を入力してもらい、テキストデータで確認することもできます。
条件によってはエスノグラフィ調査と同等あるいはそれ以上の効果を得ることができます。

日記調査

MROCは

  • オンライン上で実施する
  • 「特定の商品・企業・ブランド等に詳しい人や興味のある人」を集めている
  • クローズドな環境

という対象者同士で自由に意見交換をしてもらいやすい環境が特徴ですので、この環境を作るうえで、Web上であることは必須条件となります。Web上であることで、対面式よりもより本音を引き出すことにつながります。

MROC

Web調査の進め方について説明します。リサーチの流れは大きく「調査の企画・設計」「調査票の作成と実査」「データチェックと集計」「分析とレポート作成」の4工程に分けることができます。

どのような調査でも調査の企画・設計は非常に重要な工程になります。例えば、ある会社のマーケティング担当者が「シャンプーの売上が落ちてきた・・・何が問題なんだろう?」というマーケティング課題を抱えていたとします。このマーケティング課題に対して、「新鮮味が薄れてきたのか?」「市場環境が変わったのか?」のような仮設を立てることができます。
これらの仮説を元に調査の企画・設計を進めます。調査対象を誰にするのか、どのくらいの人数に訊けばいいのか、どんな質問をすればいいのか、といったこともこの工程で決めていきます。

調査の企画・設計の工程で、この調査で明らかにしたいこと、目的が決まりました。次の工程では、それを実現するための調査票を作成していきます。どんな質問をするかといったことだけでなく、如何に回答者に正確に答えてもらえるか、といったことにも十分な配慮が必要です。例えば、言葉の使い方、設問の順番、選択肢の作り方、補足説明の方法などを考慮しながら作成します。
※具体的な調査票の作り方は後述します。

集まった回答データは回答に抜けがないか、設問間で矛盾した回答がないか、いい加減な回答がないかといった視点でのチェックをします。これらのチェックに引っかかる回答は無効回答と判断され、回答データから削除されます。
データチェックが完了したところで集計を行います。集計をすることで、調査結果が可視化され、パッと見て、このデータが何を意味するのか、どんな傾向にあるのかが分かりやすくなります。集計表、グラフの作成では、如何に分かりやすく表現するかが重要な点になります。

集計されたデータに何らかの加工を加えたり、数値結果を比較したりすることで、その結果となった原因や理由を考えたり、新たな情報を導き出したりといった、集計データの分析を行います。これによって、調査の企画・設計の工程で考えた仮説が正しかったのか、間違っていたのかを明らかにします。
仮説が正しかったとなれば、仮説に沿った施策を後押ししてくれますし、仮説が間違っていた場合でも、改めて施策を講じるといったアクションへと導いてくれます。

初めてWeb調査をする方は、調査票(質問紙)の設問文と選択肢をどのように作っていくべきか悩まれると思います。調査票の質が調査結果の精度に影響します。「アンケート調査は調査票が全てだ」といわれるほど調査票の質は重要です。ここでは、Web調査の調査票の作り方と押さえるべきポイントをご紹介します。

データの品質を保つためには、20~25問程度のボリュームで実施するのが理想的です。回答に対するモチベーションを維持してもらうために、設問数に応じたインセンティブを設定しますが、30問以上になってしまうと回答の精度は落ちてしまいます。

リッカート尺度での設問の場合は70問程度に抑えるのが理想的です。

設問文については以下の点をチェックしてください。

  • 誘導的な質問にしない
  • 主語を必ず入れる
  • 設問文に「?」は使用しない
  • 結びを統一する
  • 専門用語を使用しない
  • 略語を使用しない
  • 人によって違う解釈にならないような設問文を作る ※選択肢も同様
  • 差別用語を使用しない
  • 過度な敬語・謙譲語を使用しない
  • 1つの設問に2つの内容を入れない

