公開日:2025.11.05

顧客満足度調査の実施前に押さえたい目的や設計、分析についてリサーチのプロが解説

  • マーケティングリサーチHowto

企業が成長を続けるためには、顧客の「満足」をいかに把握し、どう高めていくのかが重要なテーマとなります。しかし、一口に「満足度」といっても、その定義や測り方を精度高く理解しているケースは、意外と多くありません。満足度の数値だけを追うあまり、「そもそも顧客は何を期待していなのか?」「どの部分が期待を上回り、あるいは下回ったのか?」といった本質的な問いが置き去りにされることも少なくないです。

本コラムでは、まず“満足度とは何か”という原点からスタートし、顧客満足度調査における設計や分析について解説をしていきます。

 
 

そもそも満足度とは?

顧客満足度調査と聞くと、商品やサービスに対して以下のような項目の満足度を尋ねる調査を想像されるのが一般的かと思います。

  • 価格
  • 品質
  • 機能
  • デザイン
  • 使いやすさ
    Etc.

 
そして、これらの項目に対する選択肢は以下のような5段階評価の選択肢が用意されているのもよく見かけます。

  • 非常に満足
  • やや満足
  • どちらともいえない
  • やや不満
  • 非常に不満

 
ここで、“そもそも満足度って何だろう?”というところに立ち返っていただきたいです。
商品やサービスへの満足というのは、商品やサービスに対してあらかじめ顧客が期待していることがあり、それが満たされたか?/満たされていないか?という度合いのことを言います。
例えば、ジュースであれば、期待していることとして「喉の渇きを潤したい」というのが1つ挙げられるでしょう。

商品やサービスによって顧客自身の期待の箱のようにものがあり、それがちゃんと満たされたかどうか?

 
商品やサービスによって顧客自身の期待の箱のようにものがあり、それがちゃんと満たされたかどうか?というのを測るのが顧客満足度調査です。
 
 

期待の箱には大小あり

このようにして、商品やサービスに対して期待の箱があるわけなのですが、その箱自体の大小があります。
ある商品に対しては、価格も安く、そこまで期待をしていない…
一方で、ある商品に対しては、価格も高く、SNSでも良い口コミがあるので、とっても期待している…
といった具合に。

この期待に対する度合いをここでは“期待値”と呼ぶことにします。
そして、下図のように期待値が低ければ、満足度は高く出やすかったりします。

期待値が低ければ、満足度は高く出やすかったりします。

 
そのため、顧客満足度調査を実施し、満足度が非常に高いことがわかったとしても、「それでOKなのか?」と言われたらNoです。
確かに顧客満足度調査を実施することで、満足度が測れ、80%、90%いった具体的の数値から『満足度が高いな』ということを結果から分析することが可能ですが、そもそも「その商品やサービスがどれだけ期待されているの?」というところが把握できていないと何とも言えません。
そのため、期待値を定量的&定性的に事前に把握する必要があります。

そして、この期待値は調査1回目でポンって出るようなものではないと思っており、(定量面では)アンケートや(定性面では)インタビューなどを何回か行い、丁寧に顧客を理解していく必要があると考えております。
 
 
この上で、商品やサービスを利用していただき期待が満たされたかどうか?という観点で見ると、顧客満足度調査自体がより活きていくでしょう。
 
 
ここまでのことを簡単にまとめると、顧客満足度調査をすることで、以下のようなことがわかるということです。

  • 顧客が商品やサービスに期待されていること
  • その期待されていることが、どれくらい満たされているか

 

 

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顧客満足度における定量調査と定性調査とは?

続いて、前述でも少し触れた定量と定性の話をしていきます。
まず、調査には大きく分けて、定量調査と定性調査があります。
簡単にそれぞれ説明をすると以下となります。

定量調査 定性調査
定量調査は、大規模なサンプルから客観的なデータを収集し、統計的な分析によって傾向やパターンを明らかにすることに優れています。
代表的な手法は、ネットリサーチや郵送調査、会場調査などが挙げられます。これらの手法は、効率的に大量のデータを収集できるため、市場の全体像を把握したり、特定の仮説を検証したりするのに適しています。

定性調査は、少数のサンプルから詳細な情報を収集し、顧客の心理や行動の背景を深く理解することに重点を置きます。
グループインタビューやデプスインタビュー、エスノグラフィ調査などが代表的な手法です。これらの手法は、顧客の潜在的なニーズやインサイトを発掘し、新たなアイデアや仮説を創出するのに適しています。

