公開日:2026.07.21

家電製品の購入時の決め手やこだわりとは?働くママへのインタビュー内容を紹介

  • インタビューコラム

家電の販促施策やプロモーション設計において、多様化する消費者のリアルな情報収集や購買行動のプロセスを正確に把握することは、多くのマーケティング担当者様にとって重要な課題となっています。

得られたヒント


  • アフターフォロー
    店頭に商品がない場合のアフターフォローを行うことで、機会損失を減らす
  • コンセプト調査
    「ターゲットに刺さる、エッジの効いた機能訴求」を生み出すため、「マーケットイン」の視点に立ち、ターゲット起点でコンセプトを定義するためには、コンセプト調査がおすすめ

 
そこで今回は、ランキングサイトやインスタを活用して便利な家電を探しているという30代の会社員女性に、情報の検索から購入までのプロセスなどを聴取するインタビューを実施しました。
インタビューをした方の簡単なプロフィールは下表となります。

性別 女性
年代 30代
お住まい 東京都
ご家族 夫、息子(2歳)
お仕事 鉄鋼業界の一般事務
趣味 映画鑑賞
お子さんがまだ小さいため、映画館でみることは少なく、家でNetflixやAmazonのPrime Videoを利用してよく映画や海外ドラマを鑑賞している
最近の悩み
  • 初めての子育てとなるため、思い通りにいかず、ついイライラしてしまうことが悩み
  • 「心のゆとりをどうやって持てばいいんだろうな?」ということが悩み

 
この記事では、家電製品の“情報収集”や“購入時の決め手やこだわり”に関する発言を整理し、家電の販促施策やプロモーション設計に課題を感じている企業の担当者様へ、役立つヒントを丁寧に読み解き紹介します。

 

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最近購入してよかった家電製品

最近購入してよかった家電製品について尋ねたところ、約半年前に購入した炊飯器を挙げていました。

実際のインタビュー風景
実際のインタビュー風景

 
購入前は、夫が使用していた炊飯器を使っていたものの、お米が美味しく炊けず、ずっとイライラしていたそうです。そのため、「絶対に炊飯器買おう」と思っていたとのこと。また、せっかく買い替えるのであれば、より良いものを購入したいという思いもあったといいます。

購入にあたっては、価格.comなどの比較サイトやAmazonの口コミを参考にしながら、時間をかけて検討を重ねたそうです。「結構値段も高かったので」と振り返りつつも、現在は「毎日美味しいご飯が食べれて幸せですね」と非常に購入した炊飯器に満足している様子でした。
 
 

家電製品の情報収集について

情報収集の頻度

家電の情報を見る頻度を尋ねると、彼女は「週に2~3回くらい」とのことでした。
家事や育児で毎日忙しいため、時短につながる家電の情報を求めており、Instagramのリールを見ているそうです。
また、「誰かが使ったとか、専門家が比較してくれた、それで絞ってくれないと商品が莫大ばくだいにありすぎて何を見たらいいかわからない」と話していました。そのため、Instagramマイベストなどのランキングサイトで紹介されているものを見てから、気になった商品があれば公式サイトでより詳しい情報を集めているとのことでした。

そして、家電について調べるようになったきっかけは、社会人になって自分で家電を買うようになり、「良いものを買おう」と思うようになったタイミングだったそうです。
 
 

家電購入時の決め手やこだわり

家電購入時の決め手やこだわりは、家電の種類によって異なるものの、最も重要なのは自分が欲している機能や性能が備わっていることだそうです。

たとえば、前述した炊飯器については、モチモチしたお米が好きなため、「モチモチ系に特化したご飯が炊ける」という紹介文で、機能面が説明されているものが良いと話していました。
また、「毎日使って家に置くわけですから、やっぱ好きな見た目とかデザインがいい」とも話しており、デザイン性は機能性に次いで重要な要素だそうです。価格については、デザイン性の次に重要とのことでした。
以上を踏まえると、選ぶ際の優先順位は次の通りです。
 

  1. 機能・性能
  2. デザイン
  3. 価格

 

 
 

テレビの情報を参考にするか?

