2023.03.09
顧客満足度調査(オフィス機器のメンテナンス事業者向け)のテンプレートと解説
オフィス機器には、パソコン、コピー機、複合機、ビジネスフォン、ファクシミリ、レジスターなど、多岐にわたる種類があります。顧客満足度調査(以下CS調査)はそれらの……
公開日:2024.04.22
近年、市場調査において、消費者の深層心理を理解するために定性調査の重要性が高まっています。中でも、グループインタビューは、消費者の本音を引き出し、多様な意見や深い洞察を引き出すための手法として注目されています。
しかし、グループインタビューから有益な調査結果を得るには、グループインタビューの特性や重要なポイントを理解して、事前準備や調査実施、分析作業を行うことが大切です。そこで、この記事では、グループインタビューを成功させるためのコツについて解説します。
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グループインタビューとは、モデレーターと呼ばれる司会者が進行役を務め、参加者同士が活発な議論を交わす座談会形式の調査手法です。一般的に、4~8名程度のグループで構成され、1~2時間程度の時間を設けて行われます。
グループインタビューでは、複数の参加者が一つのテーマや質問について議論を行い、それぞれの見解や意見を交換します。また、参加者同士のコミュニケーションや相互作用によって、新たな発見やアイデアが生まれる場合もあります。
グループインタビューの目的は、消費者の価値観やニーズ、ウォンツなど、数値化しづらい内面情報を取得することです。また、参加者同士の意見交換によって、一人では気づけなかったニーズやアイデアなどを引き出せます。
※「ニーズ」は目的、「ウォンツ」は手段です。例えば、「水が飲みたい」と思ったとします。その時の「ニーズ=目的」は、「のどの渇きを潤すこと」であり、ウォンツは「水を飲むこと」です。
人間が行う意思決定の9割以上は、本人が自覚できない「潜在意識」によって行われると考えられています。そのため、消費者は商品やサービスに「好き」「嫌い」「満足」「不満」などの感情を抱いていても、それがどのような理由や考え方から生じているのか理解できていない場合が少なくありません。
グループインタビューでは、モデレーターが参加者らの考えを客観的に整理したり、深堀したり、参加者同士が意見交換することで、参加者の持つ潜在的な意見やニーズを引き出して、深い洞察へとつなげます。
グループインタビューには、以下のようなメリットがあります。
①内面情報の把握
モデレーターのアシストによって、参加者が自覚できていない内面情報を引き出せる。
②多角的な意見の創出
参加者同士の意見交換を通じて、多角的な意見やアイデアが生まれる。
③非言語情報の察知
参加者の表情や声のトーンなどから言語化されていない情報を察知して、参加者の考え方を深掘りできる。
④コストの効率化
複数の参加者へ同時にインタビューすることで、個別インタビューよりも時間とコストを節約できる。
その一方で、グループインタビューには以下のデメリットがあります。
①集団意見の形成
積極的な発言者の影響によって、他の参加者の意見が傾いたり、埋もれたりする場合がある。
②モデレータースキルの影響
グループインタビューの成否が、モデレーターのスキルによって大きく左右されてしまう。
③データ分析の難しさ
複数の参加者から意見が出ることで、複雑さが増して分析が難しくなる。
④日程調整の難しさ
条件に合致した参加者を複数人集める必要があるため、日程調整が難しい場合がある。
これらのメリットとデメリットを理解して、グループインタビューが適切な調査手法かどうかを、慎重に判断することが大切です。
マーケティング調査において、事前準備は成功の鍵を握る重要な要素です。これは、グループインタビューにおいても変わりません。適切なグループインタビューの準備ができなければ、調査結果のクオリティが低下し、本来、得られるはずだった有益な情報を見逃してしまう可能性があります。
そこで、ここではグループインタビューを成功させるための事前準備に焦点を当て、計画立案から参加者選定までのプロセスについて解説します 。
グループインタビューの事前準備で最も重要なのは、明確な目的設定です。なぜ調査を行うのか、調査結果を得ることで解決したい課題は何かをはっきりさせましょう。
目的が明確になったら、次はインタビューフローと呼ばれる質問設計を行います。目的に即した調査結果を得るには、どのような質問を、どのような流れですれば良いのかを考えていきます。その際、調査内容に対する仮説があると、どのような質問をすべきかを想定しやすくなり、質問全体の流れをスムーズに設計することが可能です。
ただし、仮説はあくまで一つの視点であり、絶対的な答えではありません。仮説に固執するのではなく、それを切り口として、参加者間の議論を促すことが大切です。そうすることで、参加者から様々な意見を引き出し、新たなヒントやアイデアにつながります。
