
2025.09.03
就活を終えた大学生に聞く、会社選びの軸やハラスメント対策が選ばれるキッカケについてインタビュー
はじめに 最近の学生は、どんなことを考えて就職活動をしているのだろう? 多くの採用担当者が、そう感じているのではないでしょうか。多様化する価値観の中で、……
公開日:2025.08.26
近年、若者の「テレビ離れ」が指摘されています。
このテレビ離れについて、皆さまはどうお考えでしょうか。
テレビメディア自体の必要性が失われているのか、あるいは、デジタル環境の発展により、テレビメディアが果たす役割が変化しているのか。いろいろ、お考えがあるかと思います。
今回はそんな疑問を少しでも身近に感じられるよう、一人暮らし(6年目)をしている20代で化学、特に生物寄りの研究をしている男子大学院生にインタビューを行いました。ちなみに、彼は普段の過ごし方として、PCやスマホを利用して、インターネットでネットサーフィンをしたり、YouTubeやアマプラ(Amazonプライムビデオ)などの動画を見たり、ゲームをしたり、マンガや小説を読んだりしているとのことでした。
そして、本コラムでは、彼の家での動画視聴やテレビへの関心、動画配信サービスの有料利用、印象の残っているYouTube広告・テレビCMなどについて深掘りした内容を整理し、テレビメディア関係や広告関係でサービス企画などで役立つヒントを慎重に読み解き紹介します。
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彼は、普段、朝にYouTubeやアマプラといった動画をあまり見ないと、言います。
アマプラに関しては、月に2、3度といったところで、頻度はそこまで多くないとも。

一方で、YouTubeに関しては、夕方~夜に見ることが多いそうです。特に、YouTubeで見るジャンルとして、以下を列挙されていました。
また、「一日どれくらい、何時間くらい見てますか?」とインタビューしたところ、「帰ってから寝るまで、ずっと見ていた時などもありまして、そのような時であれば4時間ほど。短い時は、本当に、30分、1時間とか、日によるところですね」と彼は言います。
定期的に見ているYouTubeチャンネル
そして、定期的に見ているYouTubeチャンネルがあるとのことでした。
大体チェックをしていたり、あるいは公式SNSで更新情報が流れてきたり、とても興味のあるチャンネルはチャンネル登録+通知をONにしているので、新着がある度に通知が来たりして、確認している、と言います。
これらの発言から、彼はサブカルチャー系に興味・関心があり、それを楽しむためにYouTubeを使って動画を見ていそうですね。
また、YouTubeを見る時間は分かる気がしますね。やはり日中となると、勉学であったり、仕事であったり、他のことに時間を充てていることが多いと思いますので、YouTubeといった動画を楽しむのは、それ以降かなと。そのため、以前から言われていることかもしれませんが、夕方以降の視聴が集中する時間に動画を投稿、または配信するという選択は、やはり検討する必要がありそうですね。
まずは、実家のときと一人暮らしのときの動画視聴ルーティンについて尋ねてみると、ルーティン自体はあまり変わらないそうで、変わったのは一人暮らしのときの方が視聴時間が「短かった」という部分、とのことです。
そして、「テレビを使ってテレビを見るということを普段されていますか?」と尋ねたところ、彼は、一人暮らしを始めてからテレビを所有していないと、話します。そして、一人暮らしを始めるときの家電の買い物前に、「テレビは多分いらないかな」と思っていたと言います。
また、その不要な理由として、以下が挙げられるそうです。
実家でのテレビ視聴についても尋ねました。
彼は「テレビは一応見てはいました」と言います。また、アマプラに関しては実家では見ていなかったようですが、高校生くらいのときからYouTubeに関しては割と視聴していたそうです。
