
2024.09.06
定量調査の事例紹介!企業が抱える課題や調査結果、失敗例とその留意点とは?
定量調査の事例から、より効果的な調査を 多くの企業が、このような「売れない」課題に頭を悩ませているのではないでしょうか? 「新商品を開発したものの、思う……
公開日:2025.08.08
「ユニバーサルデザイン」という言葉を、皆さまも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
SDGsやインクルーシブといったキーワードと共に語られる機会も増え、「取り組むべき大切なこと」という認識は広まっています。
しかし、いざ「具体的に何をすればいいのか?」と問われると、少し戸惑ってしまうことはありませんか?
「誰にでもやさしい設計」と言われても、「“誰”にとって?」「“やさしい”とはどういう状態?」という“あいまいさ”を感じたことがある方も少なくないでしょう。
本記事では、ユニバーサルデザインの基本的なことから、調査事例を交えて、商品開発の現場で活用できる実践的な設計視点についてご紹介します。
皆さまも、「ユニバーサルデザイン」という言葉、どこかで耳にされたことがあるのではないでしょうか?
近年では、SDGsやESG、インクルーシブデザインといったキーワードとともに語られることが増え、「取り組むべき良いこと」という印象を持っていらっしゃる方も多いと思います。
ただ、ここで少し立ち止まって考えてみたいのが以下です。
ユニバーサルデザインって、具体的に何をすればいいの?
たとえば、「誰にでもやさしい設計」と言われたとき、「“誰”にとって?」「“やさしい”って、どういう状態を指すの?」と、モヤっとしたことはありませんか?

当社でも、「良さそうだけど、よく考えると説明しづらいな」という“あいまいさ”に日々直面しており、商品企画の現場で、「多様な人に伝わるパッケージにしたい」「使いやすいUIにしたい」というご相談をいただくことが増えています。
でも、その“伝わる”や“使いやすい”という感覚は、つくる側が想定する生活者像に引っ張られていることも少なくありません。ましてや、自分とは違う視覚特性や認知特性、文化背景を持つ人の感じ方は、想像だけでは把握できないことも多いかと思います。
そこで、このコラムでは、そういった“あいまいさ”こそが、ユニバーサルデザイン実現を阻む壁のひとつであることを、どう可視化して、実行可能な設計に落とし込むかという視点から、ご紹介していきたいと思います。
ここからは「ユニバーサルデザインとは何か?」を改めて整理していきます。
よく「すべての人にとってやさしい設計」と言われますが、その中身は意外と“あいまい”です。
たとえば、国連や提唱者の定義では、「年齢・性別・国籍・障がいの有無などにかかわらず、誰にとっても使いやすくわかりやすい設計」とされています。
つまり、誰かに“合わせる”のではなく、誰も“排除しない”という発想です。
これは設計思想として非常に前向きな一方で、実際に企業の開発・デザイン現場においては、「どこまで対応すれば“ユニバーサル”なのか?」「どこを優先すべきなのか?」という悩みにつながりやすい部分でもあります。
ユニバーサルデザインという考え方を深く理解するうえで、避けて通れないのが、似た言葉との違いと関係性です。
似た言葉として、「バリアフリー」「アクセシビリティ」「インクルーシブデザイン」などが挙げられます。
これらは、微妙に違う定義があるのですが、どれも共通して“誰もが使いやすい・アクセスしやすい社会”を目指す点では一致しています。
ただし、出発点やアプローチが異なるため、違いをしっかり理解しておくことで、より適切な設計や調査が可能になります。
かんたんにそれらをまとめた図が下図です。

これらの言葉の違いを整理したうえでお伝えしたいのは、ユニバーサルデザインの実現には、こうした複数の視点を統合することが必要だということです。
この章では、私たちの生活の中にあるユニバーサルデザインの例をいくつかご紹介します。

代表的な例としては多目的トイレ、自動ドアが挙げられます。ほかには、ピクトグラム※での案内表示やお札の色・サイズ・触覚マークなどもあります。誰でも必要な情報がすぐに理解できるようにデザインされています。
※ ピクトグラムとは、絵や図を用いて、言葉を使わずに情報を伝える記号のことです。
