
2025.03.26
データ迷子を脱却し、業績を伸ばす5つのステップと成功へのヒント
社内にデータはあるのに活用できていない。 そんな課題を抱える企業が、今、非常に多くなっています。 このコラムでは、「なぜデータが活用されないのか?」とい……
公開日:2025.09.25
現在のたばこ業界は、消費者の嗜好変化と規制強化という2つの大きな課題に直面しています。
健康志向や環境への配慮の高まりから、従来の紙巻きたばこに加え、加熱式たばこや電子たばこに人気が集まっています。
また、禁煙推進の影響により、喫煙者の行動やニーズも多様化しています。
これらの変化に迅速に対応するため、たばこブランドは最新技術を活用したパーソナライズサービスや、新たな製品カテゴリーの開発を積極的に進めています。
こういった状況の中、各たばこブランドの競争は激化しており、競合他社との差別化がこれまで以上に重要になっています。そのため、市場の動向や消費者ニーズを把握するためのマーケティングリサーチが、企業の成長戦略において不可欠です。
本コラムでは、たばこ業界の調査事例を定性・定量調査の視点から厳選してご紹介します。これらの事例の「対象者の定義や手法、テーマ、調査内容など」を参考に、今後のたばこ業界向けの調査企画のヒントが得られるでしょう。
電子タバコのブランドロイヤリティ調査
| 調査の結果得られたこと | フレーバーの多様性がユーザーのロイヤリティ向上に寄与している一方で、デバイスの耐久性がロイヤリティ低下の要因となっていることが分かった。 |
|---|---|
| クライアント | 電子タバコメーカー |
| 調査目的 | ユーザーのブランドロイヤリティ向上に向けた施策を検討するための基礎データを収集する |
| 調査手法 | オンラインインタビュー |
| 人数・対象者条件 | 10ss 全国の25-49歳の男女/現在特定メーカーの電子タバコを使用しているユーザー |
| 調査内容 | ・ブランドへの信頼度や満足度 ・他ブランドへの乗り換え意向の有無 ・デバイスの使用感や耐久性に対する評価 ・ロイヤリティ向上のための改善点 |
| 対応範囲 | 調査企画、対象者リクルート、モデレーター手配、当日受付、データ収集・分析、レポート作成 |
| 特記事項 | インタビュー対象者に対し、使用中の電子タバコデバイスの写真を提出してもらい、条件相違がないかを確認。 |
加熱式たばこの日常使用状況と満足度調査
| 調査の結果得られたこと | 使用頻度が高い時間帯は朝と夜であり、フレーバーの選択に季節感が影響を与えることが判明した。 また、デバイスの持ち運びに不便を感じるユーザーが多いことも明らかになった。 |
|---|---|
| クライアント | たばこメーカー |
| 調査目的 | ユーザーの日常使用状況を把握し、製品改良やマーケティング戦略の立案に活用する |
| 調査手法 | 日記+インタビュー |
| 人数・対象者条件 | 30ss 首都圏の20-49歳の男女/現在加熱式たばこを使用しているユーザー |
| 調査内容 | ・使用頻度や使用シーン(朝、昼、夜) ・フレーバーの選択理由と嗜好の変化 ・デバイスやスティックに対する満足度 ・不満点・ブランドイメージや他ブランドとの比較 |
| 対応範囲 | 調査企画、対象者リクルート、日記記録のフォーマット作成、インタビュー実施、データ分析、レポート作成 |
| 特記事項 | 調査対象者には1週間の使用状況を日記形式で記録してもらい、その後インタビューで詳細を確認。 |
店舗内ディスプレイの視認性調査
| 調査の結果得られたこと | 棚上段の配置が最も視認性が高く、特に目を引くロゴカラーが販売促進に寄与していることが確認された。 |
|---|---|
| クライアント | たばこメーカー |
| 調査目的 | 店舗内ディスプレイが消費者行動に与える影響を分析し、陳列戦略を最適化する |
| 調査手法 | アイトラッキング |
| 人数・対象者条件 | 50ss 首都圏の20-59歳の男女/現在たばこをコンビニで購入しているユーザー |
| 調査内容 | ・店舗内でのディスプレイ視認箇所と時間の測定 ・ディスプレイ評価(印象、購買意欲への影響) ・競合ブランドとの比較視認性評価 ・消費者が意識的に注目する箇所と無意識に視線が向かう箇所の比較 |
| 対応範囲 | 対象者リクルート |
| 特記事項 | リアル店舗のシミュレーション環境を用い、棚配置や照明の影響も考慮して調査を実施。 |
たばこ新商品コンセプト評価ワークショップ
| 調査の結果得られたこと | 新商品コンセプトに対して「革新的なフレーバー」の支持が高い一方で「健康イメージ」の訴求が不十分であるとの意見が多く寄せられた。 |
|---|---|
| クライアント | たばこメーカー |
