公開日:2025.11.10

来場者アンケートとは?回答率を向上させるポイントや流れ、テンプレートをご紹介

  • マーケティングリサーチHowto

イベントや展示会、セミナーを成功に導くうえで、来場者の声を正しく拾い上げることは重要です。その最も効果的な手段が「来場者アンケート」。

来場者の満足度はどうだったのか…
次回に反映できる具体的な改善点が知りたい…

このような課題を解決し、イベントの価値を高めるには、アンケートは極めて重要な役割を果たします。
しかし、単純にアンケートを実施するだけでは、貴重な意見を集めるのは困難です。アンケートの回答率が低ければ偏ったデータしか得られず、分析の精度も下がってしまいます。

そこで、この記事では、来場者アンケートの基本目的から、すぐ使えるテンプレートや例文、設計・実施・分析の具体的ステップ、そして回答率を大きく伸ばすための実践的なコツまでを、分かりやすく解説します。

 
 

来場者アンケートとは?

来場者アンケートとは、イベントや展示会、セミナー、講演会、さらには各種施設などに来場した人々に対して、その体験や意見を尋ねるために行う調査のことです。主催者が提供した情報やサービスが、実際に参加者にどのように受け止められたのかを把握するための、最も直接的で効果的な手段といえます。

来場者アンケートの質問内容は多岐にわたり、イベント全体の満足度、企画内容への評価、会場の雰囲気や設備、スタッフの対応、参加動機、さらに年代や職業といった回答者の属性情報までを含むのが一般的です。回答形式は、5段階評価などの選択式と、自由記述による記述式を組み合わせることで、数値と意見の両面から分析できるよう設計されます。

来場者アンケートは、単なる参加実績の確認ではなく、主催者が提供した価値を測る評価指標のような存在です。そこから得られる声は、次回以降のイベントをより良いものへと発展させる貴重なインサイト(洞察)となります。

ネットリサーチ(WEBアンケート)

ネットリサーチ(WEBアンケート)のサービスの詳細はこちら

アスマークでは、ネットリサーチ(WEBアンケート)サービスを提供しております。質の高い市場調査専用モニター、スタッフの細やかなサポートと対応力で“早い、“安い”だけでない高品質なネットリサーチをご提供します。

> 詳しく見る

 
 

来場者アンケートを実施する目的

来場者アンケートを実施する目的は多岐にわたりますが、大きく分けると次の3つに集約されます。

  1. イベントの評価と改善点の明確化

    来場者アンケートの最も重要な目的は、イベントの成果を客観的に評価し、改善点を把握することです。来場者が「満足した点」と「不満に感じた点」を具体的に把握することで、次回の企画・運営に直結する改善策を導き出せます。

    例えば、

    • セミナーの構成が長すぎた
    • 休憩時間が短かった
    • 会場の動線が分かりにくかった

    といった具体的な課題を、データで明確化できる点が大きなメリットです。

  2. 来場者のニーズとペルソナの把握
    来場者アンケートによって年齢層・職業・参加動機・期待していた内容などを尋ねることで、来場者の属性や関心をより深く理解できます。これにより、次回の集客やプロモーションのターゲット設定を明確にでき、来場者が求めている情報やコンテンツを、より的確に提供することが可能です。
  3. イベント後のマーケティング施策活用
    アンケートは、イベントの評価を集めるだけでなく、継続的な顧客関係を築くためのきっかけにもなります。
    具体的には、「今後の情報提供(メルマガ配信など)を希望するか」を確認することで、興味・関心の高い来場者をリスト化し、質の高い見込み客(リード)や成約見込み客のデータベースを構築できます。
    また、「この商品(サービス)を友人や同僚にすすめたいと思うか」といった推奨意向(NPS®)を尋ねることで、ロイヤルティの高い顧客を特定し、その後の製品やサービス提案の成功可能性を高める重要なビジネスデータとして活用できます。

