2020.02.13
試飲調査・試食調査とは?試飲・試食用テスト品の手配など解説
会場調査(CLT)で使用するテスト品について 会場調査(CLT)で最も多い調査は、やはりテイストテスト(試飲調査・試食調査)になります。そもそも会場調査(……
公開日:2024.10.03
顧客を知り、顧客の求めるものを形にする。これは、あらゆるビジネスにおいて普遍的な成功法則と言えるのではないでしょうか。しかし、顧客は時に自分自身でも気づいていない潜在的な欲求を抱えており、それを捉えることは容易ではありません。従来のアンケート調査やインタビューだけでは、表面的な情報しか得られず、顧客の真のインサイト(行動の根底にある、深層心理や本質的な欲求)を捉えきれないケースも少なくありません。
そこで注目されているのが、「カスタマージャーニー」を活用した定性調査です。カスタマージャーニーとは、顧客がある商品やサービスを知ってから購入、利用、さらにはリピートに至るまでの体験を時系列で可視化したものです。顧客の行動、感情、思考を詳細に洗い出すことで、従来の調査方法では見逃してしまっていたインサイトや行動の背景にある文脈を明確化できます。
本記事では、カスタマージャーニーを定性調査で活用するシーンや活用方法、メリット・デメリット、得られる結果まで解説します。
定性調査の質を高める ~カスタマージャーニーの活用術とは~ 無料動画視聴はこちら>
※無料会員登録でご視聴可能です。
カスタマージャーニーとは、顧客が商品やサービスと出合い、購入、利用し、その後の関係を築くまでのあらゆる接点を可視化したものです。顧客の行動を時系列で追うことで、それぞれの段階における顧客の心理や行動の要因を深く理解することができます。
近年、デジタル化の進展により顧客との接点は多様化し、顧客行動は複雑化しています。そのため、従来の一方的な情報発信によるマーケティング活動では、顧客の心を捉えきれなくなってきました。カスタマージャーニーを把握することは、複雑化した顧客行動を理解し、それぞれの接点において最適な顧客体験を提供するための重要な手がかりとなります。
定性調査の質を高める1つの方法として、限られた時間の中でいかに効率よく質の高いヒアリングをすることが挙げられます。その効率化を図るために、対象者へ事前課題をお願いすることがあります。
この事前課題は、実査(リサーチの実施)の前に調査対象者へ、日記やカスタマージャーニーマップ、マインドマップの作製などのタスクをお願いすることです。実査前にタスクの結果を回収し、事前に分析したり、インタビュー調査では、そのタスクに対するアジェンダ(議題)があったりします。
これを実施することで、調査対象者が事前に記憶を辿っていただいたり、考えを整理するきっかけになったり、考えを深めていただいたりと、調査に奥行きを作ることができ、うまく活用できれば、有意義な調査を行うことができます。
事前課題として、カスタマージャーニーの作成をお願いするシーンは以下となります。
この中で、特に多いと感じているのが、「商品・サービスの認知のきっかけは何かを把握」です。既に使っていると、あたかも昔から知っているようなイメージを持たれてしまうのですが、本当の認知のきっかけが何で、どんなインプットをされたか、それから何かのプロモーションがあり、そのプロモーションのあとに認知されたのかどうか、ということを把握するときに、このカスタマージャーニーを事前課題にします。
定性調査の設計方法を事例で解説~売上低迷の要因調査~ はこちら>
調査対象者に記入してもらうカスタマージャーニーマップには、タイプがいくつかあります。一例として、下図となります。
課題によって使い分ける必要があり、例えば左上のAタイプであれば、長いスパンのときに活用するのがおすすめです。10代くらいからスキンケアを始めて、20代、30代、40代、50代、その時々の行動や気持ちなど、長いスパンで見ていくときが活用時です。
また、インタビュー予定の対象者にカスタマージャーニーへ記入してもらう際、「カスタマージャーニーマップを記入してください」とは伝えず、「消費やサービスをしったキカッケから購入までの経緯のお気持ちを時系列でお書きください」といった形で指示書のもと、お願いすることがほとんどです。
インタビュー調査とは?種類や手順、メリット、事例について基礎からご紹介 はこちら>
カスタマージャーニーを事前課題で活用するメリット・デメリットは、以下が挙げられます。
項目 | 内容 |
---|---|
