
2024.12.03
ブランド認知度調査とは?各手法からアウトプット例、見積まで解説
ブランド認知度調査は、自社の商品やサービスが市場でどの程度認知されているかを測るための重要な調査です。認知レベルや競合比較、ターゲット層分析、認知経路把握、調査……
公開日:2025.04.15
ビジネスにおいて顧客の声を収集・分析することの重要性は高まる一方です。デジタル化に伴い、従来の紙媒体によるアンケート調査からWebアンケートへの移行が急速に進んでいます。
Webアンケートは、調査期間の短縮やコスト削減に加え、データ収集の効率化や分析の高度化など、マーケティング活動や商品開発に多くの利点をもたらします。ただし、効果的な実施には適切な知識と準備が必要です。
本記事では、Webアンケートの基礎知識から実施のポイント、具体的な活用事例までを解説します。
Webアンケートとは、アンケート調査の一種で、インターネットを介して実施するアンケート調査のことです。従来の紙によるアンケート調査と異なり、調査票の作成から配布・回収・集計までをインターネット上で完結できる調査手法です。そのため、この手法は「ネットリサーチ」「インターネット調査」「オンラインサーベイ」などとも呼ばれて、PCやスマートフォンなどのデジタル端末から回答できることから、アンケート調査をオンラインで効率的に実施することができます。
Webアンケートは、様々なビジネスシーンで活用されており、目的に応じた調査設計が重要です。主な目的は以下の通りです。
市場調査・顧客ニーズの把握
市場の現状やトレンド、顧客のニーズを把握することが最も一般的な目的です。この目的を達成するため、Webアンケートを実施し、インサイトを得ます。具体的には、顧客の購買行動や競合製品の利用状況、ターゲット層の特性やライフスタイル、潜在的なニーズなどを調査します。
商品・サービスの評価・改善
続いて、既存の商品やサービスに対する顧客の評価を収集し、改善点を特定することを目的としてWebアンケートが実施されます。顧客満足度評価や製品の使用感、機能性の評価、改善要望などを調査します。
ブランドイメージ調査
企業やブランドに対する消費者の認識や印象を把握することを目的としてWebアンケートが実施されます。ブランド認知度、イメージ、競合との比較評価、広告効果などを調査します。
新商品・新サービス開発のための調査
新しい製品やサービスを市場に投入する前に、そのコンセプトや特徴に対する消費者の反応を把握することを目的としてWebアンケートが実施されます。コンセプト評価、機能への関心度、購買意向、適正価格の検証などを行います。
Webアンケートを実施する方法は主に3つあります。それぞれの特徴を理解し、調査目的や予算に応じて最適な方法を選択することが重要です。
アンケートフォームの活用
無料または低コストのアンケートフォームサービスを利用する方法です。GoogleフォームやMicrosoft Formsなどのツールで、簡単にアンケートを作成・配信できます。特別なITスキルがなくても操作できる点が魅力で、小規模な調査や社内アンケート、イベント後のフィードバック収集などに適しています。ただし、設問数や回答者数に制限があり、分析機能も限定的な場合が多かったり、不正アクセス防止といったセキュリティ面も注意したりする必要があります。
アンケートシステムの導入
専用のWebアンケートシステムを導入する方法です。セルフ型のWebアンケートシステムを導入すれば、アンケート画面の作成から配信、集計まで自社で完結できます。多彩な設問形式や分岐ロジック、自動集計・分析機能が充実しており、カスタマイズ性が高いのが特徴です。条件分岐や画像・動画の表示、ドラッグ&ドロップによる順位付けなど高度な設問形式も利用でき、回答データのリアルタイム集計・可視化も可能です。月額制や年間契約が一般的で、継続的に調査を実施する場合や、社内に専任担当者がいる場合に適しています。
調査会社への委託
