公開日:2022.11.24

アスマーク社員対談企画
~企画・開発メンバーが語る~
「チャットインタビューシステム・開発までの道のりとは」

  • リサーチャーコラム

社員紹介

宮城 圭佑(Keisuke Miyagi)
営業部 営業2G/チャットインタビューシステム企画・開発担当者

板谷 理恵(Rie Itaya)
営業部 ディレクションG/
チャットインタビューシステム企画・開発担当者

株式会社アスマークでは、「希望のモニターへ気軽にチャットで調査ができる」独自のチャットインタビューツール「i-PORT chat」を開発しました。本企画では「i-PORT chat」企画・開発担当者の宮城板谷コラム担当:畠による対談取材の様子をご紹介いたします。

 

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チャットインタビューとは

今回はアスマークのチャットインタビューシステム「i-PORT chat」の企画・開発を担当しているお二人に対談形式でインタビューします。まず初めにチャットインタビューとはどういったサービスなのでしょうか?

チャットインタビューはチャット形式でのインタビュー手法になります。通常のインタビューと違いテキストベースで、リアルタイムで対象者に質問することが可能です。コストを抑え、短いスケジュールで実施できる等の特徴があります。

利用シーンとしては、オンラインインタビューまたは対面でのインタビューの前に、お客様の方で仮説を持っていただくためにご利用いただくことなどが可能です。

なるほど、座談会などの事前調査とか予備調査として利用されるシーンが多いのでしょうか?

活用パターンとしては大きく分けて2パターンがあるかと思います。
1つ目は、インタビュー調査の前の仮説出しや、インタビュー項目、対象条件を考える材料とするために実施するケースです。
2つ目は、単体で完結させるケースです。「デプスインタビュー、グループインタビューを実施するほどの予算はないが、やはりインタビューは行いたい」などの場面でチャットインタビューを実施することは有効ですね。

では、通常のオフラインインタビューやオンラインインタビュー等の調査と比べ、チャットインタビューのメリットとは何でしょうか?

実際に体験したモニターの方の声として、「通常のインタビューに比べ回答内容をじっくり考える時間が持てる」という点がありました。他にも「しっかり考えて回答できました」という声や「声も映像も映らないから気軽にできました」という声もあって、この点はメリットかと思います。

また、インタビューする側のハードルが低いこともあげられます。何か作業をしながらインタビューができる気楽さがあって、時間がない方などにとってはメリットかもしれません。自分が実施してみて気づきましたが、テンプレート機能を使って事前に質問内容を登録して準備しておけるので、気持ちに余裕がありました。

確かに。チャットインタビューの自主調査を拝見しましたが、インタビュー項目を画面の右側に配置できる点などは、インタビューする側にとっても心の準備もでき、負担が軽そうですね。

そうですね。一方でテンプレートだけをどんどん打っていくと話が広がらないので、インタビュー中に思いついた言葉も打っていくのがすごく大事だなと感じています。ただ、テンプレートがあることで負荷がすごく軽くなるので、その分考える時間ができることはメリットだと感じました。

なるほど、調査者側にも参加者側にもメリットがありそうですね。

インタビューは調査者側にとっても心理的な負担が大きいと思います。打合せも含め、たとえオンラインだったとしても、始まる10分ぐらい前から準備を始めるような感覚があったと思います。チャットインタビューの場合は直前まで何か作業ができるような感覚はすごくありましたね。

なるほど、2年ぐらい前までいつも実施していたように、デプスインタビューで会場を設ける等の準備の時間や物理的ハードルが少ないので、そういった点ですごく活躍できそうですね。

「チャットインタビューシステム」開発経緯

次はチャットインタビューシステムの開発経緯について伺います。どんな経緯で開発に至ったのでしょうか?

開発の背景には、オンライン定性調査でナンバーワンを目指していくという社長-町田の思いがありました。オンラインインタビューの「i-PORT voice」も作っていましたので、それを基にチャットインタビューシステムを作っていきたいという意向がありました。

開発を進めてリリースするまでで大変だった点はありますか?

チャットインタビューについて、需要がどの程度あるのかが不透明な中での企画・開発でした。商品開発などのヒントを得る等の使い方としてチャットインタビューは有効かなと思ってはいるものの、今までの調査の代わりにチャットインタビューを使うという考え方はまだ確立されてないのかなと思っています。確実な需要がまだ見えていない中で、システムの要件を決めていくという点が一番大変でした。

あとはスケジュールですね。短いスケジュールでリリースしたいという意向がある中での機能の取捨選択が難しかったです。

そうですね。板谷さんの意見には同感です。どれがお客様にとってプラスになりそうで、どれがまだなくてもいいのかを考えながら開発を進めるという点が大変でした。お客様がどういうものを求めているか分からない中で、自分たちで考えかつそれを開発者に伝えて、上がってきたシステムを見てまた改善を重ねる。これを一定のスピード感を持って繰り返していくのは結構大変でしたね。スピード感だけでなくクオリティを落とさず開発してきましたので。

システム以外にも料金を考えたり、お客様からの評価をどのように取っていくのかを考えたり、モニターに自主調査を実施したり、そういったことも含めてスピード感を落とさずに進めていくことがかなり大変でした。

確かにローンチしてから色々なことにスピード感を持って進めているのを見て感心していました。それでは、開発する中で、期待以上に良かったポイントはありますか?

