2019.12.04
排他とは
排他とは・・・ MA(複数)回答の選択肢で「あてはまるものはない」など、他の選択肢と重複することがあり得ない選択肢のことです。 ……
公開日:2020.06.23
参加者から課題解決に役立つ言葉を引き出す
「深堀し、解釈し、潜在的意識やニーズを抽出」できるフォーカスグループは、参加者から課題解決に役立つ言葉を引き出すことができる手法です。
フォーカスグループは、定性調査の代表的な調査アプローチの一つです。
Group interview、group discussion、focus groupとアメリカとイギリスで呼び方が異なりますが、日本ではグループインタビュー、フォーカスグループ(インタビュー)が使われることが一般的です。
事前にリクルートした1グループ6名程度の参加者が、決まった日時にインタビュー専用ルームに集合して、モデレーター(司会者)がインタビューを進行します。
インタビューでは、モデレーターが参加者に質問します。それをきっかけとして、参加者同士で話し合ったり、意見交換をしたりします。
インタビュー中、コンセプト案、パッケージ案、試作品といった刺激物を示してその反応を確認するケースが多くあります。
また、自由発話での意見や意識の確認に加え、発話の情報量の増加や潜在ワードの抽出を促したりするためにKJ法、イメージマッピング法、ブランドマッピング法等で、参加者同士が議論しながら進めるワークを取り入れるケースが多くなっています。
定性調査全般にあてはまることですが、「深堀し、解釈し、潜在的意識やニーズを抽出」できるアプローチになるので、いかに参加者から課題解決に役立つ言葉を引き出すかが非常に重要となります。
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定性調査で課題解決に向けた定性情報を入手する際、フォーカスグループにするかデプスインタビューにするか迷う場合があります。
その判断をする際に、一番考えたいのは、インタビューで「グループダイナミックス」効果を獲得すべきテーマか否かです。
クループダイナミックスとは、日本マーケティング・リサーチ協会発行のマーケティング・リサーチ用語辞典によれば「集団での活動にプラスに作用すれば個人面接からは得られない豊富なアイディアや意見を引き出すことができること」とあります。
定性調査を企画する際、当該テーマに、「グループダイナミックスが必要か否か」を最初に判断することで定性調査の手法を選択ミスするリスクを減らすことができます。
消費者起点でのマーケティング施策立案の志向が強く、更にグループダイナミックスによって獲得した情報を施策に取り入れたいというニーズが高い場合、特に商品開発(4P開発含む)プロセスや、顧客戦略立案プロセスで、フォーカスグループによる定性情報の収集が適していると言えます。
※個人の購買・利用ヒストリーやカスタマージャーニー、ペルソナといったテーマの情報を得る手法としてはデプスインタビューが適しています。
フォーカスグループを実施する際に、品質面で特に重要度の高いポイントが2つあります。
-対象者の質
-モデレーターの力
インタビューは参加者する人の思考と言葉で成立していること、限られたサンプル数で実施することから、どのような人がインタビューに参加するのかは極めて重要です。
近年、オンラインの調査モニターからリクルートすることが主流となっています。そのモニターが事前に回答するリクルート用のスクリーニングアンケートの結果で、デモグラフィック属性、行動や意識を確認することができます。
フォーカスグループは、集合でコミュニケーションするため、個々人のコミュニケーション力はインタビューの成功可否に大きな影響を与えます。
しかしながら、アンケートの回答結果だけでは候補者のコミュニケーション力を知ることができません。従って、スクリーナーアンケートから候補者選定をした後に実施する架電プロセス(条件確認、参加確認)が重要になります。架電時に、オペレーターとの会話状況だけでなく、オペレーターは候補者にどのような印象を受けるのか、集合の中でコミュニケーションできそうか、自分の意見を伝えたりできる候補者なのか等、を確認することができます。
5-6名の参加者が一堂に集まって率直な意見を出してもらう場ですので、架電時の情報を選考に活用することは非常に有益なプロセスであると言えます。
また、スクリーニングアンケートで、より質の高い対象者をリクルートする工夫としては、積極的な発話や意見が期待できるかどうか確認する自由回答を設けて、回答内容を選考の参考にすることも、その候補者の思考や発想力を確認する場合に有用となります。
インタビューにいかに相応しい参加者がリクルートできて当日全員集合しても(遅刻もなく)、モデレーターに、インタビューのテーマ、フロー、参加者の属性に応じたコミュニケーションスキル、クライアントの意図を理解する力などが不足する場合は、インタビュー自体が失敗に終わる可能性があります。
従って、実施決定前に、経歴書でキャリア、経験領域、得意分野、年間実績といった基本情報の確認は必須と言えます。できれば事前に面談して、経歴、マーケティング知見だけでなく、人柄、雰囲気、話しやすさといったインタビューにもつながるポイントを見ておくこともインタビューの成功に向けては大切です。
その他、参考にグループ構成を考える時に注意したいポイントを挙げます。
✔最低2グループは実施
⇒あくまでも少数の意見なので1グループ6名のみだと偏った意見の可能性があるため
✔性別で分ける
⇒性差がある商品・サービスが一般的なため。性差が強くなければ混成でも可能。
ただし、女性が会話をリードすることが多い。
✔ライフステージが同じ人でグループを作る
⇒例えば未婚女性と子育てママでは共感ワードがずれるので、グループダイナミックスが難しい
⇒同様に、個人年収、社会階級(日本の場合は職階など)についても注意したい
✔年齢はできるだけ同世代にする
⇒年齢差が広すぎるとグループ内で親和性が生まれず、モデレーターと1対1のインタビューに
なるケースが多い
✔ブランド購入経験有無や利用有無などGAPが大きい人を一緒にしない
⇒インタビューを傍観する時間が長い参加者が発生するので、グループインタビューの特性を
出しきれない
1950年代に日本にマーケティング・リサーチ専門会社が設立されて以来、グループインタビューは一貫して直接消費者のリアルな感情を知る調査アプローチとして成立してきました。
2010年代からビデオストリーミング配信技術がマーケティング・リサーチに導入され、海外でインタビューをインタビュー会場外(例:日本の会場⇒海外オフィスへ配信)から視聴するサービスが開始され、現在では一般的になっています。
オンラインインタビューでは、調査会場に対象者が来場するケース、自宅などからインタビューに参加するケースがありますが、後者のケースはリクルート難度が高い対象者が居住地を制限されずインタビューに参加できる、運営者側もインタビュー場所、視聴場所が制約されないなど、対象者のリクルート上、運営上のメリットが大きいアプローチです。しかしながら、フォーカスグループについては6名同時のインタビューをオンライン上でコントロールするのは現状では容易ではなく、4名できれば3名のミニグルインが推奨されています。なお、オンラインインタビューは画面制約上、デプスインタビューが最も運用しやすく、実績が一番多くなっています。
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グループインタビュー(FGI)
グループインタビュー(FGI)とは、調査対象者を6人程度集め、モデレーターと呼ばれる司会者が調査テーマについて質問を行い、自由に発言をしてもらうことでさまざまな意見・情報を収集する調査手法です。消費者と直接対面することが最大の特徴で、消費者の生の声を収集することができます。また、グループ形式であるため、その相互作用で意見が活発になりやすく、多くの意見を収集しやすいというメリットもあります。
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