公開日:2026.01.29

ママに物価高騰の影響をインタビュー【関東編】|値上げに対抗する節約術も紹介

  • インタビューコラム

「最近、食料品も光熱費も、気づけば前より高くなっている」
そんな実感を持っている方は、少なくないのではないでしょうか。

実際、日々の暮らしの中で、物価高騰は確実に生活者の選択や行動に影響を与えています。

そこで、今回は東京在住の専業主婦へ、食品や光熱費の物価高騰に対する意識や行動の変化、それらを打破する節約術などについて、インタビューを実施しました。
インタビューをした方の簡単なプロフィールは下表となります。

性別 女性
お住まい 東京都
ご家族 夫(43歳)、娘(7歳[小学1年生])
お仕事 専業主婦
趣味 手芸、読書
悩み 物価高騰

 
この記事では、物価高騰に関する発言を整理し、商品・サービス開発に携わる皆さまに役立つヒントを丁寧に読み解き紹介します。

 

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物価高騰を感じるときは?

彼女が物価高騰を感じるときは、スーパーで商品の価格を見たときのようです。
これまで198円で買えていたものが238円になっているなど、値上がりが目に見えて分かると話していました。加えて、食品や日用品など、あらゆるものが全体的に高くなっていると感じているようです。

実際のインタビュー風景
実際のインタビュー風景

 

食品や日用品はどのお店で買う?

彼女は、店の種類ごとに下表のように使い分けているといいます。

表 お店の種類ごとの利用頻度や用途について
お店の種類 利用頻度や用途
ディスカウントストア 一番安いと感じており、週に2~3日は利用する。
スーパー 生鮮食品を買うときに利用する。
ドラッグストア 「楽天ポイントとポイントが貯まるんですね。あと安くなる日も重ねてあるので、そのダブルの日に買いに行きます」と話していた。
ネットスーパー 刺繍をするときに使う雑貨や物品を買いたいときに利用する。

 

また、食品の買い物自体は週に5日ほど行くそうです。
近場にスーパーはいくつかあるものの、体調があまりすぐれない日は近いスーパーに行き「ちょっと体調が頑張れるぞ」という日は、少し遠いスーパーまで足を延ばすといいます。そのため、遠いスーパーに行く頻度は週に1〜2日とのことです。
なお、その“遠いスーパー”は徒歩10分くらいの場所にあり、総合スーパーがあって、ドラッグストアも入ったりしているそうで、いっぺんに見て回れるのが利点だそうです。
 
 

得られるヒント|食品や日用品はどのお店で買う?

この章を通して、彼女が身近なお店をさまざまな軸で使い分けていることがよく分かりました。
たとえば、ディスカウントストアは「安さ」、ドラッグストアは「ポイント×安さ」、少し遠い総合スーパーは「一度にいろいろ見て回れること」といった具合です。

ここで改めて意識したいのが、USP(Unique Selling Proposition)、つまり「独自の強み」です。
USPという言葉自体は聞いたことがある方も多いと思いますが、今回のインタビューは、その重要性を再認識させてくれる内容でした。

「お店」という観点で考えると、安直で語弊があるかもしれませんが、都市部であればあるほど周囲に競合店が増え、消費者の選択肢も自然と多くなるでしょう。そうした状況では、消費者は「安さ」「ポイント」「買い回りのしやすさ」など、複数の軸で店を選び分けます。その判断は、論理的に行われることもあれば、直感的に決まることもあるでしょう。

だからこそ、自社がその選択肢の中で選ばれるための「独自の強み」が何なのかを、改めて確認しておくことが重要です。もし「これといって強みが見当たらない」と感じるのであれば、今こそ見直しや再検討をしてみる価値があるのではないでしょうか。

 
 

食品に関する節約とは?

