公開日:2025.07.23

コンセプト調査における適切なアンケート設計とは?14の視点から検証結果を解説

  • マーケティングリサーチHowto

コンセプト調査を実施するにあたり、アンケートの内容について頭を悩ませた経験はございませんか。
コンセプト調査は、ヒット商品や話題のサービスを生み出すために、ターゲットの心に刺さるコンセプトをいかに設計できるかという点でも役立つ調査にはなりますが、アンケートの質問文一つで、選択肢形式一つで、簡単にバイアスがかかり、本来得たい情報が得られない可能性があります。
 
そこで、本記事では、設問形式や選択肢の構成など、調査設計に関わる要素が回答者の理解度、回答負荷、そして最終的な評価にどのように影響するか、複数の観点から検証し、ポイントを解説していきます。

 
 

調査概要と検証内容について

はじめに、Webアンケートでの見せ方などの違いから、どのような影響が発生するのか調査するために、実際に行った概要と検証内容が下表となります。
 

検証内容 コンセプト ① コンセプト評価を「マトリクスで聴取するパターン」と「単体で聞くパターン」との結果の違い
② 「価格を考慮しないで」の注釈がある場合とない場合の違い
③ スケールの設問における、5段階と4段階での評価の違い
④ コンセプトの文字量による理解度の違い(356文字 vs 633文字)
コンセプト・価格の
聞き方
⑤ 購入意向を伴う聞き方と伴わない聞き方の価格の違い
⑥ 聞き方の違いによる受容価格の違い
⑦ 数値回答と金額の選択肢を提示した場合の回答傾向の違い
コンセプト・自由回答 ⑧ 自由回答があることの同意有無の、自由回答の充実の差
⑨ 設問文に例文を提示することの影響
⑩ 純粋想起設問で「特になし」回答へのアラート有無による回答の差
認知/購入 ⑪ MAとMTSAでの聞き方の違いによる認知度の差
⑫ 認知/購入の設問を別で聞くことと、マトリクス形式で聞くことの違い
ランダマイズの効果 ⑬ ランダマイズの効果
選択肢+FA ⑭ MA設問の選択肢に具体的に記入させる自由回答が入るか否かでの選択率の差
調査手法 Webアンケート
対象者条件 【性別】 男性、女性
【年齢】 20~70代
【地域】 全国
【その他条件】
D STYLE WEB登録会員
スマートフォンで回答できる
回収数 1,200ss
割付 4グループを作り、前述の検証事項ができるように分岐させ、各設問を回答。


調査期間 2023年5月26日(金)~5月30日(火)

 
上表の割付で4グループと記載をさせていただいておりますが、検証内容×グループでまとめた表が次となります。
 

図 検証内容×グループでまとめた表
図 検証内容×グループでまとめた表

 
この表から、たとえば「コンセプト評価、設問単体で聞くパターンとマトリクスに組み込むパターンの結果の違い」では、グループ①・②では、「魅力度、興味度、新奇性それぞれ単体の設問」でグループ内の人に回答してもらい、グループ③・④では「魅力度、興味度、新奇性マトリクス」でグループ内の人に回答していただく、という違いがあることがわかります。
他の検証内容でも分かれていることがわかりますが、詳しい内容についてはこの後解説する検証内容ごとに、『グループごとの違い』についても解説していきます。
 
 

コンセプト評価を「マトリクスで聴取するパターン」と「単体で聞くパターン」との結果の違い

それでは、1つ目の検証「コンセプト評価を「マトリクスで聴取するパターン」と「単体で聞くパターン」との結果の違い」から解説していきます。
 
まず、提示したコンセプトは下図になります。

図 提示したコンセプト
図 提示したコンセプト

 
 
このコンセプトを回答者に提示した上でいくつかの質問をしていくのですが、その質問は、グループ①・②とグループ③・④で少々変えました。それぞれの質問が下図となります。
 

図 グループ①・②単体設問とグループ③・④マトリクス設問
図 グループ①・②単体設問とグループ③・④マトリクス設問

 
 
グループ①・②:単体設問形式(Q12~Q14)
グループ①・②では、各評価項目(魅力度・興味度・新奇性)をそれぞれ独立した設問として提示しました。回答者は、1問ごとに設問文と選択肢が表示され、それに対して1問ずつ回答していきます。
 
グループ③・④:マトリクス設問形式(Q15)
グループ③・④では、表形式(マトリクス)で回答いただく形式を取り、
左側の項目では、魅力度を問う「魅力的に感じる」や、興味度を問う「興味を持った」などの印象設問を設置
し、右側の回答項目には、5段階評価(とてもあてはまる~まったくあてはまらない)を設置し、回答していただきました。
 