テレビショッピングや家電を紹介する番組については、「結構目につきますね」と話していました。
そうした番組を見て「良いな」と感じた商品は購入することもあるそうで、実際に使用している様子が動画で紹介されるテレビショッピングや番組は参考になるといいます。

ただし、購入を検討している家電については、最終的に店舗に足を運び、実物を手に取ってサイズ感などを確認したうえで決めるそうです。加えて、「やっぱりちゃんと自分の目で1回見てから買いたいなっていうのはありますね」とも話していました。

一方で、店舗には新商品が並ぶことが多いため、足を運んでも気になっていた商品が置いていない場合もあるとのことでした。
 
 

得られるヒントについて|家電製品の情報収集について

この章で得られるヒントはいくつかあり、ここでは“足を運んでも気になっていた商品が置いていない場合もある”という内容から得られるヒントを話していきます。
 
 
家電量販店には「売り場スペース」という物理的な制約があります。そのため、お客様が事前にネットなどで調べて気になっていた商品が、いざ足を運んだ店頭には置かれていない、というケースは珍しくありません。

一方で、自社の他店舗や、ECサイト(ネットショップ)には在庫が残っていることも多々あります。実はここをつなぐ動線に、売上拡大顧客満足度向上に直結する大きなヒントが隠されています。
 
 

放置すると「機会損失」につながるリスクがある

お客様が気になっている商品を見に来店された際、もし店頭になければ、そのまま競合店へ流れてしまう可能性が高くなります。しかも、他店で実物を試し、気に入ればその場で購入されてしまう——。これは店舗にとって典型的な「機会損失」です。

一方で、スペースの制約上、すべての商品を網羅して並べるわけにはいきません。そこで重要となるのが、「店頭に商品がないときのアフターフォロー」です。
 
 

機会損失を「顧客接点」に変える店頭ポップを設置

たとえば、売り場のところどころに次のようなポップを配置してみてはいかがでしょうか。

「お探しの商品が見当たらない場合は、スタッフまでお気軽にお声がけください。WEBの在庫もお調べいたします」

このような案内を配置することで、お客様が諦めて帰る前に「次の一手」を打てるようになります。

  1. 実は在庫がある・取り寄せ可能な場合
    スタッフがその場でご案内したり、ECでは在庫がある場合、この店舗受け取りを提案したりすることで、機会損失を回避し、顧客満足度の向上につなげられます。
  2. 本当に在庫がない場合
    「お客様が何を探していたか」の商品情報をデータベースに記録・蓄積していきます。これにより、単なる機会損失で終わらせず、「次にどの商品を入荷すべきか」の指標として活用できるようになります。

 
 
限られたスペースだからこそ、デジタル(EC)とアナログ(接客)を融合させたフォロー体制を整える。これこそが、実店舗の価値を最大化する鍵となるのではないでしょうか。

 

 
 

国内メーカーと海外メーカーの違いが、購入時の検討ポイントになるか?

国内メーカーと海外メーカーの違いが購入時の検討ポイントになるかを尋ねると、同じ価格帯であれば国内メーカーを選ぶとのことでした。

国内製品については「技術力がすごく高いっていうイメージがあると話す一方、海外製品については「性能よりもデザイン重視なのかな」と話しており、国内と海外では製品イメージに違いがあるようです。

彼女は家電を選ぶ際、機能や性能を一番に重視しており、デザイン性はその次に重視するポイントになってくるそうです。その結果、「そうすると、やっぱり、国内メーカーの方が強いのかなって思って、結構、国内メーカーを選ぶことが多いです」と話していました。
 
 

国内/海外メーカーの技術力に対するイメージについて

続いて、家電のカテゴリによって、国内メーカーと海外メーカーの技術力に対するイメージに違いがあるかを尋ねると、カテゴリによっては海外メーカーの方が技術力に優れているイメージを持つ場合もあるとのことでした。

たとえば、掃除機はダイソンのイメージが強く、テレビCMで繰り返し耳にする「吸引力」というワードが印象に残っている様子でした。実際に購入時、店頭で試用した際にも、「吸引力とかパワーが違うな」と感じたそうです。

 
また、海外メーカー製品の情報源としては、テレビCMのほか、お昼の情報番組「王様のブランチ」や、バラエティー番組「アメトーーク!」の家電芸人などを挙げていました。
さらに、店頭で目立つ場所に置いてある家電や、店頭でおすすめされている家電がダイソンなどであることもあり、「そういう宣伝とか広告で、結構いいのかなって思っちゃいます」とも話していました。