 
 
このように、来場者アンケートは「イベントの評価」「ニーズとペルソナの理解」「マーケティング活用」という3つの目的を同時に果たす、重要なマーケティングリサーチ手法といえます。
 
 

来場者アンケートのテンプレート

アンケート設計において、「知りたい情報がうまく引き出せない」「回答者が質問の意図を誤解してしまう」といった問題は、設問の設計次第で大きく左右されます。効果的なアンケートを成功させるには、適切で分かりやすい設問を用意することが重要です。ただ、イベント準備や運営で多忙な中、一から完璧な設問文を作成するのは大変な労力を要します。

そこでこの章では、実践でそのまま使えるよう設計されたテンプレートをご紹介します。

来場者アンケートの題名例

アンケートの回答率を高めるには、参加者の目に留まる「題名(タイトル)」を工夫することが重要です。題名はアンケート全体の「入口」であり、ここで関心を引けるかどうかが回答率を大きく左右します。

長くて堅苦しいタイトルは、どうしても回答者に敬遠されがちです。大切なのは、「回答にかかる時間」や「利用目的」を明確に伝え、参加者が「すぐに終わる」「役に立つ」と感じてもらうことです。

例えば、以下のようなタイトルが、回答率の向上を期待できます。

【所要時間3分】〇〇(イベント名)に関するアンケートにご協力ください
 → 所要時間を明記し、手軽さをアピールするパターン。

【参加者限定】今後の改善に役立てます!〇〇セミナー フィードバックのお願い
 → 「参加者限定」として特別感を演出しつつ、回答の重要性を伝えるパターン。

より良いイベントのために。あなたの声をお聞かせください!
→ 協力を促し、参加者の意見が反映される意義を訴えるパターン。

 
 
このように、タイトルの段階で「短時間でできる」「自分の意見が反映される」といった明確なメリットを伝えることで、回答への心理的ハードルを下げ、「ちょっと答えてみよう」という気持ちに持っていく工夫ができます。
 
 

【目的別】来場者アンケートの設問文と選択肢の例

来場者アンケートで用いられるアンケート設問文と選択肢の例を、目的別に分けて紹介します。

【認知】商品・サービスを知ったきっかけ
Q. 当イベントをどこで初めてお知りになりましか。(お答えはひとつ)
 
1. テレビ
2. ラジオ
3. 雑誌
4. 新聞
5. チラシ・パンフレット
6. 当社のウェブサイト
7. インターネット検索
8. インターネット広告(Webサイトのバナー広告なども含む)
9. SNS(Twitter、Facebook、Instagramなど)
10. ブログ・口コミサイト
11. 動画サイト(YouTubeなど)
12. 実店舗
13. 街中や駅などの看板
14. 家族・友人・知人からの紹介
15. その他(具体的にご記入ください)

 

【意思決定】参加理由
Q. 当イベントにご参加いただいた理由は何ですか。(複数回答可)
 
1. 主催者に興味があった
2. 登壇者に興味があった
3. 講演内容に興味があった
4. ブースに興味があった
5. 人脈が作れそうだと思った
6. 友人・知人・同僚・取引先からの紹介
7. 試飲/試食に興味があった
8. その他(具体的にご記入ください)

 

【購入状況】購入した商品・サービスの種類
Q. 当イベントでご購入いただいた(ご利用いただいた)商品やサービスをすべてお選びください。(複数回答可)
 
1. 商品A
2. 商品B
3. 商品C
4. 商品D
5. 商品E
6. その他(具体的にご記入ください)
7. 購入していない

 

【購入状況】主な購入場所
Q. 当イベントでご購入いただいた商品やサービスは主にどこでご購入いただきましたか。(お答えはひとつ)
 
1. 当社の店舗
2. 当社の公式ウェブサイト
3. ECサイト(Amazon、楽天市場など)
4. 百貨店
5. スーパーマーケット
6. コンビニエンスストア
7. 専門店
8. 代理店
9. その他(具体的にご記入ください)

