公開日:2025.05.01

商品開発スケジュールについて解説|流れやスケジュール例、ポイントを紹介

  • マーケティングリサーチHowto

商品開発は、新たな製品を世に送り出し、企業の成長を支える重要な活動です。しかし、市場ニーズや技術的な課題を乗り越え、収益性の高い商品を生み出すためには、多くの工程と関係者間の緊密な連携が求められます。この複雑なプロセスを円滑に進め、成功へ導くためには、綿密なスケジュール管理が重要です。
適切な商品開発スケジュールは、開発の遅延やコスト超過を抑制し、競争力のあるタイミングでの市場投入に大きく寄与します。その一方で、あいまいなスケジュールは、手戻りや混乱を招き、最悪の場合、開発の中止や機会損失につながる可能性もあります。
 
この記事では、商品開発の一般的な流れに沿いながら、スケジュール管理の重要性や効果的なスケジュールの作成・運用方法について解説します。

 
 

商品開発の流れ

商品開発のプロセスは、企業や業界によって様々な流れで表現されます。この記事では、マーケティングプロセスという観点から見た商品開発の流れを解説します。
以下の図は、マーケティングプロセスをフェーズごとに分けた商品開発の流れを示しています。

図 マーケティングプロセスを分けた商品開発の流れ
図 マーケティングプロセスを分けた商品開発の流れ

 
まず、市場やターゲット顧客を深く理解するための「市場機会の発見」フェーズから始まります。続いて、ターゲットに響く商品コンセプトを検討する「コンセプト開発」フェーズへ進みます。その後、モックアップ商品などを用いて評価を行うための「4Pの開発・策定」フェーズを経て、いよいよ商品が市場に投入されます。
しかし、商品開発は上市して終わりではありません。上市直後には、商品が市場に浸透し、ターゲットに受け入れられているかを検証・改善する「検証・改善」フェーズが求められます。さらに、マーケティング活動の効果測定や商品の定期的な見直しを行う「既存商品の育成」フェーズも重要です。
このように、商品開発では上市前・上市後の両方において、継続的な調査と改善が求められます。
 

市場機会の発見

商品開発の出発点となる「市場機会の発見」フェーズは、開発の成否を左右するとても重要な段階です。このフェーズの重要ポイントは、単に新しいアイデアを思いつくことではなく、外部環境分析や顧客の未充足ニーズの発見を通じて、市場に存在する潜在的なビジネスチャンスを体系的に見出すことにあります。
この過程で特に重要となるのが、顧客自身も自覚していない潜在ニーズや、日常生活の中で抱えている困りごと/悩みの発見といった、深いレベルのインサイト(洞察)の特定です。さらに、市場全体の動向や競合の戦略などを的確に把握するための外部環境分析も重要です。
こうした課題を乗り越えるためには、客観的なデータに基づいた徹底的な調査が必要です。具体的な手法としては、インターネット調査やホームユーステスト(HUT)、日記調査、また公的統計データや業界レポートを活用するデスクリサーチなどが挙げられます。
これらの多面的な調査を通じて、発見した市場機会がどれほどの可能性を持つのかを市場規模の推計によって明らかにし、さらに、ニーズを持つ顧客層を特定するための消費者セグメンテーションを実施します。
 
最終的には、最も開発効果が高いと見込まれる層を明確にし、適切なターゲティングを行うことで、以降のコンセプト開発へとつながる土台を築き上げます。
 

コンセプト開発

「市場機会の発見」フェーズで決定したターゲットに対し、具体的にどのような商品やサービスで応え、売れる可能性があるのか確認するのが「コンセプト開発」フェーズです。
 
この段階では、まず多角的な視点からアイデアの創出を行います。ブレインストーミングなどの手法を用いてできるだけ多くのアイデアを集め、その上でアイデアのスクリーニングを実施し、市場性や実現性、企業の戦略との整合性といった観点から絞り込みを図ります。
このフェーズで直面する課題は、選び抜かれたアイデアを、顧客にとって魅力的であり、かつ実現可能なコンセプトの開発へと落とし込むことです。ここでは、言葉やイメージで表現されたコンセプトがターゲットに正しく伝わり、共感を得られるかどうかが重要なポイントとなります。ここでの評価を誤ってしまうと、売れる可能性が低いものに開発の投資をすることになってしまうため調査としての重要性が大きいです。