また、最近ではパッケージや家電製品にもユニバーサルデザインの工夫が増えています。よく知られているものでは、缶ビールなどのアルコール飲料の缶の蓋に、点字で「おさけ」と表示されており、視覚障害のある人がアルコール飲料と清涼飲料水を区別できるようになっています。
照明スイッチも、最近ではどちら側を押しても切り替わるシーソー型のものや、手のひらで押すことができるくらい大きいサイズのものが主流になっています。指先を動かすことが得意でない人や、両手がふさがっていても肩やひじなどで押すこともできるような誰でも扱いやすいデザインが施されています。
あとは、食品パッケージなどで「どこからでも開けられます」の表記をよく見ると思います。誰でも道具を使わずに手で簡単に開封できるというユニバーサルデザインを考慮した技術です。
そのほかには、ワンプッシュボトル型の洗剤なども最近増えていますが、視覚や握力などに不自由がある方でも簡単に使えるよう設計されています。
ユニバーサルデザインフォントの例も載せていますが、小さくても文字が潰れにくく、離れた場所からでも認識しやすいといった「読みやすく」「読み間違えにくい」工夫がされたフォントです。
こうして見てみると、ユニバーサルデザインは特別な場所や場面だけでなく、身の回りのあらゆるところに溶け込んでいる“身近な工夫”であることがわかりますよね。
当社もユニバーサルデザインに取り組んでおりますので実例としてご紹介します。
当社では、誰にとっても使いやすいアンケート画面を目指し、この画面設計においてさまざまなユニバーサル対応を行っています。

たとえば、高コントラストカラーの採用や、文字サイズや色の自由な調整が可能なレイアウト、さらにユーザー補助機能との連携により、視覚に制約のある方にも配慮しています。
また、多言語対応として、言語選択の仕組みや翻訳によって、国内外問わず、より多くの人に届く設計が可能です。
端末の多様性にも対応しており、PCやスマートフォン、タブレットはもちろん、フィーチャーフォンや一部の携帯ゲーム機からもアクセスできます。
操作面では、わかりやすく、迷いにくいシンプルな画面設計や、途中保存機能、FAQやヘルプへの導線など、ユーザーのストレスを最小限に抑える工夫を行っています。
さらに、以前の回答内容を再利用できる入力の簡易化や、キーボードのみでも操作可能なバリアフリー対応など、あらゆる人に配慮した設計を実現しています。
このように、ユニバーサルデザインは特別なものではなく、「誰もが自然に使える」ことを前提にした設計として、実際のサービスにも着実に組み込まれてきているのです。
この章では、ユニバーサルデザインが「なぜ今、より強く求められているのか?」という背景について、もう少し踏み込んで紹介していきます。
ユニバーサルデザインは、かつては「やさしさ」や「思いやり」の象徴として語られることが多かった設計思想でした。しかし、私たちが直面している問題は、もはや”善意や理念” ではなく、”現実的な要請”へと形を変えています。

まず1つは、社会そのものの変化です。
高齢化の進行、訪日外国人や在住外国人の増加、LGBTQ+の可視化、そして発達障がいを含む認知・感覚面での多様性…、いまや「一部の人のための配慮」では済まなくなっています。
誰がユーザーになるかは、もはや想定不可能な時代なのです。
よく“配慮が大事”とは言いますが、実際に調査の現場では、たとえば“文字が小さくて読めない”とか、“似た色同士の区別がつかない”といった“不便”の声がよく出てきます。特にパッケージ調査やアプリのUI評価では、開けづらい・操作しにくいといった“ちょっとしたストレス”が、商品選択の決め手になるケースも多いです。
こういった『ちょっとした不便』が購買に影響するからこそ “誰にでも使いやすい”という設計視点が、社会貢献だけでなくビジネス成果にも直結するようになってきています。
そしてもう一つが、制度・行政面の変化です。
最近では、自治体や省庁が提供する補助金・認証制度の中で、「多様性への配慮がされているか?」「アクセシビリティが確保されているか?」といった観点が、要件として明文化されるケースが増えてきています。
たとえば、
こうした変化を受け、民間企業でも「やったほうがいいこと」から「やらないと進めないこと」へと変わりつつあるのが、現在の状況です。
では、そんなユニバーサルデザインを実際に“設計・実装する”となると、どのように実現すればいいのでしょうか?