調査会社に委託する方法です。調査会社は、独自のパネル※を保有しており、特定の属性を持つ回答者を確保しやすいという利点があります。調査設計から実施、分析まで専門的なサポートを受けられ、多様な属性の回答者にアプローチできます。全国規模の消費者調査や特定の専門家を対象とした調査など、自社だけでは回答者を集めにくいケースで効果的です。コストは他の手法と比べると高いものの、重要な意思決定のための調査では、専門家の知見を活用することで質の高い結果を得ることができます。
※ パネルとは、アンケートに回答してくれる方(モニター)を集めた組織(集団)となります。例えば、アスマークでは、Dstyle Webという会員組織を持っており、アンケートに答えていただけるアンケートパネルを運営しています。
Webアンケートには従来の紙アンケートと比較して多くのメリットがあります。ここではその主要なメリットを解説します。
スピーディーな調査実施
Webアンケートの最大の強みは、調査のスピードです。紙アンケートでは調査票の印刷、配布、回収、データ入力に多くの時間を要しますが、Webアンケートではこれらがオンラインで完結します。調査票完成後すぐに配信でき、回答もリアルタイムで収集できるため、短期間での調査が可能です。従来は数週間から数ヶ月かかっていた調査が、数日〜1週間程度で完了することも珍しくありません。特に市場変化への素早い対応が求められる場面や、新商品開発のスピードを重視するプロジェクトでは、この時間的な優位性が重要な意味を持ちます。
多くの回答収集ができる
Webアンケートは、メールやSNS、Webサイトなど様々な媒体を通じて配信できるため、多数の回答者にアプローチ可能です。地理的制約が少なく、全国規模やグローバルな調査も実施しやすいのが特徴です。また、調査会社のパネルを利用することで、特定属性の回答者(例:「30代の子育て中女性」「高級車所有の50代男性」)を短期間で集められる可能性が高まります。統計的に有意な分析に必要なサンプル数を確保しやすい点も調査会社を使うメリットです。
回答者の負担軽減
Webアンケートでは、回答者は慣れたデバイスから都合の良い時間に回答できます。紙アンケートのように記入・返送する手間がなく、クリックや入力だけで完了するため、回答の負担が大幅に減ります。設問分岐機能を使えば、回答者に関連する質問だけを表示することも可能です。例えば製品未使用者には詳細評価質問をスキップさせるなど、回答時間の短縮と回答体験の向上が図れます。
コスト削減効果
紙アンケートでは印刷費、郵送費、データ入力の人件費などが発生しますが、Webアンケートではこれらを大幅に削減できます。特に回答者数が多い調査ほど、コスト削減効果は大きくなります。例えば、無料のフォームサービスを活用する場合、小規模調査であれば実質無料で実施することも可能です。
集計・分析の効率化
Webアンケートでは、回答データが自動的に収集されるため、集計作業が効率化されます。人手によるデータ入力が不要なため、入力ミスも防げます。多くのWebアンケートシステムでは、基本的な集計結果をリアルタイムで確認できるほか、CSVファイルなどでデータをエクスポートして詳細分析も可能です。クロス集計や相関分析など、紙アンケートでは手間のかかる分析も効率的に実施できます。
Webアンケートには多くのメリットがある一方で、いくつかの課題も存在します。これらを理解し、適切な対策を講じることで、より信頼性の高い調査結果を得ることができます。
回答者の偏り
Webアンケートは、インターネット環境を持つ人に限定されるため、特に高齢者やデジタルデバイスに不慣れな層からの回答が少なくなりがちです。これにより調査結果に偏りが生じる可能性があります。
対策としては、対象者に応じて複数の調査手法を併用することが効果的です。高齢者層を対象とする場合は、Web調査と紙・電話・対面調査を組み合わせるハイブリッド型の調査設計が有効です。また、回答者の属性分布と母集団の属性分布を比較し、必要に応じて統計的な「ウェイトバック」処理(特定属性の回答に重み付け)を行うことで、偏りを補正できます。調査会社のパネルを利用する場合は、人口動態に合わせたサンプリングを依頼することも効果的です。
