2019.12.05
CLTとは
CLTとは・・・ CLTとは、Central Location Testの頭文字を取ったもので、会場集合調査のことです。 市場調査の調査手法の1つで……
公開日:2022.09.29
企業などがビジネスを進める際、適切な情報を得ることはとても重要です。適切な情報があれば計画的なマーケティングが行えますし、仮に道を間違えたとしても情報と現状を照らし合わせることで、容易に軌道修正できます。
この情報を得るための手段が「市場調査」です。市場調査ではマーケットやターゲットユーザーから情報を得ることで、マーケティングの方向性を明らかにできます。
この記事では、市場調査への理解を深めて正しくマーケティングの意思決定を行えるようにするために、市場調査の方法、種類、進め方について解説します。
市場調査とは市場の動向や競合関係またはユーザーニーズを調査して、マーケティングにおける重要な情報を得るための活動です。
このような情報を様々な調査方法を駆使して、自社マーケティングに活用できるように分析します。
目的から考える、最適な調査手法の選び方 無料ダウンロードはこちら>
市場調査の重要な目的は、マーケットの現状を的確に把握することです。汎用性が高い情報は総務省などの公開データを調べれば、ある程度は入手できます。ですが、これらは汎用性の高さが重視されているため、必ずしも求める内容に合致するとは限りません。
自社マーケティングに必要な情報を入手できれば、マーケティングの方向性をより明確にでき、計画の精度も高められます。また、独自の調査で分析した情報は、競合に対する優位性ともなり得ます。
自社のマーケティング活動を効果的に進めるため、主に必要とされる情報について解説します。
現在のマーケット環境を詳しく把握します。市場規模やターゲット人口、購入単価など市場全体の状況が分かる情報をメインに調査します。また、過去の情報と比較することで市場全体の大きな流れを把握すれば、いち早く市場環境の変化を読み取ることができます。
自社と競合の商品を比較することで、自社商品の強み弱みを把握できます。また、市場における自社と競合のポジショニングを分析すれば、差別化すべきポイントや市場の空白地帯を見つけ出せる可能性があります。
これらの情報を活用することで、より具体的なマーケティング戦略のヒントを見出せるでしょう。
商品やサービス購入の最終決定を下すのはユーザーです。ユーザーニーズや購入にあたってどのような心理が働いているかを把握することで、より顧客視点に立ったマーケティングが可能となります。特に、表面化しにくいユーザー心理は、商品開発やPR展開においてとても重要なヒントとなります。
市場調査と似ている言葉に「マーケティングリサーチ」があります。どちらも市場環境を調べるという点では、ほぼ同じ意味を持っています。ですが、市場調査が「現在の市場環境を調べる」のに対し、マーケティングリサーチには「過去から現在までを調べ、未来を予測する」というニュアンスが含まれます。
市場を調べる大きな概念が「マーケティングリサーチ」、その中で現在の市場環境を調べるのが「市場調査」と言えるでしょう。
市場調査には様々な種類がありますが、調査して得られる情報の特性によって大きく2種類に分けられます。それが「定量調査」と「定性調査」です。
定量調査とは調査データを数値として把握することを目的とした調査です。調査データを数値として扱えることで、以下のメリットが発生します。
定量調査は主にアンケート形式で行われ、代表的な手法は以下の通りです。
■ネットリサーチ
調査対象者にインターネットを介して、Web上で回答してもらいます。
従来の手法よりも素早く低コストで実施できます。
■会場調査
調査会場に集まってもらった回答者に対して、アンケートを実施します。
調査票を確実に回収できる、調査情報の流出を抑えられるなどのメリットがあります。
■ホームユーステスト
調査対象者の自宅に商品を送り、サンプル使用してもらう調査手法です。
使用環境を踏まえた回答が期待できるとともに、途中経過のデータが得られるのもメリットです。
■郵送調査
調査対象者に調査票を郵送して、回答したものを返送してもらいます。
インターネットを利用していない方を含めた、幅広い対象者への調査実施に適している手法です。
定性調査とは数値では把握しづらい情報を、「言葉」や「行動」によって得る調査手法です。定性調査ではユーザー心理を深掘りすることで、ニーズ(必要としているもの)やウォンツ(欲しがっているもの)を把握できます。
主な調査手法は、以下の通りです。
■デプスインタビュー
調査対象者と調査員が1対1で行うインタビュー調査です。
できるだけ余計な情報が入らない環境下で時間をかけて行うことで、調査対象者の深い心理を掘り出すことができます。
■グループインタビュー
複数の調査対象者と1~2名の調査員でディスカッションしながら進めるインタビュー調査です。
グループの雰囲気が良くなると本音を話しやすくなり、相互作用によって予期していなかった情報が得られることもあります。
■日記調査
一定期間継続して、WEB上の日記システムを利用して、生活行動や商品の利用シーンの写真や感想などを記録してもらう調査手法です。
期間中の行動や気持ちの変化を把握することができます。
■訪問観察評価
自社商品を使用している調査対象者の自宅を訪問し、使用状況を観察する調査です。
対象商品だけでなく、関連商品の情報を把握できるメリットがあります。
■行動観察調査
調査対象者が商品を購入する現場に同行したり、実際に使用する場面を観察する調査です。
調査対象者の「行動」に重点を置くことで、本人が自覚していない意識を調べられます。
市場調査は以下のような流れで行われます。
STEP2 調査の企画
明確にされた課題と目的に沿って、市場調査からどのような情報を得るか企画します。
STEP3 調査概要の設計
調査企画に基づき、調査の対象、手法、期間、予算を割り出し、調査の概要を組み立てます。
STEP4 調査票の作成
