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会場調査(CLT)とは|定義・調査の流れ・メリット・成功のポイントを紹介 - 【公式】| 市場調査・マーケティングリサーチ会社のアスマーク

公開日:2024.05.15

会場調査(CLT)とは|定義・調査の流れ・メリット・成功のポイントを紹介

  • マーケティングリサーチHowto

現代マーケティングにおいて商品や広告に対する高い評価を得るには、事前に消費者の反応を調査して、そのフィードバックを活かすことが効果的です。そのための有効な調査手法として用いられているのが、「会場調査(CLT)」です。
 
この記事では、会場調査の定義や調査の流れ、メリット、成功のポイントについて解説します。
 
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会場調査(CLT)とは – 定義から実施まで

会場調査(CLT)とは、 Central Location Testの略称です。近年、マーケティング調査はインターネットを介した調査が主流となっています。しかし、会場調査も商品や広告に対するリアルな反応を確かめる調査手法として、現在も重要な役割を果たしています。
ここでは、会場調査の定義から、実施までの流れまでについて解説します。
 

会場調査の定義と基本的な流れ

会場調査とは、特定の場所に集められたモニター(調査対象者)から、商品や広告に対する反応・意見を収集する調査手法です。モニターは事前に用意された調査会場に集められ、商品の試用や広告を視聴した後で、アンケートやインタビューに回答します。
 
会場調査はリアルな環境での評価やテストを行うことが特徴で、消費者の本音を知るための貴重な調査手法です。その上で、モニターから得た商品や広告に対する評価を、マーケティング戦略の改善に活かします。
 
会場調査の基本的な流れは以下の通りです。

  1. 調査計画の策定調査の目的と目標を明確にし、「どの商品」や「どの広告」に対する情報を収集するかの計画を策定します。
  2. 参加者の選定ターゲットとなる消費者層を特定し、適切なモニターを選出します。
  3. 会場の設定会場調査を実施する会場を選び、調査に適した環境を設営します。
  4. 調査の実施モニターを調査会場に集めて、「商品の試用」や「広告の視聴」をしてもらい、アンケートやインタビューを通じて評価や意見を収集します。
  5. データの分析と報告収集したデータを分析し、結果を報告書としてまとめます。これにより、商品や広告の改善点を明らかにして、マーケティング戦略に反映させます。

 

会場調査の手法と実施のポイント

会場調査では、主に以下のような調査手法が用いられます。

  1. 商品の試飲や試食調査モニターに商品を試飲や試食してもらい、その感想をアンケートやインタビューで聞き取ります。
  2. 商品を試用した際の観察調査モニターが商品を試用している様子を観察し、その行動を記録します。
  3. 商品やパッケージのデザイン評価モニターに商品やパッケージを見てもらい、そのデザインに対する評価を聞き取ります。
  4. 陳列した商品に対する行動調査モニターが陳列された商品を見て、どのような商品に関心を持ち、どのように行動するかを観察します。
  5. 動画や印刷物などの広告評価モニターに動画や印刷物などの広告を見てもらい、その広告に対する評価を聞き取ります。

 
会場調査を実施する際には、モニターが同一条件で評価できる環境を整えることが重要です。そのためには、室温や照明などの調査環境による影響を最小限に抑える必要があります。
 
また、商品や広告に対する先入観を排除するために、調査内容に関する情報がモニターへ事前に伝わらないよう注意することが求められます。さらに、他のモニターの反応に影響されないよう、情報開示のタイミングを管理し、モニター同士で意見交換ができないような調査環境を整えることが重要です。
 
 

会場調査のメリットを活かすための課題とデメリット

会場調査は、他の調査手法にはない独自のメリットがありますが、これらを最大限に活かすためにはいくつかの課題に取り組む必要があります。また、会場調査には特有のデメリットがあることも、事前に理解しておくことが必要です。
 
ここでは、会場調査のメリットを活かすための課題と、会場調査のデメリットについて解説します。
 

リアルタイムデータと機密性の確保

会場調査はモニターの反応をリアルタイムで観察できるため、非言語的な情報を得るのに適した調査手法です。モニターの表情や行動など、言語化されないリアルな反応を関係者が観察することで、商品や広告に対する評価を深く理解することができます。
 
また、モニターを同一会場に集めて調査を行うため、全員が同一の環境と条件でテストできます。これにより収集したデータの同質性が高まり、比較や分析を行いやすくなります。
 