 
そして、顧客満足度調査を実施する上でも、定量調査を行うのか?定性調査を行うのか?それともどちらも行うのか?考える必要があります。

その選択をするときのヒントになるよう、顧客満足度調査向けの定量調査と定性調査の話もこれからします。
先程と同じように、左に定量調査、右に定性調査として以下説明します。

定量調査 定性調査
顧客満足度調査で定量調査を実施すると、目の前にある課題の把握をすることができます

定量調査イメージ

1. 満足度の状態がわかる
2. 設定した項目の寄与度がわかる
3. 設定した項目以外のことはわからない

顧客満足度調査で定性調査を実施すると、顧客が期待するものの把握をすることができます

定性調査イメージ

1. 顧客が期待していることがわかる
2. 期待したことがどれほど満たされていたかがわかる
3. 量的にはわからない

 
 
こちらについてより詳しくそれぞれ解説していきます。
 
 

顧客満足度における定量調査

例えば、お菓子を作っているメーカーが、以下のような設問があるアンケートを用意すると、それぞれの満足度がわかります。

  • A商品に対する味や容量などの満足度を5段階評価で選んでもらう設問
  • A商品に対する総合満足度を5段階評価で選んでもらう設問

 
つまり、①の満足度の状態がわかります。
そして、味や容量などの各項目と総合満足度を分析することで、寄与度がわかります。

一方で、当たり前の話にはなりますが、アンケートにある内容にしか顧客は回答ができません。アンケートで味と容量という2つの項目しか書いていなければ、それ以上の項目(例えば価格など)に関する満足度はわかりません。
 
 

顧客満足度における定性調査

例えば、お菓子を作っているメーカーが、実際にA商品を購入し、食べた人に対して、インタビューを実施し、根掘り葉掘り聞いたとします。
その根掘り葉掘り聞いていくと、「こういったときにA商品を食べていて、私的にはここが気に入っているんです」といった言葉から『そういったことに期待されているんだな』ということが分かったり、『例えば、価格についてはどうですか?』と質問をすると、「価格はこんなもんじゃないですかね?」といった具合に温度感も分かったりします。
そうすると、『この人にとっては、この価格はそもそも期待とかそういったものは特に感じられていないんだな』といったことが分かります。

ただ、定性的な情報は話しながら得られますが、定量的な部分はわかりません。つまり、『この人は満足しているんだな』というのは分かっても、『定量的に何パーセント満足している』というのは分からないということです。
 
 

まとめ:顧客満足度における定量調査と定性調査とは?

顧客満足度調査というと、定量調査を思い浮かべる人が多いです。
しかし、ここまでの話を踏まえると、それだけでは不十分なことが分かると思います。

顧客満足度調査は、「商品やサービスがどんな期待を持って顧客に買われて、利用されて、どういうふうに気持ち的に満足したっていうふうな状態になっているのか?」といったところを測っている調査にはなりますが、その“読み解き”の部分では、定性調査が必要になってきます。

 
 

顧客満足度調査における定量調査の設計と分析について

顧客満足度調査における定量調査の設計と分析について、この章では解説していきます。

顧客満足度調査における定量調査の設計

設計というと、専門的な部分もあるので難しい内容が含まれますが、ここでは簡単に「どんな設問を用意するのか?」といった部分を中心に解説します。

結論から、主に以下のような内容を問う、設問を用意します。

  • 総合満足度
  • 総合満足度の理由
  • 項目別満足度(使いやすさ/価格/重さ/容量 など)
  • 再利用意向
  • 利用回数
  • 利用金額
  • 改善点

 
総合満足度については、ここまでで何度か出てきたので割愛するとして、その理由を尋ねる設問を用意します。回答形式は、自由に記述してもらう“自由回答”にしたり、もし何回も調査している場合は満足度の理由を“複数回答”が可能な選択肢を用意した形で回答してもらったりします。

項目別満足度についても何度か触れてきましたが、意外と難しい部分があるので、説明を加えます。
当然、使いやすさや価格、重さといった項目は、商品やサービスによって変えなくてはいけません。とはいえ、何の指針もなく項目を選ぶのは難しいでしょう。そこで重要となるのが、「顧客が○○に期待している」という仮説も必要ということです。
「A商品は大容量に期待している」という仮説があれば、『容量』という項目は入れるべきでしょう。そして、こういった仮説を立てるために、また強固にするために顧客へのインタビューが役に立ちます。