まず思い浮かぶのは、パッケージの見直しやアプリのUI設計ではないでしょうか?
ですが、ここで見落としてはならない点があります。
それは『自分にはこれが使いやすい』と思ったことが、他の人にも同じとは限らないということです。
パッケージの見直しの観点
たとえば、パッケージの改善に取り組む場合は、次のような配慮が検討されます。
| 色覚多様性への配慮 | 色だけで区別せず、コントラストや形で判別可能にすること |
|---|---|
| 文字設計の工夫 | 高齢者や視覚に課題のある方にも読みやすいフォント・サイズにすること |
| ピクトグラムや記号の活用 | 言語に依存しないわかりやすさであること |
| 触覚的な違い | 凹凸や形状の違いで、視覚に頼らず識別できるようにすること |
例えば私たちの調査では、ボトルの手触りやふたの硬さといった細部が、「わかりやすさ」「開けやすさ」に大きく影響するという声も多く寄せられています。
UI(アプリ・Web)の見直しの観点
また、アプリやWebサイトの設計では、次のような点がカギになります。
| 音声読み上げへの対応 | 視覚障がい者の方が操作可能かどうか |
|---|---|
| スクリーンリーダーやキーボード操作の配慮 | マウスに頼らない操作性があるかどうか |
| 情報設計のシンプル化 | 高齢者や認知特性のある方にもわかりやすいかどうか |
たとえば「ボタンのラベルが曖昧」「説明が長すぎる」など、我々には気づきにくい“小さな使いづらさ”が積み重なると、結果的に「離脱」や「誤操作」につながることもあります。
ユニバーサルデザインは、「誰にでもやさしい」ことが理想だとよく言われます。
しかし、ここにひとつ、大きな落とし穴が潜んでいます。

たとえば、設計者や企画者が「このくらいの大きさなら見えるだろう」や、「音声案内をつけているから大丈夫」と判断しているとしたら、それは「“誰にとって”のやさしい設計でしょうか?」
「なんとなく見やすそう」「きっとこれなら伝わるはず」
――たしかに、設計の現場では、こうした感覚に頼らざるを得ないシーンも多いと思います。
ですが、それが属人的な「なんとなく」のままだと、実際のユーザーが困っていても気づくことができません。
「見えていない不便」は、意識しないと見えない
ユニバーサルデザインの難しさは、“不便さは可視化されていない”という点にもあります。
たとえば、「見えづらい」「理解しにくい」「押し間違えた」といった体験は、アンケートの自由記述にすら出てこないことも多く、表面化しにくいものです。
しかし、裏を返せば──“不便さが見えていないだけで、存在していないわけではない”ということなんです。
アンケートやインタビューで調査したもの、本当に知りたいことがうまく引き出せなかったという経験がある方もいらっしゃるかと思います。
企画内容やアンケート項目、インタビューフローを作りこむと『これまでになかった新しい意見』を求めてしまいがちな一方で、結果としては、これまでの調査でも出ていた意見しか出なかったということあるでしょう。
そのため、上手く引き出す設問設計や、モデレーションのスキルが大事ということはもちろんありますが、それを考える上で『大事な視点』もあります。
では、何が重要か? フェーズ→リサーチの有効性までつなげる
ユニバーサルデザインを考えるとき、多くの方が“高齢者向けに”“障がい者に配慮して”といった視点で始めがちです。
でも実はそれだけでは足りません。
本当に必要なのは、“その人がどんな状態・場面・感覚で使っているのか”を想像すること。
「属性」ではなく、「体験」に目を向けることです。
「高齢者」「視覚障がい者」といった“属性のラベル”だけで判断してしまうと、その人が実際にどんな状態で、どんな環境で、どんな行動をしているのか――“体験の個別性”が見えなくなってしまうということに陥ります。
たとえば、「片手がふさがっている状態」を想像してみましょう。けっして身体的な障がいがなくても誰にでも起こる状況ですよね。
そうした日常の「不自由」な瞬間こそが、ユニバーサルデザインの出発点になることもあります。
とはいえ、想像には、イメージするのには限界があります。
