公開日:2024.04.08

ネットリサーチについて|メリットや効果的な実践方法について解説

  • マーケティングリサーチHowto

ネットリサーチは、デジタル社会の利便性を活用する調査手法の一つです。インターネットを介して行われるこの調査は、迅速なデータ収集と効率的な分析を可能にし、従来の調査手法にはない多くのメリットを生み出しました。
 
この記事では、ネットリサーチの基本概念とともに、そのメリットや効果的な実践方法について解説します。
 
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ネットリサーチの基本概念

ネットリサーチとは、インターネットを介して情報を収集する調査手法です。Web上のデータベース、ウェブサイト、ソーシャルメディア、オンラインフォーラムなどから情報を収集して、様々な調査・分析に活用できます。近年では、その利便性から主要なマーケティング調査手法として、数多くの調査に利用されています。
 
ネットリサーチの特徴は、リアルタイムでデータを収集できることや広範な対象者にアクセスできる点です。この特徴を活かすことで、素早く、的確な調査分析が可能となります。
 
ネットリサーチには様々な種類があり、主なものにはオンラインアンケート、ソーシャルメディアの分析、ウェブトラッキング、オンラインフォーカスグループなどがあります。それぞれの手法によって特徴が異なるため、調査目的に応じた適切な手法を選択することが重要です。
 
 

伝統的調査との違いと進化

ネットリサーチ以前の伝統的な調査手法では、紙媒体や対面、電話などの方法でアンケート調査やインタビューを行っていました。それに対して、ネットリサーチではインターネットを介してデータ収集を行うことで、物理的制約が少なく、作業効率の良い調査を実施できます。
 
ネットリサーチはその特性上、調査対象者がインターネット利用者に限られます。そのため、かつては「インターネット不使用者の意見を集められない」や「回答者の特性が偏っている」という問題を抱えていました。
 
しかし、近年、これらの問題は大きく解消されつつあります。カバーできない対象者の問題は、スマートフォンの普及によるインターネット利用者の拡大によって、ほぼ解消されました。また、回答者特性の偏りも、技術の進歩や調査方法の改善によって、多様な意見を収集できる仕組みが構築されています。
 
今後、ネットリサーチはITの進歩とともに、更なる進化が期待されています。例えば、AIや自然言語処理、ビッグデータの活用などによって、これまで以上に高度で精緻なリサーチが可能となっていくでしょう。
 
 

ネットリサーチのメリット

伝統的な調査手法には、時間やコスト、対象人数など、様々な物理的制約があります。しかし、ネットリサーチはこれらの問題を解決し、より効率的で効果的な調査を実現しました。
 
ここでは、ネットリサーチのメリットについて、解説します。
 
 

コストと時間の削減

これまでの伝統的な調査手法では、紙媒体や電話、対面インタビューなどの手法が主流でした。これらの手法は、物理的な資材や人的リソースが必要であり、調査実施にはかなりのコストと時間を要しました。
 
しかし、ネットリサーチはインターネットを介することで、これらの制約を大幅に小さくできます。
 
 

物理的なコストの大幅削減

ネットリサーチはオンラインで実施されるため、調査票の一斉配信が可能です。そのため、これまでは必要だった調査票の印刷代や郵送費などが基本的には不要となります。
 
また、インタビュー調査をオンラインで実施すれば、会場費や関係者の交通費なども、大幅に削減できます。
 
 

リアルタイムデータ収集の効率化

これまで、回収した調査票は、人手によってデータ入力作業を行う必要がありました。しかし、ネットリサーチはこれらの作業を自動化できるため、回答された内容は、即時にデジタルデータとして保存されます。
 
また、回答チェック機能を利用すれば、データの入力間違いや漏れを回答時点でチェックすることが可能です。
 
 