調査の概要が決まったら、それに基づいて参加者の選定を行います。その際、ターゲットと合致した参加者を選ぶことが、とても重要です。
定性調査で得られるのは、個人の価値観など、内面的な要因が色濃く反映された情報です。そのため、対象者がターゲットと異なってしまうと、そこから得られた情報の有用性は、大きく低下します。
調査目的や事前調査の結果などを踏まえ、ターゲットと合致する属性や価値観を持つ参加者を選定しましょう。
また、効率的にターゲットに合致する参加者を集めるには、効果的なリクルーティングを行う必要があります。主なリクルーティング方法は、自社で募集するか、調査会社に依頼するかの二つです。
ただし、自社で参加者を募集する方法は、特定の「ファン層」が集まりやすいという問題点があります。そのため、調査結果が自社に好意的な内容に偏りやすくなります。より客観的な意見を得たい場合には、調査会社にリクルーティングを委託する方法が適切です。
適切な準備が完了したら、いよいよグループインタビューの実施です。グループインタビューでは、当日の雰囲気や進行によって得られる情報が大きく異なります。有益な情報を引き出すためには、参加者の議論が盛り上がる流れをつくることが大切です。
ここでは、グループインタビューをスムーズに進行させる方法や技術について解説します。
グループインタビューの実施において重要なのは、参加者の本音を引き出すことです。そのためには、参加者をリラックスさせ、考え方を整理しやすい進行を心がける必要があります。
まずは、自己紹介や身近な話題を通して、参加者の緊張を和らげましょう。その際、緊張を緩和させる効果的な手法として、参加者同士の「共通点」を引き出すことが挙げられます。
人間は自分と共通点がある人を、無意識に仲間と認識する心理傾向があります。そのため、インタビューの初期段階で、会社や家庭での「あるある話」などを引き出せば、一気に緊張感が和らぎ、全体の進行を管理しやすくなります。
ただし、本来のテーマと異なる話題が盛り上がりすぎると、議論の内容が脱線してしまう可能性があります。そのような場合は、適切なタイミングで本来のテーマに引き戻しましょう。
また、参加者の集中力は、インタビューの時間が長くなると、どうしても低下してしまいます。全体の進行時間を考慮しながら、適切な進行になるようマネジメントしてください。
グループインタビューから新しいヒントやアイデアを引き出すのに重要なのが、参加者間のグループダイナミクスです。グループダイナミクスとは、集団における個人の相互作用や影響力関係のことを指します。これが生まれることで、参加者の活発な議論が生まれ、思わぬ意見や新しいアイデアをインタビューから得られるようになります。
インタビュー中のグループダイナミクスを高めるためには、各参加者が安心して意見を述べられる雰囲気づくりが大切です。モデレーターは、特定参加者の意見が他の意見を圧倒しないように注意し、全員が公平に発言できるように進行しましょう。
また、議論中の発言内容や表現方法によって、参加者が不快な思いをしない配慮が必要です。このような配慮を行うことで、参加者全員が積極的に発言しやすくなり、有益な情報や意見を引き出せるようになります。
インタビューによって得られるのは、主に数値化できない定性的な情報です。そのため、そこから課題解決のヒントを見出すには、情報を適切に分析し、その中から新たな気づきや洞察(インサイト)を見つけることが大切です。
ここでは、インタビューで得られた情報の効果的な分析手法と、インサイトを導きだすステップについて解説します。
質的データとは、数値化されない言語や観察に基づく情報です。つまり、個人の意見や感想など、主観的要素や感情、経験が含まれる情報が、その対象となります。
質的データの特徴は、データの持つ意味が言葉そのものだけでなく、文脈によって大きく変わることです。そのため、質的データを分析する際は、表面的な状況や内容を追うのではなく、内面にある動機や信念、価値観などに意識を向けることが大切です。
代表的な質的データの分析手法には、以下のようなものがあります。
コーディングは、データ内の言語や行動をカテゴリーに分け、テーマを識別する分析手法です。大量のテキストデータから、パターンや構造を見つけ出すのに適しています。
KJ法は、情報を視覚的に整理し、関連性を明確にするための手法です。 収集した情報やアイデアをカードにまとめ、同じカテゴリーにまとめることで、問題の構造や関係性を理解しやすくします。
上位下位関係分析法は、コーディング手法の一つであり、データを階層構造で分類して関係性を明確にする手法です。データを上位の大きなカテゴリーから下位の細かい要素まで詳細に整理し、データ間の階層的な関係を可視化することで、データの構造やパターンを把握しやすくなります。
インサイトとは、データ分析を通じて得られる深い理解や新たな発見のことです。インサイトはデータの分析結果から、消費者の行動や意思決定の背後にある動機や感情を明らかにして、導き出します。