 
以上、グループごとに単体設問またはマトリクス設問を用意し、調査することで、1つ目の検証をしていきます。
 

調査結果

調査の結果、下図のようなデータが得られました。
 

図 単体設問・マトリクス設問の調査結果
図 単体設問・マトリクス設問の調査結果

 
まず、この表にあるSAとSAマトリクスの意味についてです。SAは、Single Answerの頭文字を取ったものとなり、設問に対して、複数の選択肢から1つ選択する形式をいいます。一方で、SAマトリクスとは、SA×マトリクスの形式をとった設問形式となり、先ほど紹介した表形式(マトリクス)の左側の各項目に対して、右側の回答項目から1つ選択する形式をいいます。
そのため、今回のケースの場合、SAはグループ①・②の単体設問を指し、SAマトリクスはグループ③・④のマトリクス設問を指します。
 
続いて、この表の注目すべきポイントについて解説します。
注目すべきポイントは、魅力度や興味度、新奇性のすべての項目において、SAの方がTOP2※1においても、BOTTOM2※2においても、SAマトリクスと比べ、高い評価を得ているところです。
※1 TOP2とは、「とても魅力を感じた/とてもあてはまる」+「やや魅力を感じた/ややあてはまる」を合計した数値です。
※2 BOTTOM2とは、「まったく魅力を感じなかった/まったくあてはまらない」+「あまり魅力を感じなかった/あまりあてはまらない」を合計した数値です。
 
この結果から、『マトリクス設問では複数の項目が一度に下にズラーっと提示され、それぞれ回答していくことになるため、回答者は1つずつ“じっくり回答する”というよりも、どんどん回答していってしまった』ということが考えられます。言い換えると、マトリクス設問では、「“流れ作業的”に回答したのではないか?」ということです。
単体設問では、1問ずつ個別に表示されるため、『しっかり設問を確認して、回答する』→『しっかり設問を確認して、回答する』という具合に進み、それが魅力度や興味度、新奇性のTOP2とBOTTOM2への高い評価に繋がった、と考えます。
 
 
したがって、魅力度や興味度などの重要な指標を測定する際には、より回答者の考えに近い評価が得られやすいと考える『単体設問』で聞く方が良いでしょう。
 
 

「価格を考慮しないで」の注釈がある場合と無い場合の違い

続いて、2つ目の検証「「価格を考慮しないで」の注釈がある場合とない場合の違い」について解説します。
 
この検証で提示した質問は下図となります。

図 注釈がある場合の質問文
図 注釈がある場合の質問文

 

先程のカップスープのコンセプトに対して、「この商品を食べてみたいと思いますか」という質問を提示しました。ここで、グループ①・②とグループ③・④の違いは、「価格はいったん考慮せずにお答えください」という青字の注釈をグループ①・②のみ表示したことです。
 

調査結果

調査の結果、下図のようなデータが得られました。
 

図 注釈の有無による調査結果
図 注釈の有無による調査結果

 
注釈あり(グループ①・②)の方が、注釈無し(グループ③・④)よりも、「とても食べたい」の選択率が約6pt上昇し、「どちらともいえない」が約5pt減少しました。また、TOP2(「とても食べたい」+「やや食べたい」の合計)はあまり変化が見られないが、BOTTOM2(「あまり食べたくない」+「まったく食べたくない」の合計)は約5pt上昇しました。
ここで、弊社で普段行っている案件について軽く触れるのですが、こういった質問のあとに「自由回答形式※3」の質問をすると、「価格がわからないから、『どちらともいえない』にしました」という方がいらっしゃいます。
これら弊社の経験含め、この結果を考察すると、「価格はいったん考慮せずにお答えください」という注釈を入れることで、価格を考慮しなくていいんだ」と回答者が考え、純粋にコンセプト案だけを「食べたいか、食べたくないか」を選択してもらえるようになり、より純粋な喫食意向になったと考えました。
そのため、注釈は無いよりはあった方が良いでしょう。今回のケースでは食品(低価格と想定されるもの)だったため顕著な変化が一部でしたが、価格帯が高いカテゴリーの場合は、顕著な変化がより多く出る可能性があると考えます。
※3 自由回答形式とは、回答者が自由に記述できる形式(数値のみ入力可、など条件がある場合もあります)を指します。
 
 

スケールの設問における、5段階と4段階での評価の違い

続いて、3つ目の検証の「スケールの設問における、5段階と4段階での評価の違い」についてです。
 
この検証で提示した質問は下図となります。

図 5段階のマトリクス設問
図 5段階のマトリクス設問

 
「夏によさそう」や「栄養がとれそう」などの印象それぞれに対して「とてもあてはまる~まったくあてはまらない」を選択していただく、印象評価のマトリクス形式の質問を用意しました。
グループ①では「どちらともいえない」を含んだ5段階グループ②では「どちらともいえない」を含まない4段階で評価をしてもらい、これらを比較することで、検証をしていきます。
 
 

