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はじめに 近年、多くの企業が海外市場への参入を検討する中、特に日本の家電製品は、信頼性や機能性の高さで海外市場でも評価を獲得しています。 しかし、国外の若い……
公開日:2025.07.31
コロナ禍が明け、生活スタイルにも変化が見られ、外食や外飲みの機会が増加しています。
こうした中、アスマークでは、週末を中心にお酒を楽しむ単身世帯の男性に対してインタビュー調査を実施しました。
本コラムでは、その発言内容をもとに、アルコール飲料に対する意識や好みの変化を整理し、アルコール飲料に関する商品開発や販促設計に役立つヒントを慎重に読み解き解説します。
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インタビューに応じていただいた男性は、基本的に週末(金・土が中心)に飲酒し、ビールを主軸にしながらも、気分やタイミングに応じて日本酒、サワー、ハイボールなどを組み合わせるのだと言います。例えば、ビールでは食前やおつまみと一緒に飲んだりしていて、食事中は日本酒やサワー、ハイボールを飲んでいるということでした。ビールの中でも、普段は「キリン一番搾り」を選びつつ、頑張った日だったり特別な日だと感じるときはプレミアムモルツやクラフトビールなど“ご褒美”要素のある銘柄を選ぶ傾向があるようです。

この発言から、この男性は週末の飲酒が「日常の癒し」と「自分への報酬」としての機能を担っている可能性がうかがえます。また、用途によってお酒を切り替える行動は、製品ラインナップの明確な位置づけ(=定番/特別感)に対するニーズを示唆しているかもしれません。
ワインは「特別な日や外食時に飲むもの」として位置づけており、自宅ではあまり登場しないと言います。また、ノンアルコール飲料に対しては「味に不満はないが物足りなさを感じる」や「ほろ酔い感覚がない」というところで、お酒の方が良いと思っているということでした。
この男性の中で、自宅で飲む飲み物、外で飲む飲み物という枠組みが、無意識にあるかもしれませんね。
実際、「自宅ではこういった飲み物をよく飲むけど、外だとこんな飲み物を頼むな」といったご経験ある方、多いのではないでしょうか。
こういった日常生活に何気なく溶け込んだ、無意識的な区分はマーケティングにおいて、また商品開発においてヒントになります。例えば、マーケティングにおいて、この仮説のもと、自宅で飲みがちな飲み物と外で飲みがちな飲み物をアンケートで明らかにし、それに応じた訴求内容を検討するなどができます。
昔は「キレ」や「炭酸強め」といったお酒が好きだったようなのですが、年齢を重ねていくうちに自分好みの味が変わってきたそうです。ここ数年は「麦の味わい」や「ほど良いのどごし感」といった部分が好みで、キリンの一番搾り派になってきたともお話していました。
また、日本酒でも”辛口”より”まろやかな口当たり”のものを飲むようになってきたり、お酒全般的にアルコール度数が高めのものは買い控えるようになってきたりしてきた、とのことでした。
味の好みが変わって来たきっかけとして、あまり意識していることではないですが、年齢を重ねると、ちょっと塩気を抑えたり、体を気遣ったりする面があるので、食事やおつまみもちょっとずつ変わり、好みの味も変わったのかなと、振り返ってみると思うそうです。
このような好みの味の変化と年齢のエピソードは、「年齢の変化に伴う健康意識や食生活の変化と連動しているかもしれない」という仮説を得られます。
もし、仮説を出発点にするならば、アルコール飲料の商品設計において、「”おいしさ”はベースとして、『飲みやすさ』『身体への負担感の少なさ』を訴求する商品も一定の指示を得られるのではないか」という発展した仮説を得られ、その調査をすることで、その商品開発の成否を検討することができます。
この男性は、「お酒に限った話ではないが、新しいものを一度試してみる」というスタンスを持っており、キリンの新商品も試した上で評価をする、とお話していました。
また、前述もしましたが、アルコール度数の高いものは買い控えるようになったとのことなので、「新しいものを一度試してみる」というスタンスでも買わないジャンルが存在していそうです。
アルコール度数のお話では、次の日の影響を考える発言がありましたので、そういった話、お酒を飲む方はわかるのではないかな、と考えます。
そして、すでにいろんなアルコール度数のお酒は並んでいますが、年齢が上がるにつれアルコール度数を低いお酒を飲む方が多いというヒントがあれば、「そういった方向けに特化したパッケージや訴求する」といった仮説が新たに立てられます。
あったら良いなと思うのは、「少量サイズでの展開」だそうです。すでにあるものもあったりしますが、旅行行った先のお土産で、少量サイズのお酒が売っているなら「買ってみたいな」「もらったら嬉しいな」と、思うそうです。
あと、少量サイズで言うと、クラフトビールの少量での「6本セット」みたいのがあれば、試し飲みの視野に入りそうで、「6本で1,000円台であれば気兼ねなく買いやすいかな」と思うそうです。
この男性のように「試してから判断したい」という方には、こういった「6本セット」やそうですね、「飲み比べセット」のようなものは喜ばれるかもしれません。
また、「もらったら嬉しい」というのもヒントだと考えます。友人やお祝い事、お土産などでお渡しできるようなセットであれば、それ自体の売上や、受け取った方のリピート、それらの口コミでの拡散、とポジティブに考えたら、という話にはなりますが、イメージが可能です。そういった需要があるかは、実際に調査する必要があります。
今回のインタビューを通して見えてきたのは、この男性の中で、「お酒を飲む行為」が単なる習慣ではなく、その方の価値観や生活設計と結びついた“選択”なのかな、というものです。
気分やシーンに応じて銘柄や種類を切り替え、年齢とともに変化する身体感覚や味覚に合わせて選び方を柔軟に調整していました。
得られたヒントは下図の通りです。

こうした選択や判断の背景には、「自分に合ったものを心地よく飲みたい」という素朴ながらも一貫した意識があるように見受けられます。この方にとって、アルコール飲料は単なる嗜好品ではなく、生活の一場面を彩る“時間の設計”に関わる選択とも言えるのではないでしょうか。
商品が提供するのは、味そのものだけではなく、その人が過ごしたいと願う時間、心身の状態、誰かとの関係性といった“体験の質”でもあります。
そして、こういった方々にとって、企業に求められるのは、「何をつくるか」以上に、「その商品が、どんな時間をつくれるか」を見据えた視点かもしれません。選ばれる理由を探ることは、そのまま“選ばれ続ける関係性”を築く第一歩とも言えそうです。
好みのアルコール、年齢と共に変化?「理想のアルコール飲料」を調査
コロナ禍が明けたことにより、飲食の形態も家のみにとどまらず外出先での外食や外飲みも顕著になってきました。
今回はi-PORT voiceを活用して、主に週末などにおいてシーンに合わせてお酒を嗜んでいる単身世帯の男性にインタビューを実施。普段よく飲むお酒の種類やお酒を嗜むタイミング、お酒の好みの変化などを中心に調査しました。
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