 
 

家電を誰かに勧めた経験について

続いて、家族や友人に家電製品を勧めた経験があるかを尋ねました。
すると彼女は、家電製品を家族や友人に勧めた経験があると話していました。

たとえば、友人との会話の中で、「Sharkの掃除機買って、めっちゃいいよ」と話したり、家族が自宅に遊びに来た際には、実物を見せて実際に使用してもらい、性能の良さを体感してもらったりしたそうです。

ちなみに、彼女は前章で掃除機についてダイソンの話をしておりましたが、実際に購入したのはSharkだそうです。
というのも、ネットで調べたうえで店頭にも足を運び、比較検討した際に、“Sharkは元ダイソンの方が立ち上げた”や“価格がリーズナブルだし、性能も良い”という説明を受けたそうです。
また、彼女が掃除機を買う際に最も重視していたのは、“髪の毛が絡まないこと”でした。実際に使用してみると、「Sharkの掃除機もゴムでできていて、髪の毛が本当に絡まりづらい」と感じたそうです。
さらに、「パワーもあって、価格がリーズナブル、『なんかすごいいいな』って思って、『Sharkの掃除機がすごくいいよ、だって元々ダイソンで勤めてた人が作ったやつだから』、みたいな感じで、家族に紹介したり、友達に言ったりしてますね」と語っていました。
家電製品を紹介した後で相手が興味を示した場合に、具体的な型番や公式サイトを教えるそうです。

Sharkの掃除機に対して、上記に加え、「あんまり掃除機っぽくないようなデザインがやっぱり良いので、シンプルで、シックで、それで黒ベースでけっこういいなって思ってます」ともお話しされていました。

 
 

印象に残っているCM/広告について

印象に残っているのは、嵐が起用されていた冷蔵庫の宣伝だといいます。
その中で、使われていた「冷凍しててもサックリ切れる」というフレーズもあったようで、「すごいなってちょっと思った」そうです。
 
この宣伝が印象に残っている理由として、「電化製品の強み」を挙げていました。
他のメーカーとの違いや特化しているポイント、たとえば、

  • こういうことができます
  • こういう強み・メリットがあります

 
といった、「性能の部分をけっこう覚えてたりします」と話します。
そのため、前述したダイソンも、実際に掃除機をかけている映像を通じて、パワーや吸引力の高さが伝わってきて、「ダイソンの掃除機は、パワーが強い」という印象を持ったそうです。

 
 

家電量販店の店員の話

家電量販店の店員に話を聞くかどうかを尋ねたところ、「半々」とのことでした。
店員は知識が豊富なため、気になる質問にしっかり答えてくれるというメリットがある反面、販売ノルマを意識するあまり、おすすめ商品が在庫処分品ではないかと勘ぐってしまうこともあるため「半々」なのだそうです。
 
しかし、そうした生の声を聞けること自体が、実店舗へ行く動機になるそうです。
たとえば、家電量販店は日々お客様からの修理依頼も受けているため、一番故障が多いメーカーがどこかを尋ねたところ、店員から「パナソニックは少ない」と回答をいただいた経験もあるとのことです。
 
ちなみに、参考にする情報として、口コミサイトについて尋ねたところ、Amazonのコメントを10〜20人分ほどざっと確認して参考にしていると話していました。
 
 

得られるヒントについて

彼女のインタビューの内容から、彼女の家電の選びの最優先事項は「機能・性能」であることがわかります。
具体的には、それぞれのカテゴリーで次のような発言が見受けられました。

炊飯器:モチモチしたご飯が炊ける
掃除機:髪の毛が絡まない
冷蔵庫:「冷凍しててもサックリ切れる」(印象的なCM)
 
 
これらに共通しているのは、日常のイライラの解消”、または“日常の理想の実現”が、極めて具体的な言葉で表現されている点です。
こうした対象者の本音を発掘できることこそ、インタビュー調査の真骨頂といえます。
膨大な商品があふれ、情報の取捨選択に追われる現代において、「自分のための商品だ」と直感させる、エッジの効いた1つの強い機能訴求は、彼女には有効なフックになるでしょう。

 
 

「届く言葉」を見極めるためのコンセプト調査

では、このような「ターゲットに刺さる、エッジの効いた機能訴求」はどのように生み出せばよいのでしょうか?