 

【購入状況】参加回数
Q. 当イベント名へのイベントには、今回で何回目ですか。(お答えはひとつ)
 
1. 1回目
2. 2回目
3. 3回目
4. 4回目
5. 5回目
6. それ以上

 

【購入状況】利用金額
Q. 当イベントで商品やサービスをご購入いただいた合計金額はいくらですか。(お答えはひとつ)
 
1. 1,000円未満
2. 1,000円~3,000円未満
3. 3,000円~5,000円未満
4. 5,000円~10,000円未満
5. 10,000円以上

 

【購入状況】購入タイミング
Q. 当イベントで商品やサービスをご購入いただいた時間帯は、どの時間帯でしょうか。(複数回答可)
 
1. 9時台
2. 10時台
3. 11時台
4. 12時台
5. 13時台
6. 14時台
7. 15時台
8. 16時台
9. 17時台
10. 18時台

 

【満足度】総合満足度や項目別満足度
Q. 当イベントに対する総合的な満足度をお聞かせください。(お答えはひとつ)
 
1. 非常に満足
2. やや満足
3. どちらともいえない
4. やや不満
5. 非常に不満
 
Q. 以下の項目について、それぞれ満足度をお聞かせください。(お答えはそれぞれひとつ)

非常に満足 やや満足 どちらとも言えない やや不満 非常に不満
来場料
公演内容
移動のしやすさ
休憩のしやすさ
スタッフの対応

 

【継続参加意向】将来的なリピート有無
Q. 当イベントが再度解された場合、ご来場いただく可能性はどれくらいかりますか。(お答えはひとつ)
 
1. 非常に高い
2. やや高い
3. どちらともいえない
4. やや低い
5. 非常に低い

 

【他者への推奨意向】友人や知人への推奨有無
Q. 当イベントを、友人や知人にどの程度勧めたいと思いますか。(お答えはひとつ)
 
1. ぜひ勧めたい
2. やや勧めたい
3. どちらともいえない
4. あまり勧めたくない
5. まったく勧めたくない

 

【自由回答】当イベントへの意見や要望
Q. 当イベントについて、ご意見やご要望がございましたら、ご自由にお聞かせください。

 

【プロフィール】回答者の属性
F. 性別(お答えはひとつ)
 
1. 男性
2. 女性
3. その他
 
F. 年齢(お答えはひとつ)
 
1. 20歳未満
2. 20代
3. 30代
4. 40代
5. 50代
6. 60代
7. 70歳以上
 
F. 職業(お答えはひとつ)
 
1. 会社員
2. 公務員
3. 自営業
4. パート・アルバイト
5. 学生
6. 無職
7.  その他
 
F. 居住地(お答えはひとつ)
 
1. ○○県
2. ○○県
3. ○○県
4. ○○県
5. ○○県
6. その他(都道府県名をご記入ください)
 
F. 当イベントへは、本日どこからお越しいただけましたか。(お答えはひとつ)
 
1. ○○県
2. ○○県
3. ○○県
4. ○○県
5. ○○県
6. その他(都道府県名をご記入ください)
 
F. 当イベントにご来場いただいたお連れ様について、あなたはにあてはまるものをご選択ください。(複数回答可)
 
1. 家族
2. 友人
3. カップル
4. 一人で来た
5. その他
 
F. 当イベントへは、本日どのような交通手段でお越しいただけましたか。(複数回答可)
 
1. 電車
2. 新幹線
3. 飛行機
4. タクシー
5. 自家用車
6. 自転車
7. 徒歩
8. その他

 
 

来場者アンケート設計の流れ

効果的な来場者アンケートを作成するには、明確な手順に沿って設計を進めることが大切です。以下の8つのステップを意識することで、目的に合った質問構成と、信頼性の高いデータを収集できます。

