公開日:2019.12.05

投影法とは

  • 定性調査

定性調査は、ブランド、製品・サービス、コンセプト、広告など幅広いテーマについて消費者の行動、意識に伴う、感情面の理解を探求することを目的にしています。
投影法は、心理学から始まった「被験者の心の中を知る」アプローチを、マーケティングリサーチでは「消費者の気持ち、感情面を知る」ことに応用したものです。従って、主に定性調査で、消費者の心理側面の潜在ワードの抽出に頻繁に活用されています。
投影法には、多様な種類がありますが、それらを使うことで、消費者がなかなか言葉にできない潜在的な要素を持ったワード、無意識下の言葉、印象をより効果的に引き出すことができます。
つまり、単にモデレーターから「どう思いますか?」と問われる直接的な回答のケースに比べ、投影法を介した間接的な思考アプローチは、顕在ワード、無意識下のワードや考えを多く引き出すことが期待できます。

 

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投影法は、主にグループインタビュー、デプスインタビューで利用されており、課題に合わせたアプローチがあります。

当該対象の製品・サービスやブランドに対して想起するイメージを、WEB、雑誌などからビジュアルで表現してもらいます。言葉で説明するのが難しい対象だとしても、ビジュアル化によって消費者が頭の中でどのように捉えているのかを平易に理解することができます。

製品・サービスやブランドを、「どのような印象か、どんな性格か、どんな魅力があるか」などと人に例えることで、イメージなどを柔軟な考えで引き出すことができます。

対象者に、あらかじめ用意しておいた多数の写真などのビジュアルもしくはイメージワードを提示して、「そのブランドにふさわしいビジュアル」を複数選んでもらい、それらを選んだ理由をじっくり聞くことで、発話だけでブランドイメージなどを捉えるよりも豊富な情報量を得ることができます。

ひとコマの吹き出しを対象者に見せ、会話の内容を穴埋めしてもらうことで、自由な発想での回答を促します。登場人物は1人の場合もありますし、2名の場合もあります。つぶやきや対話など自由に設定が可能です。ある商品に対してどのような特長かなどを設定することで商品イメージなどを把握することができます。

自分ではなく、友人やターゲット属性の方(第三者)であれば「どうするか、どう思うか、どういう気分か、どんな人が使っていると思うか」など、どのような意見を言うかを想像して回答してもらいます。間接的に自分の気持ちを投影した発話効果を得ることができるので、率直な意見が出やすくなります。

ブランド名など提示して、連想ゲームのようにして多くのワード出しをしてネットワーク図やマッピング図のように展開します。これにより発話ワード数と無意識ワード数の増加が期待できます。

単に質問するだけでは難しい「エンドベネフィット」などの上位概念ワードも抽出は、ある機能キーワードに対して、「何で、どうして」を何度か繰り返して質問することで獲得することができます。

不完全な文章を提示して、「XXX」内の文章を完成してもらうことで、自由で柔軟な想起が促されます。下の例では、車や食に対する本人の価値観の一端を見ることができます。 
このクルマを見ると「XXXXXXXXXX」な気持ちになる
これを食べると「XXXXXXXXXXXX」な気持ちになる

インタビューの事前課題として、対象者自身に「ブランドX」に対する考えや気持ちを表現する写真やイラストを挙げてきてもらい、インタビューでその理由を確認します。そのビジュアルを製品・サービスやブランドイメージの深堀の始点として活用します。

 

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執筆者
アスマーク編集局
株式会社アスマーク 営業部 マーケティングコミュニケーションG
アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

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