調査結果

調査の結果、下図のようなデータが得られました。
 

図 5段階評価と4段階評価の調査結果
図 5段階評価と4段階評価の調査結果

 
まず、上のTOP2(「とてもあてはまる」+「ややあてはまる」の合計)の棒グラフを見ていくと、5段階と4段階での数値にあまり差は見受けられませんでした。
次にBOTTOM2(「あまりあてはまらない」+「まったくあてはまらない」の合計)の棒グラフを見てみると、いずれも緑と比べて黄色の4段階の方が高いことがわかります。
5段階と4段階の違いは「どちらともいえない」があるかないかです。そのため、今回のケースでは「どちらともいえない」がない場合、ネガティブな回答が増加することが、この調査結果から読み取れます。
 
この調査結果について、2点注意したいことがあります。
一つ目は、他のケースだと、傾向が変わるかもしれません。あくまで今回のカップスープのコンセプト案については、「ネガティブ」な回答が増加しましたが、他のコンセプト案、さらには全く別業界の商品、あるいは、質
問の内容や設問項目によっても変わってくるでしょう。
二つ目は、この結果からわかる通り、5段階評価と4段階評価で違いが出る可能性がある点です。この点をご留意いただきながら、調査目的に合わせた調査設計をし、慎重にどちらが適切なのか考えて選択しましょう。
 
 

コンセプトの文字量による理解度の違い

4つ目の調査では、「コンセプトの文字量による理解度の違い(356文字 vs 633文字)」について検証していきます。
 
この検証では、先ほどまでのカップスープのコンセプトとは異なり、下図、グループごとに文字量が異なるラタトゥイユスープのコンセプト文を使用します。
 

図 グループごとのコンセプト内容+文字数
図 グループごとのコンセプト内容+文字数

 
グループ①・②では、文字数356文字のコンセプト案グループ③・④では文字数633文字のコンセプト案を提示しました。
そして、コンセプトに関する以下3つの質問をしました。

  • スマートフォンの画面を大きく(ピンチアウト操作)をしたか
  • 負担に感じたか
  • 内容は理解できたか

 

文字量の違いによる調査結果

調査の結果、下図のデータが得られました。
 

図 コンセプト文字量の比較結果
図 コンセプト文字量の比較結果

 
上から「スマートフォンの画面を大きく(ピンチアウト操作)をしたか」「負担に感じたか」「内容は理解できたか」の結果を横棒グラフで、それぞれコンセプト文が356文字の場合と633文字の場合で表しました。
 
そして、一番上の「ピンチアウトしたか」では、横棒グラフの右側にある「ピンチアウト操作のイメージ」図をアンケート画面上で提示して、回答者にイメージした上でご回答いただきました。
その結果、633文字の方が23pt高かったです。
 
続いて、「読む時の負担」でも、633文字の方が「負担に感じた計(「負担に感じた」と「やや負担に感じた」の合計)」の割合が約25pt高かったです。
 
最後に、「理解度」において、TOP2(「とても理解できた」と「やや理解できた」の合計)は、大きな差はありませんが、「とても理解できた」だけを見ると、633文字の方が12pt低く、「理解しづらかった」と解釈することができます。
 

コンセプト作成時のポイント

上記の検証結果から、コンセプトは文が長い(文字数が多い)場合、ピンチアウトなどの追加の操作が発生したりすることで、読むときに負担がかかり、理解の低下を発生させる可能性があることが読み取れます。
 
そのため、コンセプトは、「誰向けに」「どんなものを利用して」「何を価値提供」を分かりやすく伝え、 「利用後の自分の姿」を想像させることが重要ではありますが、調査対象者にコンセプトを理解してもらうために、文字数も意識しなくてはいけません
これらの条件を達成するために、以下6つのポイントを押さえましょう。
 

  • コンセプトが長くなると読まなくなるため、最大300文字を目安に。
  • 「史上最高の」などのワードは、人にとっての『史上最高』の定義が異なるため、使用しない。
  • 固形や液状、大きさなどイメージしにくい商品は、イメージできるように。
  • 機能や成分、専門用語を多用しすぎない。ただし、科学的根拠がある専門用語は、信頼性につながるため、説明を交えて使用。
  • 誰向けの製品かを想像できるように作成(自分向け)。
  • 利用後の自分はどうなっているのか、理想の自分像をイメージできるか。

 
また、今回のコンセプト案は1つでしたが、実際の調査では、2つ、3つとコンセプト案が複数あるケースが多いと考えております。その場合、今回の結果以上に回答者への負担がかかってしまう可能性があるので、上記のポイントを必ず意識して、コンセプト案を用意するようにしましょう。
 

 
 

コンセプト・価格の聞き方の違い

この章では、最初の「即席カップスープ」のコンセプトを用い、多くの人が価格の相場を知っていることを前提に、以下3つの「価格の聞き方の違いについて検証をしました。
 

 
 

購入意向を伴う聞き方と伴わない聞き方の価格の違い

まず、1つ目を検証するために、グループ①とグループ②で下図のように異なる質問をしました。
 

図 購入意向を伴う聞き方と伴わない聞き方
図 購入意向を伴う聞き方と伴わない聞き方

 
異なる質問の特徴は、購入意向が伴うか、伴わないか、という点です。
グループ①には、「購入したいと思いますか」という表現が含まれ、これは購入意向が伴った質問となっています。
そして、グループ②は、単純に「いくらくらいだと思いますか」と伺っているだけなので、購入意向は伴いません
 
