
2025.11.11
インタビューで探る――父親の視点で見る「収入と貯蓄の本音」とは?
商品やサービスを企画するとき、リニューアルするとき、消費者のお金に関することをヒアリングしたいときがあるかと思います。 しかし、貯金や所得といった話は、どうし……
公開日:2025.12.25
物価の上昇が続くいま、食品の買い方や光熱費の使い方など、日々の家計はじわじわと圧迫されつつあるでしょう。とはいえ、その影響の受け止め方は世代や暮らし方によってさまざまです。
そこで今回は、一人暮らしのZ世代に焦点を当て、値上げが生活にどのように入り込み、どんな判断や工夫を生んでいるのかを探るため、一人暮らしの現役女子大生へ値上げに関するインタビューをしました。
インタビューをした方の簡単なプロフィールは下表となります。
| 性別 | 女性 |
|---|---|
| お住まい | 東京都 |
| ご家族 | 一人暮らし |
| 学年 |
大学4年生 バイト:学校内の事務みたいな仕事をしている |
| 趣味 |
旅行に行くことが好き 国内が中心。「国内の行ったことがない場所に行ってみよう」といった感じで、直近だと神戸に行った。 卒業旅行とかで台湾に行って「海外も良いな」って思った。 |
| 気になっていること | 大学4年生なので、就職して生活スタイルが変わったり、出社がメインな感じなので、今まで、学校もオンラインがベースだったので、久しぶりに出社してみんなで…みたいなのが「どうなんだろう?」っていうのが、気になっていること |
この記事では、値上げに関する発言を整理し、Z世代に向けたブランディングや製品/サービス開発にお悩みを持つ企業の皆さまに役立つヒントを丁寧に読み解き紹介します。
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彼女が一番値上げを感じているのは、電気代やガス代でした。

