
2025.08.21
【海外調査】中国人データアナリストから見る日本家電の印象とは?
はじめに 事業拡大の一環として海外市場への参入を検討する日本企業は増加しています。特に家電製品は「高品質」「信頼性」といったイメージで長らく評価されてきました……
公開日:2025.11.11
商品やサービスを企画するとき、リニューアルするとき、消費者のお金に関することをヒアリングしたいときがあるかと思います。
しかし、貯金や所得といった話は、どうしてもプライベートに踏み込む質問をする必要があるため、一歩間違えれば問題になりかねません。そのため、こういったセンシティブなテーマでインタビューを実施する場合は十分な注意が必要です。
当社(アスマーク)では、このようなセンシティブな領域についても、できるだけ自然語っていただけるように調査を設計しており、実際の消費者の声を収集することが可能です。
そこで今回は、そんなセンシティブなテーマ、特に「お金まわりの本音」に注目し、インタビューを実施しました。愛知県在住の40代の父親に、お金に関する不満や使い方、価値観、秘密または隠し事などについてお話を伺いました。
インタビューをした方の簡単なプロフィールは下表となります。
| 性別 | 男性 |
|---|---|
| 年代 | 40代 |
| お住まい | 愛知県 |
| ご家族 | 妻、息子(10歳) |
| ペット | 犬 |
| お仕事 | システムエンジニア |
| ご趣味 | 映画鑑賞、子どもとキャッチボール(子どもがハマっている) |
この記事では、彼のお金に関する発言を整理し、会社員と父親の両側面を持つ男性のニーズを手掛かりに、サービスやプロダクト開発に役立つヒントを慎重に読み解き、ご紹介します。
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彼は、普段クレジットカードを利用しており、一括で支払っているそうです。

支払い方法を“一括払いのみ”にしている理由を尋ねると、分割払いは一括払いと比べて管理がしにくいことを話していただきました。分割払いの場合、半年払う必要があるとしたら、その半年間毎月支払うことになりますが、一括であればそのときにパッと金額が見られるので管理がしやすいと感じているとのことです。
また、リボ払いについては“借金”だと考えているそうです。「利息を借りて返す」と感じていて、そこまでやる必要がある買い物をしないし、「それをやるべきではない」と思っていると言います。
収入や貯蓄で不満に思っていることとして、「お給料が上がらない」や「支出が多い」を挙げていました。加えて、収入より支出が勝ってしまうときが稀にあるとも話します。
収入面
この収入面で、彼が考える生活費や将来使いたい額といった目標を達成するために、十分な金額かどうか尋ねると、「十分じゃない」と即答。
加えて、今を100%とした場合、何%増えれば十分かどうか?といった角度で深掘りをすると、彼は以下のように言います。
「今の生活を大きく変えずに考えるとすると、30%くらい増ですかね…。であれば、その貯蓄にもまぁまわせると思う」(調査対象者[以下、インタビュイーと呼ぶ])
そして、この30%増に対して「今やっている or 今後やりたいこと」として、以下を挙げておられました。
上記のような回答から、楽天の「お買い物マラソン」のように「この期間に買うとお得ですよ」といったセールを見るかどうかについても尋ねました。
「そのときしか買わない」と言い、スケジュールを必ず確認して、以下のような買い方をすることで、節約していると話します。
貯蓄面
貯蓄を増やしていきたいかどうか?という話で、「自分のお小遣いとかもだいぶ削ってます」とのこと。
続けて、今の貯蓄ペースは将来急な出費やお子さんが大きくなったときの出費を考えたときに十分か尋ねると、余裕があるわけではないが、何かあっても大丈夫なくらいには貯蓄していると話します。そのため、“次の月は暮らしていけません”みたいな感じではないとのことでした。加えて、“子どもが高校に行く”などで使えるように、しっかり貯めているとも。
また、お子さんが大きくなることで、支出が変わったかどうかについても尋ねると、そこまで大きな変化はない様子でした。ただし、習い事などに通わせているため、毎月固定の支出が出ていっていると言います。
ご自身の今のお金に関する悩みの程度について、「重い」と思うのか、「軽い」と思うのかを尋ねると、次のように答えてくれました。
「僕はたぶん、軽い方なのかなと思う。軽いっていうか、あんまり重く受け止めてないのかなっていう感じがします。もっときっとやってる人はやってますし…でも個人的にはやってるつもりですけど、もっと色々やってる人もいますし」(インタビュイー)
この章では、彼の収入や貯蓄に対する考え方や感覚が見えてきました。
多くの人にも共通することかもしれませんが、彼もまた「収入を増やしたい」「貯蓄を増やしたい」と感じています。
その手段として、まずは仕事を頑張ることを基本に、日々の消費を抑えるためにクレジットカードやポイ活などの“お得な仕組み”を活用し、余裕があれば投資にも取り組む――そんなスタンスがうかがえました。
こうした中で一つヒントになり得る発言は、ポイ活での「そのときしか買わない」ではないでしょうか?