| 調査目的 | 新商品のコンセプトに対するターゲット層の反応を把握し、商品企画の改善点を明確にする |
| 調査手法 | ワークショップ |
| 人数・対象者条件 | 35ss 全国の20歳以上の男女/紙巻きたばこ、加熱式たばこ、電子タバコのいずれかを使用している |
| 調査内容 | ・新商品のコンセプト案の提示と評価 ・商品に期待する要素(フレーバー、価格、デザイン)のディスカッション ・他ブランドとの差別化ポイントに関する意見交換 ・改善案のアイデア創出セッション |
| 対応範囲 | 対象者リクルート |
| 特記事項 | 地方在住者の意見を反映するため、オンライン参加枠を特別に設け、地域差に基づく嗜好の違いを考慮したリクルートを行った。 |
たばこブランドイメージ調査
| 調査の結果得られたこと | 「革新的」なイメージが若年層から支持される一方で、「信頼性」の面で他ブランドに劣ると感じる意見が多数寄せられた。 |
|---|---|
| クライアント | たばこメーカー |
| 調査目的 | ブランドイメージの現状把握と改善点の抽出 |
| 調査手法 | グループインタビュー |
| 人数・対象者条件 | 24ss 関西の20歳以上の男女/現在たばこを使用しているユーザー |
| 調査内容 | ・現在のブランドイメージに対する意見 ・他ブランドとの比較と強み・弱みの抽出 ・ブランドイメージ改善に向けたアイデア提案 ・広告やプロモーション活動に対する印象評価 |
| 対応範囲 | 対象者リクルート、モデレーター手配、当日受付、データ収集・分析、レポート作成 |
| 特記事項 | ブランドイメージ改善案を具体化するため、参加者に事前課題として「理想のたばこブランド像」を題材にコラージュを作成してもらい、それをもとに議論を展開。 |
加熱式たばこのデバイス使用感調査
| 調査の結果得られたこと | デバイスのデザインや軽量性が高く評価された一方で、バッテリー持ちやクリーニングの手間が課題として指摘された。 |
|---|---|
| クライアント | たばこメーカー |
| 調査目的 | 加熱式たばこデバイスの使用感や改善要望を把握し、製品開発に反映させる |
| 調査手法 | HUT+グループインタビュー |
| 人数・対象者条件 | 20ss 首都圏の25-49歳の男性/現在加熱式たばこを使用しているユーザー |
| 調査内容 | ・自宅でデバイスを使用し、使用感や日常的な使い勝手を記録 ・デバイスの外観や持ち運びの利便性に対する評価 ・使用中の満足点や不満点を共有 ・他ブランドデバイスとの比較評価 |
| 対応範囲 | 対象者リクルート、製品配布、使用後アンケート、モデレーター手配、当日受付、データ収集・分析、レポート作成 |
| 特記事項 | インタビューではHUT中に記録した使用データや参加者メモを基に議論を進行し、リアルな使用感を反映した具体的なフィードバックを収集。 さらに、デバイスの操作動画をHUT中に記録してもらい、グループインタビュー中に共有して課題を具体化。 |
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新フレーバーに関する嗜好調査
| 調査の結果得られたこと | 新フレーバーに対して好意的な反応が多く、特に「フルーツ系」と「バニラ系」の風味がユーザーに好まれることが判明した。 一方で、一部のユーザーからは、フレーバーの味が強すぎるとの意見もあり、調整が求められている。 |
|---|---|
| クライアント | たばこメーカー |
| 調査目的 | 新たに開発したフレーバーの嗜好性を評価し、改良の方向性を定め、製品開発およびマーケティング戦略に活用すること |
| 調査手法 | HUT |
| 人数・対象者条件 | 220ss 全国20歳~60歳の男女、現在たばこ(加熱式または紙巻きたばこ)を利用している方新フレーバーに興味があり、試用に協力可能な方 |
| 調査内容 |
・フレーバーの嗜好評価(フルーツ系、バニラ系、スパイス系など) ・香りと味の強度に関する評価(強すぎる、ちょうど良い、弱い) ・使用時の満足度(風味、後味、喫煙感) ・既存フレーバーとの比較(既存のたばことの違いや、新フレーバーの優位性) ・改良点の提案(フレーバーの強さや後味、持ち運びに対する希望) |
| 対応範囲 | 対象者リクルート、製品配布、使用後アンケート、データ回収、分析、報告書作成 |
| 特記事項 | フレーバー別に異なるパッケージを用意し、パッケージデザインが味の印象に与える影響も検証した。 調査期間中、参加者の生活習慣を変えずに自然な環境での評価を実施することを重視し、特に試喫中の他の飲食物との相性についてもアンケートを通じて意見を収集した。 |
