公開日:2019.12.05

STP分析とは

  • マーケティングリサーチ用語解説集

STP分析とは、「自社が誰に対してどのような価値を提供するのか」という問題を明確にするためのフレームワークです。製品開発前の段階において、重要なフェーズがSTP分析です。マーケティングのプロセスは大きく分けると4つのフェーズに分けられます。
STP分析のSは「Segmentation」のS、Tは「Targeting」のT、Pは「Positioning」のPです。

マーケティングプロセス

セグメンテーションとは?

日本人全員を顧客にしたいと考えるのは自由ですが、実際には誰もが同じ商品を買うことはないので、マス市場からニッチ市場へシフトせざるをえません。そのため、さまざまな角度から市場調査を行い、ユーザ層、購買層といった形であぶり出し、明確化していきます。ようは切り口探しです。
例えば「東京都内に住んでいる、30代の男性で、海外サッカーに興味があり、現在はWOWOWに加入している」といったさまざまな切り口から、市場における顧客のニーズごとにグループ化する、つまり「市場をセグメントする」ことが、セグメンテーションです。
マス市場を狙っても売れるものは作れなません。どう「選択と集中」できるかがカギとなります。

ターゲティングとは?

続いてやることはターゲティング(ターゲット選定)です。セグメント化した結果、自社の参入すべきセグメントを選定、すなわちターゲットを明確にすることを指します。ターゲットの選定には、自社の強みを活かせたり、競合する他社がいないセグメントを選択することが大事です。
必ずセグメンテーション→ターゲティングの流れとなります。
クラスター分析等で、〇〇派・〇〇タイプといったターゲット設定をするケースがありますが、コンセプトやキャッチコピー・デザインの開発には大きく寄与しますが、実際にコミュニケーションを取ろうとする際は、役に立たないケースもある。なんでもかんでもクラスター分析をすればよいという考えは危険です。
デモグラだけでターゲットの設定をするのは時代錯誤と言えます。例えば、「20代男性をターゲットに・・・・」の場合、20代男性といっても色々なライフスタイル・価値観の方が混在しているからです。
「誰に」売るか、「誰を」目標とするかを決めることは非常に困難な事柄ですが、同時にとても重要な事柄でもあります。

ポジショニングとは?

「差別化」と考えている方がおりますが、少し違います。ターゲット層から見たときの「優位点(優位性)」のことです。消費者にとって対価を支払ってもよいと思えるだけの価値や魅力があるのか、その観点でとらえなければなりません。言い換えれば「差別化」とは「機能提案」にすぎません。自社の特徴を顧客視点で捉え直し、「用途提案」することを心がけてください。
その意味ではキャッチコピーはポジショニングを象徴しているといえます。またポジショニングは市場全体を意識する必要はありません。あくまでもターゲット層にとってどうであるかが問われています。
アプローチすべきターゲット層にどんな不満があるのかを事前に把握しておかないと、訴求ポイントを見つけることが難しくなります。ポジショニングが不明確なままだと、その後のマーケティング施策がぼやけてしまいます。そのためにもSTPの最終ステップとして可能な限り具体的にしなければなりません。
他社と同じことをしても価格競争に陥るだけ!

STP分析の目的は自社の商品・サービスを売っていくにあたり、STP分析により、ユーザーニーズを把握し(ターゲット選定)、他社との差別化を図り(ポジショニング)、マーケティング戦略を明確化し効率よく売上をあげることです。

ポジショニングの明確化

STP分析を行うことで、顧客ニーズの把握、自社の強みの明確化、競合他社との差別化が図れます。どの市場でどの顧客層を狙い、他社との差別化をどのようにアピールしていくのかというポジショニングを明確化できます。

STP分析で新たな市場を発見

顧客ニーズをより深く掘り下げるだけでなく、今まで気づかなかった新たなターゲットに目を向けることにつながり、新たな市場を発見する機会にもなり得ます。

定期的な見直し

市場のユーザーやユーザーを取り巻く環境は絶えず変化しています。変化に対応できず、同じマーケティング戦略を実行していても売上の上昇は見込めません。時間の経過によってユーザーのライフスタイルや志向は変化し、ニーズも多様化しています。そのユーザーの変化に対応するためには、STP分析を行った後も定期的な見直しが必要になります。

STP分析の発想の順番は逆の場合もある

実際には多くのケースで、全く新たな商品の開発のためではなく、既存商品の売上拡大のためにSTP分析を実施することが考えられます。この場合は、STPの順番通りではなく、「P」の「ターゲットにとって魅力」「競合他社と比べた優位性」から発想することも有効です。