さらに、関係者の必要に応じて、モニターに直接インタビューを行い、より詳細な情報を収集することも可能です。加えて、会場調査では使用された資料や情報を完全に回収できるため、商品や広告の機密性を保つことができます。この機密性を保てる要因として、調査員の存在が挙げられます。調査員が会場には配置されるので、管理された環境で調査を行うことが可能だからです。しかし、これらのメリットを十分に活かすには、適切な会場設定と情報漏洩を防ぐための厳格な手順が必要です。情報漏洩はビジネスに重大なリスクをもたらす可能性があるため、モニターのスマートフォンの管理方法など機密情報の漏洩防止に関する方策を慎重に検討することが重要です。
 
これらの措置を講じることで、会場調査から貴重な情報を得た上で、同時に機密性を確保することが可能となります。
 

実施コストとサンプルサイズのバランス

会場調査における情報の信頼性を高めるためには、適切なサンプルサイズの設定が重要です。一般的に、標準的な調査精度(信頼度約90%、許容誤差約10%)を目指す場合、50~70のサンプル数を確保することが望ましいとされています。しかし、サンプルサイズが増加すると、それに伴い会場費やサンプルの準備にかかるコストも増大します。
 
そのため、会場調査を企画する場合は、調査の実施コストとサンプルサイズの間で適切なバランスを見出すことが重要です。調査の目的や予算に合わせて、最適なサンプルサイズを見極めることで、効果的な会場調査を実施できるようになります。
 

会場調査のデメリット

会場調査では、モニターのリクルーティングや会場の手配など、調査実施前に多くの準備が必要となります。また、調査内容やモニター数に合った広さの会場を確保することも必要です。
 
その上で、モニターが適正な状態で評価を行える環境づくりには、以下の配慮が必要です。

  • 会場の静けさや照明、室温などの適切な管理
  • モニター同士の会話や周囲の視線などが評価に影響を与えない配慮
  • 十分な説明や練習時間の設定 など

 
これらは、調査結果の信頼性に直接影響を与えるため、環境の管理には細心の注意が求められます。もし、これらが適切に管理されない場合、調査結果の信頼性が低下する危険性があります。
 
 

成功するための重要なポイント

会場調査は、商品や広告の評価、検証に有効な調査手法ですが、有益な情報を得るには会場調査の特性を十分に理解して進めることが大切です。
 
ここでは、会場調査を成功させるための重要なポイントについて解説します。
 

対象者リクルーティングと会場選び

会場調査において、調査目的に適したモニターのリクルーティングと適切な会場選びは、調査の成功に大きく影響する要素です。これらを適切に実行できれば、会場調査からの情報収集を成功させるうえで、最も重要なポイントと言えます。
 

リクルーティング戦略と会場の適性

会場調査から有益な情報を得るには、調査目的に適したモニターをリクルーティングすることが大切です。もし、選定したモニターがターゲット層と異なっていると、調査結果から得られる情報が混乱や誤解を招く危険性があります。
 
また、以下のような対象者は、モニターとして適切かどうかを検討しましょう。

  • 商品や広告に対して、ほとんど興味や関心がない
  • 商品やブランドへの思い入れが強く、偏った意見を持っている

 
会場調査に適切なモニターの質と人数を確保するためには、できるだけ多くのモニター候補に対して、適度なスクリーニング(絞り込み)を行うことがポイントです。モニターの属性把握や事前アンケートなどを活用して、適切なモニターを選定しましょう。
 
また、調査に適した会場選びも重要なポイントです。特に食品や飲料など、環境によって評価が変わる可能性のある品目を扱う場合、会場を慎重に選ぶ必要があります。

  • モニターの人数や調査方法に対して十分な広さの会場か?
  • 商品や広告の評価に影響を与えない照明か?
  • 調査に適切な静粛性を確保できるか?
  • 温度や湿度、調理方法を状況に応じて調整できるか?
  • インターネット環境を確保できるか?

