公開日:2020.05.20

アスマーク社員対談企画第2部
~現場責任者が語る~
「失敗しないオンラインインタビュー」

  • リサーチャーコラム

社員紹介

田名網 規雄(Norio Tanaami)

リサーチソリューショングループ
リサーチャー/オンラインインタビュー責任者

大原 萌(Moe Ohara)

リサーチディレクショングループ
ディレクター/オンラインインタビュー担当者

株式会社アスマークでは、新型コロナウイルスの影響下となる以前より、定性調査を「オンライン」で実現するための、様々な実践を行ってまいりました。
これまででは100件近いオンラインインタビューの実施に成功し、専属チームも完備しています。

アスマークのオンラインインタビューへの最初の取り組みは、10年前のこと。オンラインサービス・デバイスの普及前でありガラケーユーザーが大多数を占めていたような時代でした。当時は電話回線を利用したシステムを開発し、試行錯誤でトライ&エラーを繰り返していました。

本企画では3部編成に渡り、「オンラインインタビュー」の先駆的取り組みを行い、現在は責任者としてサービスを取り仕切るリサーチャー:田名網と第一線でオペレーションを行うディレクター:大原と、コラム担当:畠による対談取材の様子をご紹介いたします。

 

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―オンラインとオフラインで得られるアウトプットの違い

第一部ではオンラインインタビューの概略がよく分かりました。ここからは具体的な内容に移りたいと思います。オンラインインタビューの場合、対面でのインタビューと比べ得られる成果物の質や量に違いはあるのでしょうか?オフラインでは実際にモニターと会うので、得られる気付きに差が生まれたりしないんでしょうか?

オフラインでもオンラインでも相性があるので、オンラインを選んで有効になるパターンを理解し工夫すれば大きな乖離は生まれません。メリットを把握して使い分けをすると、むしろ有益です。例えば提示品なども、郵送でモニターへ事前送付し、封筒を二重にしてインタビュー当日まで開封しないようアナウンスし、インタビューが始まったタイミングで全員同時に開封してもらうなどオペレーションの工夫次第でオフラインと同じ環境は十分に実現できます。

なるほど。封筒を二重にするというのはアイデアですね!報告書内容やサマリーのアウトプットなどは実際どうでしょうか?

レポート内容は実際のところほとんど劣りません。正直、モデレーターはインタビューの最中に様々なことを考え、臨機応変な質問の掘り下げなども対応しているので、オンラインのシステムを使うことによって「システムを使う」という1つの障壁が生まれることによって、パフォーマンスが変わることもあります。ただディレクターがそこはクッションになれる点や、アスマークではオンラインインタビューが得意なモニターさんも多いので、ネットワークをうまく活用して円滑に実施できてるんじゃないかな?と思います!

当日通信環境が…みたいなことはオンラインインタビューには付きものです。そこで冷静に対処する現場対応力が問われます。落ち着いて、「よくあること」と理解しリカバリーすることが本当に大切ですね。要は成果物を考えていかに対応できるかです。そこを突き止めることに注視した結果、オペレーションもスムーズになってきたなと思っていますね。

―オンラインインタビュー実施の難しさや注意点

オンラインインタビュー、今後活発に取り入れたいですね!様々あるとは思いますが、その中でも特に、実施する上での難しさや注意点はありますか?

見学者・モニター・モデレーター全員の接続テストを行っていますが、今は世界中でネットを利用しているので時間帯や場所に応じてアクセスの集中し、事前の接続テストがうまくいったとしても当日いきなり音声が途切れてしまう事もあります。このような支障があまりにも出る場合は延期を決めることもありますが、オフラインの場合、会場の抑え直しや、会場のキャンセル費用、関係者やモニターの再来場などが生じて、時間もお金も無駄になってしまうと感じます。ただ、その点オンラインだと設定のし直しが比較的しやすい点はいいですね。