YouTubeを見る理由として、「単純に自分の興味のある分野が、YouTubeに多かった」と言い、「特に先ほど申し上げたゲーム関係だと、たぶんそれを対象にしたテレビ番組ってたぶんそんなにないと思うんですけど、YouTubeだと色んな人がいるので、色んな人の数だけ動画があったりとか、という形だったので、興味の矛先がYouTubeに向きやすかった」と彼は自身を分析していました。
また、ニュースや天気といった情報取得の仕方やテレビ画面でゲーム実況を見たいかどうか、などについてもヒアリングし、まとめると下表となります。
| 質問内容 | 回答内容 |
|---|---|
| ニュースや天気といった情報の取得の仕方 | インターネットで情報を得ている |
| テレビ画面でゲーム実況を見たいかどうか? | 「そこに関してのモチベーションはあまりないです」とのこと |
| テレビを見ていないことで会話に乗り遅れることはあるか? | 「中高生ぐらいのときは、テレビ番組の話題はかなり出てたりはしたんですけど、大学に入ったら周りもアマプラとかYouTubeとか、かなり見るようになってきたので、どちらかというと、あんまり乗り遅れはないかなと」とのこと |
| 例えば、アニメやゲーム配信の番組とか、もっとテレビで放送されていたら見たいなって思うか? | YouTubeと同等のものがあったとしても、YouTubeの方が手軽だなって思って、結局、見ないという可能性は多分ありますね、とのこと。 |
| 実家にテレビを見てた頃、録画はしていたか? | 録画をしていたそう。また、今は、アマプラに過去の動画があるので、それで十分事足りるとも、ご回答いただきました。 |
彼の話で印象的に感じたのは、「部屋がかさばるのかな」といった物理的な事情だけではなく、「見たい番組に関してもアマプラなどのサービスを使えば見れるところがある」といったネットサービスの普及による「テレビの不要」が語られていることです。
彼のような視聴スタイルを鑑みると、テレビメディアとしては『テレビがない家庭』というターゲットは、いつでも頭の片隅に考えておく必要はありそうですね。
既にこういった部分での対策かはわかりませんが、YouTubeでテレビメディアのコンテンツが投稿されていたり、YouTube用にライブ配信されていたりするのを目にします。
また、番組終了後に一部の映像がYouTubeにアップされ、キャストの素の表情や、収録中とは違うリラックスした場面が公開されることもあるでしょう。そこでは、放送では見られないキャストのリアルな一面を楽しめることが伝わります。これもまたメディアの新しい発信方法のひとつと言えそうです。もしかすると、こうした魅力もテレビを見ない人を引きつけるカギなのかもしれませんね。
この章では、動画配信サービスの有料利用についてインタビューしたことを紹介していきます。
まずは、無料・有料含めYouTubeやアマプラ以外のサービス利用についてです。
ニコニコ動画やABEMA(アベマ)を瞬時に挙げていただきました。また、他だとNHKプラスとのことで、親御さんから薦められたそうです。
そして、有料で視聴しているアマプラについて、有料利用している理由を尋ねたところ、「お急ぎ便」などの恩恵があったり、「学割」が効いたりすることを、お話していただけました。
今度は、「YouTubeがこれから有料になる」という仮定の話で、「いくらなら払いたいですか?」と質問をしました。すると、「パッと決めるのは難しいかもしれないです」と前置きをしつつ、「1,000円以内とかだったら、使っても良いかな、という感じ」と話していただきました。
加えて「月1,000円だったら、こんな特典あったら良いのに」という仮定の話で、YouTubeに限らず、動画サービスでの機能や特典について尋ねてみると、「現状、YouTube Premium(ユーチューブ プレミアム)で、広告出ないとか、閉じたまま再生できるとか、あると思うので、そこは先ず欲しいところ」と教えていただきました。「他に思いつくのあります?」と深掘りをさせていただくと、「一度に複数動画を見れるみたいな、音声が重なって聞きづらいかもしれないですけど、例えばゲームの動画を比較しながら観れるとか、そういう形で、その機能があっても面白いかな、とは思います」と貴重な意見もいただけました。