知ったきっかけから現在までを対象者にリマインドしてもらう | 既に使っている場合、あたかも昔から知っていたような、そんな意識にとらわれるかと思いますが、本当の知ったきっかけを思い出すことで、「あぁそうだった」と思うことができます。また、隠れていた出来事を思い起こしてもらうことができます。 |
グループインタビューなどでは、他の対象者の刺激を受ける前に可視化することができる | 発言の強い人に引っ張られ、調査対象者が盛り上がるのですが、実はそうじゃない経験をしてきている方がいるというところを、ちゃんと引き出すことができます。 |
項目 | 内容 |
---|---|
事前に調べたりされてしまうことがある | 事前調査を依頼することで、事前に調べたりされてしまう可能性があります。「ご自分のお考えでお書きください」などのようにお願いするなど、回避するには工夫が必要です。 |
インタビュー前に意識を強めてしまう | インタビュー前に意識を強めてしまいます。意識と実態、カスタマージャーニーだけを知るという場合は、問題がない。一方で、その後新商品のコンセプトを見せたい場合などは良くない場合があります。 |
これらのメリット・デメリットを踏まえ、調査目的や対象者に合わせて、カスタマージャーニーを活用するかどうかを判断する必要があります。
カスタマージャーニーをもとにヒアリングすることで、以下3点を得ることができます。
上記のように、事前にカスタマージャーニーマップを見ることができるので、コンタクトポイントの状況を把握することができ、仮設などに盛り込むことができるので、インタビューの効率化に繋がります。
カスタマージャーニーを活用した定性調査は、顧客の深層心理や行動の背景にある文脈を理解するために非常に有効な手段です。
本記事で紹介した内容を参考に、ぜひカスタマージャーニーを活用した定性調査を実践し、顧客理解を深め、より効果的なマーケティング戦略の立案に役立ててください。
定性調査についてのご相談はこちら>
【動画セミナー】定性調査の質を高める ~カスタマージャーニーの活用術とは~
定性調査では、消費者の発言を深掘りしてインサイトを探りますが、発言の背景にある行動やバックグラウンドも知りたいところです。そこで有効な「カスタマージャーニー」の活用方法を、定性調査のスペシャリストが解説する講座をオンデマンドで配信中です。調査手法の理解を深め、皆様のマーケティング活動にお役立ていただけますと幸いです。
下記に当てはまる方にお薦めの動画です。
● 定性調査の応用を学びたい
● 自社課題に適したワークが知りたい
● カスタマージャーニーの構成や作り方を学びたい
※無料会員登録でご視聴可能です。
> 詳しく見る
調査設計・聞き方の失敗例から学ぶ「インタビュー調査のコツ」
定性調査として実施されているインタビュー調査。生活者・消費者のインサイトから、何らかの意思決定やアクションへ繋げることを目的として行います。しかしながら、実際にインタビューを企画・実施・活用する場面では、様々な悩みを持つ企業が少なくありません。一度は「失敗」をしてしまった方も、いらっしゃるのではないでしょうか。そこで本資料では、調査目的に沿った有意義なインタビューを行い次のアクションに繋げるためのポイントを、様々な「失敗談」をベースに考察・提起しております。
> 詳しく見る
インタビュー調査とは?種類や手順、メリット、事例について基礎からご紹介
マーケティングや研究において、価値ある情報を見出すには、的確な情報収集を行うことが大切です。その中でも「インタビュー調査」は、人々の深層心理や行動の背景を探る重要な調査手法です。
この記事では、インタビュー調査の基礎知識から、メリットや成功事例について解説します。
> 詳しく見る
2020.02.13
会場調査(CLT)で使用するテスト品について 会場調査(CLT)で最も多い調査は、やはりテイストテスト(試飲調査・試食調査)になります。そもそも会場調査(……
2023.11.08
マーケティングや開発の現場で顧客を想定する際、ターゲットという言葉で顧客の属性やニーズを定義することが一般的です。しかし、従来のターゲットでは顧客像が明確になら……
2022.06.13
はじめに 皆さんはクロス集計表を見て、結果を読み取ったり、分析したことはありますか? クロス集計とは、単純集計(GT集計)で得た数値に対して、性別・年代など……
2023.03.09
オフィス機器には、パソコン、コピー機、複合機、ビジネスフォン、ファクシミリ、レジスターなど、多岐にわたる種類があります。顧客満足度調査(以下CS調査)はそれらの……