 
調査の実施内容をしっかりと確認し、必要な環境や設備を確保できる会場を選定しましょう。
 

調査票の作成と反応の観察方法

モニターからの商品や広告に関する評価や意見は、調査票に回答してもらいます。調査票は、モニターから「定量情報」と「定性情報」という2種類の情報を収集します。定量情報とは数値化できる「5段階評価」などの回答であり、定性情報は数値化が難しい「感想やフリーアンサー」などの回答です。これらをバランスよく組み合わせつつ、モニターに大きな負担をかけない回答数を意識しましょう。
 
さらに、試用や視聴中の反応は別室などで中継し、モニターの特徴的な反応を観察します。特に興味深い反応を示したモニターには、追加のインタビューによって反応した理由や動機を深掘りします。
 

データの分析と活用

会場調査から得られたデータはモニターの声と行動を反映している情報です。それらの情報を集計・分析したうえで、そこから導き出したインサイト(洞察)をレポートにすることで、関係者間の情報共有とマーケティング戦略への活用が可能となります。
 

集計から分析、レポーティングまで

会場調査で得た情報を効果的に活用するためには、まず得られたデータを適切に集計する必要があります。代表的な集計方法は以下の通りです。
 
定量情報・単純集計 回答数や割合などを集計します。
・クロス集計 複数の項目を重ね合わせて、回答数や割合などを集計します。
 
定性情報・カテゴリー分け 回答を類似の意見やトピックを元に分類します。
・キーワード抽出 頻繁に回答されたキーワードを抽出します。
・コーディング 回答をテーマやキーワードに基づいてラベル付けして整理します。
 
会場調査で収集したデータを集計しただけでは、その結果が偶然によって生じたものか、しいては統計的に信頼できるものかを見極めることはできません。これを確認するために実施するのが、検定(有意差検定)です。この検定によって集計結果の統計的有意性を確認することで、その後の分析や調査結果の信頼性を確保できます。
詳しい「検定(有意差検定)」はこちら>
 
検定によって信頼性を確保した情報をより深く分析するには、統計手法やデータマイニングツールを活用します。これらにより、データ間の関連性や意味を明らかにして、有益な洞察を得ることが可能です。
最後に、分析結果をレポートにまとめます。レポートには、データの要約や重要な分析結果、ならびに分析から得られたインサイトや改善点などを含めましょう。また、要点をまとめた分かりやすい文章や、グラフやチャートなどの視覚的要素を取り入れることで、より多くの人に伝わりやすいレポートを作成することが可能です。
 

マーケティング戦略への応用

レポート作成の最終目的は、データの分析結果をマーケティング戦略に応用し、ビジネスの成功に結びつけることです。会場調査で得られた消費者の生の声は、マーケティング戦略の方向性を決定する上で重要な情報となります。
 
そのためにも、調査結果レポートには、インサイトに基づく具体的なアクションプランや改善策を含めることが大切です。これにより、関係者が調査結果に基づいた意思決定を行い、効果的なマーケティング戦略を展開できます。
 
 

まとめ

ここまで、会場調査(CLT)の定義や流れ、メリット、そして成功へのポイントについて解説しました。会場調査は、消費者の直接的な反応や意見を得るための有効な調査手法です。しかし、その価値ある情報を収集するには、事前準備、調査実施、そして情報の分析に至るまで、専門的な知識と経験が求められます。さらに、適切なモニターの選定、会場の確保、そして調査の実施には細心の注意を払う必要もあります。もし、社内で必要なノウハウが不足している場合は、経験豊富な調査会社に協力を求めることが効果的です。
 
調査目的に適した会場調査を実施し、消費者の反応や評価を反映したマーケティング戦略を進めることで、ビジネスを成功に導いていきましょう。
 
 

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執筆者
アスマーク編集局
株式会社アスマーク 営業部 マーケティングコミュニケーションG
アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

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会場調査(CLT)

会場調査(CLT)

会場調査(CLT)とは、あらかじめ用意した会場で、調査対象者から、製品、または広告等についての評価を聴取し、定量的にデータとして収集する手法です。
対象者が実際に製品や対象物に触れることで、よりリアルな評価を得られることができ、比較的短期間に、定量的に把握することができます。具体的には、試飲・試食を伴う調査や発売前のパッケージ調査など、実際に対象者に「食べてもらいたい・飲んでもらいたい」「見てもらいたい」「触ってもらいたい」場合に向いています。簡単なアンケートやインタビューを同時に行うことが多いです。

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失敗しない会場調査 6 つのポイント

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アスマークの会場調査専門の実査責任者が、これまで数多くの会場調査に携わってきた中で得た経験・知見をまとめた11ページのレポートです。
全ての対象者に同条件下で製品の試飲・試食調査ができ、また秘匿性高い提示物を厳重に管理できる「会場調査(CLT)」について、実施のポイントや実務の注意点をまとめています。

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