公開日:2025.12.24

【産学連携】京都女子大学でゲスト講演「インサイト産業とデータサイエンス」を開催

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株式会社アスマークは2025年12月2日(火)、京都女子大学データサイエンス学部の専門発展科目「データサイエンス実践概論」にて、リサーチソリューション部の里村がゲストスピーカーとして登壇しました。
 
講演では「インサイト産業とデータサイエンス」を掲げ、前半では、マーケティングリサーチが企業と生活者をつなぎ、アンケートやインタビューを通じて意思決定を支える仕事である点を、事業紹介とともに解説しました。
後半では、回帰分析、因子分析、クラスター分析、コレスポンデンス分析などの多変量解析を例に、結果の解釈にとどまらず背景まで考察し、施策へつなげる重要性を提示しました。あわせて、ログ設計やKPI整理など「意思決定に使える形に整える」工程が成果を左右する点にも言及しました。
 

登壇概要

登壇情報
日程 :2025年12月2日(火)13:00~14:30(内、当社講演は約45分間)
場所 :京都女子大学 東山キャンパス
講座名:データサイエンス実践概論
時間 :90分
登壇者:株式会社アスマーク リサーチソリューション部 里村 雅幸
 
プログラム構成
● 当社の事業概要
● インサイト産業の概要
● データサイエンスの活用事例
● 統計学や多変量解析の活用事例
● 質疑応答

 
 

左から、京都女子大学 竹村 様、アスマーク 里村、京都女子大学 栗原 様、京都女子大学 中村 様

 
 
 

講演の様子

 
 
 

参加した学生の声(一部抜粋)

  • 普段授業で習っている分析手法がどのように会社の業務で使われているかを具体的に知ることができ、統計や実装への学習意欲がとても湧いた。
  • データを集めるだけではなく、データの背景まで踏まえてなぜを説明することが求められている点が印象的だった。
  • 正社員の従業員割合で男性よりも女性が多いことに驚きました。クラスター分析や因子分析など授業で学んでいることが実際に活用されているのを聞き、学んでいる内容が社会とつながっていると感じました。
  • 講義を通じて、マーケティングリサーチが企業の意思決定において重要な役割を果たしていることを学びました。特に、定量データだけでなく定性情報を組み合わせて顧客の本音を探る姿勢が印象的でした。
  • 今回の講演では、「インサイト産業」という言葉がとても印象に残った。単にデータを集めて分析するのではなく、人の行動や選択の背景にある理由まで読み解いて企業の意思決定を支える仕事だと知り、データサイエンスの面白さが一段深く理解できた。
  • どのようなデータが必要なのか、そのデータをどのように解析していくのかを決めることがすごく大変だと最近ゼミの授業を通して感じていたので、今学んでいることが将来直結するのではないかと思いました。

 
 

セミナーを終えて~栗原考次先生(データサイエンス学部 学部長)へのインタビュー~

講演の後、データサイエンス学部の栗原考次先生にインタビューさせていただきました。

栗原 考次 先生
京都女子大学データサイエンス学部 教授/学部長、理学博士。
 
略歴

1981年九州大学理学部数学科卒業。九州大学総合理工学研究科情報システム学専攻博士前期課程修了。
大分大学工学部助手、岡山大学教養部講師・助教授を経て、2001年岡山大学環境理工学部教授。
文部省在外研究員として米国ペンシルバニア州立大学に赴任。
岡山大学では学部長、副理事、副学長などを歴任。
2022年より京都女子大学データサイエンス研究所所長、2023年より同大学データサイエンス学部長。
現在に至る。
 
研究分野
データサイエンス、計算機統計学、時空間統計学
 
著書
・栗原考次 データとデータ解析 日本放送出版協会(1996, pp.1-211)
・栗原考次 データの科学 日本放送出版協会(2001, pp.1-277)
・栗原考次・石岡文生 エシェロン解析 共立出版 統計学One Point【19】巻(2021, pp.1-140)
 