広範囲なアクセスと高品質なデータ

現代は様々なニーズや価値観が共存する時代であり、ビジネスやマーケティングの分野においても、幅広い対象者から高品質な情報を収集する必要性が高まっています。このような調査ニーズに対して、ネットリサーチは優れたメリットを発揮します。
 
 

地理的な制約を超えたサンプリング

伝統的な調査手法では、地理的な制約やコストの問題によって、広範囲な地域からデータを集めるのが困難でした。そのため、一部地域の回答データが不足したり、特定地域にデータが偏るなどの問題が起きていました。
 
しかし、ネットリサーチであれば、日本全国の幅広い地域を対象に調査することが可能です。そのため、対象地域を日本全国など広範囲にしたり、特定地域に限定することも、柔軟に対応できます。これにより、調査目的に合致したサンプリングが行え、調査結果の有用性が大幅に向上します。
 
 

市場の即時反応と消費者洞察の深化

ネットリサーチには、調査開始から結果分析までの期間が、他の調査方法よりも短いというメリットがあります。そのため、市場における現状ニーズを、迅速に把握できます。
 
また、1回あたりの調査費用が安いため、調査の回数や頻度を増やすことも可能です。例えば、調査を定期的に行なうようにして時系列で市場分析できれば、市場の大きな流れやニーズ変化を素早く把握し、迅速なマーケティング施策の実施につながります。
 
さらに、アクセス解析やトラッキング調査など、ネットリサーチならではの分析機能を活用すれば、ターゲット層の行動パターンや動向を詳細に把握できます。
 
 

ネットリサーチを成功させるステップ

ネットリサーチには、オンラインならではの「迅速」「的確」「低コスト」という特性を持った調査手法です。これらの特性を上手に活用することが、ネットリサーチの成功につながります。
 
ここでは、ネットリサーチを成功へと導くステップについて解説します。
 
 

明確な目的設定

市場調査を成功させるために最も重要なのは、明確な目標設定を行うことです。この重要ポイントは、ネットリサーチにおいても変わりません。
 
調査設計を始める前に、まずは自社の解決したい課題に対して、どのような情報を明らかにしたいのか、その目的を明確にしましょう。もし、目的があいまいなまま調査を実施してしまうと、「必要な情報が収集できない」「ムダなコストが発生する」「調査結果が意思決定に役立たない」という問題が発生してしまいます。
 
調査目的をできるだけ具体的に設定することで、調査の方向性が明確になり、必要な情報を効率よく収集できる調査設計が可能となります。
 
 

調査設計

ネットリサーチには、調査会社に登録しているモニターを対象に実施する「クローズ型」と、誰もが回答できる「オープン型」の2種類があります。クローズ型ネットリサーチであれば、性別・年齢・居住地など詳細な属性や行動特性を登録したモニターに対して、調査することが可能です。
 
調査対象者を設定する際は、どのようなスクリーニング(絞り込み)条件が可能かを確認し、調査目的に合致したモニターを選定しましょう。
 
また、近年のネットリサーチではスマートフォンを利用する回答者が増加しています。そのため、使用するアンケートシステムがマルチデバイスに対応しているかを確認することも重要です。
 
さらに、調査票を作成する場合は、回答者の負荷を考慮する必要があります。特に、スマートフォン利用者は設問数や選択肢数、記述回答などが多くなると、途中で離脱するリスクが高まります。回答者の立場で調査票の内容を検討し、回答しやすい調査票を設計しましょう。
 
 

調査結果の効果的な活用

アンケート調査を実施後、得られたデータは集計・分析を行います。基本的な集計方法は、単純集計とクロス集計です。
 
単純集計とは、設問ごとに回答数を集計する方法であり、特定の質問に対する回答の頻度や割合を求めます。単純集計の結果はシンプルで分かりやすく、回答傾向を簡単に把握できます。
 
一方、クロス集計は、複数の質問を組み合わせてデータを分析する方法です。そのため、単純集計よりも詳細な分析が可能で、データ同士の関連性を把握できます。メリットとして、複数の要因の関係性や影響を把握できる点が挙げられます。
 
