公開日:2025.01.10

広告は見ない?アメリカ人Z世代が選ぶ日本製家電の魅力と改善点

  • インタビューコラム

はじめに

近年、多くの企業が海外市場への参入を検討する中、特に日本の家電製品は、信頼性や機能性の高さで海外市場でも評価を獲得しています。
しかし、国外の若い世代に日本製品がどのように受け入れられているのか、具体的な意見を知る機会は限られています。
そこでアスマークでは、東京に留学中のアメリカ人Z世代である20代女子大生にインタビュー調査を実施いたしました。

本コラムは、英語で行ったインタビュー内容を翻訳し、考察を加えたものです。
日本製家電に対する率直な感想や購入基準だけでなく、広告への接触状況や購買行動に影響を与える要素について詳しく解説していきます。

 

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留学生活を支える家電の条件とは?

日本に来て最初に購入した家電は、電子レンジ、冷蔵庫、炊飯器、ガスコンロといった生活必需品でした。
これらはすべて日本ブランドの製品で、購入時には友人家族の助けを借りて製品を選んだとのことです。特に、友人のお父さんのアドバイスが大きな決め手となり、以下のポイントが選択基準として重視されました。

価格の手頃さ:学生生活の限られた予算に合わせた価格。
コンパクトなサイズ:一人暮らしや小型アパート向け。
耐久性と実用性:長期間使用できる安心感。

これらの条件を満たす日本製家電は、留学生活を支える実用的な選択肢として高い評価を受けています。

画像 実際のインタビュー風景
画像 実際のインタビュー風景

 
 

日本製品の評価ポイント

インタビューでは、購入した日本製の冷蔵庫について「価格は手頃でありながら一時的な停電時にも内部の温度を維持できる」など機能性やコストパフォーマンスへの評価の高さが伺えました。災害やトラブル時の安心感を提供する性能は、海外市場においても魅力的な特徴となり得るでしょう。

日本製品の「高いコストパフォーマンス」と日常生活における「信頼性」への評価の高さから、「日常生活を支える堅実な選択肢」として受け入れられていることが分かりました。これらの要素が、日本製家電の強みとして際立っています。

また、日本製家電の「多機能性」「細やかな設定の選択肢」に魅力を感じていることが分かりました。
例えば、電子レンジがオーブン機能を兼ね備えている点や、用途に応じたワット数設定が可能であることは、アメリカ市場では珍しく新鮮に映るようです。

こうした日本製品の独自性をさらに強調し、海外市場のニーズに応じた機能や設計を展開することで、競争力を一層高めることが期待されます。

 
 

デザイン性とスマート機能の課題

一方で、アメリカで使用していたファミリー向けの冷蔵庫と比較すると、デザイン性やスマート機能において物足りなさを感じるという指摘がありました。
アメリカで使用していた韓国製の冷蔵庫は、最新のスマート機能を搭載していたため、家族間での利便性を向上させる点が特に評価されていました。また、日本製品のデザイン性については、他国製品と比べ「特に目立つとは思わない」との意見があり、ビジュアル面での差別化がZ世代を惹き付ける上で重要な要素のひとつともいえるでしょう。

最新技術を取り入れたスマート機能の搭載や、Z世代を含む若年層の感性に合った洗練されたデザインの導入は、競争が激化するグローバル市場での成功に欠かせない要素です。これらの改善により、日本製家電はさらなる市場拡大のチャンスをつかむことができるでしょう。
 
 

変わりゆく広告の接触機会

インタビューでは、アメリカで日本製品の広告を目にする機会がほとんどないことが判明しました。テレビ広告の影響力が低下する中、YouTubeやInstagramなどのソーシャルメディアが主要な広告媒体となっています。
しかし、これらの広告も多くの場合スキップされるか、無意識に流されてしまうことが多く、記憶に残るには「面白さ」「興味を引く要素」が不可欠です。

 
 

まとめ

今回の調査を通じて、アメリカのZ世代が日本製家電に対して抱く印象やニーズ、課題への具体的なヒントが浮き彫りになりました。
今後の家電市場で、競争力を強化するためには以下のポイントが重要です。

1.多機能性を活かした差別化
 日本製品の特長である多機能性を生かしつつ、市場のニーズに応じた機能や設計を展開する。
2.デザインの強化
 トレンドや感性に響くビジュアルを取り入れ、製品の個性を際立たせる。
3.広告戦略の見直し
 ソーシャルメディアを活用し、記憶に残るユニークな広告やコンテンツ制作を行う。

これらの取り組みによって、日本製家電は海外市場での存在感をさらに高めることが期待できるでしょう。

 

おわりに

日本製品は高いコストパフォーマンスや信頼性、多機能性によって「日常生活を支える堅実な選択肢」として評価されていることが分かりました。これからの家電市場では、日本製品の強みを活かしつつ、デザイン性やスマート機能の導入などトレンドを取り入れた製品の開発が求められるでしょう。
また、広告戦略においては、従来のアプローチから脱却し、柔軟でクリエイティブな手法がZ世代をはじめとする若年層の心をつかむ鍵となります。
これにより、日本製家電のブランド価値を向上させ、新たな顧客層を開拓することが期待されます。

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執筆者
アスマーク編集局
株式会社アスマーク 営業部 マーケティングコミュニケーションG
アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

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