彼女は、買う食品のグレードを下げたり、安い日に買い、買い溜めしたりすることで、節約につなげているようです。
たとえば醤油は、これまで「国産丸大豆100%」の商品を選んでいたものを、アルコールが含まれるものや、丸大豆100%ではない商品に切り替えているそうです。

また、果物については、少し傷んでいるだけで値引きされている商品があるため、そうした値引き品をよく買うと話していました。

一方で、お惣菜は意識して減らした感覚はあまりないそうです。
お惣菜に関しては、次のようなエピソードも語ってくれました。

「それほど買ってはいなかったんですけれども…よくね、娘の習い事の帰りとかに、夜7時ぐらいなんですけど、値引きされて半額以下になってるんですね…『ちょっと作るの疲れちゃったな』っていうときは、ちょこっと買います」

 

あと、デジタル広告を見るともおっしゃっていました。
 
 

グレードを下げた商品を再び買うには?

醤油の例のように、一度グレードを下げた商品を、また以前のものに戻して買うには、節約ポイ活を地道にコツコツ続けていく必要があるといいます。

今後も物価は上がり続ける一方で、給料はなかなか上がらないと見込んでいるそうで、そうした前提を踏まえると、日常の中でできる小さな工夫による節約やポイ活が重要になってくる、という考えのようにお見受けしました。

 
 

光熱費の金額感はどう?

彼女に光熱費の金額感について尋ねると、「今、チラシがポストの中に入ってるんですけど、持ってきていいですか?」と言って、取りに行ってくれました。
持ってきてくれたチラシ(おそらく明細のことだと思います)に目を通しながら、ガス代が4,500円、電気代が6,126円だったと教えてくれました。

この金額については、普段から娘さんや旦那さんに「電気はこまめに消してね」と声をかけるなど、節約を心がけているため、さほど変わっていないように感じるそうです。
そのため、努力が実っている感じかどうかも尋ねると、「はい、口酸っぱく言ってますもんね」と話してくれました。
 
 

光熱費に関する節約とは?

電気をこまめに消す以外にも、トイレの便座の設定を一番弱くするなど、工夫をしているそうです。

また、エアコンについては、「つけっぱなしのほうが電気代はかからない」というテレビの情報を見て、1時間程度の外出であれば、つけたまま出かけるようにしているといいます。
 
 

光熱費に関する節約でままならないことは?

光熱費に関する節約でままならないこととして、エアコンを挙げました。
たとえば雪が降って寒い日は、無理せず暖房の温度を上げるといいます。健康が第一だから、という理由ですが、その分どうしても電気代がかさんでしまい、困ると話していました。

そして、寒い日の工夫として、次のようなこともしているそうです。

  • 毛布を掛ける
  • 飲み物を暖かい物にする
  • エアコンの温度を1度下げる
  • エアコンの風向きを下にする

 

Tips
エアコンの効果的な使い方は?
インタビューでは、エアコンの効果的な使い方として、電源オン・オフや温度、風向きの話が出てきました。

そういった工夫は実際どうなのでしょうか?

ややインタビューとは少し話がズレますが、皆さまも気になるところかと思いますので、Tipsとしてご紹介させていただきます。

エアコンの稼働で一番電力を消費しているところ
エアコンの稼働で一番電力を消費しているところは、室外機の中にある圧縮機です。
この圧縮機を動かすために、消費電力の8割が使われており、心臓にあたる圧縮機の負担を減らすことが節電につながります。

電源オン・オフや温度、風向きなどの最適解は?
さて、Tipsの主題である、電源オン・オフなどの最適解について下表に簡単にまとめました。

表 電源オン・オフや温度、風向きなどの最適解は?
疑問 解説
電源のオン・オフ 30分程度の外出であれば、一度切るよりも、つけたままにしておいたほうが節電につながる可能性あり。
風量設定 風量設定で「弱」よりも「自動」のほうが節電につながる可能性あり。
風向設定 【夏】部屋を冷やしたいとき
部屋を冷やしたいときは、「水平」のほうが節電につながる可能性あり。
【冬】部屋を暖めたいとき
部屋を暖めたいときは、「下向き」のほうが節電につながる可能性あり。
【夏】部屋を冷やしたいとき
温度「-1度」 VS. 風量「強」
部屋を冷やしたいときに、温度「-1度」と風量「強」で迷う場合は、風量「強」の方が節電につながる可能性あり。