 

4Pの開発・策定

「コンセプト開発」フェーズで方向性が固まったら、製品開発を実施し、いよいよ市場投入に向けた具体的な仕様や戦略を設計する「4Pの開発・策定」フェーズに進みます。ここでは、商品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、プロモーション(Promotion)というマーケティングミックスの各要素を詳細に詰め、全体として一貫性のある戦略を構築することが大切です。
 
この段階での課題は、4Pの各要素を顧客ニーズや市場環境に最適化し、さらに連携させて最大の効果を生み出すことです。具体的には、試作品の開発・評価を通じて製品の品質や機能性を検証し、ネーミングの評価や製品デザインの評価によって、顧客への訴求力や理解度を確認します。さらに、適正な価格設定に向けた価格施策の検討、効果的な販売経路を構築するためのチャネル施策の検討も重要な取り組みです。
加えて、商品の認知度向上や購買意欲喚起を目指して、広告案を作成し、ターゲットに響くかどうかを確認するための評価を実施します。その結果を踏まえ、より効果的な露出を図るための広告媒体の選定を行います。
これらすべての課題をクリアし、最適な4P戦略を構築するためには、顧客や流通関係者への各種調査が大切です。試作品の開発・評価や価格施策の検討に加え、ネーミングの評価、製品デザインの評価、広告案の開発・評価、そして広告媒体の選定といったプロセスを経て、テストマーケティングなどの客観的なデータに基づき、上市するに値するかどうか、問題点や課題はないかを最終決定します。
 
なお、この4Pにとどまらず、6P(4P+2P:Person、Package)の確認をすることができればベストです。

 

上市直後の検証・改善

商品が無事市場に投入された後、マーケティングプロセスは「上市直後の検証・改善」フェーズへと移行します。このフェーズの目的は、商品を市場に出した後の「答え合わせ」を行い、計画通りに進んでいるか、あるいは想定外の課題が発生していないかを迅速に把握し、必要に応じて軌道修正を図ることです。
 
この段階で発生する主な課題は、上市初期という限られた情報環境の中で、商品の受容状況やマーケティング施策の成果を正確かつタイムリーに把握することです。具体的には、ターゲット顧客層に対する市場浸透度の測定、実際に商品を使用した顧客から得られる顧客満足度の測定、実施した広告宣伝活動などに対するプロモーション効果の測定を行います。
さらに、顧客における実際の使用習慣・ニーズ等、市場変化を把握する取り組みも大切です。
 
これらの課題を解決するためには、上市直後から多角的な調査をスピーディーに実施することが重要です。具体的な調査手法としては、購入者へのアンケート調査、店頭での販売データ分析、Webサイトのアクセス解析、SNS上での口コミ分析、さらに必要に応じたデプスインタビューなどを実施します。
これらの調査結果を速やかにフィードバックし、商品の改良やプロモーション戦略の見直しを図ることで、市場における商品販売成功の確率を高めていきます。
 

既存商品の育成(原因・課題の特定)

商品が市場に定着した後も、その競争力を維持・強化し、収益を最大化するための活動が「既存商品の育成」フェーズです。このフェーズの目的は、商品ライフサイクルの長期化を目指し、変化し続ける市場環境や顧客ニーズに対応するために、継続的なメンテナンスと改善を行うことにあります。
 
この段階で発生するマーケティングプロセス上の課題は、商品の陳腐化を防ぎながら、安定した売上を維持・拡大していくことです。具体的には、現在実施しているマーケティング活動の評価を行い、その効果や改善点を明確にすること、さらに、競合の台頭や顧客ニーズの変化に対応しながら、新規顧客の獲得および既存顧客維持の検討を進めることが求められます。つまり、現在の状況について異常がないかの健康診断をする必要があるということです。
こうした課題に対処するためには、現状のパフォーマンスを分析し、将来に向けた戦略を練るための継続的な調査が重要です。具体的な調査手法としては、定期的な消費者使用実態調査を通じて顧客の行動や意識の変化を追跡したり、ブランドイメージ調査によって競合他社とのポジションを把握したりします。
また、販売データや顧客データベースの分析、流通関係者へのヒアリング、さらには潜在顧客や離反顧客への調査なども効果的です。
これらの調査を通じて、いち早く現状の課題をキャッチアップし、商品の現状における強み・弱み、そして市場における機会・脅威を特定していきます。こうしたことにより、適切な育成戦略やリニューアルの方向性を策定することが可能になります。
 
