2024.10.07
顧客の深層心理に迫る!定性調査に日記・コラージュを取り入れる効果と実践方法
企業が顧客のニーズを捉え、魅力的な商品やサービスを開発するためには、顧客の深層心理を理解することが欠かせません。しかし、インタビューなどで直接質問をするだけでは……
公開日:2024.04.03
アンケート調査は、回答者数や割合などの数字・データのアウトプットがメインとなる定量調査であり、マーケティングリサーチの中でも最も実施頻度の高い調査方法です。アンケート調査には、街頭調査や郵送調査などオフラインで実施する方法もありますが、現在ではインターネット(ウェブ)を利用したオンラインのアンケート実施が一般的です。
この記事では、アンケート調査における回収率の重要性と、回収率を向上させる方法について解説します。
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回収率とは、回答者に送付や配信された調査票に対して、有効な回答が得られた割合を表す指標です。一般的に、回収率は以下の計算式で求められます。
回収率 = (有効回答数 ÷ 送付数) × 100
有効回答数とは、回収できたアンケートの中から、欠落や誤りがあるものを除いた回答の数を指します。
統計的に、調査結果の信頼性に最も影響を及ぼす要因は「サンプルサイズ」です。したがって、仮に回収率が低くても、必要なサンプルサイズを確保できれば、アンケートの調査分析は可能です。
回収率が低いということは、想定した回答者の中から、少ない回答数しか得られていないことを意味します。回収率が低ければ、想定したサンプルサイズの確保が難しくなり、信憑性に値する規模の調査ができなくなる可能性があります。また、調査にかけるコストも高騰してしまいます。
この回収率を高めるためには、調査対象者が回答しやすいアンケート調査を設計することが大切です。調査設計が回答しづらい内容だと、どうしても回収率は向上しません。
そこで、ここでは回収率を高めるアンケート調査設計の進め方について解説します。
アンケート調査を設計する際、重要なのは調査目的を明確にすることです。調査目的が明確でないと、質問の内容や調査方法があいまいになりやすく、適切な設計が困難になります。
また、1回の調査に多くの目的を設定しすぎると、設計が複雑になり、分かりにくい調査内容になってしまいます。調査設計を行う際は、できるだけシンプルかつ明確な調査目的を設定することが大切です。
調査目的が明確になったら、次は目的に適した調査手法を選定します。アンケート調査には様々な種類があり、それぞれ得られる回答の特徴が異なります。アンケート調査にはどのような種類があるかを理解して、目的に適した調査手法を選択しましょう。
調査目的と調査方法が決まったら、次は設問設計を行います。設問設計は、アンケート調査の回収率に大きく影響する重要な要因です。
設問設計を行う際は、回答に対する「プラス要因」を高め、「マイナス要因」を小さくすることが重要です。これらを踏まえた設計を行えば、アンケートの回収率は大きく向上します。
プラス要因とは、回答者が積極的に回答したくなる要因です。例えば、調査が回答者の興味関心事に近い内容であれば、自分の意見が社会や企業に貢献できるのではと考えてモチベーションが高まります。
また、「以前から感じていた不満」を聞き出す内容であれば、自分の不満を知ってもらいたいという気持ちが高まり、積極的に回答するようになります。一方、マイナス要因とは、回答者に負担をかける以下のような要因です。
このようなケースでは、回答者の負担が大きくなり、アンケートへの回答意欲を低下させてしまいます。
設問設計を行う際は、プラス要因とマイナス要因を考慮して、回答者がストレスなく回答できるようにしましょう。
アンケート調査の回収率は、事前準備や設計だけでなく、調査の実施段階においても向上させる取り組みを行なえます。
ここでは、アンケート回収率を高める調査施策について、解説します。
アンケート調査は、その調査方法によって回収に要する時間やコスト負担が異なります。そのため、適切な回収率を達成するには、調査期間や費用のバランスを考慮して、適切な調査方法を選ぶことが大切です。
調査方法には、以下の方法があります。