上表いずれも、ひとつの目安となり、住環境や気温などによっても結果が変わってきますので、ご注意くださいませ

また、参考にした情報は以下です。
ダイキン工業に聞く効果的な節電術 エアコンの節電方法 6割が誤解(沖縄テレビ)2023/7/25
エアコン節約術 どちらが節電? 風量「弱」と「自動」、風向「斜め下」と「水平」【Nスタ解説】|TBS NEWS DIG
【なるほどッ!】冬の電気代、どう節約? エアコン・加湿器の“効果的な使い方”

 

 
 

家電であったら便利な機能について

インタビュアーから、次のような例を挙げながら、そうした“便利な機能つき家電”があったらどう思うかを尋ねました。

  • 全国平均などと比べて「今回は安く済んでいます」と教えてくれる家電
  • すでにエアコンでは「何円かかりました」といったものが出てくるものもある

 

すると彼女は、本当に電気代が下がっているかどうかについて現状定かではないため、

  • 今、電気代が下がっています
  • 今、先ほどの設定より10円安くなりました

といった形で教えてくれる機能が付いていたら「いいな」と思うそうです。加えて、そうした機能があれば「ありがたい」とも話していました。

また、実際にそのような機能が付いた家電を買うかどうかについては、「今は買ったばかりなのでちょっと…」と、すぐに購入するつもりはない様子でしたが、次のようにも語っていました。

「これが壊れたら次はそれを買うと思いますね。毎回知らせてくれるんであれば、ありがたいので、『よし、頑張ろう』って思いますもんね。」

 
 
 

あったらいいなと思う便利グッズ

あったらいいなと思う便利グッズとして、次のようなグッズを挙げていました。

  • 持ち運びできる「あったかグッズ」
  • 首まわりに付けるだけで、エアコン代わりになるようなグッズ
  • 「着る冷たい毛布」(アイスノンがたくさん付いているなど、既存品よりも体感温度をぐっと下げてくれるもの)

 
こういった、体感温度が変わるグッズは「大きい」といいます。日常的なストレスとしての「暑い・寒い」はとても身近で、それだけに重要な要素だと感じているようです。

朝起きたときに、

  • 寒い日は「暖かい」と思えたら最高
  • 暑い日は「涼しい」と思えたら最高

だと話していました。
 
 

得られるヒント|家電であったら便利な機能について

この章では、あったらいいなと思う機能やグッズについて、直接的な表現として意見を彼女からいただきました。これ自体が「ヒント」になるでしょう。

一方で、すでに検討済みであったり、類似する機能や既存品が存在したりするケースもあるでしょう。
しかし今回のインタビューから見えてきたのは、「機能そのもの」よりも、「どのように伝え、どのように実感させるか」が重要だという点です。

たとえば、電気代が下がっていることを数値や言葉でその場で知らせてくれる機能は、単なる省エネ機能ではなく、「本当に節約できているのか」という生活者の不安を解消する役割を果たします。節約効果を“実感できる形”で示すことができて初めて、その機能は価値として受け取られるのだといえるでしょう。

また、体感温度を直接変えるグッズへの期待からは、「家全体を最適化する」よりも、「自分の体を楽にする」ことへのニーズが強いことがうかがえます。暑さや寒さという日常的なストレスを、手軽に、ピンポイントで軽減できることは、光熱費の削減だけでなく、生活の満足度を高める要素としても重要です。

こうした声を踏まえると、今後の家電や関連商品の開発・訴求においては、「高性能」や「最新機能」を前面に出すだけでなく、

  • 節約効果が“見える・分かる”こと
  • 判断や迷いを減らし、安心感を与えること
  • 無理をせず、気持ちよく使い続けられること

といった視点を、改めて組み込んでいく必要があるのではないでしょうか。

このように、生活者の声は既に存在する技術や機能の“別の使い道”や“伝え方のヒント”を教えてくれます。

 
 