なお、こういった項目をいくつか用意して5段階評価で回答していただく場合は、下記のようなマトリクス形式(表形式)を採用した設計になることが多いです。

Q. 以下の項目について、それぞれ満足度をお聞かせください。(お答えはそれぞれひとつ)

非常に満足 やや満足 どちらとも言えない やや不満 非常に不満
価格
品質
機能
デザイン
使いやすさ
耐久性
サービスの充実度
スタッフの対応

 
そして、再利用意向や利用回数、利用金額、改善点については例えば下表のような設問文で聴取するのが良いでしょう。

表 再利用意向や利用回数、利用金額、改善点の設問文例
再利用意向 今後も当商品(サービス)をご利用(ご購入)いただく可能性はどのくらいありますか。(お答えはひとつ)
利用回数 当商品(サービス)をごご購入いただいた回数について、お答えください。(お答えはひとつ)
利用金額 当商品(サービス)でご購入いただいている金額について、お答えください。(お答えはひとつ)
改善点 当商品(サービス)をご使用いただき、気になることがございましたら、ご自由にお聞かせください。

 
 
以上、この7つの項目が大きな骨組みとなっていきます。
また、その他の項目やそれらの具体的な設問文や選択肢は以下ページからご覧いただけます。
「顧客満足度調査のアンケート項目と例文(サンプル)、集計、分析を解説」の「顧客満足度調査のアンケート項目と例文(サンプル)」はこちら>
 
 

顧客満足度調査における定量調査の実施方法

顧客満足度調査における定量調査を実施するには、どういった方法があるのか?またそれらの注意点はなんなのか?について解説していきます。

大前提、調査対象者は“顧客”です。そのため、顧客情報を持っているのか、いないのかによって調査手法も変わります。
顧客の住所情報をも行っていれば、アンケートを郵送することができる場合が高くなり、メールアドレス情報を持って入れば、Webアンケートの実施ができる場合が高くなります。

さて、こういった手法は郵送、Webに加え、商品パッケージからのアンケートなどもあり、それぞれ手法が異なるので、それぞれ注意をしなくてはいけないことがあります。
全般的に言えるのは、手法ごとに回答してもらえる顧客層が異なるということです。
イメージしやすいのは、商品パッケージからのアンケートでしょう。商品パッケージ内にアンケートが入っていることがあると思いますが、このアンケートを実際に記入して、郵送してくれる層と郵送してくれない層がいるでしょう。また、郵送してくれる層や郵送してくれない層の一部は、Webアンケートであれば回答していただける層がいるでしょう。
以上のように、その回答方法などから層が異なってくるのです。

また、それぞれの手法で注意することは以下となります。

郵送でのアンケート 実査管理が複雑で、実施側の負荷が高いです。郵送先のリストの作成やその個人情報の管理、郵送する紙の調査票の作成などの作成が必要となります。
Webでのアンケート Webでのアンケートは、価格として、郵送調査などと比べると安い可能性があるのですが、自己申告制となるため、「本当に利用したか?」の確認が難しいです。
商品パッケージからのアンケート 商品パッケージからのアンケートへの誘導は、誘導されていること自体に気づかなかったり、アンケートを発見していただいたとしても回答していただけなかったりと、回答率が低いです。

 
 
続いて、調査手法以外にも調査時期や場所によっても注意が必要です。
例えば、調査時期において、年末年始のど真ん中にアンケートの案内をしても、なかなか回答をしていただけなさそうなのはイメージできるでしょう。
また、季節性がある商品、例えば「汗拭きシート」について冬に顧客満足度調査を実施したとします。そうすると、夏には「汗拭きシート」を使っていた人も、秋ごろから使わなくなり、冬になると「いつの話だっけ?」と答えづらくなったりするケースがあります。
 
 
以上のことから、調査手法や時期、場所について注意しながら、選択する必要があることについてお分かりいただけたかと思います。
もし不安なことなどがあれば、商品やサービスの特徴などをリサーチャーと共有し、「じゃあこういうふうにこの回答をこの質問で、こういう回答した人は…」といった話(≒コミュニケーション)をしながら、選択していくことで、質の良い調査にできる可能性が上がりますのでおすすめです。
 
 

顧客満足度調査における定量調査の分析について

今後は、顧客満足度調査における定量調査の分析について解説していきます。

まず結論です。以下5つの分析観点を押さえ、実施することがおすすめとなります。

  1. 各項目の満足度の把握
  2. 項目別満足度のスコアと総合満足度との相関係数によるポートフォリオ分析
  3. 総合満足度の満足TOP2で再利用意向の低い人の分析
  4. 自由回答の読み込みで課題の把握
  5. 自由回答のアフターコーディングで定量的に課題の把握