この章では、主に動画配信サービスの有料利用についてのインタビュー内容を掲載し、重要と思われる発言をピックしましたが、皆さま的にいかがでしょうか。もしかしたら、共感する部分もあったのではないでしょうか。
まず、個人的にですが、アマプラの有料利用について、「お急ぎ便」を彼は挙げておりましたが、わかります。私は、頻繁にアマゾンで注文をするわけではないのですが、「お急ぎ便」に魅力を、なぜか感じてしまいます。また、学生にとって「学割」というのは魅力的でしょう。それに、YouTubeが有料の場合の話で、「広告が出ない」や「閉じたまま再生できる」といった機能も、わかります。
こうしてみると、有料サービス利用というのは「動画コンテンツの価値」だけで決まるわけではなく、生活全体でのメリットや視聴体験の利便性なども影響していそうですね。あと、すでにVOD(Video On Demand:インターネット経由で映画やドラマなどの動画コンテンツを好きな時に視聴できるサービス)で取り入れられている料金形態かもしれませんが、法人プランや学割プランといった形態もあることで、今までターゲットとしてこなかったユーザーの登録が見込めるかもしれませんね。
YouTube内での広告
まずは、YouTubeで出てきた広告から、話が始まりました。
「マンガ動画みたいな形で進んでく、広告があるんですよ。コマ割りでマンガが出てきて、その中で音声付きなんですけど、話がどんどん、ストーリーがあって、話が進んでって、その中で例えるなら、進研ゼミについてきたマンガって伝わりますか? こういう話があって、だからこれを始めると良いですよ、見たいな形でですね。そのような流れでちょっと商品を紹介して、しかも今なら安いみたいな形でついてくるみたいな広告が最近多いなと思ってまして」と教えていただきました。覚えている限りだと、「サプリメントを飲むと痩せますよ」や「こういう美容クリームを使うと良いですよ、みたいな美容関係」、そういった広告が印象に残っているそうです。
テレビCM
「元々あった歌の替え歌みたいな形で、例えばテーマパークがあって、そこの歌に乗せて、そのテーマパークが楽しいですよ、みたいな形で進めて、最後に『このテーマパーク どう』みたいな感じ」というCMが記憶に残っているそうです。
これらが記憶に残っている理由を深掘りしてみると、「例えばマンガだと、音声は聞こえるんで、そこで聴覚に訴えつつ、マンガでストーリー仕立てでどんどん進んでいって、結構目も持ってかれちゃうな、という形で、歌の方も何となく耳に、結構知ってる歌の替え歌だと、特に耳に残りやすいのかな、というのがあるので、そこの原理かなと思います」と、自己分析を話します。
彼の分析や、その他発言から、彼は少なくとも聴覚からの情報に記憶に残るか/残らないのか、左右される部分がありそうですね。また、「ストーリー性」という部分も興味深いですね。
こういった、聴覚の話であったり、ストーリー性の話であったりを、仮説として置くと、例えば、YouTube広告では、ある程度ユーザーの興味関心について、ターゲティングをして配信することが可能なため、広告とユーザーのマッチ度を少しでも高めつつ、「音楽」や「ストーリー性」など、記憶に残る工夫をすることで、求める効果を高めることができませんね。
ただ、行き過ぎた広告は、広告とサービス(商品)の不一致などのリスクを招く可能性が多々ありますので、注意して、広告の企画・設計をする必要があるでしょう。
今回は、20代の男子大学院生へのインタビューを通して、動画視聴の実態やテレビの印象について深掘りしました。
彼の話から得られたヒントをまとめると下図となります。

当然、今回のインタビューは、イチ個人の話に過ぎませんが、Z世代のリアルな諸事情が見えた部分もあったかと思います。
また、テレビメディアや広告業界の関係者の皆さまにとって、これらからのサービスやコンテンツを企画する上で、個々の話を伺い、ライフスタイルにどのように寄り添っていき、最適な形で情報を届けていくか、その重要性を改めて考えるキッカケとなった方、いらっしゃるのではないでしょうか。
本コラムでご紹介させていただいたリアルな男子大学院生の声や得られたヒントを検討してみることで、認知度の獲得であったり、利用者数の増加であったり、そういった部分で向上につなげられる可能性があるかもしれません。