回答の信頼性
オンラインの匿名性から、不真面目な回答や多重回答が生じるリスクがあります。特に謝礼目的の場合、回答内容の質が低下しがちです。
対策としては、スクリーニング設問や矛盾チェック設問を設け、矛盾回答をしている回答者を除外します。「存在しない商品」を知っているかを尋ねるトラップ質問などが有効です。回答時間が短すぎるケースを自動検出して除外したり、専門トピックの調査では知識確認質問を設けて質を担保したりする方法も効果的です。質の高い調査パネルを持つ調査会社を選ぶことも重要です。
途中離脱の発生
Webアンケートは途中で回答をやめてしまう「離脱率」が高い傾向があります。特に設問数が多い、難解な質問がある場合に顕著です。
対策としては、回答時間を10分以内に抑えることを目標に、必要最低限の設問数に絞り込みます。また、『プログレスバーと呼ばれる進行状況を示すゲージのようなバーを表示し、残りの質問量を可視化すること』や『適切なインセンティブを設定し、回答者のモチベーションを維持すること』も効果的です。
項目 | Webアンケート | 紙アンケート |
---|---|---|
実施スピード | 設計後すぐに配信でき、回答もリアルタイムで集まる。 | 印刷や発送の準備に数日かかり、回収も時間がかかる。 |
コスト | 無料のアンケートフォームを活用することで、費用がかなり抑えられる。また、その他の実施方法でも紙アンケートと比べ、コストは抑えられる傾向にある。 | 用紙代、印刷代、郵送料などの実費がかかり、回答者数に比例してコストが増加する。特に郵送の場合は費用負担が大きい。 |
回答者の範囲 | 地理的制約なく全国や世界中の人に配信可能。遠隔地の顧客からも回答を集められる。ただし、ネット環境やデジタル機器の操作スキルが必要であり、「デジタル機器の操作具合」を問うアンケートでは、バイアスがかかってしまう。 | 直接会える人や郵送できる範囲に限られる。ただし、高齢者やデジタル機器に不慣れな層からも回答を得やすい。 |
回答者の負担 | いつでもどこでも好きな時間に回答できる。選択式はタップやクリックで簡単だが、スマホやパソコンの基本操作ができる必要がある。キーボード入力が苦手な人には長文回答が負担。 | ペンで記入する方式に慣れている人には抵抗が少ない。その場で提出できれば手間は少ないが、郵送での返送は負担になる。手書きの文章は書くのが大変。 |
データ集計 | 回答データは自動的に集計され、グラフなどでリアルタイム確認が可能。CSVでのダウンロードも簡単だが、システム設定ミスがあると修正が難しい。 | 回収した用紙を1枚ずつExcelなどに手入力する必要があり、時間と手間がかかる。入力ミスも発生しやすいが、実物を見ながら詳細チェックができる。 |
質問の作り方 | 前の回答に応じて次の質問を変える条件分岐が設定できる。「製品A使用者」と「製品B使用者」で異なる質問を表示したり、画像や動画も組み込めたりすることが可能。 | 全員が同じ質問に回答する形式が基本。複雑な分岐は難しいが、全質問を一覧できるため、回答者が全体の長さを把握しやすい。 |
質問の修正のしやすさ | 公開後でも質問の追加・修正・削除が可能。回答状況に応じて選択肢を追加したり、調査期間を延長したりと柔軟に対応できる。ただし、追加工数や追加費用がかかるケースがあるため、事前に入念なチェックがおすすめ。 | 一度配布すると内容の修正は不可能。誤字脱字や設問の不備があっても変更できないため、配布前の入念なチェックが必須。 |
回答の匿名性 | 基本的に高い匿名性を確保でき、デリケートな質問でも正直な回答を得やすい。ただし、ネット上の個人情報保護には配慮が必要。 | 筆跡などから個人が特定される可能性がある。対面での配布・回収では匿名性が低くなるが、人間関係による信頼感で本音を引き出せることもある。 |