それは実際に行う中で私も思います。あとは例えば、コンセプトを当日提示したい場合などは予めPC環境のある方をリクルートしておくことや、適したシステムを構築する必要があります。オンラインの場合、当日の検証項目の差し替えがモニターのOA環境やシステムによって左右されてしまうので、事前のお打ち合わせを大切にしています。

そうですね。事前の設計段階はかなり重要ですね。調査会社としてもお客様の課題は事前把握したいですしね。当日のオペレーションについてはいかがでしょうか。

「難しさ」でいうと、オフラインよりオンラインのほうがインタビュー時間がかかると思っています。
というのも、特に座談会だと顕著なのですが、話し始めと話し終わりを、タイミング見計らいながら相槌を打ったり理解したり、相互共有していかなくてはいけないので、時間管理は難しいです。不測のシステムトラブルの発生や、電波状況による通信障害などをリスクヘッジしないとですね。訊きたいことを訊くためのタイムスケジュールの構成をオフライン以上に綿密に行う必要がありますね。

リスクを相互で事前理解しておくことは必要ですよね。「できると思ってたことが、
当日できなかった」。これをいかに回避できるかは私たちの腕の見せ所ですね。
あとはお客様にも予めご理解いただけるよう説明する体制は強化してます。例えば、
グループインタビューであれば、接続不良のモニターが発生する可能性を考慮して、
予備モニターのご用意をご提案しています。

予備枠、積極的にご提案したほうがいいですね。オンラインインタビューの予備枠は来場がない分、どのようにしてご案内しているんですか?

1つのインタビューにつき、予備枠の方は1~2名位程度用意することを推奨しています。予備枠の方にはそれぞれ接続テストも行い、当日はその時間を空けていただく形で依頼しています。お礼としておおよそ2000~4000円くらいの謝礼をお渡ししていますね。

デプスインタビューの中で、欲しいような意見がいただけなかったモニターが生じることがあると思います。そのような場合を加味して、最終枠においてご参加待機いただく予備枠モニターもいらっしゃいます。
アスマーク側からの提案が大事だよね。こんなリスクがある、とお客様にもご理解いただければ双方が実施しやすいと思う。予備枠の導入も然り、インタビューの成功に向けて動きかけて事前に腑に落ちる説明を行うことを念頭に置いていきたいね。

―第2部・対談取材を終えて

「オンライン」という言葉はECサイトなどの所以もあり、「手軽さ」を想起してしまいますが、よく考えれば様々なリスク喚起を行った上で成り立っていますね。リサーチやインタビューも同様で、あらゆる危険性を潰し例えば接続不良が起きてしまった、などの状況であれば臨機応変な対処を行うことで、失敗を成功に導くことが非常に大切だと感じました。多数の現場をみてきた当社だからこそ、その細やかな対応の実現ができるかもしれません。

 

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執筆者
アスマーク編集局
株式会社アスマーク 営業部 マーケティングコミュニケーションG
アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

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オンラインインタビューの特長とメリット・デメリット

オンラインインタビューの特長とメリット・デメリット

インターネットを介してオンラインで行うインタビューです。通信環境とカメラ・マイク付きのパソコンがあれば、どこからもインタビューができます。
対象者もカメラ・マイク付きのパソコンまたはスマートフォンがあれば参加できますので、地方や希少なターゲットをリクルートしやすいというメリットもあります。オフラインで実施しているデプスインタビュー、グループインタビューをオンラインで実施できます。

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オンラインインタビューシステム『i-PORT voice』

オンラインインタビューシステム『i-PORT voice』

アスマークでは、オンラインツールが主流となる以前より、定性調査をオンラインで実現することに取り組んできました。
『i-PORT voice』とは、オフライン定性調査に長い歴史を持つアスマークが、実務経験を活かし開発したオンラインインタビューシステムです。
調査モニターとの対面インタビューや分析を得意とし、オフライン定性調査に強い実績を持つアスマークだからこそできた初の調査専用システムです。

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