実際に“声を聞く”、“使ってもらう”こと。つまり「当事者の声」や「実際の使用状況」を、調査で明らかにすることをしなければ、本当にやさしい設計にはたどり着けません。
では、ユニバーサルデザインを実現していくために、実際にどのようなアプローチが有効なのか、順を追って見ていきましょう。

まず一つ目は、「感じている不便」や「困った経験」を知ることです。
これは設計の出発点になる、“気づき”を得るためのプロセスとなり、アンケートやインタビューによって生活者が「どんな場面でどんな不便を感じているのか」、主観的な声を拾い上げていきます。
たとえば、「小さい文字が読みづらい」や「案内音声が聞き取りにくい」といった声を拾っていきます。
続いて二つ目は、実際の使い方を観察することです。
ユーザビリティテストやエスノグラフィ調査で、「どこで手が止まるのか」「意図通りに操作できているか」など、リアルな動作や迷いの様子を見ていきます。
「正しく使えているように見えても、じつは途中で迷っていた」――そんなことも、観察を通じて初めてわかることがあります。
そして三つ目。当事者から直接フィードバックを得ることです。
たとえば、高齢者や視覚障がい者の方から、「手が濡れていると操作しづらい」「開けたと思っていたら開いていなかった」というような、設計者が想定していない“つまずき”を教えてもらえることがあります。
このように、「①主観を聞く → ②実際を観察する → ③当事者の声を聞く」という3段階を踏むことで、“なんとなくやさしい”という感覚から、誰にとっても本当に使いやすいかどうかを検証できるようになります。つまり、調査は「たぶんこうだろう」ではなく、「確かにそうだった」と言える設計づくりを支える手段の一つとなります。
ここまで、ユニバーサルデザインの考え方や当事者の声の重要性などについて紹介してきました。
ここからは調査会社の目線で、ユニバーサルデザインの実装に対して実際に使える調査手法について具体的にご紹介していきます。
まずは「当事者の声に基づいて設計を見直す」ために、一般消費者の中には少ない属性の対象者もしっかりと呼び集る調査手法として、障害者モニター調査や在日外国人モニター調査などがあります。
障がい者モニター調査
この調査は、視覚障がいの方をはじめ、聴覚・肢体・知的障がいのある方など、対象ごとに使いやすさ・理解のしやすさを検証するといったことに活用される調査です。
一般的には、障がい者モニターは全国でもそもそも数が少ないため、消費者パネルをメインとする調査会社では募集が難航するケースが多くあります。
しかし、当社では、他社にはない特殊な募集方法を構築しているため、普段webモニターに登録ができない視覚障がい者やその他の障がいをお持ちの方もリクルート実績があり、障がいの特徴を考慮した実査のアドバイスも行っております。
在日外国人モニター調査
続いて、在日外国人モニター調査は、在日外国人(外国人観光客/在住者)を対象とした調査です。この調査では、高額になりがちな海外調査の事前調査や、多言語・異文化の文脈でパッケージや広告が伝わっているかを聴取するといったことに活用されます。
当社では、『エリア/国籍』『日本滞在年数』『日本語/英語レベル』などの事前情報をもとに希少なモニターのリクルートが可能です。
次に、商品棚での視認性、選択理由、わかりやすさなどを測定するといったパッケージ調査について紹介します。
会場調査(CLT:Central Location Test)
パッケージデザインにおけるマーケティングリサーチの定番はCLT(Central Location Test)と呼ばれる会場調査です。絶対評価と相対評価を行うアンケート調査の一種です。
実際に、実物やモックアップを参加者の手に取ってもらい、その場で定量調査を実施することで一度に多くのフィードバックを得ることができます。さらに消費財に関しては、模擬店舗を設置し、競合の商品と一緒に並べ、より市場に近い状況で評価をすることも可能です。
事前の調査対象者の導線確認や当日のディレクションが重要な手法となり、弊社では自社会場で専任チームがしっかりと対応しております。