図 アンケートの設計の流れ
図 アンケートの設計の流れ

 

  1. 目的の明確化
    まずは、アンケートを実施する最終的な目的を明確に定義します。目的が明確であれば、どんなデータを集めるべきか、そしてそれを得るためにどのような質問を設けるべきかが決まります。
    逆に、目的があいまいなまま設問を作ると、焦点がぼやけ、活用しづらい結果になります。
  2. ターゲットの決定
    次に、アンケートの対象者(ターゲット)を明確にします。イベント参加者全員を対象にするのか、特定のセッションに参加した人のみなのか、などの範囲を明確に定めましょう。
    さらに、ターゲットの年齢層・職業・参加目的といった属性を意識すると、より的確な設問設計が可能になります。
  3. 質問項目の選定
    目的とターゲットを踏まえ、必要な情報を収集するための質問項目を整理します。基本構成は以下のように段階的に設計します。

    • 総合的な質問(例:全体満足度)
    • 詳細な質問(例:セッション内容・会場環境・スタッフ対応など)
    • 属性情報(例:年齢・職業・参加動機)

    このように設計することで、回答者が自然に答えやすくなり、データの一貫性も確保できます。

  4. 設問形式の決定
    質問ごとに最適な設問形式を選択します。

    設問形式 内容 特徴
    単一回答(SA) 一つだけ選ぶ形式 集計が容易
    複数回答(MA) 複数選べる形式 より柔軟な意見収集が可能
    自由回答(FA) 文字回答 自由に記述深い洞察が得られるが分析に手間
    自由回答(FA) 数値回答 数字を入力定量的な比較に有効

    選択式を中心にしつつ、要所で自由回答を加えると、質の高い意見と定量データの双方を把握できます。

  5. 質問文の作成
    質問文は、簡潔かつ具体的であることが重要です。そのため、二重否定複数の要素を同時に尋ねる「ダブルバーレル質問(例:内容と講師の評価を同時に尋ねる)は避けましょう。
    質問の意図が正確に伝わる言葉を使うことで、回答の精度が向上します。
  6. 回答尺度の設定
    選択式や数値回答には、回答の幅(尺度)を適切に設定します。選択肢の数が多すぎると回答しづらくなり、少なすぎると分析精度が下がるため、一般的には5段階程度が最もバランスが良いとされています。
  7. アンケートの構成
    質問の順番や流れを意識し、回答しやすい構成を設計します。冒頭は答えやすい質問から始め、属性質問を最後に置くことで、途中離脱を防ぎ、最後まで回答してもらいやすくなります。
    また、前の質問が後の回答に影響しないよう、順序効果にも注意が必要です。
  8. 事前調査の実施
    本番前に、少人数(数人〜数十人)を対象に事前テストを行いましょう。

    • 設問の意味が正しく伝わっているか
    • 回答にかかる時間は適切か
    • Webアンケートの場合、スマートフォンで問題なく動作するか

    このようなフィードバックをもとに微調整を行うことで、回答率とデータの信頼性が飛躍的に向上します。

  9.  
     
    これらのステップを踏んでアンケートを設計すれば、目的に沿った高品質なデータを効率よく収集し、イベント改善や次回企画の立案に役立てることができます。
     

     
     

    来場者アンケートの実施方法

    どれほど綿密にアンケートを設計しても、実施方法が適切でなければ、目的に合った回答を十分に集めることは困難です。来場者が「回答してみよう」と思えるきっかけをつくり、さらにストレスなく最後まで回答できる実施環境を整えることが、回答率とデータ品質を左右します。

    ここでは、来場者アンケートの代表的な調査手法であるWebアンケートと紙アンケートの特徴を比較し、それぞれのメリット・デメリットを整理したうえで、実務で活用されることの多いWebアンケートの具体的な実施手順について、分かりやすく解説します。
     
     