インタビュー調査のご相談はこちら>
Z世代のテレビ離れに関する調査~男子大生編~
「i-PORT voice」を利用したインタビュー動画をご覧いただけます。
家での動画視聴やテレビへの関心、動画配信サービスの有料利用などについて、23歳の男子大学生にインタビューを実施しました。
下記に当てはまる方にお薦めの動画です。
● Z世代の情報収集手段や興味関心が知りたい
● 若者に向けた動画での訴求のヒントを探りたい
● 若者に向けたコンテンツ開発を検討している
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若者の「テレビ離れ」は本当か?—Z世代の視聴習慣を探る
「若者のテレビ離れ」が話題になって久しく、特にZ世代を中心とした若年層の間では、“テレビを持たない生活”が当たり前になりつつあります。この変化は、単にテレビというデバイスへの関心が薄れたという話にとどまりません。
本記事では、Z世代の視聴習慣とその背景について詳しく解説していきます。
> 詳しく見る
サブスクリプションサービスに関するアンケート調査
サブスクリプションサービス(以下、サブスク)は、現代の消費生活に広く浸透しており、動画や音楽といったエンターテインメント分野から、食品、衣料品、さらにはカーシェアリングなど、特定の目的に特化したサービスまで、多岐にわたる分野で利用されています。
一方で、消費者の意識や利用状況は一様ではなく、物価高騰や節約志向といった社会情勢が、サブスクの利用意識に大きな影響を与えていることも見逃せません。
そこで今回は、サブスクの利用実態や利用者の満足度、解約理由に加え、消費者が考える理想的なサービス像について消費者の声を聴取しました。
下記についての調査データが得られます。
● サブスク契約者は全体の7割超、そのうち1割はすでに解約済み
● 解約理由として「料金・コスト」を挙げた人は約7割
● 利用金額を「把握できている」と回答した人、特に男性20代が突出している
● 契約をしない理由として、全体で最も高かったのは「必要性を感じない」
● 理想のサブスク「自分好みのカスタマイズ」や「柔軟な料金設定」を求める意見が多数
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【アスマーク×文教大学】サブスクリプションの利用増加・若者のテレビ離れと現代の若者の動画視聴時の環境について
近年若者を中心に「テレビ離れ」が進んでいます。昔は、「家族でテレビを囲んで見る」というのが日常でしたが、今ではスマートフォンやタブレット、PCなど、個人のライフスタイルに合わせて動画コンテンツを自由に楽しんでいるように感じます。
アスマークの学術調査チームが文教大学(大橋ゼミ)と共同で『サブスクリプションの利用増加・若者のテレビ離れと現代の若者の動画視聴時の環境について』を明らかにするべく、アンケート調査を実施しました。
下記についての調査データが得られます。
● 【親】「テレビ購入を推奨する」を答えた割合は、上の世代のほうが高い
● 【子】「テレビが必要か聞かれた」と答えた割合は、若い世代のほうが高い
● 20代男女が同居人とテレビをつける時間帯のピークは朝と夜の2つ
● 休日は午前中にテレビをつけている時間帯がなだらか
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広告効果測定調査の設計方法について徹底解説~調査目的ごとの調査方法とは~
広告をただ配信するだけでは、「その効果がどれくらいあったのか」、「どのようにターゲットに影響を与えたのか」ということを把握することは難しいため、広告効果測定調査を実施することで、次の広告戦略のブラッシュアップなど、次の一手を考えることができます。
本記事では、「広告効果測定調査」について、調査目的や調査方法、調査設計、調査項目の例、そして調査事例を順に詳しく解説していきます。
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