節約していく中で、支出を継続したいもの

ここまでの章では、さまざまな節約術についてお話を伺ってきました。

では、その逆。支出を継続したいものは彼女的にどういったものになるのか。
その問いに対して、美容子どもの教育温泉旅行コンビニで買うコーヒーが挙がりました。

これらについては、「減らす」ということを「考えたくない」とも話していました。そして、減らさずに済むようにするためには、ほかの部分で家族みんなが日々工夫し、努力していく必要があるともいいます。

また、お菓子の話で深掘りをしていくと、娘さんのお菓子はかわいそうなので減らしたくないと考え、彼女が好きなチョコレートの量を減らしたそうです。
一方で、コンビニで買うコーヒーは自分へのご褒美なので、家で淹れたほうが安いとは分かっていても、「絶対に減らしたくない」といいます。もし減らしてしまったら、「頑張れない気がする」とも話していました。

 
 

おわりに

今回のインタビューを通して見えてきたのは、彼女が単に「節約したい」「安くしたい」と考えているわけではない、という点です。
むしろそこには、「無理はしたくない」「頑張りすぎずに続けたい」「納得しながら選びたい」といった、非常に人間的で現実的な思いがありました。

こうして得られた内容からヒントを整理すると以下となります。

図 得られたヒント
図 得られたヒント

 
また、今回GeminiのNano Bananaで、下図のようなグラフィックレコーディング風の画像も生成してみました。

図 GeminiのNano Bananaで生成(生成AIで生成した画像)
図 GeminiのNano Bananaで生成(生成AIで生成した画像)

※ 本記事の理解を助けるために、生成AIで画像を作成しています。生成AIによる画像は必ずしも正確ではなく、誤った表現が含まれる場合があります。画像内容の真偽や正確性は保証できませんので、あらかじめご了承ください。
 
それぞれ“注意は必要”ですが、ご参考になれば幸いです。

今回のインタビューを通して見えてきた生活者の選択や判断軸をヒントに、ターゲットに向けたブランディングや商品・サービス設計を、いま一度アップデートしていきましょう。

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執筆:アスマーク編集局

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アスマーク編集局は、数多くのメーカー、官公庁、大学との広範な調査実績に基づき、実務に直結するマーケティングリサーチの知見を発信する専門組織です。単なる手法の解説に留まらず、「現場で求められる判断基準」や「実務上の留意点」を網羅した専門コンテンツを企画・制作しています。

普及活動の実績
調査・分析に関する自社セミナーは累計参加者26,000人を突破。関連資料の利用者は11,000人を超えています(※2026年現在)。

学術・教育支援
日本社会学会や日本行動計量学会等への参画、大学での講義(累計受講者1,000人以上)を通じ、リサーチノウハウの普及に努めています。また、大学等の教育機関へ1万人規模の実証データを提供し、PBL(課題解決型学習)教育の支援も行っています。

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監修:竹中 重雄(Shigeo Takenaka)

監修:竹中 重雄(Shigeo Takenaka)

株式会社アスマーク マーケティング管轄 マネージャー
リサーチ業界およびマーケティング領域で10年以上のキャリアを持つスペシャリスト。学術調査チームの立ち上げや、業界内でも難易度の高い「難病・希少疾患」「障がい者」のリクルートサービスの立案・リリースを主導。

専門領域
消費者インサイト分析、セグメンテーション。学術的根拠に基づき消費者モニターをタイプ分類する「インサイト・セグ」を開発。

発信実績
日本のマーケティングリサーチ20年の変遷」の執筆や、最新技術を網羅した「ChatGPTを調査設計・レポートに活用する検証セミナー」への登壇など、伝統的手法から最新トレンドまで幅広い知見を保有。

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