研究分野
データサイエンス、計算機統計学、時空間統計学
 
受賞歴
2017年 日本計算機統計学会 フェロー
2020年 日本計算機統計学会 ソフトウェア賞(学術部門)
2022年 日本計算機統計学会 日本計算機統計学会賞
2022年 日本分類学会 フェロー

 

Q1.(先生のご研究内容について)先生が現在取り組まれているテーマや重点分野を、簡単にご紹介ください。

 専門はデータサイエンス(計算機統計学)であり、特に時間・空間情報を含むデータを分析する時空間統計学の分野において、時空間上のパターン・傾向・関係性といった構造の解析を主に研究しています。
 
 具体的には、エシェロン解析(echelon analysis)と呼ばれる解析手法の研究開発を行っています。この手法は、位置情報を持つ観測データにおける相対的に高い値・低い値の領域に基づき、同じトポロジー構造を持つ領域全体の表面上の値を集約し、領域を階層的に表現するものです。エシェロン解析の最大の特徴は、次元を問わず隣接情報が与えられた空間データに対して、その構造を客観的に階層化できる点にあります。さらに、この手法は有意に高い値を示す地域(ホットスポット)の検出をはじめ、多次元時空間データへの拡張、多変量時空間データへの応用など、より高度な時空間データ解析への発展が期待されています。
 

Q2.(今回の登壇内容の意義について)今回の講義は、学生にとってどのような意義があるとお考えでしょうか。学生が得られる学びや期待される効果についてお伺いします。

 本学部では、データサイエンスに関する幅広い知識と、社会を科学的に理解するための方法論を、理論と実践の両面から修得することを目指しています。
実践的な教育を推進するため、行政や企業との連携も積極的に進めています。昨年度は約40の自治体・企業からデータサイエンス分野で活躍する実務担当者を招き、具体的な事例を通してデータサイエンスの最新動向に触れる機会を提供しました。
 
 また、自治体や企業の関係部署を訪問し、モデルケースとなる方々との交流や、課題に関するグループワーク、ワークショップを実施しています。こうした経験を通じて、大学での学修内容が現場の実践とどのように結びついているのかを理解し、自らの学びを社会の課題解決にどのように活かすことができるのかを考える契機となることが期待されます。
 

Q3.(今回の企画を通したご感想)特に印象に残ったことや、企画の進め方など、率直なご感想をお聞かせください。

 上記とも関連しますが、ご講演では、企業のプロジェクトにおいて大学の講義で扱う手法がどのように活用されているのかについて、具体的な解析事例を用いてご紹介いただきました。学生にとっては、大学で学んでいる内容が実際の現場でどのように生かされているのかを知る貴重な機会となり、講義へのモチベーション向上にもつながったものと感じております。
 今回は「データサイエンス実践概論」(15コマ)の一環として、多様な業種の方々にご講演いただくため、1コマを2企業の担当者にご担当いただきました。 株式会社アスマーク様には45分という限られた時間の中で、ポイントを押さえてご説明いただきましたことに深く感謝申し上げます。
 

Q4. (調査会社への期待について)今後の研究や教育現場において、当社のような調査会社がどのように貢献できるとお考えでしょうか。

 本データサイエンス学部では、あらゆる分野で活躍できるデータサイエンティストの育成を方針として掲げています。その中でも、学生の志望職種としてはマーケティングを挙げる学生が多いように感じます。そのため、貴社のような調査会社から、ゲストスピーカーとしてマーケティング分野での具体的な取り組みをご講演いただくことは、学生がマーケティング分野におけるデータサイエンスの必要性を理解する貴重な機会になると考えます。
 
 
 
栗原先生、ご協力いただきありがとうございます。
 

【関連リンク】京都女子大学 データサイエンス学部 Webサイト掲載記事


https://www.kyoto-wu.ac.jp/gakubu/faculty/datascience/data/news/n0oio700000064bw.html

 

執筆者
アスマーク編集局
株式会社アスマーク マーケティングコミュニケーションG
アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

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