市場調査・マーケティングリサーチ会社のアスマーク

公開日:2020.05.19

アスマーク社員対談企画第1部
~現場責任者が語る~
「失敗しないオンラインインタビュー」

  • リサーチャーコラム

社員紹介

田名網 規雄(Norio Tanaami)

リサーチソリューショングループ
リサーチャー/オンラインインタビュー責任者

大原 萌(Moe Ohara)

リサーチディレクショングループ
ディレクター/オンラインインタビュー担当者

株式会社アスマークでは、新型コロナウイルスの影響下となる以前より、定性調査を「オンライン」で実現するための、様々な実践を行ってまいりました。
これまででは100件近いオンラインインタビューの実施に成功し、専属チームも完備しています。

アスマークのオンラインインタビューへの最初の取り組みは、10年前のこと。オンラインサービス・デバイスの普及前でありガラケーユーザーが大多数を占めていたような時代でした。当時は電話回線を利用したシステムを開発し、試行錯誤でトライ&エラーを繰り返していました。

本企画では3部編成に渡り、「オンラインインタビュー」の先駆的取り組みを行い、現在は責任者としてサービスを取り仕切るリサーチャー:田名網と第一線でオペレーションを行うディレクター:大原と、コラム担当:畠による対談取材の様子をご紹介いたします。

―オンラインインタビューとは

今回はアスマークにおいてオンラインインタビューの専属責任者をしているお二人に登壇いただきます。まず初めに、オンラインで行う定性調査、「オンラインインタビュー」について、概要を教えてください。

オンラインインタビューとは、オフライン調査のように対面で会わなくても、インターネット環境さえあれば、遠隔でインタビューができる近年需要が伸びている定性調査手法です。ここ3か月の間では、過去に比べ25倍ほど案件数が増えていますね。新型コロナウイルスの影響もあり、元々リアル調査でやろうとしていたものをオンラインに切り替えて実施するケースもかなり多いです。

本当に需要伸びていますね。オンラインインタビューがここまで受容されている理由を考えてみると今まで自宅でないと参加できなかった環境の方や、全国の方でも参加できるようになった点が大きいかなと思っています。ご自宅のリアルな環境もインタビューでかなり聞けている点は好評ですね。

定性調査もオンラインインタビューで十分可能なんですね!オフラインとは色々と異なる部分が多そうですが・・・やはり検証可能な内容は劣りますか?

グループインタビューもできます。ただし、最大でも4名、推奨は2~3名程度のミニグルインですね。リアルと違ってどのタイミングで話して良いか、参加者の方は少し気を遣ってしまうんですよ。今はそのような時間ロスがないよう、対象者に「今話したいカード」を持たせたりして工夫してますけどね。「検証」でいうと、圧倒的に多いのはコンセプト評価です。試飲試食も可能です。唯一パッケージ評価などは、色味や解像度を考慮するとあまり推奨できないので事前に提案しています。

そうそう、そこはかなり大事!パッケージ評価や見映え評価など、画質が影響する調査はやはりPCや、譲ってもタブレット端末の環境の方が圧倒的に精度が高いんですよね。インターネット環境も関係してくるし。あとは画面の大きさも重要。課題に応じてスマートフォンのみ保有のユーザーは非優先としてます。なので課題は最初に把握するのが大事です。リクルート時にデバイス確認をしないと後々大変だし、そもそも調査会社としても鉄則ですね。

―なぜオンラインインタビューを取り入れたか

先ほど新型コロナウイルスの影響で需要が増えたと伺いましたが、アスマークではいつ頃からオンラインインタビュープロジェクトを始動していたのですか?

実は10年以上からオンラインインタビューのシステムを導入していました。ただ、その時は通信環境が現代のように整備されていなかったので、苦戦しました。
例えばガラケーの人が大半を占めていたり、PCにカメラやマイクがついてないなど、基本的なOA環境が全然整っていなくて、結局モニター30人の調査であれば30人全員に機器類の貸し出しを行って実施したこともありましたね。(笑)

10年前からやってたんですか!取材班は入社8年目ですが、そんな歴史があったとは知りませんでした。そんなに苦戦した経験があるにもかかわらず、田名網さんがオンラインインタビューに注力したきっかけや理由は?