 

商品開発スケジュールとは

商品開発スケジュールとは、新たな商品の企画・開発を経て製品化し、市場に投入するまでの一連の工程や作業を時間軸に沿って計画し、可視化したもの(スケジュール)です。 このスケジュールでは、商品開発全体の流れを細分化し、個々のタスクレベルに落とし込んだ上で、それぞれの開始日・終了日、必要な作業期間、担当者などを明確に定めます。
 

商品開発スケジュールの重要性

商品開発スケジュールを策定し、適切に管理することは、プロジェクトの成功確率を飛躍的に高めるうえで、とても重要です。
その最大の理由は、開発プロセス全体を可視化し、計画的に進行できるようになる点にあります。明確なスケジュールを設けることで、各タスクの担当者や締め切りが明確になり、手戻りや認識のズレを防ぐとともに、開発遅延のリスクを大幅に低減できます。
また、スケジュール管理はコスト管理にも直結します。作業期間が明確になることで、必要なリソースやコストを予測しやすくなり、予算超過の防止につながります。加えて、関係部署や社内外のパートナーとの連携を円滑にし、情報共有を促進することで、開発プロセス全体の効率化と品質の維持・向上にも貢献します。
商品開発スケジュールは、市場への最適なタイミングでの投入を実現するという、大きな役割を担うツールです。
 

商品開発スケジュールの例
表 商品開発スケジュールの例
フェーズ ステップ タスク 開始日 終了日
商品企画 市場調査 統計分析、現地調査
商品コンセプトの策定 仮コンセプト策定
アイデア開発・絞り込み アイデア創出・優先順位付け
コスト・利益の考慮 コスト構造確認、利益率検討
競合商品分析 競合製品・サービス調査
ターゲット設定 ターゲット層特定・ペルソナ設定
モックアップ・サンプル制作 モックアップ作成・初期フィードバック取得
デザイン・開発 試作・テスト 試作品作成・社内外評価
製品仕様の確定 仕様確定・開発進行
生産 試作→量産品の検討 量産化に向けた検証
製造拠点の確定 製造ライン確定、発注準備
マーケティング・販促 商品情報整理 商品説明書作成、製品登録対応
パッケージデザイン パッケージデザイン案作成・決定
プロモーション施策検討 キャンペーン案出し・選定
プロモーション施策確定 広告出稿計画・予算確定
発売準備 ユーザー向けプレゼント対応 プレゼントキャンペーン対応
製品物流・在庫確保 物流計画立案・在庫確保

 
上表は、商品開発における具体的なスケジュール例を示したテンプレートです。全体は「商品企画」「デザイン・開発」「生産」「マーケティング・販促」「発売準備」の5つのフェーズに分かれ、それぞれにステップと詳細タスクが整理されています。
例えば、商品コンセプトの検討に始まり、コスト検討、競合調査、試作品の評価、製品仕様の確定、パッケージデザイン、プロモーション計画策定に至るまで、各作業の開始時期と終了時期が明確に可視化されています。
 
このように、各タスクの進行状況を管理することで、遅延リスクを最小化しつつ、関係部門間の連携を円滑に進めることが可能になります。
 
 

商品開発で押さえておくべきポイント

商品開発を成功に導くためには、単にスケジュールを設定するだけではなく、プロジェクト全体の質を高めるための重要なポイントを押さえる必要があります。ここでは、特に意識すべき4つのポイントについて解説します。

図 商品開発で押さえておくべきポイント
図 商品開発で押さえておくべきポイント

 
徹底的な市場・顧客理解
商品開発のすべての出発点となるのが、市場と顧客を深く理解することです。単に市場トレンドや競合状況を把握するだけでなく、ターゲット顧客が抱える潜在的なニーズや、日々の生活や仕事における「困りごと」「悩み」といったインサイトを、表面的な声にとどまらず深掘りしてとらえることが極めて重要です。
この理解が不十分なまま開発を進めると、市場ニーズと乖離した商品を生み出してしまうリスクが高まります。顧客のリアルな姿をとらえる努力が必要です。
 