明細もよく見ていて、値上げ前から毎月の料金が確定したタイミングで目を通していたとのこと。
最近は「同じぐらいしか使ってないのに、すごい値段が違うな」と感じることがあり、使用量が変わっているのかを確かめるために、時々去年と見比べることがあるそうです。
また、値上がりに気づいたタイミング自体は、よく覚えていないそうです。ただ、秋ごろは家にいない日もわりとあって、あまり使わなかったので、そこまで気にならなかったとのこと。ところがエアコンの暖房を使うようになってから、「あれっ?」と違和感を覚えるようになったそうです。
エアコンの付け方で工夫していることについて深掘りさせていただくと、次のような工夫を教えていただきました。
この中の「3」の“つけっぱなし”にしている理由についてさらに尋ねると、家が古く、エアコンを消すと寒さを感じると言います。また、1回エアコンを消して寝たら、寒くて途中で起きてしまったことがあり、寝るときはつけっぱなしにしているとのことです。
では他にどんな工夫をしているのでしょうか。
最近は家電だけではなく、足元を温められる靴下やひざ掛けなど、手軽に使える便利グッズも増えています。そこで、そうしたアイテムを使ったことがあるかも聞きました。
彼女は、ひざ掛けを使ったことがあるそうです。ただ、部分的に暖かくなる感覚があまり得意ではなく、結局あまり使わなくなったとのこと。靴下も室内で履くのが得意ではなく、寒い日でも「裸足+スリッパ」で過ごすことがあるそうです。
他にも、“一人用こたつ”という存在は知っているそうですが、椅子に座らないで作業するのがあまり好きではないので、一人用こたつを置くために今気に入っている机を買い替えるくらいなら、「まぁ」と話していました。
そういったことから、部屋全体を暖められるエアコンが一番無難、と考えているそうです。
続いて、光熱費が値上がりしたことで「寒さ」の面で困る部分があると思いますが、それ以外に困ったことがないか聞きました。
すると、直接的な回答ではないですが、もともと節約をギリギリでしていたので、「これ以上どうにもできないな」と話します。
さらに「契約先の電気会社が高いのかな?」と思い、一度いろいろ調べてみたこともあるとのこと。ただ、結局は今の電気会社が一番安いように感じたと言います。
また、その“調べる作業”について、大変だったかを聞きました。
どうやら、住んでいるお家が基本的なワット数よりも低いワット数で契約している影響で、自由化で選べるものだとそのワット数が対応していないところが意外とあり、そこの取捨選択も大変だったと言います。
彼女は、1年生の頃は外食することもありましたが、その後の2年間は登校がなかったので、外出自体あまりしなかったそうです。こうした背景もあり、外食の値上げについては、元々この値段だったのか、値上げしてその値段になったのかが、掴みづらいと話していました。ちなみに登校していた頃は、ときどき学食で食事をしたり、カフェで勉強したりしていたそうです。
現在の登校状況について尋ねると、今は授業がなく、理系のため研究などで登校が必要な日があるものの、毎週決まった日に通うわけではなく、不定期とのことでした。そして、登校した日には学食を利用することもあるそうですが、営業時間が短くなってしまっているため、タイミングが合うときに行くそうです。
また、学食メニューの値上がりについて尋ねると、「20円くらい上がった」とのことでした。
そこで、電気代やガス代が上がっている状況を踏まえ、学校からどのような補助があるとよいかを聞きました。これに対して彼女は、次のように話しています。
「本当に学食は、生徒に負担させるというよりかは逆に、やっぱり生徒側も結構苦しくなる感じの人が多いから、学食はせめて値上げないし、値下げに方向に行く学校が半分ではないんですけど、ちらほら周りで聞いたんで、『うちは値上げするタイプなんだ』とは思ったんですけど…(中略 ~インタビュアーとインタビュイーの会話含む~)やっぱりコロナで、みんなアルバイトできなかったりとか、あったりするので…」
値上げを実感するなかで、交際費やランチ代に変化があったかを尋ねました。
彼女は、1年生の頃は遊んだりしていたそうですが、それが徐々に減ってきたため、セーブをしようという意識はなかったと言います。とはいえ、生活費や食費に関して、これまでと同じくらいの金額で収まるように、まとめ買いをしたり、セール情報を確認したりしているそうです。
この「セールを確認する」という点について、さらに詳しく聞いていきました。
彼女は、各企業のホームページに載っているチラシを一つひとつ確認し、「何時から?」といったことを見ているそうです。また、急ぎの内容ではない場合は「数日後に行こうかな」といった形で来店のタイミングを決めたりするそうです。
また、確認する量としては、やる気があるときは5個くらい、やる気がないときは最寄りの1~2店舗分見ると言います。
この章では、彼女が各社のホームページに掲載されているチラシを一つひとつ確認していることがヒントを得る重要な情報だと考えます。
いまやスーパーやドラッグストアがネットに掲載しているチラシは豊富で、さまざまな工夫が見受けられます。
その工夫の一つとして、ターゲットに最適化したチラシが挙げられます。たとえば、クリスマス需要や恵方巻き需要のような季節イベントに合わせた訴求に加え、生活者属性(単身・子育てなど)に合わせた提案も考えられるでしょう。
ここで注目したいのが“学生”です。
彼女のように能動的にチラシを確認して来店する層が一定数いる場合、学生向けに訴求を最適化することで需要を取り込める可能性があります。
既に“学生向け”に施策を打ったことがある企業もいらっしゃると思いますが、現状の学生市場や購買行動を改めて調査し、再検討してみてもよいかもしれません。
値上げがあっても買い続けたいものとして、彼女が挙げたのは音楽系のライブチケットでした。
頻度は多くないものの、ライブに行くことがあり、「やってくれるんだったら行くかな」という感覚で、多少チケット代が上がっても足を運ぶといいます。
また、学生ということもあり、距離があっても地方公演まで行くことがあるそうです。
地方公演への移動手段については、「基本的には今の体力だと夜行バスでも行けたりはするので…基本的に1番安いのがバスだったりするんで、バスで行ったりとかはしてますね」と話していました。
続いて、航空会社のキャンペーンを見るか尋ねました。
彼女的には、航空会社のキャンペーン情報を見ること自体はあるものの、元々値段が流動的だったり、探せば探すほどいろんなプランを見つけたりするので、「本当に安いのかな?」など思い、その情報は追えていないと言います。
また、以前見たときに時間が早すぎたり、遅すぎたりして、「結局うまく使えないじゃん」「なかなか合うの探すの大変そう」と思ったこともあるそうです。
そのため、彼女的に気になるとしたら、バスや新幹線のキャンペーンとのこと。
新幹線もたまに利用するため、なんとなく価格が分かるので、「これは安い」と判断しやすいようです。
この章ではいくつかのヒントが得られると思いますが、ここでは“なんとなく価格が分かるので、「これは安い」と判断しやすい”という点に注目をします。
一般的に、安さを訴求するキャンペーンでは、視覚的に「普段より安い」ことが分かる表現が多く用いられます。しかし、この「普段より安い」という表現が、企画者目線に偏っている場合、消費者の実感とズレる可能性があります。
彼女の発言からも、そのズレを感じさせます。航空券のキャンペーンについて、“元々値段が流動的だったり、探せば探すほどいろんなプランを見つけたりするので、「本当に安いのかな?」など思う”と感じている様子でした。
これは、企画者側が「安い」と提示している一方で消費者側は判断の基準を持てていない状態だと言えるでしょう。
加えて、彼女は“以前見たときに時間が早すぎたり、遅すぎたりして、「結局うまく使えないじゃん」「なかなか合うの探すの大変そう」と思ったこともある”という体験もしています。
一方で、バスや新幹線については、彼女自身が何度か利用した経験があるため、相場感があり、「これは安い」と比較的判断しやすいようでした。
飛行機の場合は、価格の分かりにくさや過去の体験によって、彼女にとってややハードルの高い選択肢になっているのかもしれません。
ここから考えられる施策はいくつかありそうですが、まず重要なのは本当に需要があるのかを見極めることです。
仮に大学生の航空券購入を促進したいのであれば、価格に対する感じ方や利用シーンを含めて、定量調査と定性調査の両面から需要を確認することが、有効な第一歩になるでしょう。
今回のインタビューを通して見えてきたのは、彼女の行動は単に「節約する/我慢する」という一方向の変化ではないという点です。
光熱費や食費といった生活のベースとなる支出には細やかな工夫を重ねる一方、ライブのように「自分にとって意味のある体験」には、値上げがあってもお金を払う姿勢がありました。
こうして得られた内容からヒントを整理すると以下となります。

また、今回GeminiのNanoBananaで、下図のようなグラフィックレコーディング風の画像も生成してみました。

※ 本記事の理解を助けるために、生成AIで画像を作成しています。生成AIによる画像は必ずしも正確ではなく、誤った表現が含まれる場合があります。画像内容の真偽や正確性は保証できませんので、あらかじめご了承ください。
それぞれ“注意は必要”ですが、ご参考になれば幸いです。
値上げが常態化する中で、企業側には「どこまで価格を下げられるか」ではなく、「どうすれば生活者が納得して選べるか」という視点が、これまで以上に求められているのかもしれません。
今回のインタビューなどから、Z世代に向けたブランディングや商品・サービス設計を考えるうえで、生活者の判断軸をバージョンアップしていき、より良いものにしていきましょう。
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