市場調査・マーケティングリサーチ会社のアスマーク

公開日:2020.04.08

「買い物」の意味が大きくかわる

  • リサーチャーコラム

コロナウイルスによる買い物行動の変化は著しいですが、それ以前に消費者は買い物に疲れています。
買い物は楽しいものと言われていたのも一昔前の話しなのかもしれません。
購入場所の多様化、商品アイテム数の増加によって、選択肢が多くなり便利になった一方で、

①情報量が多く、何が正しい情報なのか精査するのが難しい
②新商品やセールによる商品の入替や価格の変動があり、いつ買うのが最適なのかわからない
③同ジャンルの商品数が多く、選びきれない

などの「買い物疲れ」が起きているといわれています。

<「買い物疲れ」の具体例>

  • ①情報量が多く、何が正しい情報なのか精査するのが難しい
  • ⇒口コミや、SNS・ブログなどの情報が溢れており、何を信じてよいかわからない
    (個人の情報リテラシーや情報の選定スキルに左右される)

    ②新商品やセールによる商品の入替や価格の変動があり、いつ買うのが最適なのかわからない
    ⇒購入した直後に新商品が発売されたり、タイムセールやイベントなどで価格が変動することがあるため、いつが買い時なのかわからない
    ⇒よいと思っていた商品もすぐに店頭から消えてしまうため、新商品が出ても買い続けられない

    ③同ジャンルの商品数が多すぎて選びきれない
    ⇒商品を購入するために売り場に行くと、同じような商品がたくさん並んでいて何が違うのか、どれが良いのか考えることに疲れてしまう
    ⇒ネット通販で商品検索すると、ある程度条件を絞り込んでも数百、数千の膨大な商品数がヒットし、比較検討しきれない

 
 
実際、自分の買い物行動を思い浮かべてみても、3項目のすべてがあてはまることに気づかされます。

私は、主にコスメを購入する際に口コミ・SNSを参考にしていますが、「サイトによって評価が異なる」「投稿数が少ないことがある」「個人の主観で自分にもあてはまるかどうかわからない」などのケースが多く、①の状況に陥ります。
②③については、主にアパレル商品を購入する際、実店舗でもネットでも、キャンペーンやタイムセールが不定期に実施されていて、「もう少し待てば安くなるのではないか」「キャンペーンでもっと安く買えることがあるかもしれない」などと買うタイミングを躊躇してしまいます。

またアパレル商品は急を要することがほぼない(ないと困るものではない)ため、「お気に入りリストに入れたまま気が付いたら販売終了していた」ということもよくあります。
また、同様に③にあてはまりますが、ドラッグストアにはたくさんの商品が並んでいて、まさに「何が違うのか」「どれが良いものなのか」の判断が難しいと感じます。特に、日用消耗品のように商品によって大差がなくそれほどこだわりもないものは、売り場でいろいろな商品を見ているうちに疲れてしまい、結局買うのをやめたり適当に商品を決めてしまうこともあります。

このように情報が溢れ、買い手側が意思決定に迷う状況では、売り手側が良い商品を作り、プロモーション活動を行っても、膨大な商品の中から買い手側の目に留まり、興味関心や購買行動に導くことは容易ではありません。
 
では、買い物疲れを解消し、タイミングを逃さずに購買に繋げるためにはどうすればよいのでしょうか。

私たちが普段商品を購入するとき、商品ジャンルや興味関心度によって「こだわりがあり、しっかり比較検討して選びたいもの」「ある程度の基本的な基準(役割)を満たせれば何でもよいもの」など、複数の購買パターンがあると考えられます。
情報は多ければ良いというわけではなく、後者にあたる商品を購入するときには、ランキングやタイプ別に分類するなど、ある程度整理した状態で提案をしたほうが買い手側にとっては選びやすい場合もあります。

また、年代などの属性によって購買プロセスには差があるため、ターゲットが何に興味を持ち、どんな情報に触れているのか、何から影響を受けているのかなどを把握し、効果的な方法・タイミングで販促活動を行うことも重要です。

さらに、トライアル喚起も重要ですが、買い続けてもらうことの方が実は重要です。そうなると必然的にファンを育成していく必要があります。(※ファンマーケティングのコラムをご一読ください)
そして、これから数年以内に、「買い物」の在り方は大きく変わっていくことが想定されます。

例えば、、、

【AIによる価格の最適化】
 価格を人が決めていた時代は、終わる
【開封の儀】
 買う行為自体に楽しみを見出さず、残る楽しみは「開封」
【若者はググらない】
 ググる は死語になる日は近い。ググらない若者が買い物の主役に
【DtoCの加速】
 BtoCからDtoCへの動きが加速し、棚の奪い合いが店頭棚からデジタルへシフト
【時間ソリューションの重要性向上】
 食べる時間、選ぶ時間、移動の時間など様々な時間の削減orその時間に楽しみを提供
 可処分時間を増やし無駄な時間を減らしたい
【データドリブンによる無意識な買い物行動】
 自分から能動的に選びに行かない、選ばされる・買わされるのがアタリマエに

 
このような背景から、買い物の在り方は大きく変わっていくことは避けられないでしょう。
そうなると消費者の理解はますます難しくなります。
ですので、そのトキが来る前に、イマできることをしましょう。

このような時代変化に対応するため、リサーチという手段があります。
上記のように、「買い物」の意義や定義が変わるのであれば、ターゲット消費者の購買行動や買い物意識を定点調査で追っていくというは効果的です。
半年に一回程度の頻度で、世代ごとの傾向を確認できれば、変化をキャッチすることができますので、時代に取り残されない「買い物の提供」ができると考えています。

コンビニの無人化、買い物に出かけるという行動の消滅など、数年後には、新たな‟買い物のカタチ“が誕生しているのは間違いありません。
買い方が変われば、選ばれ方が変われば、当然売り方も変えていく必要があります。
どうすればターゲット消費者にリーチできるのか、選んでもらえるのか、買ってもらえるのか
この点は、今もこれから先も変わらない課題ですが、今までの販売チャネルやプロモーションだけでは通用しなくなるでしょう。