明確なコンセプト設定
市場・顧客理解に基づき、「どのような顧客の、どのようなニーズを、どのような商品・サービスで満たすのか」、そして「競合に対してどのような優位性を持つのか」といった商品の骨子となるコンセプトを明確に設定することが次の重要ポイントです。
コンセプトがあいまいだったり、関係者間で共有されていなかったりすると、開発の途中で方向性がぶれ、手戻りや、最悪の場合プロジェクト中止の原因となります。明確に言語化されたコンセプトをプロジェクトの軸とし、関係者全員が深く理解し、常に立ち返ることが重要です。
 
部門横断型の連携
商品開発は、企画、研究開発、デザイン、生産、品質管理、営業、マーケティング、プロモーションなど、多くの部門が関わる横断的なプロジェクトです。それぞれの専門性を最大限に発揮し、スムーズに開発を進めるためには、部門間の壁を越えた緊密な連携が必要です。
そのためには、情報共有を緊密に行い、各部門の進捗や課題をリアルタイムに把握し、互いに支え合える体制を構築することが求められます。初期段階から関連部門を巻き込み、共通の目標に向かって一体感を持って取り組む姿勢が重要です。
 
リスク管理と迅速な意思決定
どれだけ精緻なスケジュールや計画を立てても、商品開発には予期せぬ技術的課題、生産上のトラブル、市場環境の変化、競合の動きなど、様々なリスクがつきものです。これらのリスクを事前に洗い出し、対応策を講じておくことが重要です。
さらに、リスクが顕在化した場合には、迅速かつ的確な意思決定を行える体制を整備しておく必要があります。意思決定の権限とプロセスを明確にし、関係者が迅速に状況を判断し、適切な対応を取れるようにすることで、開発の遅延や損失のリスクを最小限に抑えられます。

 
 

商品開発で活用されるフレームワーク

市場ニーズの多様化や技術の進化に伴い、商品開発は年々その複雑さを増しています。こうした環境下で効果を発揮するのが、各開発段階における思考の整理や課題の明確化を支援する「フレームワーク」の活用です。
この章では、アイデアの発想段階から市場分析、戦略立案に至るまで、商品開発の現場で実際に活用されている代表的なフレームワークについて、その特徴について解説します。

KJ法


KJ法は、文化人類学者・川喜田二郎氏によって考案された、定性的な情報を整理・分析し、新たなアイデアや解決策を導き出すための手法です。収集した断片的な情報を統合・構造化し、問題の本質や潜在的な関連性を明らかにすることを目的としています。
 
KJ法の最大の特徴は、集めた情報を付箋やカードに書き出し、それらを模造紙など大きな紙の上に自由に配置し直しながら思考を進めていく点です。このプロセスにより、情報が「見える化」され、グルーピングや図解を通して関連性や構造を直感的にとらえられます。
商品開発においては、「市場機会の発見」フェーズで収集した顧客の声やアイデア、気づきを整理・分析する場面で特に効果的です。また、開発プロセスにおける課題の洗い出しや、問題の原因・関連性を明確化する際にも活用できます。

 

PEST分析


PEST分析は、企業を取り巻くマクロな外部環境が将来のビジネスに与える影響を把握・分析するためのフレームワークです。Politics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の頭文字を取っており、これら4つの視点から外部環境の変化要因を洗い出し、自社の事業や戦略への影響を評価します。
 
PEST分析の特徴は、自社の力ではコントロールできないマクロ環境要因に焦点を当てる点です。例えば、法改正、景気動向、人口構造の変化、AIやIoTといった新技術の進展など、社会全体や顧客の行動に広く影響を及ぼす要素を包括的に検討できます。こうした視点から将来的な市場機会や潜在的リスクを早期に予測できるのが、PEST分析の大きな利点です。
商品開発においては、「市場機会の発見」フェーズ、特に開発初期に行う市場調査や戦略立案の段階で有効に機能します。例えば、高齢化の進展(Society)がヘルスケア商品のニーズにどのような影響を与えるか、規制緩和(Politics)が新たなサービスの可能性を開くか、AIの進化(Technology)を自社商品にどう取り込むか、といった観点から分析を行い、開発すべき商品の方向性を見出す手がかりとします。