テンプレート挿入は良かったと思います。今回は短いスケジュールの中で最低限の機能だけに絞り、その機能のクオリティを落とさないことを意識していたので、やむなく外した機能もありましたが、中でも「テンプレート機能」は外せない機能でした。

あとは「画像送付機能」ですね。この画像送付についても外せない機能ですので、開発当初から入れてよかったと思っています。

私もシステムを拝見しましたけど、無駄なものをそぎ落としてかつシンプルでUIもすごく分かりやすいなと思います。特に、テンプレートの定型文がつぶさに出てくる点は非常に使いやすかったです。宮城さんは何かありますか?

やはりシナリオとフローの登録機能ですね。開発前から便利そうだと思っていましたが実際のものを見たら予想以上に便利だなと思いました。お客様にデモでお見せしたところ、ご好評の声もいただけました。チャットインタビューならではの手軽さを実現できたと思います。

あともう1つはアウトプットをダウンロードできる点です。形式に関しては今後改善の余地はあると思いますが、発言録がインタビュー終了と同時にすぐ手に入るため、コストダウンやスケジュール短縮が可能です。

ただ、お客様に受け入れてもらわないと意味がないので、今後は実際に使っていただくお客様の理想の形へ、より近づけていきたいです。

宮城さんはさすが営業目線で、アウトプットを最初からすごく大事にしていましたよね! まだまだ足りない点はあるのですが、優先度高くシステムの改善ポイントに入れています。

開発メンバーで「良かったと思う点」が一致しているのはすごく素晴らしいことですね。

どんなマーケティング課題に応えられるのか?

次に、「チャットインタビューはどんなマーケティング課題に応えられるのか」という質問です。どんなシーンでのご利用が考えられますか?

色々な課題に色々な側面でフィットできると思います。メイン調査としての位置付けではなく、補助的あるいはプラスオンして活用するという調査手法の1つという位置付けであれば、例えば市場機会の発見、4Pの開発、上市後の改良、全部にフィットすると考えています。食べるとか飲むとか以外の意識系の評価は確実に取れますし、画像を提示してその評価を取る、コンセプトを提示して受容性評価を取ることもできます。

一方で、グループダイナミクスを活かしてのグルインはチャットインタビューの性質上、対面で行う場合に比べると、少し弱いかと思います。また調査品を提示するような場合も同様です。

これらのように一部不向きなケースもありますが、マーケティング課題全般を考えると補助的な役割として、オールマイティにチャットインタビューを活用できるのかなと思います。

企画・開発メンバーが選ぶメリット5選

最後に、チャットインタビューのメリットをあげるとしたらどんなところでしょか?

1つ目にあげられるものとしては、スケジュールとコストをカットして全てのマーケティング課題に対応できるという点ではないでしょうか。どのシーンでも使える手法で、短期間で、低予算で実施できるということがチャットインタビューの1番のメリットかと思います。

ただ単にコストとスケジュールをカットできるだけではなく、様々なマーケティング課題にも対応できる点は大きいですよね。

2つ目は事前リクルート形式なので、スクリーニングを行った上で狙ったターゲットへ調査が実施できるという点があげられます。しっかり選定したモニターに対しインタビューできるということが、アスマークとしての「i-PORT chat」のメリットになっていくのかと感じています。

全てのマーケティング課題に対応できて、対象者もしっかりと選定をした上でリクルートするので、リサーチのクオリティは担保できる上に、更にクイック且つ低コストで調査が可能という点ですね。他にはありますか?

3つ目はご自身でインタビューできるという点もあるかと思います。気になる方にダイレクトに質問できるという点は今までにないメリットかと思います。

また4つ目としてあげたいのですが、アウトプットの取得が早いということもメリットとしてあげられるかと思います。発言録はインタビュー終了と同時に即日すぐ手に入ります。

最後に5つ目として、テンプレートがあるためチャットインタビューが行いやすい点もメリットです。テンプレートを作る際は、例えば「こう返ってきたらこう返す」のような会話形式のシミュレーションをしながらテンプレートを作ります。事前に徹底準備できるため非常に便利です。しかもシステムの中にインプットしておけるため、当日はシステムさえ開けば大丈夫と思えてとても安心です。

また、モニターのスクリーニング情報も登録して画面の左下に表示できます。今まではプロフィールシートやインタビュー項目等、手元に用意していたものがシステム一つで完結できるのは価値の一つかと思います。

対談取材を終えて

インタビュー調査の前の仮説出しや、インタビュー項目、対象条件を考える際にも利用できるチャットインタビュー。
低コスト、短期間で利用することができるので、それ以外にも様々なマーケティング課題に補助的な役割を果たすことが期待できます。
まだまだ開発されたばかりのサービスですので、今後様々なお客様にご利用いただき評価や示唆を得ることで改善を重ね、お客様の理想の形に近づけていくことが大切ですね。

 

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