
2025.01.15
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公開日:2025.04.17
共働き世帯が7割を超える現代。特にフルタイム勤務の母親たちは、限られた時間のなかで仕事・家事・育児を両立する日々を送っています。そんな忙しい日常の中で頼りになるのが、“時短アイテム”と呼ばれる家電や便利グッズの存在です。
今回は、鎌倉市にお住まいのフルタイム勤務の女性(高校生・大学生の2人の娘を持つ母親)にインタビューを実施。
フルタイムで働きながら家庭を支える母親に焦点を当て、日々の生活を少しでもラクにするために、どのような時短アイテムを活用しているのか、商品を選ぶ際に重視している視点は何か、そして家事分担の実態や今後求められる家電のニーズについて探りました。
本コラムでは、フルタイムワーママの暮らしを通じて見えてきた生活者のリアルな行動や価値観、製品選定の基準、さらにそこから読み取れる開発・販促への示唆について、詳しく解説していきます。
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商社で事務職として働くフルタイム勤務の女性は、平日を通して朝から夜まで慌ただしい日々を過ごされています。
朝は家族の食事やお弁当の準備、夕食の下ごしらえをこなしながら、自身の出勤準備も同時に進めています。通勤にはある程度時間がかかり、勤務後はすぐに夕食づくりへ。家事の合間に確保できる自由時間はわずかで、就寝時間も早めのため、時間を意識しながら日々の段取りをルーティン化しているとのことです。
そのため、毎日をなんとか回していく中で、効率を上げるための工夫は欠かせません。たとえば、食洗機を活用して食後の片付け時間を短縮したり、通勤時間を活かして自分の時間を確保するなど、小さな工夫を積み重ねて生活を成り立たせています。
週末は比較的ゆとりが生まれるものの、買い物や家族の予定などが入ると、あっという間に時間が埋まってしまうそうです。
育児の手が離れた今でも、家庭の中には日々こなすべきタスクが多く、限られた時間の中でいかに効率よく動けるかが、暮らしの大きなテーマとなっています。
暮らしの中で特に活躍しているのは、調理家電です。なかでも、日々の調理を効率化するために欠かせない存在となっている時短アイテムは以下のとおりです。
食洗機
手荒れ対策を目的に、子どもが小さい頃から導入。現在は2台目を使用。
鍋やボウルなどの大きな調理器具まで洗えるサイズ感を重視し、設置スペースとの兼ね合いから外付けタイプを選択。
2段オーブン付き電子レンジ
複数の料理を同時に調理でき、下ごしらえや温め直しにも活用。日常的に使う場面が多く、時短に大きく貢献している。
みじん切りカッター・シリコンスチーマー
ダイソーなどでも購入できる手ごろなアイテムを活用。
特に玉ねぎなどはまとめてみじん切りにし、冷蔵保存しておくことで平日の調理が格段に楽になっている。
このように、価格帯にとらわれず、「手軽さ」と「日常使いに適しているかどうか」を重視した家電選びが印象的です。
また、製品を選ぶ際の判断基準としては、次のようなポイントが挙げられていました。
・最新モデルかどうかにはこだわらない
・「価格と使いやすさのバランス」を最重視
・ブランドへの執着はなく、型落ちでも機能が十分であれば問題なし
必要な機能が備わっていれば、無理なく取り入れられる価格帯であることを優先して選ばれており、日々の実用性を第一に考えた姿勢がうかがえます。
家電や時短アイテムを購入する際には、事前に複数の情報源を使い分けながら、丁寧に情報収集を行っていることが分かりました。
特に参考にされている情報源と、その活用目的は以下のとおりです。
情報源 | 主な確認内容・目的 |
---|---|
メーカー公式サイト | 製品の基本スペック、機能、サイズ感の確認 |
実店舗(家電量販店) | 実物を見て質感やサイズを確認し、比較検討 |
口コミサイト・SNS | 使用感、壊れやすさ、満足度などリアルな声 |
こうした情報源を複合的に活用することで、「買ってから後悔しないかどうか」を重視した選定ができているようです。