 

STP分析


STP分析は、効果的なマーケティング戦略を構築するためのフレームワークです。市場全体を顧客層に細分化するSegmentation(セグメンテーション)、その中から自社が狙うべき顧客層を定めるTargeting(ターゲティング)、そしてそのターゲットに対して自社の商品やサービスを競合と差別化し、どのように位置づけるかを明確にするPositioning(ポジショニング)の3つのステップから成り立ちます。
 
STP分析の特徴は、多様なニーズを持つ市場の中から、自社にとって最も重要で戦略的に価値の高いターゲットを絞り込める点です。これにより、限られた経営資源を効果的に配分し、顧客に響くマーケティング施策を打ち出すための強力な指針が得られます。
商品開発においては、「市場機会の発見」や「コンセプト開発」フェーズにおいて、STP分析が大きな力を発揮します。例えば、年齢、性別、地域、ライフスタイル、価値観などの軸で市場をセグメント化し、どの顧客層をターゲットとするかを明確にできます。

 

4P分析


4P分析は、企業がターゲット顧客に対して効果的なマーケティング活動を展開するための基本的なフレームワークです。Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)の4つの要素から構成されており、それぞれをどのように設計・組み合わせるかを分析します。
 
このフレームワークの特徴は、「売り手」の視点から、ターゲット顧客に商品やサービスをどのように届けるかを具体的に設計する点です。STP分析によって明確になったターゲット顧客やポジショニングに基づき、「どのような商品を(Product)」「いくらで提供するか(Price)」「どこでどのように販売するか(Place)」「どのように認知・購入をうながすか(Promotion)」を一貫した戦略として構築していきます。
商品開発においては、「4Pの開発・策定」フェーズにおいて中心的な役割を果たします。まず、開発する商品の仕様やデザイン、品質水準を決定(Product)し、その価値に見合った適正な価格を設定(Price)します。続いて、顧客がスムーズに商品を購入できる販売チャネル(実店舗、ECサイトなど)を選定(Place)し、最後に、商品の魅力や差別化ポイントを的確に伝える広告・販売促進活動を企画・実施(Promotion)することで、市場への効果的なアプローチを実現します。

 

4C分析


4C分析は、4P分析が「売り手(企業)視点」で構成されているのに対し、「買い手(顧客)視点」からマーケティング活動を見直すためのフレームワークです。Customer value(顧客価値)、Customer cost(顧客にとってのコスト)、Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)の4つの要素で構成され、顧客が商品やサービスをどのように認識し、感じているかを把握することを目的とします。
 
4C分析の特徴は、企業の活動や提供価値を常に顧客の立場から評価する点です。例えば、「顧客にとってのコスト」は価格だけでなく、購入までにかかる時間や労力も含めた総合的な負担を指し、「利便性」は顧客が商品をどれだけ簡単に入手できるかという観点で評価します。
商品開発においては、4P分析と併用することで、マーケティング施策が顧客視点からも妥当であるかを検証する際に効果的です。例えば、「この商品は顧客にとって本当に価値があるか(Customer value)」、「価格は顧客が感じる負担(時間・労力含む)に見合っているか(Customer cost)」、「より簡単に購入できる方法はないか(Convenience)」、「顧客と継続的な関係を築ける伝え方ができているか(Communication)」といった観点から見直すことで、より市場に受け入れられやすい商品や戦略に改善できます。

 
 

まとめ

この記事では、商品開発スケジュールの全体像や各フェーズの具体的な流れなどについて解説しました。
 
商品開発は、企業の競争力や成長を左右する極めて重要です。そして、商品開発スケジュールは、複雑化する工程を整理し、関係者間の連携を円滑に進めるための指針として大きな役割を果たします。スケジュールを適切に設計・管理することで、開発の遅延や品質リスクを回避し、スピーディーかつ的確に商品を市場へ投入することが可能になります。
 
ぜひ本記事で紹介した内容を自社の開発プロセスに取り入れ、効率的かつ効果的な商品開発に活かしてみてください。
 
 
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執筆者
アスマーク編集局
株式会社アスマーク マーケティングコミュニケーションG
アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

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