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アスマークでは、会場調査(CLT)サービスを提供しております。試飲や飲食、CPテスト(コンセプト/パフォーマンステスト)、ユーザビリティテスト、CM評価など多様なニーズに対応、企画設計から報告書までのトータルサポートでご好評いただいております!
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WEBシェルフ
スーパーやコンビニなどの商品陳列棚をWeb上で再現し、競合商品と陳列された際のパッケージの印象や購入意向などをWebアンケートで聴取することができる調査です。
Webアンケートで実施できるため、現場では実現が難しい大規模サンプルでの実施も可能です。商品を手に取るように選択した商品画像を拡大したり、価格や商品説明を添えたりすることもできるため、できる限り実際の購入時に近い形で視覚的な回答が得られます。
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D-Planner
NeuroAI@D-Plannerを活用したパッケージ評価は、人がクリエイティブを見た際の脳活動(反応)を予測し、定量的に多角的な予測ができるソリューションです。
パッケージに対する好感度やコンセプト伝達度、印象度、クリック率等を予測しアウトプットすることができ、最短で即日解析もできるので、すぐに良し悪しの判断をつけられます。
活用事例として、「パッケージの形状・カラー・配置の組合せで、最適なものを知りたい・・・」というケースについてご紹介します。
パッケージデザイン開発において、大枠の方向性は決まっていても、どのパターンで行けばよいか悩むケースも少なくないと思います。その場合、パーツの配置や形状、デザインカラーの組み合わせパターンを複数用意し検証をするといった使い方もできます。
調査にかける時間も費用もなく、社内関係者だけで根拠に乏しいまま決定していることもあるかもしれませんが、この意思決定プロセスに科学的根拠を持たせると、納得感を生むことができます。

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アスマークでは、「D-Planner」脳情報を使ったクリエイティブ評価のサービスを提供しており、定量的に多角的な予測ができるソリューションとなります。D-Plannerは、NTTデータ社のNeuroAIの技術を活用したクリエイティブ評価分析ツールとなります。
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最後にご紹介するのはユーザビリティテストです。
ユーザビリティテスト
実際に商材を使ってもらい、詰まり・理解不足・誤操作などを可視化することができる手法です。
マジックミラー越しにユーザーの生の行動を観察したり、手元カメラや画面キャプチャなどを組み合わせた合成映像で見学したりするなどが可能です。また、リモートでの観察も可能です。
当社ではユーザビリティテスト専門モデレーターのアサインも可能で、設備の整ったテストラボの手配や、検証したい仮説に沿ったデザインモックアップ準備のお手伝いも対応が可能です。
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アスマークでは、アプリ・WEBサイトのユーザビリティテストのサービスを提供しております。このテストは、主にWebサイト、アプリ、システムについて、実際にターゲットユーザーに開発中のプロトタイプを使ってもらい、「どの程度使いやすいか/使いにくいか」といった課題を発見するテストです。
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ここまで様々な手法をご紹介してきましたが、調査の目的や対象者によって、適切な手法を選ぶことが重要なポイントとなります。
この章では、実際に私たちが支援させていただいた「ユニバーサルデザインに関連した調査事例」をご紹介します。
まずは、障害者モニター調査の例です。
ユニバーサルデザインの実現に欠かせないのが、“当事者のリアルな体験”を起点とした設計です。当社は、障がい者リクルートの体制と運用実績を活かし、実践的なインサイト収集を支援しています。