紙巻きたばこユーザーの加熱式たばこ移行意向調査
| 調査の結果得られたこと | 紙巻きたばこを愛用する理由として「吸いごたえ」が最も重要視されていることが分かった一方で、健康面での懸念が加熱式たばこへの移行を促している傾向が見られた。 |
|---|---|
| クライアント | たばこメーカー |
| 調査目的 | 紙巻きたばこユーザーが加熱式たばこに移行する際の阻害要因と促進要因を把握する |
| 調査手法 | CLT |
| 人数・対象者条件 | 150ss 首都圏の20歳以上の男性/紙巻きたばこを現在使用している |
| 調査内容 | ・紙巻きたばこの満足点と不満点 ・加熱式たばこを試喫後の満足度と比較評価 ・健康リスクやコスト面での意識調査 ・加熱式たばこに対する移行意向 |
| 対応範囲 | 調査企画、対象者リクルート、CLT実施、データ回収、分析、レポート作成 |
| 特記事項 | 試喫中は他ブランドと混同しないようパッケージを明示的に提示。試喫後は口直し用の飲料を提供。 |
たばこパッケージデザインの購買影響調査
| 調査の結果得られたこと | シンプルで高級感のあるデザインが特に向上に寄与していることが分かった。 |
|---|---|
| クライアント | たばこメーカー |
| 調査目的 | 新パッケージデザインの市場受容性を評価し、購買意欲を高めるデザインを特定する |
| 調査手法 | ネットリサーチ |
| 人数・対象者条件 | 500ss 全国の20歳以上の男女/紙巻きたばこまたは加熱式たばこを使用している |
| 調査内容 | ・現行パッケージの評価 ・新デザイン案複数の比較評価 ・購買意欲への影響 ・デザイン以外の要望(情報表示、見やすさなど) |
| 対応範囲 | 調査企画、調査票作成、アンケート配信、データ回収、集計、レポート作成 |
| 特記事項 | 対象者がリアルな購買体験を想像しやすいように、実店舗の購入シナリオを提示。加えて、パッケージデザインを実際の棚に配置したイメージ画像を用意して評価を実施。 |
電子タバコに関する使用実態と購入意向調査
| 調査の結果得られたこと | 使用実態では「健康への配慮」を理由に電子タバコを選ぶ傾向が強い一方、購入意向では「価格の高さ」が主要な障壁となっていることが判明した。 |
|---|---|
| クライアント | 電子タバコメーカー |
| 調査目的 | 現在の使用実態と購入意向のギャップを把握し、マーケティングおよび製品戦略に活かす |
| 調査手法 | ネットリサーチ |
| 人数・対象者条件 | 600ss 全国の21歳以上の男女/現在紙巻きたばこ、加熱式たばこ、または電子タバコを使用している |
| 調査内容 | ・電子タバコの使用経験および頻度 ・選択理由(健康配慮、フレーバー、使い勝手など) ・電子タバコの購入意向および障壁要因 ・理想的な電子タバコの条件(価格帯、機能、デザインなど) |
| 対応範囲 | 調査企画、調査票・画面作成、アンケート配信、回答データ集計・分析、レポート作成 |
| 特記事項 | 購入意向の具体的な障壁を抽出するため、選択肢だけでなく自由記述形式を設けた。 フレーバーやデザインに関する画像素材をアンケート内で提示し、視覚的印象を測定。 |
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ここまで、たばこ業界におけるマーケティングリサーチの具体的な調査事例を定性・定量の両側面から紹介しました。
定性調査からは、個々の消費者の深層心理や製品選択の背景にある「なぜ」を深く掘り下げることができ、ミクロな視点で捉えることができます。
一方で、定量調査からは市場全体の大きなトレンドや消費者の属性ごとのニーズをマクロな視点で捉えることができます。
消費者の価値観が多様化し、加熱式たばこや電子たばこといった新しいカテゴリーが次々と生まれる現代市場において、的確な製品開発や効果的なコミュニケーション戦略を立案するためには、こうした多角的なアプローチによる消費者のインサイト把握が不可欠です。
変化の激しい時代だからこそ、データに基づいた客観的な市場分析と、消費者の生の声に耳を傾ける真摯な姿勢が、競合他社との差別化を図り、顧客から選ばれる続けるブランドを築くための鍵となります。
このコラムが、皆様のたばこ業界向けのリサーチに対する理解を深め、より良い製品やサービスの開発につながる一助となれば幸いです。
当社では『たばこ業界向けの調査』についてのお困りごとについて、ご相談を随時受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
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