調査概要に基づき、調査票を作成します。
STEP5 調査実施
調査票などを用いて調査し、分析の元となるデータを集めます。
STEP6 集計および分析
調査で集めたデータを集計し、調査目的に沿って分析を行います。
STEP7 調査結果報告
分析した内容に基づき、調査結果報告書を作成します。報告書は意思決定者など関係者に公開し、具体的なアクションプランへとつなげます。
市場調査をスムーズに進めるには、初期段階である調査設計(STEP1~3)をしっかりとつくりこむことが大切です。調査設計については詳しく解説した記事がありますので、参考にしてください。
市場調査で良い結果を得るためには、以下のポイントに注意しましょう。
調査には費用、時間、労力など、多くのコストが発生します。それだけのコストを払うからこそ「何を明らかにするための調査」なのかを強く意識しましょう。特に関係者が多くなると、「あれも知りたい、これも知りたい」と要望が増えて、調査の焦点がブレてしまい、本当に知りたかったデータが得られない調査設計になってしまう恐れがあります。
目的が複数ある場合は、目的に合わせて調査を分けることも検討しましょう。
良い分析結果が得られる市場調査のコツは、事前に知りたいポイントの仮説を立てておくことです。適切な仮説が立てられていれば、仮説が外れていたとしても効率的に的確な分析結果を導けます。
例えば、海釣りに出かけて、何の仮説もなく適当に釣り糸を垂れていたとします。おそらくある程度の数を釣れるようになるには、かなりの時間を費やさなければならないでしょう。
一方、事前に魚が集まりそうなポイントを想定しておけば、仮に1カ所目で成果が得られなくても、比較的早く釣りに適したポイントを見つけられるでしょう。
市場調査においては適切な仮説をいくつか立てておくことで、効率的に良い調査結果を得られます。もし、良い仮説が浮かばないようであれば、仮説を立てるための調査(インタビュー調査など)を事前に行うこともできるので検討してみましょう。
調査に回答していただけるのは、調査対象者です。調査対象者の作業や心理的負担が大きくなると、素直な回答を得られなかったり、調査そのものを放棄される可能性があります。
このような状況にならないよう、回答していただく調査対象者の気持ちを考え、負担が少なくなるように心がけてください。
市場調査は実施方法にもよりますが、相応のコストをかけるプロジェクトとなります。ですが、そこで貴重な情報が得られれば、マーケティングにおいて絶大な効果を生み出す可能性があります。
市場調査の実施にあたっては社内外の知識を総動員して、良い分析結果が得られる調査を実施していきましょう。
市場調査についてのご相談はこちら>
目的から考える、最適な調査手法の選び方
調査手法はアンケート調査やインタビュー調査をはじめ、非常に多岐に渡ります。本資料では、実施目的から最適な調査手法を選ぶまでの方法についてを紹介しています。
●調査を実施したいけど、どういう調査をすべきなのかわからない
●とりあえず”アンケート調査”をイメージしてるけど、最適な調査が他にあるのでは?
●調査結果の活用用途は決まってるけど、そもそもどういう調査をしたら良いの?
上記に当てはまる方にぜひ読んでいただきたい資料です。
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市場調査の調査設計|手順とコツを解説
市場調査を担当される方の中には「調査設計をどのように進めたら良いのか分からない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
●調査設計の必要性
●調査設計の手順
●調査設計のコツ
この記事ではより良い市場調査を実施するために、上記内容を詳しく解説します。
> 詳しく見る
Q:市場調査とは何でしょうか?
A:市場調査とは、市場の動向や競合関係、またはユーザーニーズを調査して、マーケティングにおける重要な情報を得るための活動です。市場調査は、マーケティングリサーチと呼ばれることもありますが、厳密には違いがあります。市場調査は、データで市場を現状把握するために行われる活動です。一方で、マーケティングリサーチはデータをもとにして、商品やサービスの市場動向を予測するために行われる活動となります。つまり、市場調査は、マーケティングリサーチの一環として行われる現状調査という位置づけになります。
Q:市場調査とマーケティングリサーチの違いは何でしょうか?
A:市場調査とマーケティングリサーチの違いは、活動目的と、それぞれを成功させる要因にあります。市場調査は、データで市場を現状把握するために行われる活動です。一方で、マーケティングリサーチは、データをもとにして、商品やサービスの市場動向を予測するために行われる活動となります。つまり、市場調査は、マーケティングリサーチの一環として行われる現状調査という位置づけになります。
また、市場調査とマーケティングリサーチそれぞれを成功させる要因について、市場調査では、「明確な調査目的の設定」、「適切な調査手法の選択」、「信頼性の高いデータ収集」、「客観的なデータ分析」、「調査結果の活用」が重要な要因となります。一方で、マーケティングリサーチでは、「顧客視点の徹底」、「具体的な調査目的の設定」、「適切な調査対象者の選定」、「多角的な調査手法の活用」が重要な要因となります。
Q:市場調査は、何のために行うのでしょうか?
A:市場調査は、「現状把握」のために行います。特定の市場が過去から現在までどのように変化してきたのか、そして現在の市場がどのような状況にあるのかを明確に把握することにあります。また、市場調査で得られた情報は、主に短期的なマーケティング施策に活用されます。例えば、新しい製品を開発する際の基礎データとしたり、販売する商品の効果的な広告キャンペーン展開の参考情報としたりします。
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