公開日:2022.05.13

海外調査(Webアンケート)を失敗しないための注意点

  • マーケティングリサーチHowto

企業が海外進出するにあたって必要となってくるのが、海外現地の様々な調査データです。海外に進出したのは良いものの、現地のニーズがわからない、コンセプトが受け入れられない、生活実態がみえない・・・こうなってしまうと業績に繋がらず撤退を余儀なくされてしまいます。これらの課題を解決に導くのが海外調査です。
とはいえ、国内調査の経験が豊富な方でも、初めて海外調査を実施する際には様々な注意が必要です。実際にお客様からよくある質問として、「海外調査って国内調査と違ってデータの質が低いんじゃないの?」「前に海外調査をやったことあるけど、データの精度が低くて使い物にならなかった」と、国内調査と比べてデータの品質を気にされる方が多いようです。
ここでは、海外調査としてWebアンケートを実施する際の注意点について解説していきます。
 

回答デバイスの違いについて

図1は、世界40ヵ国のスマートフォンの普及率です。(※「世界40カ国、主要OS・機種シェア状況 【2020年5月】~インバウンドWebプロモーションにシェア状況データを活用する~」参照)
ご覧の通り、先進国でも新興国でもスマートフォンは高い普及率ですが、日本は他の先進国と比べると少し低いようにみえます。
 
 
世界40ヵ国のスマートフォンの普及率1
 
世界40ヵ国のスマートフォンの普及率2
 
日本は他の先進国と比べ、PCからのインターネット接続の割合が高いと言われています。図2は、当社保有の国内モニター(D style web)会員へアンケートを配信した際の回答デバイスの内訳です。(※2022年4月)
ご覧の通り、半数以上がPCからの回答だということがお分かりかと思います。
 
 
当社保有の国内モニター(D style web)会員へアンケートを配信した際の回答デバイスの内訳
 
何が言いたいかというと、Webアンケートの回答デバイスにおいて、国内ではPC回答が多く、海外ではスマホ回答が多いということです。
これはデータにどのような影響を与えるのでしょうか。
 

回答デバイスの違いがデータに与える影響

国内調査で行なうWebアンケートの場合、マトリクス形式の設問が多くなりがちです。特にマトリクスの表頭に商品画像などがある場合、画面の横スクロールが発生してしまうこともあります。これは、多くの国内の調査会社が設問数で費用が変動する料金体系としているからであり、マトリクス設問は複数設問をまとめて1つの設問としてコンパクトにまとめることができるため、費用を抑えることに繋げられます。

※マトリクス設問イメージ
 
マトリクス設問イメージ
 
これらは、PCで回答する分では回答者のストレスも軽減できますが、マトリクスが大きくなるほど、スマホ回答では画面が小さい分スクロールも多くなり、また、回答時間も長くなってしまい、回答者のストレスが大きくなってしまいます。回答者のストレスが多くなってしまうと、いい加減な回答が増えたり、集中力低下による回答ミスが増えてしまいます。
国内同様にマトリクス設問を多用してしまうと、スマホ回答がスタンダードである海外調査の場合は、上記のように回答精度が当然ながら下がってしまいます。こういった回答デバイスの違いを考慮していないことが、「海外調査のデータの品質が不安」という懸念に繋がってしまう訳です。
 

回答デバイスの違いを考慮したアンケート設計

では、回答デバイスの違いを考慮したアンケートとはどのような点に注意すれば良いのでしょうか。
海外の多くの調査会社は、国内の調査会社と違い、設問数を基準とした料金体系ではなく、回答時間を基準とした料金体系となっています。そのため、無理にマトリクス設問にする必要はなく、答えやすい、見やすい、わかりやすい設問提示を心掛けることで、スマホ回答のストレスを減らすことに繋がり、回答時間も短縮することができます。
 
また海外では、アンケート配信など一連の作業が自動化されていることが多く、アンケートのボリュームが多く回答時間が長い場合、パネルの回答負荷が高いと判断されてしまい、配信が非優先になってしまうことがあります。また、回答時間が長いと回答途中で離脱する回答者が増えてしまい、離脱率が一定値を超えると配信が自動で止まってしまうパネル会社も少なくありません。
 
そのため、アスマークでは、データの品質を保持するための設問数の目安として20~30問程度、回答時間の目安として10分前後で回答できるボリュームでの実施をおすすめしております。さらに、過去に実施した調査において回答時間が20分を超えると離脱者が急増することが確認できているため、20分が調査を安全に進行できるか否かの1つのラインになってくると考えて良いでしょう。
同様に、極端に出現率が低い場合も負荷が高いと判断されてしまい、配信が停止してしまうことがありますので、調査設計の段階からある程度の出現率を保てる内容にするのが良いでしょう。
 

さいごに

海外市場調査の始め方や進め方」のコラムでも海外調査で押さえておくべきポイントを解説しています。海外調査をご検討の際には、合わせてご覧ください。
 

執筆者
アスマーク グローバルチーム
株式会社アスマーク グローバルリサーチグループ
インバウンド調査、アウトバウンド調査、在日外国人調査の営業~プロジェクトマネージメントまでを担う部署。多国籍でマルチリンガルのスタッフが在籍し、日本語、英語、中国語、韓国語、フランス語などのサポートが可能。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

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