公開日:2025.05.15

アンケートに最適なデータ分析方法11選|集計方法や質向上ポイントを解説

  • マーケティングリサーチHowto

アンケートは、顧客やユーザーの「生の声」を収集するうえで、とても効果的な手段です。実際、多くの企業が商品やサービスの改善、顧客満足度の向上、新たなニーズの発見などを目的にアンケートを活用しています。
しかし、収集後の分析を見据えたアンケート設計ができていない場合、 「どのように分析すればよいか分からない」「集計してみたが、明確な気づきを得られなかった」といった課題に直面するケースも少なくありません。だからこそ、アンケートデータから価値ある情報を読み取るには、データを適切な方法で集計・分析することが重要です。

この記事では、アンケートデータをビジネスに活かす代表的な11種類の分析方法について解説します。

 
 

アンケートのデータ分析をする前に行う集計について

アンケートで収集したデータは、分析に取りかかる前に基本的な集計を行います。この集計作業は、データ全体の傾向や分布を把握し、分析の精度と効率を向上させるための工程です。
この章では、分析に先立って実施する代表的な集計手法について解説します。
 

単純集計(GT集計)

アンケート集計の第一歩となるのが、「単純集計:GT(Grand Total)集計」です。この集計方法は、質問項目ごとに、回答数や全体に対する割合(%)を集計するという、最も基本的な手法です。

例えば、「あなたは、普段スキンケアをしていますか?」という質問に対して、「季節問わずスキンケアをする」「季節によってはスキンケアをしている」などの選択肢それぞれに、どれだけの回答が集まり、全体の中でどれくらいの割合を占めているかを整理します。

図 単純集計(GT集計)イメージ

 
この単純集計を行うことで、アンケート全体の傾向や、各質問に対する意見の分布をおおまかに把握することが可能です。また、データの全体像をつかむためにも、大切なステップと言えます。
 
 

クロス集計

単純集計で全体の傾向を把握した後に、データの関連性を明らかにするために行うのがクロス集計です。クロス集計は、二つ以上の質問項目を組み合わせて集計する方法で、特定の属性(性別、年代など)によって他の質問(満足度、利用頻度など)への回答にどのような違いがあるかを知りたい場合などに効果的です。

例えば、「年代」と「普段のスキンケア」をクロス集計することで、「20代は『季節と問わずスキンケアをしている』が7割以上と多いが、50代は4割を切っている」といった、全体集計だけでは見えてこないインサイトを発見できます。

図 クロス集計イメージ

 
クロス集計では、集計表の行と列に異なる質問項目を配置し、それぞれの組み合わせに該当する回答数を算出します。これにより、特定の層やグループに焦点を当てた詳細な分析が可能となり、データ同士の関連性を深掘りできます。

 

自由記述の場合

自由記述とは、回答を選択肢から選ぶのではなく、回答者が自分の言葉で意見や感想を記入する形式の設問です。この方法は、具体的なニーズや本音を引き出しやすいという利点がある一方で、数値化が難しく、集計には一定の工夫が求められます。
一般的には、回答内容を意味の似た内容ごとにカテゴリーに分けて整理し、それぞれの出現頻度を数えるなどの方法が使われます。その具体的な手法については、「自由記述によるアンケートデータの場合」の項目で、詳しく解説します。
 
 

アンケートのデータ分析の基本

集計によってデータが整理され、全体像を把握できたら、アンケートデータの「分析」フェーズに入ります。データ分析とは、単に数字を眺めるだけでなく、集計結果の背後にある意味や傾向、データ間の関係性を読み解き、ビジネスにおける示唆や、立てた仮説の検証につなげていくプロセスです。
この章では、数ある分析手法の中から、必ず理解しておきたい基本的な分析方法について、解説します。
 

