市場調査・マーケティングリサーチ会社のアスマーク

公開日:2020.05.29

訪日外国人調査の動向と過去事例のまとめ

  • 知識

コロナウイルスの感染が拡大する前までは、年々右肩上がりに増加していた訪日外国人客数。2014年は約1,300万人だった訪日外国人客数は2018年に約3,000万人となり、約2.3倍の伸び率で増加しました。政府はこの勢いにさらにエンジンをかけるべく、2020年は東京オリンピック開催を見据えて4,000万人、2030年には6,000万人の目標を掲げていました。
訪日外国人客数が増えると当然、外国人の旅行消費額も大きくなります。2019年の訪日外国人による旅行消費額は4兆8,113億円で、前年比6.5%増加と推計されています。飲食・宿泊などのサービス業から食品・日用品・家電などの製造業まで、各社がこぞってこの急成長するマーケットを狙い、既存ビジネスの拡大や新規ビジネスの展開を加速させています。
その影響から、アスマークでも“インバウンド”や”訪日”をテーマにした調査のご相談をいただくことが多くなっています。「彼らは何を求めて、何に期待して日本に来るのか。」「どのように情報収集しているのか。」「どの程度の予算があって、何に消費しているのか。」といったような実態把握を目的とした調査から、「どのように訴求すれば響くのか。」「どのようなパッケージだと購入意欲を増長するか。」といったような、サービスや製品の開発や改良に焦点を当てた調査まで、目的は様々です。

 

上述のとおり、コロナウイルスの感染拡大前までは順調に増加していた訪日外国人客数ですが、海外諸国における日本への渡航自粛要請や日本政府の水際対策強化により、3月の訪日外国人客数は前年同月比93.0%減、4月は前年同月比99.9%減となりました。しかし、3月に実施された観光庁による会見において、長官は「官民一丸となり、厳しい条件や環境がある中でも、それを乗り越えて2020年4,000万人、2030年6,000万人を目指す」と発言しており、状況が落ち着き次第反転攻勢に転じるべく「Go To Travelキャンペーン」と名付けた大規模な地域活性化策を講じていくことも明らかにしていています。このキャンペーンを利用して日本に訪れた外国人に、自社のサービスや製品の魅力を感じてもらい、「また来たい」と思ってもらえることが、インバウンド消費のV字回復を狙っていく上で重要なポイントだと言えます。

 

 将来訪日観光を検討している人、過去訪日観光経験がある人、今まさに訪日観光中の人・・・どのような対象条件を設けるかで、調査のハードルや対象者の集め方、調査の実施方法が異なります。例えば、毎年一定数が訪日する中国、韓国、台湾などにおいては、いずれの対象者を設定した場合でも調査の実現性は高くなりますが、欧米圏においては、これらアジア諸国に比べるとまだまだ訪日客数が少ないため、訪日観光経験者や今観光中の方を対象とする場合は必然的にコストも上がってしまい、結果として調査の実現性が低くなります。また対象条件によって、WEBアンケートが良いのか街頭調査が良いのかなど、適した調査手法も異なってきます。訪日外国人を対象とした調査を検討する際は、実態に即した調査設計が重要となります。

 訪日外国人客を対象に調査をする上で、多言語対応は必須となります。WEBアンケートであれば翻訳会社に調査票の翻訳を依頼することで実施はできますが、街頭調査やインタビューなどの場合、多言語対応のできる調査員やモデレーターが必要となります。日本のリサーチ業界において外国語ができる調査員やモデレーターは希少であるため、通訳者を手配しなければいけないケースも出てくるでしょう。訪日外国人を対象とした調査を検討する際は、国内調査では発生しない、多言語対応に付随するスケジュールやコストが追加される点を留意しておく必要があります。

 昨今の訪日外国人客数の増加やインバウンド対策の強化に伴い、インターネット上には訪日外国人客に関連した様々なデータが公開されています。「ある程度の傾向を知りたい」、「社内資料に使う参考情報が欲しい」といった程度であれば、2次データの利用でも十分なケースがあります。
 前述したとおり、訪日外国人客を対象とした調査は通常の国内調査に比べると、コストが割高になる場合がほとんどです。せっかくコストをかけるのであれば、自社のサービスや製品に関わる重要な施策や、新しいビジネスを進めるかどうかといった経営判断など、会社の利益増大や損失防止につながるような有意義なデータを取得することが重要だと言えます。さらに、調査設計の段階においても2次データを有効に活用し、調査を成功に導くことが重要であると考えられます。

 

訪日外国人への市場調査は、調査対象となる方により大きく3つに分けられます。

訪日経験のある外国人を調査対象とする際は、海外現地在住の外国人モニターから訪日経験のある方をスクリーニングします。デモグラ属性以外には、「直近●年以内で日本に来たことがある方」などの条件でスクリーニングすることが多いです。

海外現地在住で訪日旅行中の外国人です。モニター組織化できないので、観光地などでの街頭調査がメインとなります。今まさに訪日中なので、リアルな回答を得られますがデモグラ属性含め、スクリーニングができないのが特徴です。

デモグラ属性以外には、在日歴や日本語レベルなどでスクリーニングをすることが多いです。都心部を中心にパネル化されています。在日歴が長い方の場合、日本語を話せたり書けたりする方も多いので、日本語での調査が可能です。
 
調査課題や調査目的により、どういった外国人を調査対象とするのかを決める必要があります。

 

「外国人への調査がしたい」としたざっくりしたご相談を多くいただきますが、日本観光についての調査であれば、訪日経験のある外国人か訪日旅行中の外国人が適していますし、日本文化を学びたい外国人への調査であれば、在日外国人が適しているでしょう。
モニター組織化されていれば、調査用に囲い込んでいる方なのでアプローチしやすいしスクリーニングも可能ですが、モニター組織化されていなければアプローチが難しくスクリーニングもできません。もちろんかかってくる調査費用も大きく異なります。
 
まずはどういった調査なのか、調査課題と調査目的をご相談いただければ、最適な調査をご提案させていただきます。