このグループ①とグループ②にどんな差が生まれるかで、検証をしていきます。
 
 

調査結果

調査の結果、下図のようなデータが得られました。
 

図 購入意向の有無による結果
図 購入意向の有無による結果

 
今回の回答形式はFA(フリーアンサー)となり、数値が細かく見ることができる一方で、最頻値などがわかりづらい点があるため、度数分布※4的に、データを「0円」と「~150円未満」、「150~200円未満」、「200円以上」の4つに分け、集計しました。それをグラフ化したのが上図の横棒グラフです。
※4 度数分布とは、データを特定の範囲で分類して、それぞれの範囲で集計してまとめたもの
 
このグラフを見てみると、以下2つのことがわかります。

  • 購入意向が伴った質問「最大いくらで購入したいか」をした方が、「200円以上」の割合が16pt低い
  • 購入意向が伴った質問「最大いくらで購入したいか」をした方が、平均値が約24円低い

 
これらのことから、購入意向が伴った質問をすることで、価格を高く記入する方が減少していることがわかります。これには、購入意向を伴う質問をすることで、「あなたが実際にこの商品(コンセプト案)を買う」という視点が加わり、自分事としてより判断する必要があったからだと考えます。
裏を返せば、購入意向が伴わない質問の場合は、「自分事」としての判断は薄れる可能性がありますが、「コンセプト案」から考えられる価格を記入していただける可能性があります。
そのため、設問の設計をする際には、どちらが最適なのか、またはどちらも質問をする必要があるのか、検討しなければなりません。
 
 

聞き方の違いによる受容価格の違い

続いて2つ目の違いについてです。
この違いについて検証をするために、グループ①とグループ②で下図のように異なる質問をしました。
 

図 購入意向を伴う聞き方と伴わない聞き方+受容価格
図 購入意向を伴う聞き方と伴わない聞き方+受容価格

 
この図を見ると、1つ目の検証に、グループ②だけQ7の「Q6で回答した金額だったら、購入したいと思うか」という購入意向を伴う質問が加わっていることがわかると思います。
これにより、グループ①のQ5の回答とグループ②のQ7の回答を比べることで、「聞き方の違いによる受容価格の違い」を検証してみます。
 
 

調査結果

調査の結果、下図のようなデータが得られました。
 

図 聞き方の違いによる受容価格の違いの調査結果
図 聞き方の違いによる受容価格の違いの調査結果

 

まず、この表のn数に注目していただきたいのですが、1つ目の検証では300人だったのが、2つ目ではそれぞれ少なくなっております。これは、価格受容に関することを考えたとき、前述で検証した「価格を考慮しないで」の注釈がある場合とない場合の違いで用いたQ3の「あなたは上記のコンセプトの商品を食べてみたいと思いますか。※価格は一旦考慮せずに、お答えください。」という喫食意向を伺う質問の回答結果を反映させる必要があったためです。もし、喫食意向として「まったく食べたくない」という人がいたときに、その人が「~購入したいと思いますか」に回答した数値というのは価格受容を考える上で不適切です。
そして、そんな喫食意向として「喫食したい人」ベースで絞ったのが、これらのn数となります。
 
さて、本題の「違い」ですが、「0円/購入したくない」以外の数値で、グループ②「商品がいくらくらいだと思うか」の方が低いことがわかります。
また、「0円/購入したくない」は約16%おりますが、この方々が「じゃあ、いくらであれば、購入したいのか?」というのが分かりません。そのため、今回の検証としては、完全と言えるものではないでしょう。
 
一方で、その反省として、下図の聞き方を考えました。

図 想定価格を聞いた上で、価格受容を把握するための質問プロセス
図 想定価格を聞いた上で、価格受容を把握するための質問プロセス

 

Q6で回答者が考える商品価値を取得し、Q7でその商品価値に対して購入意向があるのかを確認します。そして、このコンセプトの商品は最大いくらまでであれば、購入したいか、を問うことで、受容価格を確認します。こうすることで、先ほど受容価格がわからなかった、「0円/購入したくない」は約16%の方々を逃さずに価格の選定に活かすことができると考えました。
 
 

数値回答と金額の選択肢を提示した場合の回答傾向の違い

最後の違いについての検証です。
この検証では、グループ①とグループ③で下図のように異なる質問をしました。

図 数値と選択肢で異なる回答形式
図 数値と選択肢で異なる回答形式

 
引き続きグループ①は一緒ですが、今回はグループ③が登場し、その質問内容は一緒です。
グループ①は、直接数値を入力してもらう形式でしたが、グループ③は4択の選択形式を取りました。
 
