
2025.01.10
広告は見ない?アメリカ人Z世代が選ぶ日本製家電の魅力と改善点
はじめに 近年、多くの企業が海外市場への参入を検討する中、特に日本の家電製品は、信頼性や機能性の高さで海外市場でも評価を獲得しています。 しかし、国外の若い……
公開日:2025.10.10
お金にまつわる価値観や行動は、人それぞれ異なります。収入や貯蓄への意識、支払い方法、さらには将来に対する不安まで――その背景には個人の生活環境や経験が大きく影響しています。
また、Z世代と呼ばれる若者たちは、生まれるときからデジタル環境が当たり前に存在し、スマホやSNSを通じて情報を得て行動に移すことに慣れており、他の世代と比べてやや異なる行動をとる可能性があります。
そこで今回その実態を調査するべく、Z世代の千葉県在住女性に、収入や貯蓄、お金に関する秘密(隠し事)などについてインタビューをしました。
インタビューをした方の簡単なプロフィールは下表となります。
| 性別 | 女性 |
|---|---|
| お住まい | 千葉県 |
| ご家族 | 一人暮らし |
| お仕事 | 鉄道関係の乗務員 |
| ご趣味 | 舞台俳優の推し活 |
この記事では、彼女のお金に関する発言を整理し、センシティブなインタビューを実施してみたい方や若者のインサイトについて理解を深めたい方へ、役立つヒントを慎重に読み解き紹介します。
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お金の使い方や考え方についてインタビューをしていきました。

まず、伺ったのは“クレジットカード”についてです。
直球で普段使っているかどうか尋ねたところ、普段使っているとのことで、そこから深掘りをしていくと、メインで使用しているのは楽天カードで、支払い方法は基本的に一括払いで、たまに分割払いを使うことがわかりました。
また、契約をしているパーソナルジムでは、2回払いまでなら分割の手数料が発生しないということで、金額も少し大きいと思う部分もあり、2回払いにしているということでした。加えて、脱毛の契約といった何10万円という大きい金額の場合も分割にした経験があるそうです。
彼女の気持ちとしては、分割払いは「あんまり使わないようには心掛けてますね」と言います。
続いて、センシティブな収入や貯蓄という話についてインタビューをしていきました。
収入や貯蓄と言う部分での“不満”についてざっくばらんに伺ってみると、収入について『正直ちょっと満足していない』ということで、「あとどれくらい必要か?」深掘りしてみると、「例えば、手取りが20(万)とかだったら、もうプラス20(万)欲しいかなっていうような、本当に正直ですね」と言います。
また、インタビュアーの方から“収入を増やすという側面”で、
といったものあることをお伝えしつつ、この辺りを尋ねてみると、「PayPayとか楽天ペイの(ような)電子決済はかなり使ってますね、それこそたぶん、今のインタビューみたいな、いわゆるポイ活は、そうですね、それも含めるとやってるうちに入りますね」とのこと。
また、「Instagramでなんか『ポイ活をうまくやってます』みたいな人をフォローすると、その人がいろいろ教えてくれて、『今日がその楽天ポイント何倍の日だよ』っていうのを結構教えてくれるので、それはチェック…、すぐ必要なものはそれこそ待てないんですけど、『これはたぶんすぐ買わなくても良いな』っていのは、セールの『いつ始まる』っていうのを見たりして、そこで買うようにしていますね」という話も伺えました。
また、貯蓄という部分だと、“不満”というより“悩み”があるようでした。
具体的には、現状の収入の中でも少額で貯蓄をしている一方で、「例えば、普通に銀行に預けるだけだと、いわゆる利息?利率?っていうのってなかなかないので、このままただ貯め続けてもプラスにはならないから、何かしらの方法でプラスにはしたいなっていうところは、悩んでるけど、あんまり手がつけられてない」とのこと。加えて、「あんまり手がつけられてていない」という部分で、「本当にこのやり方で良いのかっていうのと、正直、もっとその利益のある、もっと増えるようにしたいなっていうのは、正直ですね」とも。