度数分布分析

度数分布分析は、アンケートデータがどの範囲やカテゴリーにどの程度分布しているかを明らかにする分析手法です。集計されたデータを「階級」や「カテゴリー」に分類し、それぞれに含まれる回答数(度数)を集計することで、全体の分布状況を把握します。
例えば、「年齢」を自由記述で回答してもらった場合、「20代」「30代」「40代」などの階級に分けて集計することで、回答者の年齢構成を把握できます。また、5段階評価のような尺度データにおいても、「5点」「4点」などスコアごとの回答数を集計することで、満足度の高い層が多いのか、あるいは低評価が目立つのかといった傾向を読み取ることが可能です。
さらに、こうした分析結果を「度数分布表」や「ヒストグラム」といった形式で視覚化すれば、データの中心的な傾向や散らばり具合、さらには外れ値(異常値)の有無などを直感的に理解しやすくなります。
 

平均値・中央値分析

アンケートデータの全体的な傾向を数値でとらえるために活用されるのが、「平均値」と「中央値」です。これは、データの「代表値」を算出することで、回答の一般的な水準や偏りを把握する基本的な手法です。
中でも、一般的に最も使われる代表値が「平均値」です。平均値はすべての回答値を合計し、回答数で割った値であるため、とても計算しやすいという特徴があります。しかし、極端に大きい値や小さい値(外れ値)の影響を受ける点については、注意が必要です。
次に「中央値」は、回答値を小さい順(あるいは大きい順)に並べたとき、ちょうど真ん中に位置する値を指します。中央値は外れ値の影響を受けにくいため、データの分布が大きく偏っている場合には、平均値よりも実態をより的確に示す場合があります。
 
 

アンケートのデータ分析の応用

基本的な集計や分析によってデータの全体像を把握した後は、そのデータをさらに深く掘り下げ、具体的な課題の解決や意思決定につなげる応用的な分析に進みます。
この章では、アンケートデータからより実践的で価値あるインサイトを導き出すための分析手法を、下表の目的別に解説します。

表 目的別アンケートのデータ分析手法一覧
目的別 データ分析手法
要因を特定したい場合 決定木分析
回帰分析
分類や要約したい場合 因子分析
主成分分析
クラスター分析
コレスポンデンス分析
自由記述によるアンケートデータの場合 数値の場合
言葉の場合
アフターコーディング
テキストマイニング
その他 時系列分析

 
 

要因を特定したい場合

基本的なアンケート分析を通じて、「顧客の満足度が低い」「特定の層でリピート率が低い」といった現状を把握することは可能です。しかし、ビジネスの改善につなげるには、こうした結果が「なぜ起きているのか」、潜在的な要因との因果関係を探ることが大切です。
ここでは、アンケートデータをもとに、特定の事象に影響を与えている可能性のある要因や、データ同士の複雑な関係性を解き明かすための、応用的な分析手法を紹介します。

 

決定木分析

決定木分析は、アンケートデータにおいて、ある結果(「購入するかどうか」「サービスに満足しているか」など)に影響を与える要因や、その結果に至るまでの回答者の分岐パターンをツリー(木)構造で表現する分析手法です。

図 決定木分析のイメージ
図 決定木分析のイメージ

 
この分析では、データを最も効果的に分割できる質問項目や回答の組み合わせを順に見つけ出し、木の枝のように分岐させていきます。そして、最終的にできるツリー構造を見ることで、特定の結論に結びつく回答者の特徴や影響力の強い要因を視覚的かつ分かりやすく把握できます。
 

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回帰分析

回帰分析は、アンケート結果などにおいて、ある特定の変数(目的変数)が、他の変数(説明変数=要因となり得るもの)からどの程度の影響を受けているかを、統計モデルを用いて定量的に明らかにする分析手法です。

図 回帰分析の式イメージ
図 回帰分析の式イメージ

 
回帰分析は「要因がどれだけ結果に影響しているか」「その影響がプラスかマイナスか」という点を、具体的な数値で把握できるという特徴があります。
また、ここまで説明してきたのは、単回帰分析と呼ばれるもので、説明変数が複数ある場合は、重回帰分析やロジスティック回帰分析目的変数がYes/Noなどの2値の場合)などの分析手法で分析をしていきます。
 
例えば、「商品への総合満足度(目的変数)」に対して、「商品の品質」「価格」「デザイン」「サポート体制」といった評価項目(説明変数)が、それぞれどの程度影響しているのかを重回帰分析で分析することで、「満足度には品質の評価が最も強く影響しており、価格の影響は比較的小さい」といった、施策立案に直結する具体的なヒントを得られます。