それは、商品コンセプトがプロダクトアウトではなく、顧客のニーズから逆算する「マーケットイン」の視点に立ち、ターゲット起点で定義されているかにかかってきます。

そこで重要になるのが、策定したコンセプトがターゲットに受容されるのか、ターゲットが求めるベネフィットを満たすものになっているのかを検証するコンセプト調査です。

コンセプト調査では、定性調査と定量調査を組み合わせることで、より有益な結果が得られるケースが多いです。
まず、定性調査(個別またはグループ形式によるインタビュー調査)でターゲットの本音(ニーズ)を深掘りして仮説を導き出し、次に定量調査(アンケート調査)を用いて、その仮説が市場全体にどれほど受容されるかを数値で検証するというアプローチです。

このプロセスを経ることで、届けたいメッセージや競合との差別ポイントが明確になり、市場での競争優位性を高め、製品やプロモーションの成功確率をより高めることが期待できます。

 
 

まとめ

今回の彼女へのインタビューから見えてきたのは、家電製品を購入する際、どのように情報を探して購入に至るのか、そのリアルな行動プロセスと心理が見えてきました。
 
得られた内容からヒントを整理すると以下となります。

図 得られたヒント
図 得られたヒント

 
 
また今回、GeminiのNanoBananaで、下図のようなグラフィックレコーディング風の画像も生成してみました。

図 GeminiのNano Bananaで生成(生成AIで生成した画像)
図 GeminiのNano Bananaで生成(生成AIで生成した画像)

※ 本記事の理解を助けるために、生成AIで画像を作成しています。生成AIによる画像は必ずしも正確ではなく、誤った表現が含まれる場合があります。画像内容の真偽や正確性は保証できませんので、あらかじめご了承ください。

それぞれ“注意は必要”ですが、ご参考になれば幸いです。
 
変化の激しい家電市場において、消費者に選ばれるプロモーションを展開するためには、こうしたリアルな生活者起点でのアプローチが欠かせません。
 
このコラムを参考に、インタビューで顧客理解の精度を上げ、生活者起点でのアプローチを強化し、市場での競争優位性を高めていきましょう。

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執筆:アスマーク編集局

執筆:アスマーク編集局

アスマーク編集局は、数多くのメーカー、官公庁、大学との広範な調査実績に基づき、実務に直結するマーケティングリサーチの知見を発信する専門組織です。単なる手法の解説に留まらず、「現場で求められる判断基準」や「実務上の留意点」を網羅した専門コンテンツを企画・制作しています。

普及活動の実績
調査・分析に関する自社セミナーは累計参加者26,000人を突破。関連資料の利用者は11,000人を超えています(※2026年現在)。

学術・教育支援
日本社会学会や日本行動計量学会等への参画、大学での講義(累計受講者1,000人以上)を通じ、リサーチノウハウの普及に努めています。また、大学等の教育機関へ1万人規模の実証データを提供し、PBL(課題解決型学習)教育の支援も行っています。

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監修:竹中 重雄(Shigeo Takenaka)

監修:竹中 重雄(Shigeo Takenaka)

株式会社アスマーク マーケティング管轄 マネージャー
リサーチ業界およびマーケティング領域で10年以上のキャリアを持つスペシャリスト。学術調査チームの立ち上げや、業界内でも難易度の高い「難病・希少疾患」「障がい者」のリクルートサービスの立案・リリースを主導。共同著者として参画した研究論文が学術誌『グローバルビジネスジャーナル』に掲載された実績を持つ。

専門領域
消費者インサイト分析、セグメンテーション。学術的根拠に基づき消費者モニターをタイプ分類する「インサイト・セグ」を開発。

発信実績
日本のマーケティングリサーチ20年の変遷」の執筆や、最新技術を網羅した「ChatGPTを調査設計・レポートに活用する検証セミナー」への登壇など、伝統的手法から最新トレンドまで幅広い知見を保有。

本記事の監修にあたって
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