
2025.06.26
コンセプトテストとは?6つの重要指標や定量・定性調査の活用方法も解説
新商品やサービス開発において、成功の鍵を握るのは、顧客に響くコンセプトを明確にすることです。 コンセプトとは、「誰に」「何を」「どのようにして」提供するのかを……
公開日:2025.05.28
「うちはMAやCRMで顧客データを管理しているから、マーケティングは十分回っている」
そんな風に思っていませんか?
ですが実際には、「データを持っている」ことと「データを活用できている」ことには大きな違いがあります。
とくに近年注目されているのが、顧客データとオープンデータ(公開データ)を掛け合わせることで、予測の精度や意思決定の質を大きく高めるアプローチです。
本コラムでは、マーケティングDXにおいて重要性が増す「データ統合」の可能性と、現場での具体的な活用事例を通じて、より実践的で再現性のある活用方法をお伝えします。
企業が保有している顧客データは、たしかに貴重です。年齢や性別、過去の購入履歴、Webサイトの閲覧行動など、顧客の動きを可視化することで、パーソナライズされたアプローチが可能になります。
しかしその一方で、こうしたデータには限界もあります。
たとえば、購買データだけでは「なぜ買ったのか」「なぜ買わなかったのか」は見えてきません。Webログでページ閲覧が多かった商品も、必ずしも購入に至ったとは限らず、「関心はあったが高すぎた」「他社と比較して検討中だった」などの背景を読み取るのは難しいのが現実です。
また、社会全体の構造変化や市場の動きは、個別企業のデータだけでは把握できません。世帯構成の変化、年収層の動き、地域の消費傾向、業界全体の需要変化などは、政府統計や産業レポートなどの公開データを活用しなければ見えてこない要素です。
つまり、自社データが点だとすれば、公開データは地図です。地図を持たずに点だけを見て戦略を立てることは、非常にリスキーです。逆に、点と地図の両方を持つことで、はじめて「今どこにいて、どこに向かうべきか」が判断できるようになるのです。
もちろん、公開データだけでも不十分です。誰でも使えるオープンデータだけでは、競合と差がつきません。だからこそ、自社ならではの顧客データと組み合わせることで、唯一無二のインサイトを得ることができるのです。
冷凍食品メーカーが新商品を発売した際、都市部では売れ行きが好調なのに対し、地方では売上が伸び悩むというケースがあります。
こうしたとき、自社の購買データだけでは「なぜ売れないのか」という理由を捉えるのは難しいものです。
しかし、国勢調査や家計調査といった公開統計データを活用すれば、地域ごとの世帯構成や消費傾向が明らかになり、生活スタイルの違いを読み解く手がかりになります。
たとえば、共働き世帯や単身世帯が多い都市部では、調理の手間が少ない商品が支持されやすい傾向があります。
一方で高齢者世帯が多い地方では、手作り感や素材の良さを重視するニーズが強いかもしれません。
このような違いを踏まえてエリアごとのプロモーション戦略を見直すことで、より地域に適した商品提案が可能となり、販売効率の最適化につながります。
金融機関においても、公開データと自社データの統合は大きな効果を発揮します。
たとえば、地方銀行が住宅ローン審査を行う際、年収や勤務年数、ローン履歴などの個人情報に加え、地域別の失業率や景気動向指数、地価の推移といったマクロデータを掛け合わせて評価を行うことで、より現実的かつ精度の高い判断が可能になります。
同じような年収や職業であっても、人口が増加している地域と減少傾向にある地域では、将来的な返済リスクに違いが生じる可能性があります。
また、雇用の選択肢が豊富な都市圏に住む顧客と、雇用の流動性が低い地方圏の顧客とでは、経済変動時の影響度にも差が出てくるでしょう。
このような地域背景を与信判断に取り入れることで、従来の個人スコアリングでは見落とされがちなリスクを事前に把握し、地域特性に即した柔軟な与信戦略を立てることが可能になります。
ここまでの事例でも見てきたように、自社が保有する顧客データと、外部の公開データを組み合わせることで、これまで見えなかった視点や気づきが得られます。
以下では、特にビジネスインパクトの大きい5つの価値を具体的に紹介します。
・意思決定の正確性向上
顧客属性だけで判断すると、表面的な傾向しかつかめません。
購買データに加えて地域の所得分布や競合状況などの外部情報を加えることで、売れている背景や選ばれる理由が明確になります。
これにより、仮説に確かな根拠を持たせたうえで判断ができるようになります。
・仮説検証スピードの向上
異常値や売上の変動が起きた際にも、公開データを活用すれば要因のあたりをすばやくつけることが可能になります。
現場のヒアリングや分析に時間をかけず、すぐに改善の打ち手を検討できる体制を整えることができます。
・ターゲティングの精緻化
性別・年代といった基本属性だけでは捉えきれない、生活スタイルや価値観まで含めた“顧客像”の把握が可能になります。
たとえば同じ40代男性でも、居住地域や職業によって重視する価値は異なります。
公開データと照合することで、こうした違いを浮き彫りにし、より的確なセグメント設計が実現します。
・部門間連携の強化
マーケティング、営業、経営企画など、各部門がバラバラにデータを見ていた状態から、共通の見取り図を持てるようになります。
たとえば営業部が感じていた違和感や仮説に、マーケティング側がデータの裏付けを加えることで、より実行性の高い戦略を素早く共有・実行できる体制に進化します。
・PDCAの質的向上
施策の効果を定量的に評価できるだけでなく、「なぜ成功したのか」「なぜ伸びなかったのか」を可視化できます。
外部環境や背景要因も含めて分析することで、施策の成果を再現可能な知見として蓄積し、次の一手に活かすことができます。
ここまでご紹介したように、顧客データと公開データの統合は、企業のマーケティング力や事業の意思決定精度を一段階引き上げる可能性を秘めています。
ただし、こうした統合を実現するには、単なるツールの導入やデータの保管ではなく、「どのデータを、どのように扱い、どの意思決定に活かすのか」という一貫した設計思想と実行力が欠かせません。
そうした課題に応えるのが、アスマークの「データクリアパス」です。
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社内に点在している顧客データ(購買履歴、行動ログ、アンケート結果など)を整理・精査し、適切な切り口で統合することで、マーケティングや営業、商品企画などあらゆる部門で“使えるデータ”へと進化させます。
また、必要に応じてアンケート調査やインタビュー調査の実施にも対応。見えている数字の裏側にある定性的なインサイトを引き出す設計力と実行力も兼ね備えています。
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