2024.07.16
シンガポールで意外な日本製品がヒット!? ~ジョブ理論で見えてくる消費者の行動心理~
東南アジアの中心都市として発展を続けるシンガポール。多民族国家であるシンガポールは、文化的な多様性だけでなく、経済的な豊かさも実現しており、一人当たりのGDPは……
公開日:2024.10.07
マーケティング活動を行う上で、以下のような課題に直面することはありませんか?
従来のアンケート調査などの定量的なデータだけでは、課題解決の糸口を見つけることは容易ではありません。なぜなら、そこには表面的ではない、消費者の深層心理や行動の裏側に隠されたインサイトが重要となるからです。このような課題解決に有効な手段として注目されているのが「定性調査」です。定性調査とは、少数の対象者から、インタビューやグループディスカッションなどを通じて、行動や意識、感情などを深く掘り下げていく調査手法です。
※消費者インサイト:「消費者の行動や思考の背後にある、消費者も自覚できていない動機や欲求」のこと
本記事では、定性調査の基本的な考え方から手法、調査設計のポイントまでを紹介します。
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企業にとって、消費者のニーズを的確に捉え、魅力的な商品やサービスを提供することは必須です。しかし、アンケート調査などの定量的なデータだけでは、消費者の行動や意識の背景にある「なぜ?」を理解することは難しいと言えます。
そこで重要となるのが、消費者の本音に迫る「定性調査」です。定性調査は、少数の対象者と深く向き合い、行動や意識、感情などを言葉で引き出すことで、定量調査では見えてこないインサイトを発掘することができます。
例えば、新商品開発の場面を考えてみましょう。定量調査で「この商品が欲しい」と回答した人が60%いたとしても、本当にその商品が市場で受け入れられるかは分かりません。「欲しい」と答えた理由や、商品に対する具体的なイメージ、購買意欲の強さなどは、定性調査によって初めて明らかになるのです。
定性調査は、市場調査、商品開発、顧客満足度向上など、マーケティング活動のあらゆる場面で活用されています。特に、以下のケースに有効な手法と言えるでしょう。
定性調査を成功させるためには、定量調査との違いを正しく理解しておくことが重要です。
項目 | 定量調査 | 定性調査 |
---|---|---|
調査目的 | 仮説の検証 | 仮説の発見・創出※仮説の検証の場合もある |
対象領域 | 態度や行動が中心 <顕在化しているもの> |
態度、行動に加え、心理や意識を探る <潜在的なものを含む> |
回答方法 | 調査票に記載している選択肢から選ぶ ※一部、自由回答もある |
モデレーターの質問などに対して口頭で答える |
分析方法 | クロス集計・統計解析 | 発言や反応、文脈を解釈※発言のみだけではなく、その際の表情・しぐさなどからも情報を得る |
報告書の表現 | 数値と図表 | 文章・構造図・表・図・写真など多岐にわたる |
定量調査が「仮説の検証」を目的とするのに対し、定性調査は「仮説の発見・創出」を目的としています。定性調査では、対象者の発言内容はもちろんのこと、言葉遣いや表情、態度など、言葉以外の情報も重要な手がかりとなります。熟練したモデレーターは、これらの情報を総合的に解釈することで、言葉の裏に隠された「本音」や「インサイト」を見抜くことができるのです。
定性調査を発注されるときにマーケティングプロセスのどのタイミングなのかを、お考えいただくことが重要です。そのタイミングは下記4つがあります。
そして、もう一つ重要なのが仮説です。仮説を立てた上で、この調査は何のためにリサーチをして、何を知りたいのかといった部分を明らかにしていくことが必要になります。
定性調査には、様々な手法があります。代表的な手法としては、以下のものが挙げられます。
調査手法 | 調査内容 | 主な調査目的・用途 |
---|---|---|
グループインタビュー(FGI) | 調査対象者を6人程度集め、モデレーターと呼ばれる司会者が調査テーマについて質問を行い、自由に発言をしてもらうことでさまざまな意見・情報を収集する調査手法です。 | 消費者の深層心理や行動の背景を理解すること、アイデア発掘、探索調査など |
デプスインタビュー(IDI) | 対象者とインタビュアーによる1対1の面談式で実施する調査方法です。 | 商品やサービス等の選択・購買理由などをより深く掘り下げて探ること |
オンラインインタビュー | インターネットを介してオンラインで行うインタビューです。従来の対面で行われていたインタビュー調査やエスノグラフィ調査などをオンライン上で実施することで、地方在住の方など出現率の低い調査対象者に実施することが可能です。また、会場費や交通費などの必要経費を削減することが出来るのでコスト面での負担も大いに軽減できます。 | 消費者の深層心理や行動の背景を理解すること、商品やサービス等の選択・購買理由などをより深く掘り下げて探ること |
エスノグラフィ調査 | 対象者の自宅・職場等を直接訪問して、生活者の行動を「見る」「観察する」調査です。 | 生活者の無意識行動の背景にあるインサイトの抽出や、生活行動における「なぜ」を探ること |
主な調査目的・用途、予算、期間などを考慮して決定するのがおすすめです。
今回は、マーケティングにおける定性調査の役割や重要性、基本的な考え方、手法などについて解説しました。定性調査は、消費者の本音やインサイトを捉え、マーケティング活動を成功に導くための強力な調査手法です。
本記事で紹介した内容を踏まえ、ぜひ定性調査をマーケティング活動に役立ててみてください。
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発言を深掘りすることで、言葉の真意を探り消費者のインサイトを知ることができる「定性調査」。今やオンラインインタビューの活用も可能となり、定量調査に比べ、より自由度が高く気軽に実施できる調査という印象もあります。一方で「質重視」となる定性調査。より高い分析力・洞察力を持って調査を設計し、質の良い対象者へ適切な調査手法を選択し臨む必要があります。今回は、定性調査の本質理解に役立つ、無料基礎講座を実施いたします。
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調査設計・聞き方の失敗例から学ぶ「インタビュー調査のコツ」
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