選択肢については以下の点をチェックしてください。

  • 格付け法(レイティング・スケール)は5段階までを推奨します
  • 人によって違う解釈にならないような選択肢を作る ※設問文も同様
  • 選択肢を提示する順序による偏りが生じる恐れがある場合は、選択肢にローテーションを掛けて提示する
  • SA(シングルアンサー)の場合、選択肢の内容がお互いに排反で、重複しない
  • なるべく多くの対象者にぴったりした回答が選べるように選択肢を作る
  • 年齢、年収等、個人情報にふれる質問の選択肢は範囲で示す等、最小限に抑える
  • 選択肢は長文にしない
  • 対象の製品だけでなく、ダミーの選択肢を入れる
  • 数値化できるものはできるだけ、数値化する
  • 選択肢は自分の主観で作成せず、いろんな人を想定して幅広く選択肢をつくる
  • 頻度の選択肢の場合は高いもの ⇒ 低いものの順
  • 金額の選択肢は小さいもの ⇒ 大きいものの順

設問の順番については以下の点をチェックしてください。

  • 論理的な順序で
  • 時間の流れを踏まえて
  • 簡単に答えやすい質問を先に
  • 総合評価と個別評価はケースバイケース
  • 重要な質問はできるだけ前に
  • 対象者の特性は後に
  • 純粋想起FAが先
  • 実態を聞いてから、常態を聞くのが原則
  • 実態質問は、最近のことから聞くのが原則
  • ただし、絞り込む場合には逆の順序となる
  • 大きなカテゴリ ⇒ 細かいカテゴリの順番

例示を含めた詳細は以下からご欄になれます。

アンケートの調査票の作り方

一般的に、調査の費用は主に調査の手法、サンプルサイズ、調査に参加することに対する調査対象者への負担の大きさによって変動します。
調査対象者への負担の大きさとは、答える質問がどのくらいあるのか、それにどのくらい時間がかかるのか、拘束される時間がどのくらいなのか、自宅でできるのか、それともどこかに出向いて行かないといけないのか、アンケートの回答や質問に答える以外にも何らかの作業等が発生するのか、といったことです。

目的によって調査の手法、サンプルサイズ、質問項目は異なってきますので、それに伴って費用も変動します。Webで実施する調査に絞って、目的別によく実施する調査別での費用相場について考えてみます。

使用実態把握が目的の調査としては、ネットリサーチや日記調査などが良く実施されます。ネットリサーチの場合は、サンプルサイズと設問数で費用が変動するのが一般的です。一般的な価格としては
・100サンプル、5問:3~4万円~
・1,000サンプル、40問:50~80万円
・サンプルサイズや設問数に応じて費用も変動する
という価格設定が多いようです。

その他に、ブランド認知/イメージ調査、ペルソナ作成調査、カスタマージャーニーマップ調査、コンセプト開発調査、コンセプトスクリーニング、コンセプト受容性調査、ネーミング評価、パッケージデザイン評価、シェルフテスト、価格受容性調査、認知度調査、顧客満足度調査、広告の効果測定等の調査はネットリサーチで実施されるケースが比較的多く、上記のような価格相場になります。

ニーズ探索が目的の調査としては、通常はインタビューやエスノグラフィ調査などがよく実施されますが、Webで実施する調査としては、それらに代わって、オンラインインタビューが実施されます。地方や外出できない状況の対象者に対してインタビューを実施したい場合は非常に有効です。
オンラインインタビューの場合は、対象者の人数が最も大きな価格変動要因です。比較的少人数で実施されるケースが多いので、4~5人で実施されるケースを想定すると
・4~5名程度のインタビュー:25~30万円
といったところが相場になります。
※納品物、オプション項目によって変わります。

訪問観察調査の場合も、対象者の人数が最も大きな価格変動要因です。一般的な価格としては
・4~5名程度のインタビュー:20~25万円
といったところが相場になります。
※納品物、オプション項目によって変わります。

アイデア収集・インサイト抽出、生活実態把握を目的としては、MROCが適しています。
MROCの場合は、サンプルサイズと実施期間が最も大きな価格変動要因です。それ以外でもリクルートの方法や納品物、モデレータの要/不要などによって大きく変動します。通常は人数的には20名以上、期間としては数週間~といった設定で実施するケースが一般的です。そのため、費用としては最低でも15万~20万といったところが相場となります。多くの場合、これにオプションが追加されて実施されます。