公開日:2020.03.06

自由連想法

  • 定性調査

自由連想法とは、意識した状態で発する言葉ではなく、無意識下で何気なく心に浮かんだ感情や事柄を言葉に発するよう促す技法のことです。精神分析学の第一人者であるフロイトによって広められ、心理的な要因を追求することを目的に、現在も多く用いられています。マーケティングリサーチにおいても、消費者インサイトの発掘を目的に広く使われています。

 
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「インタビューのモデレート技法として」「患者への精神治療として」「コミュニケーションのひとつとして」など、使用する場面は多岐に渡ります。共通して、質問者が回答者に対し、ある「刺激語」を与え、回答者はその与えられた刺激語をもとに、心に浮かぶままの自由な「連想語」を応える形式となります。

  • ――青色といえば。
  • ――海といえば。
    くらげ
  • ――くらげといえば。
    刺す
  • ――刺すといえば。
    注射
  • ――注射といえば。
    病院
  • ――病院といえば。
    待ち時間が長い

このように、回答者は病院に対して、「待ち時間が長い」というイメージを持っており、そのイメージが形成されたエピソードを持っていることがわかります。このイメージが形成されたエピソードをマーケティング領域では消費者インサイトのひとつとし、精神領域では精神疾患のきっかけを探る判断材料とします。

近年、インターネットの発達により多岐にわたるメディアから情報を得ることができました。同様に、消費者のライフスタイルも大きく変遷し、昔のようなマス・マーケティングが通用しづらくなり、消費者一人ひとりにスポットを当てたN1マーケティングの必要性が急激に高まっています。
N1マーケティングとは、特定の消費者について、生活態度や習慣、興味関心、思考、購買行動から購買に関する認知や心理を理解する考え方のことです。自由連想法により、消費者にとって自分ではまったく意識できない心の領域を垣間見ることができるため、カスタマージャーニーを作り上げるヒントを得ることができます。
前述のように、マーケティグリサーチでは、インタビュー調査において、モデレーター(ファシリテーター)が対象者に対するモデレート技法として用いられることが多いですが、webアンケートでも応用されることがあります。例えば、「“〇〇(ブランド名など)”と聞いて思い浮かぶことをお知らせください。」のような自由記述式回答を求めるようなアンケート設問の場合、“〇〇(ブランド名など)”という刺激語に対し、連想語を答える形式なので、まさに自由連想法だといえるでしょう。
インタビュー調査では一人~数人に対して行なうことが一般的なので、量的なデータを得ることは難しいですが、webアンケートであれば即座に量的な回答を得られるため、回答データの連想語に対しテキストマイニングなどの分析をかけることで、量的に消費者インサイトを把握することもできます。

 
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執筆者
アスマーク編集局
株式会社アスマーク 営業部 マーケティングコミュニケーションG
アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

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