
2024.04.16
インタビュー調査結果の効果的なまとめ方
近年、ビジネスにおいて定性的なデータ収集の重要性が高まっています。特に、顧客や従業員の生の声を聞き取るインタビュー調査は、製品開発やサービス改善、組織改革などに……
公開日:2026.09.10
高齢化が進むとともに、けがや妊娠・育児、障害など、商品やサービスなどを利用するユーザーを取り巻く状況は多様化しています。こうした背景から、製品やサービスなどを幅広い利用者が使いやすい設計にすることが求められるようになりました。
本記事の要点(サマリー)
本記事では、まずアクセシブルデザインの基本的なことを押さえたうえで、その調査を行う目的やメリット、定性や定量のアプローチによる代表的な調査手法と活用分野について解説します。
アクセシブルデザイン(accessible design)は、 ISO/IECガイド71の改訂版(英語版)を直訳すると「多様なユーザーに焦点を当て、様々な状況下でシステムを容易に利用できる潜在的なユーザーの数を最大化する設計」と定義されています。
原文は以下です。
“
accessible design
design focused on diverse users to maximize the number of potential users who can readily use a system in diverse contexts引用元:ISO_IEC_Guide_71_2014(E)_Guide for addressing accessibility in standards, p.9
つまり、特定の人だけでなく状況によって不便を感じる人まで含め、より多くの人が利用しやすい状態を目指す設計の考え方です。
具体的には、障害のある人だけを対象とするのではなく、加齢による視力低下、手のけが、荷物で手がふさがる状況、騒音で音が聞き取りにくい場面といった誰にでも起こりうる不便を前提に設計します。個人の努力で乗り越えさせるのではなく、製品やサービス側の工夫でつまずきを減らす点がポイントです。
たとえば、次のような工夫があります。
| 炊飯器のボタン(凸点) | エレベータの開閉ボタン(図形) | キーボードのF/Jキー(ホームポジションの凸バー) |
|---|---|---|
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似た言葉にユニバーサルデザインがありますが、実務で「すべての人への対応」を掲げると要件が膨らみ、意思決定が滞りやすくなります。アクセシブルデザインは、達成可能な範囲で不便さを減らす現実的な考え方であり、規格づくりや製品改善になじみやすい特徴があります。
見た目の配慮にとどまらず、情報の見つけやすさ、手順の分かりやすさ、誤操作の防ぎやすさなどを含めて「使える状態」を設計します。だからこそ、調査によって不便さを具体化し、改善要件へ落とし込むことが大切になります。
アクセシブルデザイン調査は、ユーザーが感じる不便さや操作ミス、理解のしづらさを把握するために行う調査です。
この調査で軸となるのは、使いづらさの原因を使う人の能力ではなく、周囲の環境や製品デザインの組み合わせにあると捉える視点です。同じ人であっても、光の反射や文字サイズ、周囲の騒音、時間の制約といった条件が変われば、操作のしやすさは変化します。調査ではこれらの条件を分解して、どのポイントで負担が大きくなるのかを分析します。
調査によって得られた情報は、単なる感想として受け取るのではなく、特にインタビュー調査では対象者の言葉に隠された意味やパターンを見つけることが重要です。
「見づらい」といった印象で終わらせず、どの表示がどのような環境で読めないのか、誤操作の原因が配置にあるのか文言にあるのかまで具体化します。
アクセシブルデザイン調査を実施するメリットには、主に3つあります。

調査手法は、大きく定性調査と定量調査に分かれ、課題の発見や効果の検証といった目的に応じて組み合わせるのが基本です。
定性調査は「なぜ起きるか」を深掘りし、定量調査は「どれくらい起きるか」を示します。実務では、まず定性調査で課題を探り、定量調査で改善効果を検証する進め方が効果的です。
アクセシブルデザイン調査における定性調査では、観察やインタビュー、ユーザビリティテストなどを通じて、つまずきの背景にある認知特性や身体特性、環境条件、行動プロセスを掘り下げます。大切なのは「できない理由」を本人の属性で片付けず、どの情報が見えていないのか、どの手順が記憶しづらいのか、どのフィードバックが伝わっていないのかを具体化することです。
また、「ボタンが近すぎる」や「ラベルが曖昧」といった気づきを得ることで、改善に向けた仮説を導き出すことも可能です。
対象者は高齢者や障害のある人に限りません。一時的なけが、妊娠や育児、荷物が多い状況、暗い場所での利用といった状況的な要因も含めて捉えることで、利用者全体の失敗率を下げることにつながります。現場では「代表的な不便が生じる条件」を整理し、参加者の組み合わせとタスクを設計することが調査の品質を左右します。
アクセシブルデザイン調査における定量調査では、ネットリサーチ(Webアンケート)などを通じて、アクセシビリティ上の課題の「発生頻度」や「ニーズの全体像(規模感)」などを数値で把握します。
定性調査で立てた仮説が「市場全体において、どの程度発生しているか」を客観的に検証し、優先順位付けや意思決定に役立ちます。