「首都圏の鉄道利用」に関するインタビュー

こちらの調査では、視覚障がいや、聴覚障がいのある方を対象に、グループインタビュー形式で実施しました。
「券売機が使いづらい」「駅構内のアナウンスが聞き取れない」といった日常の中の“見えにくい不便”を、具体的なエピソードとともに引き出すことで、実際の移動設計や案内表示への改善示唆を得ることができました。
特に、聴覚障がいの方のインタビューでは、発言をリアルタイムで文字に変換する“要約筆記支援”を導入しました。
要約筆記支援とは、単なる文字起こしではなく、話の流れを把握しながら即時に要点を視覚情報で補完する仕組みを整えることで、参加者の理解と発言機会の公平性を確保しています。
このような、障がいの種類や特性に応じた調査設計・運営の工夫は、「配慮」ではなく「調査精度を高める工夫」として、非常に重要な意味を持ちます。
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地域に根ざしたリハビリテーションに関するアンケート調査

こちらは、障がい者を対象にしたアンケート調査の事例です。
障がい当事者に向けたアンケートは、パネルの登録属性が限定的なため、回収が難しいケースも多くあります。そのため当社では、複数の提携パネル併用し、目標数に達するまでの進捗管理・配信設計を担いました。
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続いて、パッケージ調査です。

こちらは会場調査(CLT)で、高齢者の方に向けた健康食品パッケージデザインの評価になります。
高齢者を主対象としたパッケージは、「購買に直結する視認性・理解性・信頼性」をどう担保するかが、設計上の鍵となります。
この調査では、高齢者が“店頭で手に取る瞬間”を想定した評価設計を行い、パッケージデザインの改善に向けた具体的なフィードバックを収集しました。
調査内容は以下となり、
実施内容としては、参加者に複数案の実物パッケージ(モック)を提示し、実際に「手に取って見る」体験を通じて評価してもらいました。単なるビジュアル評価ではなく、「読む・持つ・選ぶ」といった一連の購買行動を再現する環境を整備することで、より実態に近いインサイトを収集しています。
また、事後にはデザイン変更前後での購買意欲スコアを比較し、どの要素が行動に最も影響を与えたかを分析し、デザイン別の購買促進要因と阻害要因を可視化することで、クライアントの改良施策に直結する実務的な示唆を導き出しました。
その他に得られた主な示唆が下記です。
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最後に、ユーザビリティテストです。
こちらの空気清浄機の実態評価から得られた改善示唆の調査になります。

近年、製品選定時の決め手として「使いやすさ(ユーザビリティ)」が重要視される傾向が強まっています。特に、空気清浄機のような生活密着型家電では、スペックだけでなく、「実際にどう使われるか/使われているか」を起点にした評価が不可欠です。
この調査では、ユーザビリティテスト(行動観察+インタビュー)を通じて、生活者のリアルな使用シーンから製品の強みと課題を可視化しました。
実施内容としては、実際に自宅で使用している空気清浄機の利用シーンを再現した空間を設定し、参加者に普段の使い方を再現してもらう形で実施しました。その様子を観察したうえで、行動中に感じた“ちょっとした迷いや違和感”をその場でヒアリングをしました。
また、同カテゴリの競合製品も併置し、「比較して初めて気づく違和感」や「使い慣れた製品のクセ」にも着目しました。主観的な評価と客観的な行動の両面から、製品改善に必要な視点を抽出しました。
この調査を実施したことで、静音性やフィルター交換のしやすさに対しては多くの高評価が集まり、現行製品の強みとして明確に位置づけされました。
一方で、サイズが大きく生活空間に合わない/風量設定が直感的でないなど、日常使用に即した操作性への課題も浮上しました。
これらの結果を受けて考えらえられる施策として、製品サイズのバリエーション展開や、UIを改善した風量調整インターフェースへの設計変更です。また、「静音性」を軸とした訴求メッセージの再構成や広告戦略の刷新など、マーケティング施策でも大きな示唆を得ることができました。