特に以下の点が印象的でした。
・急な故障を除けば、ほとんどの製品で事前にリサーチを実施
・購入前に店舗で現物を確認するものの、最終的にネットで購入することも多い
・実際に使った人のレビューを重視し、「生活で役立つか」を見極めている
このように、スペック重視とリアルな使用感の両立を意識した情報収集スタイルは、今後の販促や製品ページ設計においても参考になりそうです。
平日の家事は、ほとんど一人で担っているそうで、ご主人の帰宅時間が遅いことから家事に参加されるのは主に朝の洗濯干しと週末の掃除程度に限られているそうです。とはいえ、家事に対する役割分担は自然に形成されており、夫婦それぞれの生活リズムや得意分野に応じて、無理のない形で分担が成り立っている様子が伺えます。
また、こうした分担は、家電などの購入時の決定権にも反映されているようです。調理家電や掃除機といった使用頻度の高い製品はご自身が主体的に購入を判断しており、洗濯機や車まわりの製品については機能面にこだわりがあったご主人にお任せされているとのことです。
このように、「誰が最も使うのか」によって自然に決定権が分かれている様子から、夫婦間でのバランスの取れた生活スタイルが見られました。
今後、より快適な暮らしのために検討されているのが掃除関連の家電です。
現在使用されているのはコード付きのスティック掃除機ですが、コードが床の物に引っかかる場面が多く、掃除中のストレスにつながっていると話していました。しかし以前にも、コードレスタイプを使用されていましたが、バッテリーの持ちに不満があり、現在の掃除機に買い替えたという経緯があるそうです。
とはいえ、日々掃除を欠かさない生活スタイルであるため、移動のしやすさや、家の中に物がある状況でも扱いやすい点を重視し、再びコードレスタイプへの切り替えを前向きに検討されているとのことした。
また、ロボット掃除機に対する関心もありつつ、「床に物が多い環境では使いづらいのでは」といった不安もあるそうです。実際に、収納や片付けに制約があるご家庭では、現行のロボット掃除機がスムーズに稼働しづらいという声も多く、より高精度な障害物対応や狭小空間での機動性に期待が寄せられている印象を受けました。
掃除のように、身体を動かさなければならない家事は、時短ニーズが高い領域のひとつといえそうです。
今回のインタビューからは、働く生活者が日常で感じている“ちょっとした不便さ”や、日々の効率化への強い意識が浮き彫りになりました。
そこから見えてきた、製品開発に活かせるヒントをいくつかご紹介します。
• デザインやブランド以上に、「使いやすさ」や「時短効果」が重視される
• 購入判断には「価格と性能のバランス」や「コストパフォーマンス」が重要
• 家電の選定は、「使う人」に自然と任される傾向がある
• ネットでの口コミやレビューが購入判断に与える影響は大きい
• 掃除・調理といった日常動作には、継続的な時短ニーズが根強く存在する
こうした視点を丁寧にくみ取りながら、製品開発や販促企画に反映していくことが、生活者との距離を縮めるきっかけになりそうです。
生活者の家事スタイルや製品選定の基準を深く理解することは、今後の製品開発やプロモーション施策において欠かせない視点です。
今回のインタビューからは、使用頻度や作業効率を重視した家電選び、情報収集時に求められるリアルな使用感、さらに家族構成や生活リズムに応じた自然な家事分担の実態など、多くの示唆が得られました。時短アイテムや便利家電が求められる背景には、単なる利便性だけでなく、「日常の中で生まれる小さな負担をどう軽減するか」という生活者の切実なニーズがあります。
これからの製品づくりやマーケティング戦略においては、こうした日常の声を丁寧に拾い上げ、実際の使用シーンに即した提案を行っていくことが、長く選ばれるブランドへの第一歩となるでしょう。
”2児のフルタイムワーママに調査!「時短アイテムの購入と利用実態」
「i-PORT voice」を利用したインタビュー動画をご覧いただけます
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