そして、実際にやっていることだと、社員定期預金や社員持株、つみたてNISA(積立NISA)が挙がりました。この中の“社員持株”や“つみたてNISA”をやるきっかけについて話を伺ってみると、「3~4年前に横浜に住んでて、そこからちょっと会社の中の異動のからみで千葉に来たんですけど、そのタイミングでちょっと引っ越しで大きい金額がかなり出たので、その時に、『あ、やっぱ蓄えとかある程度必要だな』っていうのは正直思ったところですね。たぶんそれが結構きっかけだったかなと思います」という部分と、「その引っ越しになる前ぐらいで、ちょうどたぶんコロナが出てきたときに、ちょっと会社が会社なので、思いっきりボーナスがいわゆる下がっちゃったので、それも踏まえてたぶん収入がかなり減っちゃったっていうのもあってたぶんそこも、その収入が減ったかつ、大きな金額が動いたっていうのとダブルですかね」とのことでした。
今度は、貯蓄のペースについて尋ねると、「正直十分なペースではないと思いますね」と言い、「つみたてNISAがたぶん満額で1年で40万とか?なんで、月で割るとひと月でなんか、3万3千円とかでやれるのが一番ベスト…なんですけど、満額でできてなくて、月1万円ぐらいしか入れてないので、それ満額できるのは正直、最低ラインの目標かなっていう感じですね」と話します。
また、この目標は約3倍くらいの目標となりますが、この目標のために何か計画してることや「今後本当はこうしうこともしないな」といったことについて深掘りをしていくと、「収入を増やすところが一番たぶん手っ取り早いというか、すぐ思いつくところなんですけど、正直できてはない…ので、考えも正直、『増やしたいな』で実際何もできてないっていうのは正直なところですかね」とのことでした。
そして、貯蓄を増やすために支出を削減や節約といったことも考えられると思いますが、こういったことをしているか尋ねると、「自炊を増やして、それこそ食費をちょっと浮かせたりとかはしてるんですけど、あんまり正直削減っていう部分はできてないかもしれないですね」と話します。
この章で「そういったことがあるんだ!」と、気づきが得られた部分あったでしょうか?
個人的には、Instagramで『ポイ活をやってます』みたいな人をフォローしている話や、投資のきっかけとして「収入減+支出大」というネガティブ系なイベントの話、つみたてNISAベースですがひと月3万3千円まで投資額を増やしたい、といった話が興味深かったです。
これの情報を踏まえると、彼女に対して、いわゆるインスタグラマーによるPRで情報が届く可能性がありそうですね。
また、投資に関しては興味がありそうなので、不信感が払しょくしきれなかったり、そもそも腰が重たかったりなどネガティブな要因は多々あるかもしれませんが、そういったものを軽減していくことを前提としつつ、引っ越しイベントなどがあったときにサービス紹介の打診をしてみても良いかもしれません。当然、その時点ではお金がなく、具体的なアクションにつながらないかもしれませんが、「こういうサービスがあるんだ」と知ってもらうことができます。そうすると、将来アクションするときの想起するリストに含まれる可能性があるのではないか、と考えます。
「30代、40代、ライフステージが変わったりとか、していくってなったときに、何か今抱えてる課題とか、不安とかあったりされますか?」と尋ねると、「自分が例えば今の年齢で、他の人と比べたときに、『この貯蓄額で良いのか?』っていうところは正直わからないですし、人それぞれって言ってしまえばそこまでなんですけど、ただ『この貯蓄額で良いですよ』って正直誰かから行って欲しいかな、というのがありますね」とのこと。加えて、老後に関する不安について尋ねると、「今のたぶん住まいだったり、あとは両親のこれからたぶん介護とか、自分が大きな病気をしたりとかっていうのは、正直、全くないとは言い切れないので、そういう部分でも不安はありますね」と言います。
ちなみに、貯蓄について気になる場合は、中央値を調べてみると良いかもしれません。
例えば、ソニー生命保険のdot L THE MEDIAの記事から、
といったことがわかり、やや参考になる部分はあるのではないか、と思います。
参考元:貯蓄の平均値・中央値はいくら?ライフイベントや月毎に貯めたい金額も紹介
また、興味深いのは「『この貯蓄額で良いですよ』って正直誰かから行って欲しい」という想いでしょう。
すでに近しいサービスがあるかもしれませんが、ここからサービスのアイディアを創造するのであれば、たとえば、「貯蓄額の目標をユーザーが設定して、コーチみたいなキャラクターが応援してくれたりするサービス」などが思いつくことができます。