さらに詳細な情報を得たい場合には、多変量解析を行うことも可能です。多変量解析は複数の変数間の関係性やパターンをより詳細に分析する手法です。複雑なデータセットからデータの傾向や規則性を見出し、課題解決につながる有益な分析結果を導き出せます。
 
 

結果のフィードバック

いざ、ネットリサーチを実施してみると、想定していなかった様々な問題が発生するものです。
 
調査対象者のスクリーニング、調査票の表記方法、選択肢の過不足など、調査時に発生した問題点は記録しておくことが大切です。そうすることで、今後のネットリサーチにおいて、問題の再発を防止できます。
 
また、社内で過去の課題点や解決策を共有すれば、ネットリサーチノウハウの蓄積につながり、他部署や次回のネットリサーチを成功させる貴重な財産となります。
 
 

ネットリサーチの主な事例

現在、ネットリサーチは市場調査の主要な手段であり、様々な分野で活用されています。ここでは、それらの中でも代表的な事例を紹介します。
 
 

消費者意識調査

消費者意識調査は、消費者が持つ意識や考え、購買行動に関する洞察を行うための調査です。消費者のニーズや行動パターンを把握し、市場動向を分析するために重要な情報源とします。
 
消費者意識調査からは、市場のトレンドや注目すべきニーズ、競合他社の強みや弱みなどを分析できます。また、新商品やサービス開発における消費者の要望や期待に応えるデザインや機能性の評価を得ることが可能です。
 
消費者意識調査におけるネットリサーチのメリットは、幅広い消費者の中から、調査ニーズにマッチした対象者を的確に選定できることです。また、自動集計やリアルタイム分析などの機能によって、リサーチの効率性と正確性が向上します。
 
 

ブランドイメージ調査

ブランドイメージ調査とは、消費者が特定のブランドに対して持つ印象や感情、信頼度など、ブランドイメージを把握するための調査です。ブランドが顧客に対してどのようなイメージを与えているかを分析することで、ブランドの強みや弱みを把握します。具体的には、消費者の関心度、知名度、信頼性、好感度などを評価し、ブランド認知度を向上させるためのマーケティング戦略に活用されます。
 
ブランドイメージ調査において、ネットリサーチを活用すれば、広範囲の消費者へ効率的にアクセスすることができ、幅広い意見や感想を低コストで収集できます。また、分析ツールを活用すれば、ソーシャルメディア上から消費者の意見をリアルタイム分析することも可能です。
 
 

顧客満足度調査

顧客満足度調査とは、企業やサービス提供者が顧客に対して提供しているサービスや製品に対する満足度を評価する調査です。顧客の意見や要望を収集し、顧客ニーズや改善点を把握することで、顧客満足度の向上を図ります。
 
顧客満足度調査におけるネットリサーチのメリットは、紙媒体での調査より顧客の回答負担を大幅に軽減させられることです。また、広範囲の顧客に素早くアクセスできるため、迅速なデータ収集と分析が可能です。これにより顧客満足度施策の速やかな実行を図れます。
 
 

まとめ

ここまで、ネットリサーチのメリットについて解説しました。ネットリサーチは、調査の効率化や迅速なデータ収集、広範囲のアクセスなど、数多くのメリットを持つ調査手法です。
 
そのメリットを調査の成功に活かすには、ネットリサーチのノウハウを持つ調査会社との協力関係を築くのが効果的です。専門家から効果的なアドバイスを受けられれば、自社だけでは気づかなかった問題点を回避でき、効率の良い調査を実施できるようになります。
 
ネットリサーチの持つ様々なメリットを理解して、意思決定やマーケティング戦略策定に役立てていきましょう。
 
 

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執筆者
アスマーク編集局
株式会社アスマーク 営業部 マーケティングコミュニケーションG
アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

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