この直接数値を入力してもらう形式と選択肢から選んでもらう形式で、傾向が異なるのか、検証をしていきます。
 
 

調査結果

調査の結果、下図のようなデータが得られました。

図 数値回答と選択肢の差の結果
図 数値回答と選択肢の差の結果

 
グループ①「数値回答」では、約40%と、半数近く回答をいただけた結果になっていますが、グループ③「選択肢提示」では、約4%と、雲泥の差になっています。
また、「選択肢提示」の横棒グラフに注目をしてみると、真ん中の回答「『150円未満』や『150円~200円未満』」に寄っていることが見て取れます。
ここで、検証1つ目のグループ②の結果が下図となり、質問文自体が異なりますが、グループ①と数値が変わるものの似たような傾向があることから、グループ③が異様なことがわかるかと思います。
 

図 購入意向の有無による結果
図 購入意向の有無による結果

 

そのため、「選択肢提示」では、1つ「選択肢の上限や下限を意識してしまう」という懸念が発生したと考えます。わかりやすいのが「200円以上」という選択肢です。仮に「250円なら買っても良いかな」と思っている人がいたとしても、「200円以上」という選択肢になると、「250円はまぁ良いけど、300円、ましては500円払って買いたいと思っているわけではないな」といった考えが生じてしまい、それならと「150円~200円未満」を選ぶ方がいてもおかしくないと思います。
 
そのため、今回のケースのように多くの人が価格の相場を知っている場合であれば、数値回答で回答をしていただく方が精緻なデータが取れると考えているため、おすすめです。
一方で、相場観がつかみにくい商品やサービスでは、数値回答にしてしまうと、その相場観がわからないために、相場とはズレた回答が多発してしまい、精緻なデータとしては言い難い結果になってしまうかもしれない、リスクがあります。そのため、選択肢を用意して、回答してもらうのも一つの手となるため、こういった相場観がわからない商品やサービスの場合では、どちらが最適か、目的とリスクを含めた上で検討することが重要となります。
 
 

コンセプト・自由回答

続いては、自由回答に関する検証を行っていきます。
 
まず、自由回答については、注釈として前述しましたが、改めて言いますと、「回答者が質問に対して自由に記述できる(数値のみ可、など条件がある場合もある)形式のことを指します。
そのため、「選択式(単一回答や複数回答)」に対して、回答の幅が広いのが特徴となります。
そして、自ら記入しなくてはいけないので、「腰が重たい」「疲れるな」などといったご経験はないでしょうか。そんな、やや負担がかかるかもしれない自由回答において、以下3つについて検証を行いました。
 

 
 

自由回答があることの同意有無の、自由回答の充実の差

はじめに、コンセプト調査内の自由回答への同意に関する質問が下図です。

図 自由回答の協力画面
図 自由回答の協力画面

 
これは、スクリーニング調査※6で「自由に記述をしていただく設問があります」と事前に伝えつつ、「アンケートにご協力いただけますか?」という同意有無を尋ねる質問をグループ①と③に提示し、「協力できる」を選択した方のみ、本調査に進んでいただきました。
一方で、グループ②と④は、この同意設問は提示していません
※6 スクリーニング調査は、本調査を行う前に、適切な調査対象者を絞り込むための事前調査です。
 

調査結果

調査の結果、下図のようなデータが得られました。

図 自由回答への協力有無による結果
図 自由回答への協力有無による結果

 
同意設問で「協力できる」と回答したグループ①③と、同意設問のないグループ②④の左側「平均文字数」を比較すると、そこまで大きな差があるかと言われると、そうではないと思われる差となりました。
 
続いて、右側の「特になし・不備」を見てみると、同意設問で「協力できる」と回答したグループの方がより少ないことが分かります。特に、Q2-1の「コンセプトをご覧になって、どのような印象をうけましたか」の良い点に関しては26ポイント少ないです。全体的に差がマイナスなことから、「自由回答の協力」への同意があることによる影響はあると考えます。
 
 

設問文に例文を提示することの影響

次に、例文の有無によって、自由回答にどんな影響を与えるのか、という検証をしていきます。
 
下図の「あなたは上記のコンセプトをご覧になって、どのような印象を受けましたか?どのようなことでも結構ですのでお答えください。」という設問で、グループ①と②では「たくさんの野菜から栄養が摂れるから、夏バテによさそう」の文章を例文として挿入し、グループ③と④は挿入しませんでした。
 

図 コンセプトの印象に対する例文
図 コンセプトの印象に対する例文

 
この例文の記載の有無によって、言い換えると、「グループ①・②」と「グループ③・④」と比較することによって、回答に影響するかを見ていきます。
 
 

調査結果

調査の結果、下図のようなデータが得られました。
 

表 例文の有無による結果
夏バテ たくさんの野菜 栄養が摂れる
例文提示 (G①②) 39 40 21
例文提示無し (G③④) 5 15 5

 
上の段が例文を提示したグループ①・②の結果、下の段が例文を提示していないグループ③・④の結果となっています。そして右側の各項目は、例文中に含まれる、「夏バテ」「たくさんの野菜」「栄養が摂れる」の3つのワードに着目し、それぞれのワードが含まれた回答数を集計しました。
 
