公開日:2025.01.29

再検査法(再テスト法)とは?

  • マーケティングリサーチ用語解説集

再検査法(再テスト法)は、同じ対象に対して一定の期間をおいて同じ調査や評価を再度実施し、その結果が一貫しているかを確認する方法です。これは、調査結果の信頼性を評価するために用いられ、心理テストや学力試験などで、この方法が活用されます。
 
具体的には、次のような手順で行われます。

  1. 調査を実施し、データを記録
  2. 一定の間隔(数日~数週間)を空ける
  3. 再度同じ調査を実施し、結果を比較

 
このとき、高い相関が示せれば、調査結果の信頼性があると判断できます。
 
このように、再検査法は、時間をおいても調査結果が安定しているかを確認することで、信頼性を評価するための有効な手法となります。
 

 
 

再検査法(再テスト法)のメリットとデメリット

再検査法(再テスト法)には、調査結果の信頼性を評価できるという大きなメリットがある一方で、デメリットも存在します。
 

メリット
  • 調査の安定性を確認できる:同じ調査を異なるタイミングで行い、結果の一貫性を確かめることで、信頼性を評価できる。
  • シンプルな手法で実施可能:特別な機材や複雑な手順を必要とせず、同じ対象に同じ調査を繰り返すだけで分析できる。

 

デメリット
  • 時間とコストがかかる:同じ対象に対して再度調査を行う必要があり、準備やデータ収集に手間がかかる。
  • 学習や記憶の影響を受けるリスクがある:特に知識やスキルを測るテストでは、被験者が前回の内容を覚えてしまい、結果に偏りが生じることがある。

 
 
このように、再検査法は信頼性を評価するために有効な手法ですが、実施の際には時間やコスト、被験者の状態変化といった点に注意する必要があります。適切な期間を設定し、影響を最小限に抑えることが重要です。
 

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信頼性を高める方法:適切なサンプルサイズで調査

再検査法は、信頼性を評価できる方法ですが、調査設計の段階で信頼性を高められる方法があります。それが「適切なサンプルサイズ」です。
 
まず、「サンプルサイズ」とは、調査や研究において、母集団(調査対象全体)から抽出する標本の大きさ、つまり実際に調査を行う対象の数のことです。例えば、全国の高校生の意識調査を行う場合、母集団は全国の高校生全体となります。しかし、実際に全ての高校生を対象として調査することは、現実的ではありません。そこで、このような場合は、一部の高校生を選び出して調査します。この選ばれた高校生たちが標本であり、その人数がサンプルサイズです。
 
適切なサンプルサイズの設定は、調査結果の信頼性に大きく影響する要素です。サンプルサイズが小さすぎると、調査結果が偏り、母集団全体の傾向を正確に反映できない可能性があります。逆に、サンプルサイズが大きすぎると、調査に時間やコストがかかりすぎるため、効率が悪くなります。そのため、サンプルサイズは、調査の目的や予算、許容できる誤差などを考慮して決定することが大切です。多くの場合は、統計学的な計算を用いて、必要なサンプルサイズを計算します。
 

 
 

まとめ

ここまで、再検査法(再テスト法)について紹介してきました。
 
再検査法(再テスト法)は、時間が経過しても調査結果が一貫しているかを確認し、信頼性を評価できる手法です。心理テストや学力試験などで活用され、シンプルな手順で確認できる点が強みとなります。一方で、時間やコストがかかること、被験者の状態変化の影響を受ける可能性があることがデメリットです。これらを最小限に抑えるには、再調査の間隔を適切に設定することが重要です。
 
また、調査の信頼性を高めるには「適切なサンプルサイズ」の設定も欠かせません。標本数が少なすぎれば偏りが生じ、大きすぎれば非効率になるため、目的に応じた設計が求められます。
 
再検査法は、信頼性を評価するための手段であり、適切な設計と運用があってこそ、その効果を最大限に発揮するため、この記事の内容を活かして、適切な調査を行いましょう。
 
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執筆者
アスマーク編集局
株式会社アスマーク 営業部 マーケティングコミュニケーションG
アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

 
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