 

各項目の満足度の把握
これは、顧客満足度調査という名称から直感的にイメージが可能なものかと思います。
総合満足度や各項目の満足度について、「どれだけ満たされているのか?」とう割合を把握することがまず大切です。
 

項目別満足度のスコアと総合満足度との相関係数によるポートフォリオ分析
ポートフォリオ分析は、顧客満足度調査で得られた「項目別満足度」と「総合満足度」との相関関係に着目し、顧客体験において重点的に改善すべきポイントを明確にするための分析手法です。

顧客がサービスや製品のどの項目に満足・不満を感じているのか、またそれが総合的な評価にどのような影響を与えているのかを多角的にとらえることで、改善の優先順位を統計的に判断することが可能となります。

加えて、各項目の満足度と総合満足度との関連性を分析することで、「この部分を改善すれば、総合的な満足度が大きく向上する」という、影響力の高い項目を明らかにできます
そのため、このポートフォリオ分析も“必ず”実施した方が良い分析となります。
具体的な手順や算出方法について以下ページをご覧ください。
「CSポートフォリオ分析とは?算出方法から事例、メリットなど解説」はこちら>
 

総合満足度の満足TOP2で再利用意向の低い人の分析
上記のようなポートフォリオ分析の他に、「総合満足度の満足TOP2(例:「満足」+「やや満足」)を選択した人の中で、再利用意向が低い人はいるのか?」ということを分析するものもあります。

顧客満足度調査は、「これだけ満足してくれたからOK」というような調査ではありません。
もちろん、「この商品(サービス)に満足してくれたかどうか?」というのは大切ですが、「改善につなげるためのヒントを探す」のがもっと大切です。

総合満足度と再利用意向は、似たような分布になることがありますが、「満足してくれたから、次も使いたい」となるかは分かりません。
皆さまも満足度が高い商品/サービスでも、「1回で十分かな」といった感覚を経験したことあるでしょう。

しかし、ビジネスにおいては、「使っていただいて(体験いただいて)、次も使っていただきたい(体験していただきたい)」ものが理想だったりします。
そのため、満足度の他に、再利用意向を尋ねる設問もセットでアンケートに組み込むことがオススメです。
 

自由回答の読み込みで課題の把握・自由回答のアフターコーディングで定量的に課題の把握
こういった設問項目があった上で、自由回答ができる設問があるとより分析や改善のヒントが得られる可能性が広がります。
例えば、必要な設問項目として「改善点」を挙げましたが、そのままズバリの設問です。
そして、記入いただいた内容を読み込んで、どんなことを気にしているかなどを把握していきます。

加えて、自由回答を定量的に分析する手法としてアフターコーディングがあります。この手法は、感覚的な「生の声」を数値化することで、より客観的な分析や意思決定につなげることができます。
このアフターコーディングの手順やメリット・デメリットなどに興味がある方は、以下ページでご紹介しております。
「アフターコーディングとは?エクセルでの手順やAIを活用した分析など紹介」はこちら>
 
 
以上5つの観点を押さえ、「解決していく課題は何か?」を明らかにし、改善点を掴んでいきましょう。
また、こういった顧客満足度調査を継続的に実施している企業もいらっしゃるでしょう。その、第1回、第2回、第3回と続けていったときに、あまり課題が変化しないこともあるでしょう。
例えば、「通信品質がなかなか改善しません」といったことです。
ここで重要なのは、「顧客満足度調査を実施してもあまり意味ないな」ということではなく、目の前にあるリアルな課題に対して、「組織として取り組むぞ」という視点を持つことが重要なのです。

 
 

顧客満足度調査における定性調査の設計と分析について

続いて、顧客満足度調査における定性調査の設計と分析について解説していきます。
 
 

顧客満足度調査における定性調査の設計について

顧客との接点を探りつつ、使い方を把握し、何に期待して購入し、その期待が満たされているかを把握することがまず重要であり、基本です。

それぞれの認知から、実際に調べて、検討をしていく…
「『○○ということに使えそう』という期待があり、購入しました。」といった話があったりします。
そして、利用してみて、次も購入するのか?しないのか?といったところを深掘りしていきます。
こういった色んなことが聞くことができるのが定性調査となり、メリットです。