 

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分類や要約したい場合

アンケートの質問項目や回答者数がとても多い場合、単純な集計や基本的な分析だけでは、データが複雑すぎて本質的な傾向や課題が見えにくくなることがあります。こうした状況では、データをいくつかのグループに「分類」したり、情報を「要約」したりすることで、全体像をより明確にとらえられます。
この章では、こうした複雑なアンケートデータを整理・簡素化し、そこに潜む共通点や構造的な特徴を明らかにするための、応用的な分析手法を紹介します。
 

因子分析

因子分析は、多数のアンケート質問項目(変数)の間に見られる相関関係をもとに、それらに共通して影響を与えていると考えられる少数の「潜在的な因子」を抽出する分析手法です。
 

図 因子分析のイメージ
図 因子分析のイメージ

 
例えば、上図のようなデータが得られた場合、「食品スーパー」「大型衣料店」「100円ショップ」はある動機(共通因子A)で同時購入される関係性があり、「アクセサリー」「スイーツ」「100円ショップ」は別の動機(共通因子B)で同時購入されるという関係性を把握できます。
また、矢印の横に記載された数値は、それぞれの来店動機と購入するショップとが、どの程度の関連性があるかを示しています。例えば、来店動機Aと食品スーパーの間には「0.8」、来店動機Bとアクセサリーショップの間には「0.9」の関連性があると分析されています。

 
 
この分析の目的は、多くの質問項目を少数の因子に集約することで、データの次元を減らし、複雑な情報をよりシンプルかつ分かりやすく整理することにあります。また、抽出された因子に意味のある名前を付ければ、アンケート回答の背後にある評価の構造や、回答者の意識の枠組みを明らかにすることが可能です。

 

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主成分分析

主成分分析は、多くのアンケート質問項目(変数)に含まれる情報の中から、データのばらつき(分散)を最もよく説明できる少数の「主成分」と呼ばれる新たな合成変数を抽出し、データを要約・変換する分析手法です。これにより、質問項目の数が多くても、情報の本質を保ちながらデータをより少ない次元で表現できます。
主成分分析の主な目的は、データの複雑さを軽減し、構造をよりシンプルにとらえることと、多岐にわたるデータを2次元や3次元化に視覚化することです。
 
例えば、複数項目の製品評価データを2つの主成分に集約して散布図を作成すれば、個々の回答者がグラフ上のどこに位置しているか、また全体としてどのようなグループに分かれているかといった構造を視覚的に把握できます。
 

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クラスター分析

クラスター分析は、データを類似した回答パターンを持つ者同士にまとめて、いくつかの「クラスター(集団)」に分類する分析手法です。この分析の主な目的は、データの中に存在するグループ構造を発見し、回答者全体をいくつかの特徴的なセグメントに分けることです。

図 階層クラスター分析のイメージ
図 階層クラスター分析のイメージ

 
上図は、階層クラスター分析をイメージ化したもので、分析対象となるデータの関係性を、トーナメント表のように分かりやすく表したものになります。
この図の例で、青線に注目すると、「商品の見た目」と「ショップの印象」のグループや、「新しさ」「話題性」「信頼感」のグループがあることがわかります。また、階層は下で繋がるほど関係性が高く、上で繋がるほど関係性は低いことを示し、直感的に理解できるのもこの階層クラスター分析の特徴です。※階層クラスター分析以外にも非階層クラスター分析という手法があります。

 
 
クラスター分析は、データに基づいて客観的に回答者をグルーピングするための、とても効果的な分析手法です。

 

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コレスポンデンス分析

コレスポンデンス分析は、複数の質問項目(カテゴリ変数)の関連性を視覚的に明らかにするための分析手法です。この分析では、クロス集計表に基づいて、各カテゴリーを2次元(またはそれ以上)の空間上に点として配置し、その関係性をグラフで表現します。