注意しなくてはいけないのは、あくまでイチ定性データからのものとなるため、デスクリサーチ(公開データを収集・整理して行う市場調査のこと)やアンケートなどの定量調査、より踏み込んだインタビュー調査なのが必要でしょう。
お金の価値観は人によって異なる…といったことを前置きしつつ、何か意見が違った経験について伺っていきました。すると、ご友人間でのエピソードを話してくれました。
「例えば、『旅行しました』っていうときに、その目的地までの距離をタクシーで行くか?徒歩で行くか?みたいな、ところはなんかちょっと価値観は違うなっていうのはあったことありますね」と。そして、「確か4人で行って、4人で行けばタクシーだし、割ったらそんなに金額少ないやん、っていうことになって、たぶんタクシーに落ち着いたと思うんですけど」ということでした。
話の流れで、インタビュアーの方から「推し活にあんまり理解がない人からみると『なんでそこに使うの?』って言われたことありますか?」と質問すると、舞台を見ない人からすると『同じ舞台を何回も観る』というのは理解が及ばないんだろうなとのことでした。また、その趣味の話をした数人には、「そんなに行ってるんだ」といった反応があったことが実際にあったそうです。
言える範囲で構わないことを前置きしつつ、お金に関する秘密(隠し事)について聞いていきました。
これに関して、“舞台に行っている回数”や“買っているチケットの量”というのはあまりオープンに話をしていないので、隠したいことなのかもしれない、と…このインタビューをしている中で思ったそうです。ちなみに、1年で観に行った舞台の数でいうと60~70くらいということでした。
こういった形で、調査によって対象者自身が自分の気持ちに気づいたり、整理できたりすることがあったりします。わかりやすい部分ではグループインタビューのグループダイナミクスでしょう。グループダイナミクスは、集団における個人の相互作用や影響力関係のことを指し、これが生まれることで、参加者の活発な議論が生まれ、思わぬ意見や新しいアイディアをインタビューから得られるようになります。
逆に、インタビューの効率を上げるために、テーマによっては、事前課題に取り組んでいただくこともあります。例えば、事前に写真や動画を撮ってもらったり、日記を付けてもらったりすることで、利用実態や記憶を整理してもらうなど、工夫ができます。
最後に、今までとは打って変わって「今日3億円現金であげます(自分の好きにしてOK)って言われたら、この3億円どうしますか?」といった非現実的な質問をして、
少し考えたあとに、「家を買いますね」と慎重な声色で話、インタビュアーから「他に何かに使いますか?それとも言っていたように、貯金に回します?」と質問をすると、「家を買って、貯金に回…貯金っていうか、たぶん投資?をやってみようかってなるのと、ちょっとたぶん両親にあげようかなって」とのこと。また、同様な質問を他の方にもしたことをインタビュアーが話し、そのときに「3億円だと仕事は辞められないんですよね」といった話があったことを言うと、「わかります、わかります」と共感を彼女は得ていました。加えて、「現実的ではないですけど、100億だったら、たぶん辞めると思います」と言い「(3億だったら、)将来考えるとちょっと怖いかもしれない」と言います。
彼女のインタビューから、お金に対する行動や意識として「現実的な堅実さ」や「将来への漠然として不安」があることがわかりました。
分割払いを控えようとする姿勢や、つみたてNISAへの挑戦には前向きに感じられる一方で、実行できていない部分があったり、どの程度貯蓄した方が良いか分からないといった面では迷いのようなものも垣間見られます。
また、Instagramなどからの情報収集やポイ活の実践など、新しい習慣やツールを柔軟に取り入れている様子は、企業側にとっても情報発信やサービス設計のヒントとなるでしょう。
ここで、そういったヒントから得られたものを整理したものは以下となります。

Z世代のお金に関する声は、単なる収入や支出のデータだけでは語れない“気持ちの揺れ”や“価値観の違い”を内包しています。こうした声に耳を傾けることが、よりZ世代に寄り添ったサービスやコミュニケーション設計につながっていくと考えます。
もし、センシティブなインタビューの実施を検討している方や若者のインサイトについて調査をしたい方は、お気軽にご相談くださいませ。
最新・Z世代女性に調査「金銭感覚のリアル」
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