公開日:2020.05.14

5Gの普及で、今後の市場調査の在り方はどのように変わる?

  • リサーチャーコラム

2020年3月25日、ついに日本でも5G(第5世代移動通信システム)が、各キャリアから本格的なサービスが開始されました。
日本における5Gの展開は、2019年にサービスを開始しているアメリカ、イギリス、中国、韓国等の国と比べ、約1年遅れのスタートとなります。

本来であれば、2020年の東京オリンピックは、日本が世界に対し5Gを駆使したIOT技術をお披露目する格好の場となるだけでなく、オリンピックの盛り上がりとともに国内での注目も高まるはずでしたが、残念ながら、前日の3月24日に世界的な新型コロナウイルスの流行によるオリンピックの延期が決まり、やや静かな滑り出しとなってしまいました。

今はまだ、5G対応機器を持っている人は多くはなく、この後の普及には時間がかかることは予想されますが、1年後には5Gが、より身近になっていることは確実でしょう。
5Gの普及によって、市場調査の在り方はどのように変わるのでしょうか。
 

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5Gの大きな特徴とされるのは、「超高速化」「超多数同時接続」「超低遅延」の3点です。
「超高速化」では、従来の4Gでは扱うことができなかった4Kや8Kのような高精細映像の送受信が可能となります。
また、「超多数同時接続」が可能になることにより、更なるIOTの普及とそれに伴う様々なサービスが生まれ、より仕事や生活が便利になるとされています。
さらに、「超低遅延」により、データ送受信のタイムラグがなくなるため、自動運転精度の向上や、遠隔で手術や治療を行う等、更なる医療技術の発展も予測されています。
5Gは、従来の社会インフラを大きく変える可能性を持つ、通信システムになるといえるでしょう。
 
5Gの特徴

例えば、現状のグループインタビュー(FGI)調査、会場調査(CLT)では、対象者が会場に集まることが必要であり、参加者は一都三県居住者など、エリアが限定されがちでしたが、5Gでは、対象者は会場に赴くことなく調査が行えるため、対象者は、日本中、あるいは世界中から参加することが可能となります。同様に、FGIのモデレーター(司会者)や閲覧者も自分のオフィスなどから参加できるため、遠方地域での調査が、より容易で安価に行うことが出来ます。

同様のことは現在でも可能ですが、5Gの普及により、遅延がなく高画質な画像のやり取りが可能になるため、発言のタイムラグがほぼなくなり、言葉だけでなく細かい表情の変化まで、リアルタイムで追うことが可能となります。

また、広告や製品パッケージなどの提示物を見せた際の反応など、より高画質な動画で鮮明に追うことも可能となるため、これまでのFGIにプラスして表情解析を行う等、手軽に行えることとなるでしょう。
これまで、どちらかというとアナログな印象だった定性調査ですが、定性調査+最新技術でより、正確で客観性の高いデータの収集が可能となります。

同様に、エスノグラフィーや行動観察調査、HUT調査なども、対象者とカメラをつなげた状態で、リアルな生活行動をモニタリングしたり、製品の使用状況を確認したりすることが出来るようになるでしょう。

5Gの普及により、対象者のリアルな生活に沿ったインサイトの発見が、より簡単になるだけでなく、
客観性の高いデータが得られるようになることが想定されます。
 

例えば、従来の広告効果測定調査は、アンケート形式で、広告掲示期間中に接触したかどうか、接触した広告がモノやサービスの購買喚起につながったかなど、対象者の記憶を遡って聴取する形でしたが、覚え違い等の誤認が含まれる可能性がある、時間が経てば経つほど記憶が曖昧になり正しいデータかどうか分かりにくい、といった課題がありました。
これらの課題も、5Gの「超多数同時接続」により、アンケートを実施することなく、現場での分析も可能となることでしょう。

例えば、インターネット接続されたカメラ等で広告を視認した人の数や、性年代を割り出し、視認した際の表情や動作をデータ化。さらに、消費者が実際の商品まで行きつくかどうか、店内に設置されたカメラ等から、回遊状況のパターンを把握したり、実際に商品を買ったかどうか、行動を追うことも可能となります。

さらにPOSデータ等と連携し、広告視認~購買状況、さらにその後の行動まで、多角的にデータを取得、分析することが容易となるでしょう。

また、これまでは映像データやPOSデータ等、大容量データの読込みや分析に、それなりの時間がかかっていましたが、5Gによりその時間も短縮され、例えば、広告掲出初日の初動データを、その日のうちに見える化し、課題を見つけ対策を練る等、その後の素早いアクションに繋げることができます。

これらは従来の調査がどのように変わっていくかのほんの一例にすぎません。
さらに、5Gの普及に伴い、ここ数年のうちに新しい技術を駆使した調査手法が多く生まれるはずです。
私たちも、市場調査会社として、変化する消費者の社会生活に合わせ、柔軟に変化していくことが求められています。
 

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執筆者
アスマーク編集局
株式会社アスマーク 営業部 マーケティングコミュニケーションG
アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

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