セグメントでの比較と施策の効果検証においても強みを発揮します。障害種別、年代、支援技術(スクリーンリーダー等)の利用状況といった属性ごとに、課題の直面率、利用満足度、離脱傾向などを数値化することで、どこに重大な課題があるかを可視化します。定量的なデータで裏付けることで、アクセシビリティ改善を単なる「配慮」にとどめず、「ユーザー基盤の拡大やサービス品質向上への投資」として事業戦略に位置付けやすくなります。
さらに、改善施策の前後で対象者の意識や行動変化(利用率、認知度、評価など)を追跡測定することで、成果を示して説明責任を果たすことができます。
定性調査で対象者の文脈や背景(どのような場面で、なぜ利用上のつまずきが発生しているのか)を把握し仮説を立て、定量調査でその仮説検証や影響範囲(どれだけの人に影響するか)を確認するという相互補完により、実効性の高いアクセシビリティ改善案の立案が可能になります。
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アクセシブルデザイン調査はプロダクト設計にとどまらず、表示や操作、包装、建築環境、情報通信など様々な領域で活用され、共通化や標準化にも結びつきます。
代表的な活用先はデジタルの画面設計やUIだけに限りません。文字の読みやすさや色の組み合わせ、音の聞き取りやすさ、触感で識別できるマーク、包装の開けやすさ、公共空間の案内など、日常の接点全体で不便さは発生します。調査を通じて不便の実態を集めるほど、改善の範囲は自然と広がります。
こうした領域で横断的に効果を発揮するために必要なのが共通化です。
触覚での識別表示や見え方の評価手法、音のデザインなどは、特定製品にとどまらず複数の分野に応用できます。個別の最適化を超えて業界全体での合意が必要な場面でも、調査データが共通の土台となり、規格やガイドラインへ反映されやすくなります。
また、調査結果を設計ルールや評価手法、社内教育に落とし込むことで持続的な効果を得られます。単発の改善で終わらせず、チェック基準や測定方法を仕組み化すれば、新規開発での再発を防ぎ、品質保証や監査プロセスへ反映できます。
アクセシブルデザインは、障害の有無にとどまらず、一時的な不便や環境要因も含めて多様なユーザーの「使いやすさ」を製品・サービス側の工夫で実現する現実的なアプローチです。
その課題を明らかにするアクセシブルデザイン調査では、定性調査によって「なぜ使いづらいのか」といった理由などを抽出し仮説を立て、定量調査で仮説や「どれほどの影響があるか」という規模感を数値で検証する相互補完が可能です。このアプローチにより、根拠に基づいた意思決定や優先順位付けが可能となり、手戻りの防止やスムーズな社内外の合意形成につながります。
調査結果はWeb UIやデジタル領域だけでなく、パッケージ設計や空間デザインまで幅広く活用でき、社内のガイドライン化や標準化を進めることで持続的なサービス品質の向上が見込めます。
本記事を参考に、定性調査と定量調査を組み合わせて実効性の高いアクセシビリティ改善を進めていきましょう。
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ユニバーサルデザインとは?商品開発で求められる背景から実践的な調査事例まで解説
「ユニバーサルデザイン」という言葉を、皆さまも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
SDGsやインクルーシブといったキーワードと共に語られる機会も増え、「取り組むべき大切なこと」という認識は広まっています。
そこで本記事では、ユニバーサルデザインの基本的なことから、調査事例を交えて、商品開発の現場で活用できる実践的な設計視点についてご紹介します。
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一般市場へ拡張するユニバーサルデザイン調査とは? 車椅子ユーザーのインサイトを抽出し、本音を引き出す運用の工夫を事例で解説
昨今、誰もが使いやすいユニバーサルデザインへの関心が高まり、障がい者の視点を取り入れた調査が注目されています。しかしメーカーの現場では、市場規模の小ささによる採算の厳しさや社内調整の難しさから、企画段階で足踏みしてしまうケースが少なくありません。
もし障がい者調査を単なる社会貢献や限定的なものと捉えているなら、それは大きな機会損失です。障がい当事者が向き合う極端な不便のなかにこそ、高齢者や子育て世代、さらには一般層が抱える潜在ニーズを掘り起こすヒントが隠されているからです。
あるバッグメーカーが挑戦した車椅子ユーザー向けバッグの開発プロジェクトでは、第1弾の「売れなかった」という教訓を前向きな知見へと昇華させ、採算性と組織の壁を乗り越えることに成功しました。
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なぜ商品開発でユニバーサルデザインが求められるのか?~求められる背景から調査事例にかけて解説~
「ユニバーサルデザイン」という言葉を、皆さまも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
SDGsやインクルーシブといったキーワードと共に語られる機会も増え、「取り組むべき大切なこと」という認識は広まっています。
しかし、いざ「具体的に何をすればいいのか?」と問われると、少し戸惑ってしまうことはありませんか?