質的データから得られるインサイトは、複雑で抽象的なことが多く、言葉だけではその構造や本質を理解できる人は限られてしまいます。そこで、インサイトをより多くの人に分かりやすく伝えるため、可視化することが重要です。インサイトが可視化されることによって、情報の背後にあるパターンや関係性が明確になり、関係者との共通理解を形成しやすくなります。
代表的なインサイトを可視化する方法は、以下の通りです。
データの主要なテーマやアイデアを中心に配置し、関連する要素を枝分かれさせて表現します。
統計やテキスト、画像を組み合わせて、情報を視覚的に魅力的に伝えます。
データから得られたストーリーをシーンごとに描き、流れを視覚化します。
これらの手法を用いることで、質的データを、直感的に理解しやすい形で表現できます。
ここまで、インタビュー調査のまとめ方について解説しました。
ここまで、グループインタビューを成功させるためのコツを解説しました。
グループインタビューは、アンケート調査では得られない消費者の本音を引き出し、潜在的なニーズやアイデアを発掘できる調査手法です。しかし、そこでは定性的なデータを扱うため、インタビューの内容や分析方法によって、得られる情報の質が大きく変わります。
特に、参加者から情報を引き出す方法や、分析結果からインサイトを導き出す考え方は、経験が大きく影響するため、未経験者だけで行うのは、非常に難易度が高いと言えます。もし、社内に経験者が不足している場合は、社外の専門家の協力を仰ぐことを検討しましょう。
グループインタビューは、適切な方法で実施すれば、ターゲットの深い理解を得られる効果的な手法です。グループインタビューの分析結果から有益なインサイトを見出し、組織の課題解決につなげていきましょう。
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アスマークのグループインタビュー
グループインタビュー(FGI)とは、調査対象者を6人程度集め、モデレーターと呼ばれる司会者が調査テーマについて質問を行い、自由に発言をしてもらうことでさまざまな意見・情報を収集する調査手法です。消費者と直接対面することが最大の特徴で、消費者の生の声を収集することができます。また、グループ形式であるため、その相互作用で意見が活発になりやすく、多くの意見を収集しやすいというメリットもあります。
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調査設計・聞き方の失敗例から学ぶ「インタビュー調査のコツ」
定性調査として実施されているインタビュー調査。生活者・消費者のインサイトから、何らかの意思決定やアクションへ繋げることを目的として行います。しかしながら、実際にインタビューを企画・実施・活用する場面では、様々な悩みを持つ企業が少なくありません。一度は「失敗」をしてしまった方も、いらっしゃるのではないでしょうか。そこで本資料では、調査目的に沿った有意義なインタビューを行い次のアクションに繋げるためのポイントを、様々な「失敗談」をベースに考察・提起しております。
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Q:グループインタビューの目的は何でしょうか?
A:グループインタビューの目的は、消費者の価値観やニーズ、ウォンツなど、数値化しづらい内面情報を取得することです。また、参加者同士の意見交換によって、一人では気づけなかったニーズやアイデアなどを引き出せます。
Q:グループインタビューのデメリットは何でしょうか?
A:グループインタビューのデメリットは、集団意見の形成、モデレータースキルの影響、データ分析の難しさ、日程調査の難しさがあります。一方で、メリットは、内面情報の把握、多角的な意見の創出、非言語情報の察知、コストの効率化があります。
Q:デプスインタビューとグループインタビューの違いは何でしょうか?
A:デプスインタビューとグループインタビューの大きな違いは、人数です。デプスインタビューは1対1で行いますが、グループインタビューは4人~8名程度で行います。また、デプスインタビューは、1対1で行うため、対象者にはグループインタビューより自由に話してもらうことができます。商品やサービス等の選択・購買理由など、深層心理や購買行動についてより深く掘り下げて探ることができます。そして、グループインタビューは、グループ・ダイナミックスによって個人面接からは得られない豊富なアイデアや意見を引き出すことができます。4~8名程度の参加者が相互に影響し合い、プラスに作用することで、相乗効果が得られます。
Q:グループインタビューは何人くらいで行いますか?
A:グループインタビューは、調査対象者を4人~8名程度で行います。調査対象者を集め、モデレーターと呼ばれる司会者が調査テーマについて質問を行い、自由に発言をしてもらうことで様々な意見や情報を収集する調査手法です。
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