どのワードも、上の段の回答数がより多いことがわかります。つまり、例文提示したグループの方が多いということです。
このことから、質問文に例文があると、「その例文にあるワードを含めてしまう」という影響がありそうです。そのため、必ずしも例文を含めてはいけないわけではないですが、自由回答に影響を与えてしまう可能性があるため、入れない方が無難でしょう。
 
 

純粋想起設問で「特になし」回答へのアラート有無による回答の差

最後に、「純粋想起設問で「特になし」回答へのアラート有無による回答の差」について検証をしていきます。
 
提示した、純粋想起設問は下図になります。
 

図 アラートの表示画面
図 アラートの表示画面

 

これは、ブランド名を純粋想起させる設問で、3つの回答ボックスを設置しています。
そして、1つ目の回答ボックスに、「特になし」と記載した場合に、「本当にありませんか」というアラートをグループ①と②にのみ表示し、③と④には表示させない形にして、これらの差を見ていきます。
 
 

調査結果

調査の結果、下図のようなデータが得られました。
 

図 アラートの表示有無による結果の違い
図 アラートの表示有無による結果の違い

 
 
この表のスクリーニング調査で同意を得ているグループ①と③を見比べてみると、「特になしの数」の差は1ポイントとなり、ほとんど差が見られませんでした。
一方で、赤で囲っている同意を得ていないグループ②と④を見比べてみると、13ポイントの差が出ました。
 
これらのことから2点わかることがあります。
1点目は、13ポイントの差が出たことから、アラートの有無による影響があることです。アラートを出した方が「特になしの数」は減少しそうです。
2点目は、「特になしの数」を減少させる要因として、「アラートの有無」より「同意設問での協力有無」の方がありそうなことです。これは、グループ①と③でほとんど差が見られなかったことから、推測されるものとなります。
 
 
上記3つの「自由回答」についての調査結果を踏まえると、「本調査でしっかり記述してほしい」ときには、スクリーニング調査で同意設問を設置するのが望ましいです。自由回答を回答してくれる人数や、記載してくれる文字数が増える可能性があります。
 

 
 

認知/購入

ブランドの認知と購入に関する設問を、マトリクス形式で提示した場合とそれ以外で提示した場合で、回答の傾向に違いが出るのか検証するため、以下の2つを実施しました。
 
1. MA※7とMTSA※8での聞き方の違いによる認知度の差
2.
認知/購入の設問を別で聞くことと、マトリクス形式で聞くことの違い
※7 MA(Multiple Answer:複数回答形式)とは、アンケート調査において、回答者に複数の選択肢から当てはまる全ての項目を選ばせる質問形式です。
※8 MTSA(Matrix Type Single Answer:マトリクス・単一回答形式)とは、複数の設問に対して、共通の選択肢群を用いて、各設問で1つの回答を選ばせる形式です。
 
 

MAとMTSAでの聞き方の違いによる認知度の差

1つ目の「MAとMTSAでの聞き方の違いによる認知度の差」について調査するため、用意した設問が、下図になります。
 

図 MAとMTSA形式での設問の違い
図 MAとMTSA形式での設問の違い

 
 
いずれのグループも設問の文章は同一ですが、回答形式を変えております。
グループ①②には、知っているブランドをすべて選択するMA形式に回答していただきました。
グループ③④には、各ブランドに対して「よく知っている」、「名前を聞いたことがある程度」、「知らない」のうち一つ選択してもらうMTSA形式で回答していただきました。
 
これらを比較して検証をしていきます。
 
 

調査結果

調査の結果、下図のようなデータが得られました。
 

図 MAとMTSAの設問の違いによる結果
図 MAとMTSAの設問の違いによる結果

 
この図の棒グラフに注目をすると、どのブランドでもMTSAの認知計よく知っている+名前を聞いたことがある)がMAよりもスコアが高くなりました。
 
この結果から、MTSA形式で「よく知っている」、「名前を聞いたことがある程度」、「知らない」と、段階的に尋ねたことで、「少しでも知っている」といった回答も拾えた可能性があると考えられます。
一方、MA形式は、「『名前を聞いた気がするけど、よく知らないし、自信がないから選択するのをやめておこうかな』と思う方がいたのかな」と推察しております。推察に留まっているのは、思考を探っているわけではないのが理由です。
 
 

認知/購入の設問を別で聞くことと、マトリクス形式で聞くことの違い

2つ目の「認知/購入の設問を別で聞くことと、マトリクス形式で聞くことの違い」についてです。
 
ティッシュペーパーのブランドについて、「ブランドの認知」「購入経験」「3か月以内購入経験」の、3つの設問を1つずつ別の設問で聞く形式と、マトリクス形式で検証します。
提示した設問は下図になります。
 