回答の場所 | 回答者が自分の好きな場所・タイミングで回答するため、環境(騒音、気分など)の影響を受けやすく、回答の質にばらつきが生じることもある。 | 店舗やセミナー会場など特定の場所での回答を促せる。その場で記入してもらえば高い回収率も期待でき、質問の意図も説明できる。 |
Webアンケートを成功させるには、綿密な計画から効果的な報告まで、一連のプロセスを適切に進める必要があります。各段階でのポイントを押さえることで、質の高い調査結果を得ることができます。
調査企画設計はWebアンケートの基盤となる重要なステップです。この段階での準備が不十分だと、後の工程がいくら優れていても価値ある結果は得られません。
調査を始める前に「何のために調査を行うのか」「どのような情報を得たいのか」を明確にします。漠然とした目的では、必要な情報が得られない可能性が高くなります。
目的が明確であれば必要な設問が見えてきて、余計な設問を省くことができます。これは回答者の負担軽減につながり、回答率と回答の質の向上に寄与します。また、調査チーム内でも目的を共有することで、設問設計から分析までの一貫性が保たれます。
効果的な調査のためには、検証すべき仮説を事前に設定することが不可欠です。「20代女性は価格よりもデザイン性を重視している」「リピーターは特定機能Xへの満足度が高い」など、検証可能な形で具体的な仮説を立てます。仮説は、業界知識や過去の調査結果、顧客からのフィードバック、競合分析などから導き出します。複数の仮説を設定し、それぞれを検証するための設問を用意することで、多角的な分析が可能になります。仮説がないと、データは集まっても「それで何が言えるのか」という段階で行き詰まることがあります。仮説を明確にしておくことで調査後の分析の焦点が定まり、業務上の示唆を引き出しやすくなります。また、想定外の結果が出た場合も、仮説との差異を検討することで新たな発見につながることがあります。
誰を対象に調査するかを明確に定義します。対象者の属性(年齢、性別、居住地域、職業など)や条件(特定製品の利用経験、購入頻度など)を具体的に設定し、どの層から回答を得るべきかを決定します。
統計的に信頼性のある結果を得るためのサンプルサイズも慎重に検討する必要があります。しかし、アンケートの内容によっては、そもそも対象者がどの程度集められるのか、見当もつかない場合があります。
このような時、どうすればいいのか。結論、「出現率調査」という方法があります。出現率調査では、ある程度の人数に対して、簡単なスクリーニング調査を行います。これにより、調査対象となる条件を満たす人が、母集団全体の中でどれくらいの割合で存在するのかという出現率を推定できます。そして、この出現率と合わせて、サンプルサイズの計算をすることで、必要なサンプルサイズを算出することができます。
また、サンプル抽出方法にも注意が必要です。無作為抽出が理想的ですが、Webアンケートではインターネット利用者に限定されるため、対象者の偏りが生じる可能性があります。この点を考慮し、必要に応じて調査結果の解釈や補正を行うことも重要です。
良い調査票はアンケートの成功を左右します。効果的な調査票を作るためのポイントは以下の通りです。
アンケート実施段階では、効率的かつ正確なデータ収集を行うための準備と運用管理が重要です。
調査環境の準備
フォームの作成など、本番環境での実施準備を進めます。様々なデバイス(PC、スマートフォン、タブレット)での表示確認は必須で、どの環境でも問題なく回答できることを確認します。設問分岐や表示ロジックが正しく動作するか、回答データが正確に記録されるかなど、技術面での確認も重要です。個人情報を扱う場合は、セキュリティ対策やプライバシーポリシーの整備も行います。
プレテスト(事前テスト)の実施
本調査の前に、少人数を対象としたプレテスト(事前テスト)を実施することが重要です。社内メンバーや知人などに協力してもらい、設問の分かりやすさ、回答のしやすさ、論理的な矛盾がないかを確認します。