    Webアンケート調査と紙アンケート調査

    来場者アンケートにおけるWebアンケート調査とは、QRコードや専用URLを通じて、スマートフォンやタブレットから回答してもらう方法です。
    この調査手法の特徴は、回収スピードが速い点とデータ集計の自動化です。回答内容がリアルタイムで反映されるため、イベント終了後すぐに集計・分析が可能になります。
    また、イベント当日に配布するパンフレットやチラシ、会場内のサイネージなどにQRコードを掲載しておけば、来場者が空き時間にアクセスできるため、回答率の向上にもつながります。
     
     
    一方、紙アンケート調査とは、紙の質問票を会場で直接配布・回収する従来型の方法です。
    インターネット環境を持たない層にも確実にリーチできる点が大きなメリットで、特に高齢者層が多いイベントや地域密着型の催しなど、対面でのコミュニケーションを重視するシーンに適しています。
    ただし、紙の回収・入力・集計には時間とコストがかかるため、即時性や効率性を求める場合には不向きです。
     
     
    近年では、Webと紙を併用する「ハイブリッド型」のアンケートも増えています。会場では紙アンケートを用意しつつ、希望者にはQRコードからWeb回答を促すなど、対象者の属性や環境に合わせて柔軟に対応できるのが特徴です。
     
     

    Webアンケート調査の実施方法

    Webアンケート調査を成功させるには、調査の目的・規模・リソースに応じて、最適な実施方法を選ぶことが大切です。「Webアンケート」の実施手法には主に次の3つがあり、それぞれコスト・工数・データ精度に大きな違いがあります。
     

    1. アンケートフォームの活用
      GoogleフォームやSurveyMonkeyなど、無料または低コストで利用できるオンラインツールを活用する方法です。手軽にアンケートを作成・配布することが可能で、URLやQRコードを発行すればすぐに調査を開始できます。
      ただし、調査設計や分析機能には制限があるため、詳細な集計や分析を必要とする調査には不向きな側面があります。
    2. アンケートシステムの導入
      専用のASP型アンケートシステム(クラウドサービス)を導入する方法です。複雑な設問構成や分岐ロジック、リアルタイム分析、クロス集計など、高度な機能が標準装備されているため、大規模イベントや定期的な調査を実施する場合に適しており、回答データの管理や分析を一元化できます。
      ただし、ツールによっては導入費用や月額利用料が発生するため、コスト面の検討が必要です。
    3. 調査会社への委託
      自社に専門的なノウハウやリソースがない場合は、調査会社に委託する方法もあります。設問設計から集計・分析、レポート作成までを一括で委託でき、高い精度と客観性を持つ結果を得ることが可能です。
      特に、経営判断やマーケティング戦略に直結する重要な調査では、プロのサポートによる信頼性の高いデータが効果的です。
      その一方で、費用は比較的高額になりがちで、プロジェクト期間も相応に長くなる傾向があります。
    4.  

       
       

      アンケートの集計・分析

      アンケートを実施した後は、集めた回答をどのように分析し、次のアクションにつなげるステップとなります。ここでは、データを集計するだけなく、そこから意味のあるインサイト(洞察)を引き出すことが重要です。
      アンケートの主な集計方法は、次の2種類に大別されます。

      1. 単純集計
        各質問項目に対して、回答の件数や割合(%)を算出する最も基本的な集計方法です。これにより、「イベントの満足度」や「来場者の年代構成」など、全体の傾向や分布を一目で把握できます。
      2. クロス集計
        複数の質問項目を組み合わせ、項目間の関係性を分析する方法です。例えば、「性別 × イベント満足度」や「年代 × 再来場意向」などを掛け合わせることで、特定の層における特徴や傾向を発見できます。

       
      集計結果は、棒グラフや円グラフ、ヒートマップなどで可視化することが重要です。これにより、データが持つ意味や項目間の関連性が一目で分かり、次の改善策を検討するためのインサイトを効率的に引き出せます。

       
       