図 認知/購入の設問の回答形式の違い
図 認知/購入の設問の回答形式の違い

 
上の段のグループ①②は、「認知」、「購入経験」、「3ヶ月以内の購入経験」の3つについて、別々で尋ねるスタイルを取りました。
グループ③④は、マトリクス形式で先ほどの3つについて、1度にまとめて尋ねるスタイルにしました。
これらで検証をしていきます。
 
 

調査結果

調査の結果、下図のようなデータが得られました。
 

図 認知/購入の設問を別で聞くことと、マトリクス形式で聞くことの違いの結果
図 認知/購入の設問を別で聞くことと、マトリクス形式で聞くことの違いの結果

 
 
結論、この3つの棒グラフから、「認知度」、「購入経験」、「3か月以内購入経験」について1つずつ別の質問形式で聞く場合とマトリクス形式でまとめて聞く場合で大きな差はありませんでした。そのため、今回のケースでは、マトリクス形式で設問を1つにまとめても調査しても、大きな影響はなさそうです。
 
こういったケースでは、マトリクス形式を活用することで、質問数を抑えることができるので、これから調査を行おうと思っている方には、費用を抑えられるかもしれないので、耳寄りな話かと思います。
 
ただ、注意しなくてはいけないこともあります。
それは選択肢の数です。今回のケースでは、ブランド名の数が、その他を含めて9つでしたが、15、20とブランド名が増えれば、その分選択する数が増えるため、回答者の負担は増すでしょう。そういった場合、マトリクス形式よりも、単体での質問の方が聴取しやすい側面があるため、検討が必要です。
また、3つの質問ではなく、5問、8問、10問と増えれば増えるほど、同じく回答者の負担は増えますし、横に長くなるため、『横スクロール』という負担もさらに乗っかってきます。そうなると、悪影響を及ぼしかねないため、こちらも単体での質問を検討する必要が出てきます。
 
 

まとめ:認知/購入の検証結果

2つの調査について、それぞれ振り返ってみましょう。
 
1つ目の調査では、MTSA形式(3段階)で尋ねたことで、いわゆるライト層のような「名前だけでも知っている」層も拾うことができたと考えられ、MAよりスコアが高い結果となりました。もし、「認知度を知りたい⇒はい/いいえで回答してもらう」となっている場合は、「認知度」には「名前だけでも知っている」といった、グラデーションがあるものになるので、調査をする上で、認知度の定義をしっかりする必要がありますので注意しましょう。
 
2つ目の調査では、別々で聞いたパターンとマトリクス形式のパターンで差があまり見受けられなかったことから、今回のケースでは、マトリクス形式にすることで設問数を抑えることができることがわかりました。ただ、ブランド数や項目数が多くなると、選択肢数がどんどん増えていき、回答者に負荷が増えていくと考えられるので、そういった場合は、別々で尋ねるか、一部マトリクス形式にするか、慎重に設計すべきでしょう。
 
以上のことから、

  • 「『認知している』というのは、どの程度を指すのか?」
  • 「(マトリクス形式の場合)選択肢数は多すぎないか?」
  • に関して着目して設計するとよいと考えます。
    ブランド認知と購入を尋ねる設問において、マトリクス形式を使用する場合は、調査の目的と上記2点に注意して、適切な設問形式を選ぶことが、調査の精度と回答効率の向上につながっていきます。
     

     
     

    ランダマイズの効果

    選択肢が多い場合には、選択肢をランダム表示(ランダマイズ)するケースが多いです。そこで、そのランダマイズによる効果はどういったものなのか検証するため、調査しました。
     
    その調査をするため、用意した設問が下図です。

    図 ランダマイズの設問
    図 ランダマイズの設問

     
     
    グループ①②では選択肢をランダムに表示し、グループ③④は選択肢を固定します。
    そのため、グループ①②では、回答者Aさんは、選択肢「あいまいなことを聞く質問(はっきりわからない頻度や時期など)がある」が一番上に表示されて、回答者Bさんには、選択肢「全て回答必須の制御がかかっている」が一番上に表示される可能性がある状況をつくりました。
     
     

    調査結果

    調査の結果、下図のようなデータが得られました。

    図 ランダマイズの調査結果
    図 ランダマイズの調査結果

     
    この表から、ランダム①②と固定③④のTOP3は下表となり、大きく異なっていることがわかります。

    TOP3 ランダム①② 固定③④
    1位 似たような内容を何回も繰り返し質問される(37.5%) あいまいなことを聞く質問がある(50.7%)
    2位 選択肢や質問文がわかりづらい(36.7%) 設問に該当する選択肢がない(49.0%)
    3位 回答に時間がかかる(35.0%) 質問数が多い(45.5%)

     
    また、上から4つの横棒グラフに注目すると、固定③④の方がいずれも選択率が高いこともわかります。そして、選択肢の数が19個と多かったからか、「スマートフォンで回答しにくい画面デザイン」という下の方にある選択肢は、むしろ固定③④の方が10pt低下しています。
     
