
2021.02.15
元外資系企業人事マネージャーが語る人事部門の役割とは【後編】
- HRコラム
前回、人事部門の役割についてご紹介しました。今回は、経営層や他部門が人事部門に対して期待することとしてどんなことがあげられるのか、ということについてふれたいと思……
公開日:2021.10.06
効率化をはかることでいかに労働時間を減らすのかといったことだけではなく、働く環境を変えるということも働き方改革には含まれています。その具体的な施策としてあげられるのが、固定された席を設けず、社員それぞれがオフィスの好きな席で勤務できるフリーアドレスです。
今回はフリーアドレスの導入・運用を成功させる5つのポイントについて述べたいと思います。
<執筆者>
永見 昌彦
アルドーニ株式会社 代表取締役
外資系コンサルティングファームなどで人事コンサルタントとして勤務した後、事業会社(ラグジュアリーブランド持株会社)で人事企画担当マネージャーとして人材開発・人事システム・人事企画を兼務。事業会社、コンサルティングファームの両面から人事に20年たずさわった経験を活かして、2016年にフリーランス人事プランナー・コンサルタントとして独立。2018年に法人化。現在、人事全般のプランニング・コンサルティング・実務にたずさわっている。
「同業他社がフリーアドレスにしたらしいから、自社でも導入する」「何となく流行っているから」といったように明確な目的もなくフリーアドレスを開始しても、座席が固定化されてしまうなど結果としてうまくいかないでしょう。
「社内コミュニケーションを活性化したい」「オフィスにかかる費用を削減したい」など、何を達成したいのかによって目的は各社異なってくると思います。そういった、目的や何を達成したいのかといったことを事前に社員に周知しておくことが必要です。
フリーアドレスを進める際には、それと並行(あるいはその前工程と)して業務のペーパーレス化やクラウドやモバイルによって業務ができる環境構築を行い、社内外といった場所にこだわりなく業務ができる状況にしましょう。
キャビネットやプリンターがあるところではないと業務が成り立たないならば、フリーアドレスを導入しても「自由に席を選ぶ」ことができないからです。ペーパーレス化とあわせて、社員宛に届いた郵便物や固定電話の扱いをどうするのかといった、固定席ではなくなったことによって変えなければいけない事項についても見直しをすることになります。
固定席であれば、誰がどこにいるのか・いないのかはオフィスにいれば掌握することは比較的簡単です。しかし、フリーアドレスの場合、どこに座っているのかあるいはそもそもオフィスにいるのかどうかを確認するのは、若干困難となります。
そのため、「せきなび」のような在席管理ツールなどを導入することで社員が出勤しているのか、休暇取得なのか、外出など一時的に席を外しているだけなのかがわかるようにすることも検討すべきでしょう。
また、オフィスそのもののフロア内に高い仕切りやパーティションなどを排することで、視覚的に誰がいるのかをわかりやすいレイアウトにしたほうがよいでしょう。そのため、部門ごとに部屋を設けていた場合は、レイアウト変更も成功要因の一つとなります。
オフィスレイアウトについても工夫が必要です。
部署・職種や役職に関係なく共有できるスペースで業務を行うフリーアドレスだけではなく、一人で集中して作業ができる個人用ブース、オンラインミーティングができるブース、少人数で簡単な打ち合わせができるスペースといった用途に応じたスペースを設置することで多様な働き方をサポートすることができます。
また、フリーアドレス向けにオフィスレイアウトを変更したことによって、空きスペースが生じる可能性もあります。その場合、休憩ラウンジやカフェテリアなどを社員がリラックスできる場所に転用することも積極的に検討すべきでしょう。
仕事のスタイルや用途に合わせて好きな場所が選べるような、社員にとって居心地の良いオフィスにしていきましょう。
フリーアドレスを開始すると「いつも同じところに座る」「荷物が置かれているので他の人が使用できない」といったことにより、運用がうまくいかないケースもあります。
そのため、「くじびきなど自分の意思とは別の手法で座席を決める」「(フロアをいくつかに分類したうえで)毎日必ず違うエリアに座る」「自分の物品は個人ロッカーで管理し、終業時に席のまわりには何も残さない」といったルールを設けるのもよいでしょう。
フリーアドレスを導入するのに適しているのは、外出頻度が高い営業やクライアント先に常駐するSEが多い会社など、オフィスに在席している社員が少ない会社です。フリーアドレスにすることで、他部署・職種の社員と接する機会が増えるので、複数部門で仕事をすることが多い会社ならば、業務効率も高くなるでしょう。
反対にフリーアドレスの導入が難しいのは、常にオフィスに在席している社員が多い会社です。コールセンターやデスクトップPCが必要なクリエイターなど、フリーアドレスの導入が難しい職種の社員が在籍している会社の場合、職種や部門を限定することも検討したほうがよいです。
自社にあったフリーアドレスを取り入れることによって、社員の生産性やエンゲージメント向上などさまざまなメリットが生み出されるでしょう。
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