      来場者アンケートの回答率を向上させる6つのポイント

      来場者アンケートの回答率を高めるには、設計段階からの工夫が重要です。ここでは、来場者が「答えたい」と感じ、最後まで協力してもらうための6つのポイントを紹介します。

      図 来場者アンケートの回答率を向上させる6つのポイント
      図 来場者アンケートの回答率を向上させる6つのポイント

       

      1. 営業・マーケティング部門と連携する
        来場者アンケートの結果を活用してフォローアップするのは、営業やマーケティング担当部署です。そのため、アンケート作成の段階から連携し、営業やマーケティングに必要な情報が得られる質問になっているかを確認しましょう。これにより、回答率の向上はもちろん、ビジネス活用の精度も高まります。
      2. 目的とメリットを明確にする
        アンケートの冒頭で、目的と回答者へのメリットを明確に伝えましょう。「今後のイベント改善に活かす」「より満足度の高い体験を提供する」など、回答が自分や他者の役に立つと感じることで、協力意欲が高まります。
      3. 回答の負担を軽減する
        設問数をできるだけ少なくしたり、「所要時間3分」などと明記したりすることで、回答の心理的ハードルを下げましょう。自由記述は最小限にし、選択式を中心に構成するのが効果的です。
        また、Webアンケートの場合は、スマートフォンでも快適に回答できるデザインを意識しましょう。
      4. インセンティブを用意する
        アンケートに協力してくれたお礼として、インセンティブ(謝礼)を用意することは、回答率を高める強力な手段です。来場者限定のキャンペーンや、会場内ショップ・自社サービスで使えるクーポン、抽選で景品が当たる特典などを提供すると、回答率が向上するでしょう。
      5. 適切なタイミングでリマインドを送る
        アンケートを配布しただけで終わらせず、イベント終了後、1〜3日以内にリマインドメールを送ると効果的です。多忙で回答を忘れていた人でも、リマインドをきっかけに回答する可能性が高まります。
        ただし、送信頻度や文面には配慮し、押しつけ感を与えないことが大切です。
      6. 信頼性をアピールする
        アンケートの実施主体(企業・団体名)を明記し、回答がどのように活用されるかを具体的に示しましょう。また、プライバシーポリシーを記載することで、個人情報取り扱いへの配慮をアピールし、回答者が安心して協力できる環境を整えることが重要です。

       
       

      まとめ

      この記事では、イベントやセミナーの成功に大切な来場者アンケートについて、その目的から具体的な設計・実施方法、そして最も重要な回答率を向上させるポイントまでを解説しました。

      来場者アンケートから質の高いフィードバックを集めるためには、アンケートを実施するだけでなく、「目的の明確化」や「来場者の負担軽減」、そして「関連部署との連携」を意識した設計が重要です。
      さらに、Webアンケートの活用やリマインドメールの送付など、デジタルを活かした継続的なアプローチを取り入れることで、回答率の向上が見込めます。

      アンケートは、次回イベントの改善点を特定し、参加者のニーズを深く理解するための「生きたデータ」です。
      ぜひ、この記事で紹介したテンプレートやポイントを活用し、イベントをさらに成功へと導いてください。

      来場者アンケートについてのご相談はこちら>

      執筆者
      アスマーク編集局
      株式会社アスマーク マーケティングコミュニケーションG
      アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
      監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

      アスマークの編集ポリシー

      「アンケート初心者向け」セレクト4選

      「アンケート初心者向け」セレクト4選

      アンケート初心者の方は必読したい、当社の「マーケティングリサーチ初心者向け資料」を4部セレクトしました。全て一括でダウンロードいただけます。

      下記に当てはまる方にお薦めの資料です。
      ● アンケート調査を初めて実施する
      ● リサーチの担当になったが、何から学べばいいかわからない
      ● マーケティングリサーチの基礎理解を深めたい

      > 詳しく見る

       