プレテストでは、各設問の意味が明確か、選択肢は適切か、設問の流れは自然か、想定した回答時間内に収まるかをチェックします。また、データ出力形式が分析しやすいものになっているかも確認しておくと良いでしょう。
問題点を修正してから本調査を開始することで、データの品質向上につながります。小さな修正でも本調査開始後では変更が難しいため、この段階での丁寧なチェックが重要です。
調査の実施と進捗管理
調査を開始したら、回答状況を定期的に確認し、必要に応じて追加施策を検討します。
実施期間中でも、回答データの中間チェックを行い、明らかな不具合や問題がないか確認することで、調査の質を維持します。
回答結果を収集したデータから価値ある洞察を導き出すための準備と分析作業を行います。適切な分析手法を用いることで、調査目的達成に有益な示唆を得ることができます。
データクリーニング
分析に先立ち、不適切なデータを除外するクリーニング作業を行います。分析結果の信頼性を左右する重要な作業であり、時間をかけて丁寧に行うことがおすすめです。
具体的な作業内容として、「回答時間が極端に短いケース、矛盾回答、不適切な自由記述などを特定・除外」や「自由回答の表記ゆれの統一や外れ値の処理、欠損値の補完」といった作業などがあり必要に応じて行います。
このデータクリーニングでは、クリーニング基準を事前に設定し、どのようなデータをなぜ除外したのかを記録しておくことも、分析の透明性確保のために重要です。
集計と分析
クリーニング済みのデータを用いて、集計から分析へと段階的に進めます。まず単純集計で全体傾向を把握し、次にクロス集計で属性別の傾向差を確認します。
その後、調査目的や仮説に基づいた分析に移ります。例えば、相関分析で変数間の関連性を分析したり、因子分析で評価項目の背後にある共通因子を抽出したり、クラスター分析で回答者を類似傾向でグループ化したりします。
仮説検証
調査前に立てた仮説が統計的に支持されたかを検証します。検証にあたっては、適切な統計手法を用い、結果の信頼性・有意性を確認します。
仮説が支持された場合は、その強さや適用範囲を検討します。一方、仮説が支持されなかった場合は、なぜ予想と異なる結果になったのかを分析することで、新たな発見が得られることもあります。
仮説検証の結果は、具体的なビジネス判断に結びつけることが重要です。「この仮説が正しかった(または間違っていた)ことは、実務上どのような意味を持つのか」という視点で解釈を行います。
分析結果を関係者に効果的に伝え、次のアクションにつなげるための報告作業を行います。データの羅列ではなく、実務に活かせる示唆を提供することが重要です。
レポート構成
効果的なレポートには、以下の要素が含まれます。
特にエグゼクティブサマリーは、忙しい意思決定者が短時間で要点を把握できるよう工夫します。また、グラフや表を効果的に用い、複雑なデータも分かりやすく伝える工夫が重要です。
アクションプランの検討
調査結果を踏まえた具体的なアクションプランを検討します。短期的に実行可能な施策と中長期的な課題を整理し、優先順位をつけて実行計画を立てます。
単に調査結果を報告するだけでなく、「だからこうすべき」という提案まで行うことで、調査の価値を最大化できます。必要に応じて追加調査や検証実験を計画し、より具体的な施策の方向性を探ることも検討します。調査から得られた知見を組織内で共有し、関連部門と連携してPDCAサイクルを回す体制を整えることも重要です。
効果的なWebアンケートを実施するために、特に注意すべきポイントを以下に紹介します。
回答者目線の設計
回答者の立場に立った設計を心がけます。専門用語や業界用語を避け、平易な言葉遣いを用いることで、誰にでも理解しやすい設問を作成します。特に近年は、スマートフォンからの回答が増加しているため、スマホ画面でも見やすく操作しやすいモバイルフレンドリーな設計が不可欠です。文字サイズや選択肢のクリックエリアにも配慮しましょう。