図 コレスポンデンス分析のイメージ表
図 コレスポンデンス分析のイメージ図
図 コレスポンデンス分析のイメージ

 
グラフ上で、点と点の距離が近いほど、対応するカテゴリー間に強い関連性があると解釈できます。

例えば、上図のように各ブランドに対する「親近感がある」「信頼感がある」といったイメージをクロス集計し、コレスポンデンス分析を行うと、「個性的な」と「独自性がある」といったイメージがブランドAの近くにプロットされていることに気づくことができます。つまり、この例では、各ブランドに対する各イメージの関係を一目で把握できます。

このように、コレスポンデンス分析は複雑なクロス集計結果を視覚的に整理し、カテゴリー同士の構造や特定の組み合わせの強さを直感的に理解するのに役立ちます。

 
 

自由記述によるアンケートデータの場合

アンケートの自由記述回答は、「お客様の生の声」として、選択肢形式では得られない本音や、設計者の想定を超える意見を引き出せる大切な情報源です。その一方で、文章や多様な表現形式で寄せられる自由記述データは集計や分析が難しいという一面もあります。
この章では、こうした自由記述データを、ビジネスの意思決定に役立つ有益な情報へと変換する、具体的な分析手法について解説します。
 

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自由記述によるアンケートデータの分析の流れ

自由記述によるアンケートデータの分析は、大きく分けて「数値による自由記入」と「言葉による自由記述」の2つのタイプに分けられます。
数値形式の自由記入データであれば、平均値や中央値、分布の分析といった統計的な手法を用いて比較的スムーズに処理することが可能です。一方、文章による自由記述はそのままでは数値化できないため、内容をカテゴリーごとに分類したり、出現する単語の頻度を分析して傾向を可視化したりといった、テキスト特有の処理が求められます。
 
 

数値の場合

自由記述形式のアンケート回答の中には、「だいたい〇〇円くらい」や「週に〇〇回程度」といったように、数値で回答できる形式を用いることがあります。このような数値データは、通常の定量データと同様に集計・分析が可能です。

数値の自由記述データを分析する際は、まずそのデータがどのような傾向を持っているのかを把握するために、基本的な統計量を算出します。代表的な指標としては「平均値」や「中央値」があり、いずれもデータの中心的な傾向を示すのに効果的です。また、数値のばらつきを把握する「標準偏差」や、データの範囲を示す「最小値」「最大値」もデータの分布範囲を理解する上で役立ちます。
さらに、数値を「100円未満」「100円〜300円」「301円以上」といったようにいくつかの範囲(階級)に分けて集計し、ヒストグラムで可視化することで、回答の集中や分散など、分布の特徴をグラフィカルに把握することが可能です。

得られた数値データは、他の質問項目とのクロス集計など、さらに詳細な分析に発展させるための基礎情報としても活用できます。
 

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言葉の場合

アンケートの自由記述回答が、意見や感想といった「言葉」として収集した場合、数値データのようにそのまま集計・分析することは困難です。こうした非構造化データから有益な情報を引き出すには、言葉ならではの分析アプローチが求められます。
ここでは、「言葉」を分析するための、代表的な2つの分析手法を紹介します。
 
 

アフターコーディング

アフターコーディングとは、自由記述形式のアンケート回答を、その内容に応じて意味の近いカテゴリーに分類し、それぞれにコード(符号)を割り当てる作業です。
この具体的な手順としては、まず回答を全て読み込み、 自由記述の回答をいくつかのカテゴリーに整理し、各回答がどの分類に当てはまるかをコードとして記録していきます。

図 アフターコーディングのイメージ
図 アフターコーディングのイメージ

 
この作業を行うことで、バラバラだった文章データをカテゴリーごとの数値データへと変換することが可能です。

例えば、「価格に関する意見が全体の○%を占める」といった具合に、どの意見が多く寄せられているのかを定量的に把握できます。
さらに、こうしてコーディングしたデータを、年齢や性別などの属性データと組み合わせてクロス集計すれば、「20代の回答者は△△に関する意見が多い」といった、より詳細な傾向分析も行えます。

 
なお、この手法は回答の詳細な読み込みや、明確な分類ルール設定などの手間がかかるという問題点があります。また、分類者の主観が分析結果に影響する可能性がある点にも注意が必要です。
 

