2019.12.05
分散(variance)とは
分散(variance)とは・・・ データのバラツキを表す統計量です。 「アンケート初心者向け」セレクト4選 無料ダウンロードはこちら> ……
公開日:2019.12.05
アンケートやインタビュー等従来からのリサーチ手法では捉えきれない人の無意識から生じる行動原理を、脳の活動から明らかにし、商品開発や広告宣伝などのマーケティング活動に役立てようというアプローチのこと。神経マーケティング、心脳マーケティングとも呼ばれます。
アンケートやインタビューに加え、各ページの閲覧時間、興味関心度の高さや推移を測定することで、生活者の興味関心を多面的かつ深く把握する際に有効です。
時代の変化とともに消費者のニーズは多様化しており、マスをターゲットにした商品を生み出すのが難しくなってきています。売れる商品を作るためには、ターゲット毎のペルソナを踏まえた商品開発が必須となっており、消費者心理を理解することの重要性が求められます。
従来、消費者心理を理解するために用いられてきたのが、インタビュー調査をはじめとする定性調査です。インタビュー調査は言葉をアウトプットとし、インタビューにより消費者行動の「なぜ?」を深掘りすることで、消費者心理を理解できるといわれています。
近年、さらなる消費者理解の追究として、言葉になる前段階、さらに言うと、頭で認識する前の無意識状態での心理や感情をマーケティングに活かそうという動きが活発になってきています。これらはニューロマーケティングと呼ばれ、脳科学の知識をマーケティングに活かすことを目的に、最新のマーケティングリサーチ手法として注目されています。
従来のマーケティングリサーチであるアンケート調査やインタビュー調査は、「主観」に基づいた結果の分析であるのに対し、ニューロマーケティングは生体指標の反応に基づいた分析であるため、ユーザー本人も自覚していない無意識下の反応を数値化/客観化することができます。
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では、「脳科学の知識をマーケティングに活かす」といっても、具体的にはどのように活用されるのでしょうか。マーケティングに活かすとなると、心理や感情をデータ化することが必要不可欠です。被験者に装置や機器を装着し、その反応を数値化することで、データとしてのまとまりや傾向を可視化できるため、定性調査では取りづらい定量的な側面も備えることができます。マーケティングリサーチとしてデータを可視化することで、マーケティングにおける意思決定の根拠とすることができます。
一方、アンケート調査やインタビュー調査と異なり、マーケティングリサーチの知識以外に、脳科学に関する専門的な知見や設備/機器が必要になるため、専門業者への協力が必須となります。
■アイトラッキング調査
アイトラッキング調査とは、視線の動向を可視化する調査のことで、Webサイトのユーザビリティテストや広告物や店舗内シェルフの視認性を確認する際に多く用いられます。
多くは、視線を計測できるメガネ型の専用機器を被験者に装着してもらい、注視している(注視されていない)部分をサーモグラフィーのようにグラデーションをかける(ヒートマップ)ことで視線が行きやすい箇所を可視化することができます。また、対象物に対して、「どこからどこへ動いたか(線)」「どの順番で動いたか(点)」「どの程度見たか(円の大きさ)」を記すことで、視線の軌跡を可視化することもできます。
■表情解析
表情解析とは、被験者の顔の表情をコンピューターにより分析をかけることで、人がどのような感情を抱いているのかを分類することができる技術のことを指します。写真や画像で表情解析を行なうこともあります。
長年、学術研究のひとつとして扱われていましたが、スマホの普及に伴い、人々がカメラの前に立つシーンが増えたこともあり、マーケティングへの活用として用途が広がりました。
視聴者への広告の反応を計測する際に多く用いられ、広告を視聴した時の直観的な反応を表情解析で分析することで、その広告に対して、無意識下でどう感じていたのかの評価を取ることができます。
GRP(Gross Rating Point)やWebアンケートに代わる、広告効果測定の新しい指標として注目されています。
■脳活動測定(fMRI)
fMRIとは、MRIの装置を使って脳の活動を調べる方法のことです。MRI装置自体、保有する施設が限られるため、マーケティングへの活用は限定的となっていますが、脳波や血流の反応に基づいたマーケティングデータは、生体反応に結び付いた嘘がないデータであるため、有用性は高いといわれています。
ニューロマーケティングでは、被験者の生体指標に基づいたデータが得られます。一方、従来のマーケティングリサーチでは、被験者の主観に基づいたデータが得られます。これらは相互を補完する存在であり、片方だけでは限定的なデータとなり得る可能性があります。
例として、アイトラッキング調査を行なう際には、視線の動きはデータ化されますが、「なぜ最初にそこを見たのか?」は推測の域を出ることはありません。そのため、インタビューや簡単なアンケートを交えて行うことが多く、ニューロリサーチだけではわからない部分を従来のマーケティングリサーチにより補っています。
ニューロマーケティングは、マーケティングリサーチと対をなす存在ではなく、従来のマーケティングリサーチに加わった新たな手法であり、今後のマーケティングに必要となってくる概念です。アンケート調査やインタビュー調査のように、マーケティングリサーチの選択肢のひとつとしてニューロマーケティングもご検討ください。
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