    これらのことから、固定③④は、上の方が選択されやすく、下の方が選択されにくそうなことがわかり、バイアスがかかっていることがわかります。そのため、純粋な回答ではない可能性があり、本当に知りたいデータを得ることができない可能性があります。選択肢の数が多い場合は、ランダマイズを設定することが、やはりオススメとなります。
     
     

    MA設問の選択肢に具体的に記入させる自由回答が入るか否かでの選択率の差

    最後の検証は、MA設問の選択肢に具体的に記入させる自由回答が入るか否かで、選択率が変わるのか、検証をしていきます。ちなみに、この検証は調査希望者からの要望が多かったものになります。
     
     
    用意した設問が下図になります。

    図 MA設問+自由回答
    図 MA設問+自由回答

     
    左のQ16は、グループ①②に回答していただき、選択肢の中にFAのボックスがあるパターンになります。FAのボックスは、以下4つの選択肢に設けました。

  • 運動・スポーツをする
  • サプリメントを摂取する
  • トクホや機能性表示食品を摂取する
  • Youtubeで情報収集する
  • たとえば、「運動・スポーツをする」にチェックをしたら、必ずこのボックスに記述をしないといけない仕組みとなります。
     
    右のQ17は、グループ③④に回答していただき、FAのボックスがないパターンとなります。
     
     

    調査結果

    調査の結果、下図のようなデータが得られました。

    図 選択肢のFAの差の結果
    図 選択肢のFAの差の結果

     
    赤で囲った部分が、FAのボックスを設置した選択肢のデータとなり、「①② ー ③④ の差分」はいずれも -7 ~ -14ポイント少ない結果になりました。つまり、FAのボックスを設置した方が、回答数が少ない結果となり、特に選択肢「運動・スポーツをする」は、約14ポイント少なかったです。
    このことから、FAのボックスを選択肢に設置すると、何かしらの負荷が回答者にかかり、本来あてはまる選択肢であっても、「わざわざ書くのは面倒」と感じて記入されないことが予測されます。また、回答者への負荷の要因として、何かを「思い出す」、「文章に変換する」などといったことを考えます。
    通常、より詳しい話、より具体的なことを知りたいことからFAを設けると思いますが、これでは、意図していた情報を十分に回収できない恐れがあります。そのため、選択肢の中に自由回答欄を追加するのは避けた方が良いでしょう。
    もし選択肢に対して、より詳細な情報を回答していただきたい場合は、別途FAで回答する設問を設ける方が良いでしょう。まず、MA形式で回答いただき、純粋な傾向を把握します。そして、特定の選択肢を選んだ方に、FA回答で、追加で質問することで、自然な流れを作ります。
     
    なお、選択肢「その他」は、FAのボックスも用意するのが適切だと考えています。「その他」を選択していただいても、その具体的な内容がわからないと、価値ある情報になりづらいですし、設問設計時に想定できなかった回答を収集でき、抜け漏れを防げることが期待できることが、理由です。
     

    コンセプト調査・コンセプトテストの必要性と評価ポイント

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    まとめ

    ここまで、コンセプト調査における質問設計や提示方法の違いが、回答結果にどのような影響を及ぼすかを14の視点から検証してきました。
    検証のまとめは以下の9つになります。

    • コンセプト評価における重要指標は、マトリクス上に組み込まず、単体の設問で聴取が望ましい。
    • 価格を意識させたくない場合は、設問文に「価格を考慮しないで」と入れることで、価格次第という回答者を一部除外できる。
    • スケール設問での4段階は、5段階で聞いた時と比較して、ネガティブな方に偏ることを留意する。
    • コンセプトにあれもこれも入れて文字量を多くしてしまうと逆に伝わりにくい。300文字程度までが望ましい。
    • 商品がいくらくらいだと思うか?⇒その価格の購入意向は?⇒最大いくらまで許容か?という流れで聞くと、より精度が高くなるのではないか。
    • 購入許容価格を回答させる場合は、選択肢よりも数値回答が望ましい。
    • 自由回答において、設問文に例文を入れると例文のキーワードを回答する方が多くなる。
    • 認知度設問は、マトリクスで認知のレベル感を聴取する方が通常MAより認知率は高くなる。通常、MAは名前を聞いたことがあるが、知っているには属さないと思い、チェックをつけない人がいると考える。
    • MA設問の選択肢にFA回答欄をつけると、その選択肢への回答率は低下するため、FAで聴取したい場合は別設問で聴取する。

     
    これらはコンセプト調査をより効果的に、そして回答者負荷の少ない形で設計する上で重要です。上記の要点を押さえて、今後のコンセプト調査に活かしていきましょう。

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    執筆者
    アスマーク編集局
    株式会社アスマーク マーケティングコミュニケーションG
    アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
    監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

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    消費者に伝わるコンセプトはどちらか?「調査品質検討のための実験調査」

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