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テキストマイニング

テキストマイニングは、自由記述回答のような大量のテキストデータを単語や文節に分解し、それぞれの出現頻度や、言葉同士がどのような関係で使われているか(共起関係)を統計的に解析する手法です。この手法では、文章の背後にある傾向や重要なキーワード、さらには回答者の感情などを客観的に抽出することが可能です。

図 テキストマイニングのイメージ
図 テキストマイニングのイメージ

 
この手法の目的は、手作業によるアフターコーディングでは難しい「網羅性」や「スピード」を実現しながら、言葉のデータから構造的な情報を引き出すことです。例えば、頻出単語を視覚的に表現した「ワードクラウド」や、言葉同士の関連性を図で示す「共起ネットワーク図」などを活用すれば、膨大な自由記述の傾向や、特定のテーマに関する意見の構造を直感的に理解できます。

テキストマイニングには、専用の分析ツールを利用するのが一般的であり、客観性と効率性を両立した分析手法として、様々な場面で活用されています。

 

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その他

ここまでご紹介してきた各種の分析手法の他にも、アンケートの目的や設問内容によって、さらに別の手法が有効になる場合もあります。
ここでは、代表的な「時系列分析」を紹介します。
 
 

時系列分析

時系列分析とは、時間的な推移を追って収集されたデータを分析し、その中に現れるトレンド(傾向)や季節性、周期性といったパターンや変動要因を明らかにする分析手法です。アンケート調査においては、毎月・毎年など定期的に実施される定点観測型の調査データに効果的を発揮します。

この分析を行うことで、回答者の意識や評価が時間とともにどのように変化しているのかを、数値で明確にとらえられます。
例えば、顧客に対する製品やサービスの改善が実際に満足度の向上に結びついているのか、あるいは市場環境の変化や競合の影響によって評価が変動しているのかなどを、時系列で把握できます。

さらに、過去の変動パターンに基づいて、今後の回答傾向を予測することも可能です。単一の時点だけでは見えない状況変化を、時間という軸を加えて分析することで、より深い洞察や、変化に即したタイムリーな意思決定へとつなげられます。
 

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アンケートのデータ分析の質向上のポイント

アンケートによって得られたデータから有益なインサイトを引き出すには、データ分析の質を高めることが重要です。

図 アンケートのデータ分析の質向上のポイント
図 アンケートのデータ分析の質向上のポイント

 
目的の明確化をする
質の高い分析を行うための最も重要なポイントは、調査目的の明確化です。何を知りたいのか、その分析結果を何に活用したいのかを事前に定義することで、適切な分析手法を選び、無駄のない効率的な分析が可能となります。

分析の質は元となるデータの質にも左右される
また、分析の質は、元となるデータの質にも左右されます。回答の信頼性を確保するためにも、分析対象とするデータは「有効回答」のみに絞ることが基本です。

有意性の確認、各グラフでデータを確認する
さらに、分析結果の信頼性を判断する際は、データの「有意性」を確認することが大切です。
また、分析結果を分かりやすく報告し、関係者と共有する際には、「グラフ」による視覚化が効果的です。項目の比較には「棒グラフ」、時系列での変化やトレンドを示すには「折れ線グラフ」、全体に占める各項目の割合を示すには「円グラフ」など、目的に応じて適切なグラフ形式を選択しましょう。

これらのポイントを押さえることで、アンケートデータ分析の質は大きく向上し、より信頼性が高く、実効性のある意思決定につながります。

 
 

まとめ

この記事では、アンケートによって収集されたデータをビジネスに活かすための、集計方法や応用的な分析方法について解説しました。

アンケートデータという顧客の「生の声」は、適切な集計・分析手法を用いれば、そこに潜むニーズや課題、行動の背景といった深いインサイトを引き出すことが可能です。それにより、漠然とした推測ではなく、データに基づいて顧客ニーズに即したマーケティング戦略を立案できるようになります。

ぜひこの記事で紹介した分析手法を参考に、アンケートデータを最大限に活用し、ビジネスの成長につなげていきましょう。

 
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執筆者
アスマーク編集局
株式会社アスマーク マーケティングコミュニケーションG
アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

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