完全にプライベートですが、昨年、オンラインで英会話の勉強をしていたことがありました。スマートフォンで取り組んでいたんですが、意外と通信環境も問題なくクリアにできたんですよ。カナダやアジア圏の人と数人で会話をしたとき、この環境ってオンラインインタビューの形態で取り入れられんじゃないかなと可能性を見出しました。幸いにも5Gなどのネット環境の整備に対する兆しも見えてきて加勢してくれました。プロジェクトが軌道に乗ってきたとき、コロナ禍で今に至ります・・・。

なるほど。早い段階で可能性を見出されたんですね。大原さんはいかがですか?

コロナ禍の前の平常時は、オフライン調査のディレクターをしていますが、お客様からのお問い合わせでオンラインインタビューのご相談は結構ありましたね。実際調査のオペレーションを行った際に自宅なのでいい意味でも悪い意味でも対象者がリラックスしている点がかなり印象的でした。例えばオフラインだと、まず会場に行くというハードルもある上に、第三者と沢山接さなければいけません。引き換え、オンラインの場合はモニター自身が見えてる映像はモデレーターと自分だけなので
通常よりはリラックスして参加しているように見受けられ、ポテンシャルを感じました。があると思えました。あとは今までは拡げられなかった全国地域に配信ができる点は大きいです。対象者サイドとしても当選確率が上がっている分、協力的な印象がありますね。

昔は地方は電話、訪問インタビューだけだった訳ですもんね・・・。

全国地域対象の訪問調査とか、出張・移動費含めたコストやスケジュールバッファがかかるところをオンラインインタビューがうまく解決している実感はある。あとは、スマートフォンでも可能なので、自分の車を映してもらってとか冷蔵庫の中を見せてもらってとか、エスノグラフィに強い点は取り入れて更に気付けたメリットですね。

そうですね。今までだと事前課題や画像の回収でしか得られなかったアウトプットがよりリアルに深堀できますよね。写真回収より、映像で全体を把握したほうがグンと理解が深まります。

プロダクト開発者としては、無意識のうちに製品の良さばかり目が行きがちになってしまうと思いますが、実際はどこにどのようにしまい、どう便利に取り出せるか、などのユーザビリティ部分はモノが溢れている現代では今後かなり重要ですね。オンラインの調査はそこを解決してくれると感じています。

―オンラインインタビューのスケジュール感

ここまで聞いたらオンラインインタビュー、やるしかないですね!!実施のスケジュール感って実際どのくらいなんでしょうか?

通常案件よりは長めに設けていますね。モニター・見学者様に向けた接続テストがあるので。どんなに好条件のモニターであっても、オンライン接続が不可能であれば参加いただけないですし、接続テストで離脱してしまう可能性もあるので、通常よりは長めに設けることが安全策ですね。とはいえ、2、3日ほどあれば十分にテストできるので10~12営業日くらいで調査は完結できます。5日前後いただければ、モデレーターやお客様用のデモURLを発行しお渡しできます。

定性調査は人在りきなので、対象者の直前キャンセルなど生じると思います。オンラインインタビューの場合、接続テストがあるとやはり差し替えは難しいのでしょうか。

差し替えはもしかしたらオフラインよりオンラインのほうが少ないかもしれない。オフラインだと来場しないといけないけど、オンラインだと自宅で参加できますので。あとは接続テストっていうステップを踏んでるので、そこまで協力して、当日参加しない方もあまりいません。接続テストという、いつもより1つ多いステップを踏む分責任をもって当日を迎えてくれるモニターは多いですね。

―第1部・対談取材を終えて

モニターリクルート分野で成果を上げている当社だからこそ、「モニターの参加のしやすさ」を注視することで、結果的に「生活者の素」の部分を引き出すことに成功していると感じました。参加者・調査者、双方にとってメリットの多い調査手法だからこそ、プロジェクトチームを立て推進していくことが大切ですね。