公開日:2025.04.21

ガットマン尺度とは

  • マーケティングリサーチ用語解説集

ガットマン尺度は、回答に一貫した順序がある質問項目を使って、ある態度や行動傾向を測る方法です。例えば、ある主張に「はい」と答えた人は、その主張よりも簡単な内容にも「はい」と答えると想定されます。
 
つまり、「強く賛成」する人は「少し賛成」にも賛成すると考えるのです。この尺度は、質問に対する回答パターンから、どの程度その人がある傾向を持っているかを判断できます。教育や政治的意識の調査などで使われることが多く、論理的な順序に沿って回答を分析する点が特徴です。
 

具体例

例えば、大学の授業に対するやる気を調べるために以下のような質問を用意したとします。

質問番号 質問内容(YES/NO)
Q1 授業に出席する
Q2 授業中にノートを取る
Q3 授業後に復習をする
Q4 授業内容について自分でさらに調べる

このとき、「Q4にYESと答える人」は、通常「Q3, Q2, Q1すべてにもYESと答える」傾向があります。
逆に、「Q1しかYESがない人」は、やる気のレベルが比較的低いと推測できます。

質問→ Q1 Q2 Q3 Q4
学生A
学生B
学生C
学生D

このように、✓(YES)の数が多いほど“やる気レベルが高い”と評価できます。
このYESの数が累積する構造がガットマン尺度のポイントです。
 
 

 
 

どんな場面で活用されるのか

ガットマン尺度は、調査対象の行動や意識が段階的に変化するようなテーマに適しています。たとえば、教育に関する調査では、学生の学習態度や学力への意欲を段階的に把握するのに使われます。また、政治意識の研究では、民主主義に対する賛成の程度を測るときに活用されます。さらに、行動傾向の調査では、ボランティア活動への参加状況を「関心がある」「年に1回参加する」「定期的に参加している」などのレベルに分けて捉えることができます。
 
 

ガットマン尺度の利点とは

この尺度の大きな利点は、回答に一貫性があるかどうかを確認しやすいことです。さらに、態度や行動の「強さ」を段階的に評価するのに適しており、質問項目を論理的な順序で設計することで、被調査者の立場や考え方をより明確に捉えることができます。
 
 

注意しておきたい点

一方で、ガットマン尺度を効果的に使うには注意も必要です。質問文は必ず、難易度や抽象度が段階的に高くなるように慎重に設計しなければなりません。また、実際の調査では、理論的な順序に沿わない回答パターンが見られることもあります。たとえば、ある学生が「授業後に復習する」と回答しているのに、「授業中にノートを取る」には「いいえ」と答えているような場合です。このような矛盾が起こると、尺度の一貫性が損なわれる可能性があります。
 
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執筆:アスマーク編集局

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アスマーク編集局は、数多くのメーカー、官公庁、大学との広範な調査実績に基づき、実務に直結するマーケティングリサーチの知見を発信する専門組織です。単なる手法の解説に留まらず、「現場で求められる判断基準」や「実務上の留意点」を網羅した専門コンテンツを企画・制作しています。

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監修:竹中 重雄(Shigeo Takenaka)

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リサーチ業界およびマーケティング領域で10年以上のキャリアを持つスペシャリスト。学術調査チームの立ち上げや、業界内でも難易度の高い「難病・希少疾患」「障がい者」のリクルートサービスの立案・リリースを主導。

専門領域
消費者インサイト分析、セグメンテーション。学術的根拠に基づき消費者モニターをタイプ分類する「インサイト・セグ」を開発。

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