公開日:2025.09.25

アンケート回答の真剣度と一貫性を検証する方法、SC(Seriousness Check/Self-Reported Consistency)とは?

  • マーケティングリサーチ用語解説集

アンケート調査の信頼性を高めるためには、回答者がどの程度真剣に回答しているか、また回答に矛盾がないかを確認することが欠かせません。注意力を測るIMCやDQSと異なり、SC(Seriousness Check:真剣度チェック/Self-Reported Consistency:一貫性チェック) は、回答者の姿勢や回答内容の整合性に注目する手法です。
 
SC(真剣度チェック/一貫性チェック)には二つの側面があります。ひとつは「真剣度チェック」で、回答者にアンケートへの取り組み姿勢を直接尋ねる方法です。もうひとつは「一貫性チェック」で、同じ内容を異なる形で質問し、回答に矛盾がないかを確かめます。

 

設問例1:Seriousness Check:真剣度チェック

Q. 最後に、今回のアンケートにはどの程度真剣にお答えいただけましたか?(SA)
〇 ふざけて回答した
〇 あまり真剣に回答していない
〇 普通に回答した
〇 真剣に回答した

この場合、「ふざけて回答した」などを選んだ対象者の回答は、分析から除外することを検討します。
 

設問例2:Self-Reported Consistency:一貫性チェック

(前半の設問)

Q. あなたは現在、喫煙習慣がありますか?(SA)
〇 はい / 〇 いいえ

(後半の設問)

Q. あなたが1日に吸うタバコの本数に最も近いものをお選びください。(SA)
〇 吸わない 〇 1〜10本 〇 11〜20本 〇 21本以上

ここで前半で「いいえ」と答えた人が、後半で「1〜10本」と選んでしまうと、回答の整合性に矛盾があると判断できます。
 

 
SC(真剣度チェック/一貫性チェック)のメリットは、真剣度チェックがシンプルで分かりやすく、正直な回答が得られれば不真面目なデータを直接排除できる点にあります。また、一貫性チェックは複数の設問を通じて客観的にデータ品質を評価できるのが強みです。一方で、真剣度チェックは不真面目な回答者が正直に答えるとは限らないこと、一貫性チェックは、設問数が増え、回答者に負担を与える可能性があることに加え、回答者が以前の回答内容を覚えていない場合に、不誠実な回答と誤って判断してしまうリスクや、矛盾の原因が単純な誤入力や解釈の違いであるにもかかわらず、データを排除してしまう可能性が課題となります。
 
アンケート調査の価値は単なる「数」ではなく「質」にあります。SC(真剣度チェック/一貫性チェック)はその質を守るための仕組みのひとつとして知られており、調査設計の中で取り入れられることがあります。
 
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執筆:アスマーク編集局

執筆:アスマーク編集局

アスマーク編集局は、数多くのメーカー、官公庁、大学との広範な調査実績に基づき、実務に直結するマーケティングリサーチの知見を発信する専門組織です。単なる手法の解説に留まらず、「現場で求められる判断基準」や「実務上の留意点」を網羅した専門コンテンツを企画・制作しています。

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監修:竹中 重雄(Shigeo Takenaka)

監修:竹中 重雄(Shigeo Takenaka)

株式会社アスマーク マーケティング管轄 マネージャー
リサーチ業界およびマーケティング領域で10年以上のキャリアを持つスペシャリスト。学術調査チームの立ち上げや、業界内でも難易度の高い「難病・希少疾患」「障がい者」のリクルートサービスの立案・リリースを主導。

専門領域
消費者インサイト分析、セグメンテーション。学術的根拠に基づき消費者モニターをタイプ分類する「インサイト・セグ」を開発。

発信実績
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