仕事やポイ活、クレジットカード利用といった行動は多くの人に共通しますが、、「そのときしか買わない」というのは、そういった方々の中でも限られた方となるでしょう。
ここで改めて楽天市場を例に挙げると、「お買い物マラソン」や「39キャンペーン」、「5と0のつく日」、「楽天ブラックフライデー」など数多くのキャンペーンを目にします。
また、ウエルシアでも、「ポイント2倍デー」や「シニアズデー」、「お客様感謝デー」などがあるようです。
ECサイトや小売店では、このように多様なキャンペーンが展開されており、彼のような消費者は、それらの情報をいくつかチェックして、スケジュールに組み込み、狙いを定めて購入しているのかもしれません。
ここで少し経済学の話をすると、「価格弾力性」という言葉があります。
これは、ある商品やサービスの価格が変動したときに、需要や供給がどの程度変化するかを示す指標です。そして、この価格弾力性を考えキャンペーンをすることが重要だと考えます。
例えば、映画館で「シニア割」を検討するケースを考えてみましょう。
シニア層は、平日の昼間の時間帯に余裕があるかもしれません。加えて、映画に興味があっても通常価格では足が向きにくいかもしれません。
一方で、映画館にとって平日昼は勉強や仕事などの理由で、学生や社会人が来にくい時間帯です。
そこでシニア割を導入し、価格のハードルを下げることで、これまで来館しなかった層の来場を促進できそうなイメージが持てるでしょう。
結果として、映画館の稼働率が上がり、シニアもお得に楽しめる――つまりwin-winの関係が生まれるわけです。
このように、キャンペーン設計に価格弾力性の視点を取り入れることで、より戦略的に売上向上を図る可能性が広がるでしょう。
まず現状は、住宅ローンや子どもの教育費がかかっており、お金を貯めているとのこと。その貯蓄額として、住宅ローンを払えるぐらいはあるが、払ってしまうと何かあったときに困るので、毎月払う形をとっていると言います。
次に、“今後”という部分で老後の資金についての不安や考えていることについて尋ねると、「あんまり考えてない」とのことでしたが、以下も付け加えて言います。
「要るなっていうのは認識してますし、麻生さんが2,000万でしたっけ、っていう話を聞くと、確かにちょっと焦る部分はあるな、とは思いますね。
(中略 ~インタビュアーとインタビュイーの会話含む~)
そうですね、たぶん年金もないだろうし、そうすると、やっぱり自分で何かしら、その得る手段をって考えるとやっぱり、投資信託とか株とか、なるべくローリスクローリターンで少しずつやっぱり資産を作っていくっていったのも大事なのかなっていう感じですね」(インタビュイー)
彼は投資をしているということで、そういった投資や住宅ローンといった大きな買い物で後悔した経験があるか尋ねました。
しばらく考えたのち、以下のように話がありました。
「なんか失敗したっていうのは、まぁでも、そういう考えでいくと、やっぱり株とかでも感じるし、『知らずに買って値下がっちゃって』っていうのは、そういう“買い物ではない”ですけど、そういう無知なものに流行りに乗ってやったのは失敗かなって思いましたね」(インタビュイー)
お金の考え方について、ご家族の方やパートナーの方と意見が食い違ったことはあるか尋ねると、彼は「僕は基本的に使っちゃうタイプなので、妻は貯めるタイプ(妻は全然使わず、買い物もあまりしないとのこと)なんで、だから基本的には私が管理すると駄目なんで、だからそこは任せてますね」と言います。加えて、ケンカはないそうですが「『あんた、すぐ入ってくると使っちゃうから』、言われちゃうんで」と和やかな雰囲気で話しておりました。
また、こうも話します。
「必要性のないものを買ったときとか…、自分は必要で買ったんですけど、『それってよくよく考えると要らないんじゃない』とか、『今、要らないじゃない』とか、なんかそういうようなことをよく指摘されるようなことはありますね…
その服とかでも『高い服じゃなくても別に安い服でも着れるよね』とか、そういうことを言われたことはありますけど、とか、そういうなんていうんですかね、その“かける”ものに対して、本当にその価値があるのか、っていうことと、自分の持っているその金額っていうか、と見比べた上でお金を使うようにしないとまずいよねっていうのは、奥さんからよく言われます」(インタビュイー)
当社のインタビューでは、このように少し聞きにくいテーマについても、丁寧にお伺いすることができます。
そして、そこで得られた以下のような発言は、非常にリアルで、価値のある消費者の声といえるでしょう。
例えば、アパレル業界では、お客様が来店された際に軽くお声がけをすることがあると思います。
その際、奥様に話しかけるのか、それとも旦那様に話しかけるのかで、反応が変わるかもしれません。
今回の彼の場合、奥様は「貯めるタイプ」で買い物もあまりしないとのことなので、奥様へのアプローチは控えめな反応になる可能性があります。
一方で、旦那様(彼)に対しては、比較的前向きな反応を得られるかもしれません。
もちろん、接客の仕方によっては不快に感じる方もいらっしゃるため、一概には言えません。
しかし、たとえ夫婦であっても特定のことに対する価値観が異なるという点を意識しておくことで、より的確なアプローチや接客につなげられるのではないかと考えます。
「これ本当に言える範囲で大丈夫なんですけど」と前置きをしつつ、お金に関する秘密、ないしは隠し事の有無について尋ねました。
彼は次のように答えてくれました。
「これたぶん男の人ってみんなそうなのかもしれないですけど、独身時代に持ってたお金は、ずっとたぶん内緒で持ってるんじゃないのかなと思うんですけど…たぶん…自分が使いたいタイプなんで、そのなんていうんですかね、使いたいときに使えるように持つって、内緒で持ってるっていうのは、みんな周りの人もよく言いますけど」(インタビュイー)
今回のインタビューを通じて見えてきたのは、彼の「お金」に対するリアルで等身大の心理です。
彼は、「収入を増やしたい」「貯蓄を増やしたい」と考えつつも、無理をせず、日々の中でできる工夫――仕事を頑張りながら、ポイ活やお得な支払い方法を活用して賢く節約する姿勢が印象的でした。
さて、得られた内容からヒントを整理すると以下となります。

当社(アスマーク)では、このようなセンシティブなテーマであっても、参加者が自然に本音を語れるよう調査設計を行い、実際の生活者の声を可視化しています。
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