市場調査・マーケティングリサーチ会社のアスマーク

公開日:2020.03.06

ユーザビリティテスト

  • 知識

モノの購買活動が実店舗からオンラインベースとなった昨今、WEBやアプリ、ソフトウェア上における使用性パフォーマンスの優位性は非常に高くなりました。ここでいう「使用性(使いやすさ)」のことを「ユーザビリティ」と呼称し、その調査を行うことを「ユーザビリティテスト(ユーザーテスト)」と呼称します。
ユーザビリティテストとはプロダクト・サービスのユーザビリティを向上させる目的において、WEBサイトやアプリ、ソフトウェアのUI(ユーザーインターフェース)を消費者へ提示し、利用時の様子観察やデザイン評価、行動の真意についての深堀りをすることによって、仮説のヒントを得る調査となります。UX(ユーザーエクスペリエンス)からインサイトを得ることが大きな目的であり、その時の調査目的に応じて厳選すれば、定量・定性いずれの調査においても実施が可能です。

定性調査におけるユーザビリティテストは、「課題の抽出」や「仮説の構築」に対して非常に有効です。例えば、「自社サイトのあるフェーズから一気にPV数(クリック数)がダウンする」という課題解決に対して、ある担当者がいくつかの仮説を立てたとします。「そのフェーズにいる消費者が欲している次のステップは、その画面上にないのではないか・他社サイトで得たいのではないか」、「そのフェーズのデザインや情報が魅力的でないのではないか」…など。考えられる可能性は無数にあるため、十分に検証する必要がありますが、そもそもでその仮説があっているかも分からない状況です。こうした時に有効なのがデプスインタビューやペアインタビュー、オンラインで行う観察調査など。有益なUXを提供してくれそうな対象者を厳選してリクルートし、実機を活用してユーザビリティテストを行います。アイトラッキング調査や脳波測定調査などと掛け合わせるパターンも増えています。

ユーザビリティテストにおける定量調査は、前述の定性調査で得た「仮説の検証」を行う場合に有効です。
ユーザビリティテストで享受できるメリットとして「少数の消費者の行動観察調査を行い、示唆を得る」といった点が大きく挙げられます。その場合定量調査は不相応ではないかと考えられますが、多数かつ遠隔にいる消費者に対しても「ユーザビリティ評価」といった形で調査のアプローチが可能です。
例えば前述の定性調査の事例の場合、得られた仮説を基に自社サイトの「デザイン変更」を行ったとしましょう。その場合「デザイン評価」をwebアンケートで取ることが可能です。またサイトの「仕様変更」などの場合も同様に評価を得る目的であれば実施の意図は確立されます。
本来このようなハイブリッド調査が行えれば理想的ですが、コストやスケジュール面において実施が難しい場合は、ユーザビリティにフォーカスし定性調査を単独で行うことを推奨します。

冒頭に述べた通り消費者の購買行動は多様化し、消費者のUI/UXを検証し探るためのユーザビリティテストは、文明の発展に比例し需要が増えています。パーソナライズされたデバイス上でのアクションが増加したことにより、販売者としては消費者のインサイトやウォンツを探ることに日々苦戦しています。
PCやスマートフォンを用いたユーザビリティテストは事例としても多く見受けられます。デバイスを使用して行うユーザビリティテストの事例について、次項にて紹介します。

調査目的 ある検索サイトのサービス表示ページで「おススメ順」に並び替えてもらえない。その理由を探索する
調査手法 定性調査・デプスインタビュー(60分@1サンプル)
サンプル数 n=6
対象者条件 女性/30代/首都圏/既婚/直近1年以内にサービス利用経験あり/自社サイトユーザー・競合サイトユーザー
調査フロー ①アイスブレイクも含め対象者のラポール形成を行い、物件検索状況の実態を把握するためのインタビュー実施
②いつもと同じ手順で物件を検索してもらい、その様子を観察する。
(ユーザビリティテスト)
③事後インタビューを行い、一つ一つのアクションに対して深堀りを行う。
(ユーザビリティテスト)
④別サイトを取り上げ再度②③を行う
⑤デブリーフィングで気付きをまとめ上げ、自社サイトの仮説構築を行う

目にする情報が無数に点在している中で、消費者自身はその時の詳細な自分の行動までは意識できていないものです。この観点において、実際に製品やサービスを対象者に試用してもらうことで、その時の行動(目線、手指の動き、表情など)を間近でリアルに観察できるユーザビリティテストは非常に有用といえます。
ユーザビリティテストを行うことは、当初想定していた仮説以上に大事な「顧客視点」に気付き仮説構築に役立てることに効果的に繋がります。N1マーケティング(“特定の消費者が持つインサイトが、課題解決への道標となりうる”といった概念)にフォーカスしたユーザビリティテスト。上手に活用し、リサーチ手法の幅を豊かにしましょう。