倫理的配慮とプライバシー保護
調査の冒頭で調査目的と個人情報の利用方法を明示し、回答者の同意を得ることが重要です。収集したデータの管理方法や匿名化プロセスについても透明性を確保します。
センシティブな質問(収入、健康状態、政治的見解など)には特に配慮し、必要最小限の質問にとどめるか、回答したくない場合のスキップオプションを提供します。
データ保護のためのセキュリティ対策も徹底し、外部への漏洩リスクを最小化します。アンケート終了後のデータ取り扱いポリシーも明確にしておくことで、回答者の信頼を得ることができます。
調査バイアスへの対策
様々なバイアス(偏り)を最小化するための工夫が必要です。選択肢のランダム表示や質問のローテーションにより、順序効果(最初や最後の選択肢が選ばれやすい傾向)を軽減します。
質問の表現は中立的にし、特定の回答に誘導するような言い回しを避けます。例えば「この素晴らしい機能についてどう思いますか?」ではなく「この機能についてどう思いますか?」というように中立的な表現を用います。
Webアンケートは様々なビジネスシーンで活用され、成果を上げています。ここでは活用事例を紹介します。
製品開発のための市場調査
家電メーカーA社は、新型掃除機の開発にあたり、既存ユーザーと競合製品ユーザー1,000名を対象にWebアンケートを実施しました。
調査の結果、バッテリー持続時間とゴミ捨ての手間が主要な不満点であることが判明。また、従来重視していなかった静音性へのニーズが高いことも新たに発見されました。
これらの知見を製品設計に反映した結果、発売3ヶ月で目標を20%上回る販売実績を達成。顧客の潜在ニーズを捉えた製品開発により、市場シェアの拡大に成功しました。
顧客満足度向上のための定点調査
通信サービス会社B社は、サービス改善のため、四半期ごとに顧客2,000名を対象としたWebアンケートを実施し、満足度の変化を追跡しています。
満足度スコアの低い項目を優先的に改善する取り組みにより、総合満足度が1年間で15%向上。特にコールセンターの応答時間短縮施策により、サポート満足度が大幅に改善しました。
定期的な調査により、改善施策の効果測定と迅速な軌道修正が可能になり、継続的な顧客体験の向上につながっています。
ブランドイメージ調査
化粧品メーカーC社は、ブランドイメージ把握のため、主要ターゲットである20〜40代女性800名を対象にWebアンケートを実施しました。
調査の結果、「高品質だが手が届きにくい」というイメージが強いことが判明。競合ブランドとの比較分析により、品質面での強みと親しみやすさでの弱みが明確になりました。
この知見をもとにマーケティングメッセージを「品質はそのままに、より身近で親しみやすく」という方向性で刷新。価格帯を維持しながらも、パッケージデザインや広告表現を親しみやすいものに変更した結果、新規顧客層の獲得に成功しました。
Webアンケートは、インターネットを介して実施するアンケート調査であり、従来の紙アンケートに比べて多くのメリットがあります。迅速な実施、低コスト、多数の回答収集の容易さ、データ集計の効率化などが主な利点です。一方で、回答者の偏りや信頼性の問題、途中離脱などの課題もありますが、適切な対策を講じることで質の高い調査結果を得ることができます。
Webアンケート実施の流れは、調査企画設計→Webアンケート実施→集計・分析→レポート作成・報告へと進みます。各段階で押さえるべきポイントを理解し、実践することで調査の精度と効果を高めることができます。
製品開発、顧客満足度向上、ブランドイメージ調査など、様々な場面でWebアンケートは活用されています。デジタル化が進む現代において、適切な知識と準備のもとでWebアンケートを実施することで、効果的な意思決定と事業成長を実現できるでしょう。
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