また、適切な調査方法を選ぶ例を1つ挙げます。例えば、調査期間が短いケースの場合です。この場合、回答を素早く得られる「オンライン調査」が有効です。また、短期間で回答率を上げるためには、回答のモチベーションが高まるインセンティブの費用を想定する必要もあります。
また、アンケート実施するタイミングも回収率に影響を与えます。特に「メール調査」「オンライン調査」では、実施するタイミング、つまり配信するタイミングによって回収率が大きく変化するケースがあります。
例えば、ある米国の調査では、オンラインでのアンケートは火~木曜日にかけての回答が最も多く、週末は回答が少ないという結果が出ました。その調査によると、回答の55.9%が火~木曜日に行なわれたのに対して、週末に回答されたのは、わずか12.6%でした。
※参照 「2023年アンケートの状況: アンケートを送る絶好のタイミングとは」
他の例では、プロフェッショナル向けのアンケートは午前10時から11時に、eコマース関連のものは午後0時から2時に送信されることが多いと報告されています。
※参照 「最も高い回答を得るために、アンケートを送るベストなタイミングは?」
このような情報を参考にして実施(配信)する方法やタイミングを選んでいけば、アンケートの回収率を高められます。
インセンティブとは、アンケート回答者への謝礼やプレゼントです。回答者がメリットを感じられるインセンティブを提供すれば、参加意欲を高められ、回収率が向上します。
最も多くの回答者に効果的なインセンティブは、ポイントや現金、ギフトカードなどの金銭的インセンティブです。特に、リサーチ会社に登録しているアンケートモニターを対象に調査する場合は、ポイントを用いるケースが主流となっています。ただし、金銭的インセンティブは金額によって回答者のモチベーションが大きく変わるため、費用対効果を慎重に考慮する必要があります。
この他に、グッズや記念品などの非金銭的インセンティブも、ターゲットによっては効果的なインセンティブです。例えば、限定品やイベント参加権など付加価値の高い非金銭的インセンティブは、回収率を飛躍的に向上させる場合があります。
インセンティブは、アンケートの回収率を向上させるのに、とても有効な手段です。
このような点を考慮して、インセンティブを効果的に活用していきましょう。
リサーチ会社が保有するモニターパネルにより、アンケートの回収率も異なってきます。
例えば、アンケート調査専用で会員を集めたモニターパネルの場合は、モニターの回答意欲がそもそも高いため、アンケートの回収率も高くなります。一方で、別の目的で集めたパネルに対してアンケートの配信を行っても、アンケートに回答してくれる割合が低くなってしまうため、自ずと回収率も下がってしまいます。
リサーチ会社が公表しているモニター数も大事ですが、回収率はそれぞれ異なるため、どのような目的で集められたパネルなのかを確認しておくと良いでしょう。
アンケート調査を一度きりではなく、今後も実施する予定がある場合は、回収率が低かった原因をしっかりと検証する必要があります。調査目的の設定や設問設計、実施方法、インセンティブなど、どの要因が回収率の低下に影響を与えたかしっかりと振り返ってみましょう。
その上で、検証結果をフィードバックとして残しておけば、次回調査で回収率を高める重要なノウハウとなります。このような改善を繰り返していくことが、長期的な回収率向上につながります。
ここまで、アンケート調査の回収率について解説しました。アンケート調査の回収率は、調査内容や設計、実施手法など様々な要因に影響されます。しかし、これは見方を変えれば、取り組み方次第で改善できることも意味します。
その上で、アンケート調査の回収率に不安がある場合は、アンケートの専門家に相談するのも一つの方法です。そうすれば、専門家の調査経験から回収率をアップさせるアドバイスを受けられます。
回収率は、アンケート調査の質を向上させるために、常に意識すべき指標です。本記事の内容を参考にして、回収率の高いアンケート調査を実施していきましょう。
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お役立ち資料「アンケート調査を成功させるコツ」
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