      アンケート設計の作り方とは?基本から回答率アップのポイントまでを解説

      アンケート設計の作り方とは?基本から回答率アップのポイントまでを解説

      せっかくアンケートを実施しても、その設計に問題があれば、意図するデータにならないだけではなく、回答率も低下し十分なデータを得られない可能性が高まります。

      この記事では、アンケート設計の基本から、回答率をアップさせるための具体的なポイントまでを、分かりやすく解説します。

      > 詳しく見る

       

      AI時代のオフライン調査~生成AI・セルフ型調査を 超える価値とは~

      AI時代のオフライン調査~生成AI・セルフ型調査を 超える価値とは~

      AIによる自動化などは、効率化には貢献するものの、画一的な調査設計に陥りやすく、企業やブランド独自の課題に対応しきれない可能性があります。また、オンライン主体の調査では、回答者の表情や行動などの非言語情報が得られにくく、本音や深層心理を捉えきれないケースも少なくありません。

      真に顧客を理解し、競合との差別化を図るために必要な「深層のインサイト」を獲得するには、どのような手法を用いるべきなのでしょうか?

      この資料では、こういった問いに対する答えを探りながら、AI時代におけるマーケティングリサーチの新たな可能性と、オフライン調査の価値について考察していきます。

      下記に当てはまる方にお薦めの資料です。
      ● マーケティングリサーチの最新トレンドをおさえたい
      ● AIやセルフ型調査のリサーチとオフライン調査について知りたい
      ● AI時代のマーケティングリサーチについて知りたい

      > 詳しく見る

       

      【アンケート集計】虎の巻

      【アンケート集計】虎の巻

      アンケートの結果を分析する際に、どのような集計をする必要があるのか迷ったことはありませんか。本資料では、『単純集計』や『クロス集計』について、網羅的に基礎知識~集計方法、『ウエイトバック集計』などを解説しています。この資料1つでマルっと『集計』についてわかる内容となっておりますので、集計時に欠かせない参考資料として、ぜひアンケート調査の成功へお役立てください。

      下記に当てはまる方にお薦めの資料です。
      ● アンケート調査の実施を検討している方
      ● 集計方法の種類や集計方法についておさえておきたい方
      ● データを活用して、意思決定の質を高めたい方

      > 詳しく見る

       

      「分析・設計の前提」が分かる正しいデータの見方とは

      「分析・設計の前提」が分かる正しいデータの見方とは

      「データの扱い方」についての悩み、実際の施策にどのようにして結びつけるかの悩みの解決に役立つ「データ活用の課題」に対する解決策を具体的な手法と実例と共にご紹介しております。

      下記に当てはまる方にお薦めの資料です。
      ● データを活用して、マーケティング戦略をより強化したい方
      ● 顧客インサイトを深く理解し、施策に反映させたいマーケター
      ● 定量データを活用して、製品やサービスの改善に取り組みたい方

      > 詳しく見る

       

      【目的別】定量調査-虎の巻セット

      【目的別】定量調査-虎の巻セット

      『ブランド認知』『コンセプト』『パッケージ』『顧客満足度』—マーケティングリサーチにおける代表的な4つの調査と、分析の元となる『アンケート集計』について、実務で役立つ以下の情報を網羅的に掲載した【虎の巻】を全て一括でダウンロードいただけます。
      ●  調査の目的から設計ポイント
      ●  見積例・アウトプット例
      ●  データ集計の種類と方法

      下記に当てはまる方にお薦めの資料です。
      ● 商品企画・ブランド・パッケージなど、幅広いテーマで調査を検討している
      ● 自社で頻繁に行う調査の進め方や設計手法を整理したい
      ● 他社ではどう設計・分析しているのか、実例ベースで比較・参考にしたい
      ● 集計方法の種類や集計方法についておさえておきたい
      ● これから調査の担当になり、基本的な知識・費用感・アウトプットイメージをつけたい

      > 詳しく見る