ここで、インタビュー調査全般に言えることですが、色んなことが聞ける半面、制御も必要です。インタビューという限られた時間を顧客からいただいている状況で、永遠とインタビューができるわけではありません。顧客満足度調査という調査目的を達成するための質問内容にしていく必要があり、“言うのは簡単ですが、実行するのは難しい”という部分になりますので、注意しましょう。

そんな顧客満足度調査の定性調査では、どんな質問ができそうか下図にまとめましたので、参考にしてみてください。

図 顧客満足度調査における定性調査の質問例
図 顧客満足度調査における定性調査の質問例

 
 

顧客満足度調査における定量調査の分析について

大きな方針としては、「生活シーンの中でどのように機能しているのかを把握」することです。
そのためには、主に以下6つの分析観点を押さえましょう。

  1. 商品・サービスとの接点
  2. 購入前の期待値と使用してみての差異
  3. 購入理由
  4. 利用満足度とその理由
  5. 再利用意向とその理由
  6. 他の商品の代替可能性

 
 
一番のポイントは「商品・サービスとの接点」です。その商品やサービスを知ったきっかけ、利用したきっかけは得られたのか、というところを押さえます。
そして、その商品やサービスを利用して、『購入前の期待値』と『使用したあとの満たされたか?の度合い』の差異について、「どういうふうなところに違いがあったのか?」聞き出し、分析していきます。

それから、購入理由。「購入前の期待値の中でどれが一番大きな要素だったのか?」というところにつながってくるポイントです。

次に、再利用意向の理由を抑える必要もあります。
顧客満足度調査で、『自社の商品やサービスについて愛着を持ってくださっている』といったことが、見えてくるインタビューもあるでしょう。
しかし、生活者の周りに、色んな商品やサービスが溢れかえっており、自社の商品やサービスに取って代わるような何かしらがあるかもしれないということを忘れてはいけません
そのため、満足をしていて、再利用意向も高かったとしても、

  • ずっと使い続けると思いますか?
  • 他の商品と検討することはありますか?

 
といった質問をしていき、「その人にとってその商品やサービスがどういうふうに生きているのか?」というところが把握できるレベルまでインタビューをしていくことが求められる場合があります。
 
 
以上の観点から、定性調査では顧客が何に期待しているのかを把握し、その期待を満たすため、何を顧客に提供していけば良いのか、といった視点を持つことが重要となります。

 

顧客満足度調査(CS調査)

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アスマークでは、顧客満足度調査(CS調査)サービスを提供しております。貴社の顧客に対する顧客満足度調査(CS調査)を実施できます。調査の設計についてもヒアリング後、ご提案いたします。

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まとめ

顧客満足度調査は、商品やサービスの満足度を把握し、改善の材料を探し、売上拡大・利用者拡大につなげていくための調査です。

企業は、売上拡大や利用者の増加といったことを目指し、ビジネス活動を行っています。そういった中で、何か課題がありそうなんだけど、その課題がわからないときに、それを明らかにするために、調査をしていきます。その調査の典型的なのが顧客満足度調査でしょう。

そして、そういった背景がある顧客満足度調査の前後で以下のことについて整理しておくことがオススメです。

  • 原価構造上、すぐには改善できないこと
  • 予算の都合上、すぐには改善できないこと
  • 組織構造上、すぐには改善できないこと
  • 本来はどんな風に利用していただけると良いか

 
顧客満足度調査を実施すると、「価格」への満足度というのは、思いのほか低く出てきます。そのときに低いからといって、「価格を安くします!」というのは、原価構造上できますか?…と、そういうことなんです。

また、「いろんなお店で買えるようにして欲しい」といった要望もあったりしますが、やはり予算の都合上、その販路開拓が可能なのか…
はたまた、「パッケージが微妙」という声が挙がっても、組織の政治的な部分で、パッケージのリニューアルが通るのかどうなのか…
こういったところを、調査の前後で確認しておくのが良です。

加えて、本来はその商品やサービスを使用していただいて、どんなふうな気持ちで、どんなふうに利用していただいたら、会社として意図を満たせているのかっていうようなところも整理することで、分析の視点や精度というのは変わってきますので、ぜひ行っていただけたらと思います。
 
 
本コラムを参考に、顧客満足度調査の理解度を上げ、商品自体やプロモーションなどの課題解決につながるような調査につなげていきましょう。

顧客満足度調査に関するご相談はこちら>

執筆者
アスマーク編集局
株式会社アスマーク マーケティングコミュニケーションG
アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

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