アプリ・WEBサイトのユーザビリティテストのサービスの詳細はこちら
アスマークでは、アプリ・WEBサイトのユーザビリティテストのサービスを提供しております。このテストは、主にWebサイト、アプリ、システムについて、実際にターゲットユーザーに開発中のプロトタイプを使ってもらい、「どの程度使いやすいか/使いにくいか」といった課題を発見するテストです。
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本記事の内容をカンタンにまとめると以下になります。
ユニバーサルデザインは、「一部の人のため」だけではなく、“誰にとっても使いやすい社会”を目指すうえで大切な“設計の考え方”です。単なる仕様や機能の話ではなく、“どんな人が、どんな場面で使うか”を考える姿勢そのものです。
しかし、「誰にでも」という言葉は万能ではありません。
そこには、見落とされる“しづらさ”や、気づかれない小さなバリアが潜んでいるかもしれません。だからこそ、生活者のリアルな体験に触れることが欠かせません。
また、頭の中で“良かれ”と思ってつくったものでも、現場での使われ方や感じ方は、想像とは違うこともあります。そのギャップに気づくために、調査という手段があります。
この記事を参考に、ユニバーサルデザインを、本当の意味で“使えるもの”として形にしていくために、生活者の声を起点とした設計のあり方を探っていきましょう。
パッケージ調査とは?調査の基礎からアウトプット例、見積りまで解説
パッケージは、消費者が商品を手に取る最初の接点であり、売上に大きく影響を与える重要な要素です。実際、パッケージを変更したことで売上が大きく変動した事例もあり、上市前に試作品を用いた慎重な検証が欠かせません。
パッケージ調査の基本的なことからアウトプット例、見積もりの目安までを網羅的に解説しています。
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パッケージ評価の調査票作成のポイント【テンプレート付】
パッケージ評価の一般的な質問項目とその設問の意図について解説しています。設問の意図を理解した上で調査票をアレンジし、御社にマッチした調査票でパッケージ評価を実施できます。
下記に当てはまる方にお薦めの資料です。
● 「パッケージ評価」の一般的な質問項目を知りたい
● 「パッケージ評価」の質問の意図を理解してアレンジしたい
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パッケージテストの調査手法と選び方~メリット・デメリットから最適解を考える~
パッケージテストとは、製品のパッケージデザインが消費者にどの程度受け入れられるかを、発売前に市場調査する手法です。ターゲット層にいくつかのパッケージのモックアップや実物を提示し、受容性や中身との合致度などの各評価結果が得られます。
パッケージテストのメリット・デメリット、実施する際のポイントや調査方法について、セミナー形式にて紹介いたします。
下記に当てはまる方にお薦めの動画です。
● 魅力を最大限引き出したパッケージ開発をしたい
● コンセプトやデザインが合致しているか心配
● 製品の認知度向上や新規ユーザーの拡充を図りたい
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パッケージ調査・パッケージテスト:デザイン評価の手法と選び方
製品のパッケージデザインが消費者にどの程度受け入れられるかを発売前に市場調査する手法がパッケージテストです。
ターゲット層にいくつかのパッケージのモックアップや実物を呈示し「このデザインの商品を買いたいと思うか?」「最も買いたいと思うデザインは?」「デザインからどんな商品イメージをするか?」などを調査します。
そこで本記事では、パッケージテストのメリット・デメリット、実施する際のポイント、調査方法について解説していきます。
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