本資料では、ユニバーサルデザインの基本的なことから、調査事例を交えて、商品開発の現場で活用できる実践的な設計視点についてご紹介します。
下記に当てはまる方にお薦めの資料です。
● ユニバーサルデザインを実現するために、有効な調査手法やアプローチを知りたい方
● 潜在的なニーズを掘り起こし、製品の質や顧客満足度を向上させたい方
● 顧客視点に立った商品開発プロセスを強化したい方
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【障がい者調査】定性・定量別調査事例10選
現在の日本では、障がい者の社会参加やQOL向上への意識が高まり、多様なニーズに応える製品やサービス開発が求められています。アクセシビリティやユニバーサルデザインへの配慮が注目されています。
このような状況下で、障がい当事者の生の声やニーズを正確に把握する重要性が増しており、調査は非常に重要な役割を果たします。
本紙では、障がい当事者の調査における様々なリサーチ事例を、定性/定量調査の視点で厳選した10選をご紹介します。当事者の嗜好や行動、潜在的なニーズを的確に捉え、より魅力的な製品やサービスの開発・改善に活かせる内容となっています。
下記に当てはまる方にお薦めの資料です。
● 障がい者調査の事例を参考に、調査設計の精度を高めたい
● 過去の障がい者調査で期待する成果が得られなかった
● 障がい者調査の経験が浅く、どのような事例があるのかを知りたい
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障がい者インタビュー実査ガイド【障がい種別】~本音を引き出す現場の工夫を解説〜
「障がい者調査」と聞くと、特別な層に向けたニッチな調査だと感じるかもしれません。しかし、現在のマーケティングにおいて、この調査は「全ユーザーにとっての使いやすさ」を先取りする重要な役割を担っています。
障がいを持つ方が直面する「不便さ」を解決しようとする試みは、ユニバーサルデザインを追求する上での「先行指標」となります。ここで得られる気づきは、すべてのユーザーにとって付加価値の高い製品開発を実現するための、非常に重要なヒントになるのです。
本コラムでは、障がい特性別に配慮すべきポイントなどについて解説します。
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【リサーチャーコラム】アンケート回答だけでは見抜けない、障がい者インタビューを「期待外れ」に終わらせないリクルート技術
障がい者を対象としたマーケティングリサーチにおいて、最大の障壁となるのは「リクルート」の精度です。希少性の高い対象者を確保できたとしても、実際のインタビューやアンケートで「期待した回答が得られない」「対話が成立しない」といった事態に直面し、調査が形骸化してしまうケースは少なくありません。
なぜ、障がい者リサーチにおいて、スクリーニングの回答だけでは見抜けない「壁」が存在するのか。そして、深いインサイトを引き出すためにリサーチャーが持つべき「独自の視点」とは何かを考察します。
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事例で学ぶ、障がい者調査に不可欠な『配慮』とは? ~実践的な調査事例10選~
現在の日本では、障がい者の社会参加やQOL(生活の質)向上への意識が高まり、多様なニーズに応える製品やサービスが求められています。アクセシビリティへの配慮や、ユニバーサルデザインの導入が注目を集めています。
一方で、当事者の特性に合わせた調査方法の設計は大きな課題です。当社が障がい者に向け調査を実施する場合も、例えば、視覚障がいのある方には音声での設問、聴覚障がいのある方には手話通訳や筆談等の工夫を凝らすことは必須となっています。さらに、倫理的配慮とインフォームド・コンセントが重要であり、当事者やその支援者と信頼関係を築き、丁寧に説明しながら調査を進める柔軟性が求められます。
本記事では、障がい者調査の様々な事例を、定性・定量調査の視点から厳選してご紹介します。これらの事例は、障がい種別の配慮に基づいた調査を行い、当事者の嗜好や潜在的なニーズを捉えるヒントに満ちています。
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近年、ビジネスにおいて定性的なデータ収集の重要性が高まっています。特に、顧客や従業員の生の声を聞き取るインタビュー調査は、製品開発やサービス改善、組織改革などに……

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