マーケティングリサーチQA

Q
学術研究を目的とした調査において、倫理審査の提出書類の見本や例文はありますか?
A
倫理審査時に使用される代表的な項目例と、その例文をご紹介します。

書式フォーマットは研究機関によって様々な種類があり、文章も調査内容によって異なる為、以下の例文はあくまでイメージを付けるための参考としてお役立てください。

人を対象とする研究に関する倫理審査 申請書

提出日:20●●年●月●日
申請者(研究責任者)氏名:山田 太郎
所属・職名:○○大学 △△学部 教授
連絡先(メール):●●●@example.ac.jp

1. 研究課題名
20~40代生活者におけるストレス要因と対処行動に関する調査研究

2. 研究の目的
本研究は、生活者の日常生活におけるストレスの実態と、その対処行動の傾向を明らかにすることを目的としています。調査結果は、メンタルヘルス支援策や職場の健康経営の設計に活用されることを想定しています。

3. 研究期間
20●●年●月●日 ~ 20●●年●月●●日(予定)

4. 研究対象者と選定基準
本研究では、インターネット調査会社(株式会社アスマーク)のパネルを活用し、対象条件に合致する全国の20〜40代の日本人生活者を登録情報(性別・年齢・地域等)をもとに条件抽出を行い、無作為にリクルートし、無記名式のWebアンケートを実施します。回答は各自の端末を使用し、事前説明文を読んだうえで、同意確認のチェックをもって参加とします。

5. 調査方法の概要
Webアンケート形式にて実施します。調査開始前に対象者には調査の目的・内容・参加条件を記載した説明文書を提示し、同意を得た上で調査に進んでもらいます。回答は無記名で行い、集計後は個人を特定できない形で統計処理します。調査時間は10分程度。

今回例として上記5項目を紹介させていただきました。その他の項目として考えられるものもご紹介します。
 

補足事項一覧

項目 例文
6. 説明文書・同意取得の方法 調査画面上に、調査の目的・所要時間・自由参加の原則・個人情報の取り扱い・問い合わせ先等を明記した説明文を掲載します。対象者が内容を読んだ上で「同意します」にチェックを入れた場合のみ、回答を開始できる設計としています。
7. 調査票の概要(主要設問) ・Q1:現在のご職業を教えてください
・Q5:1ヶ月以内に強いストレスを感じたことはありますか?(5択)
・Q10:ストレスを感じた際、どのように対処していますか?(複数選択)
※ センシティブな設問には「回答したくない」選択肢を明記しています。
8. 個人情報の管理方法 収集されたデータは、すべてID化・匿名化され、個人を特定できる情報とは別管理とします。保存期間は研究終了後1年間とし、その後は削除します。
9. 謝礼・インセンティブ 本調査では、対象者に対し調査協力の御礼として、調査会社のポイントシステムに基づき、100円相当のインセンティブを付与します。謝礼は公正な範囲内であり、参加意思に不当な影響を与えるものではありません。
10. 苦情・問い合わせへの対応 調査中に不安や疑問があった場合に備えて、調査会社にメールでの問い合わせ窓口(info@●●.co.jp)を設け、速やかな対応を図ります。対応内容は研究責任者にも報告されます。
11. 利益相反の申告 本研究は株式会社アスマークとの共同実施であり、同社より調査業務の提供を受けていますが、研究設計・分析・結果の解釈には第三者的立場を維持し、影響が及ばないよう配慮しています。
12. 研究体制と役割分担 研究責任者は〇〇大学の□□教授が務め、調査設計およびデータ分析を担当します。調査実施は株式会社アスマークが担当します。
13. 使用ツール・プラットフォーム Webアンケートは株式会社アスマークのシステムを用いて実施します。SSL対応、サーバーは国内設置です。
14. 対象者抽出の基準 事前登録された属性情報をもとに、年齢・性別・地域・職業で条件抽出を行います。
15. 重複・連続調査の制限 同一モニターが過去3か月以内に同様テーマの調査に参加していないよう制御を行います。
16. 同意撤回時の対応 同意撤回の申し出があった場合、その時点で調査を中止し、データは即時削除します。
17. 非対象者への配慮 スクリーニング時に対象外と判断された方にはその旨を表示し、回答を求めることはありません。
18. 結果の公表と匿名性 公表される結果はすべて統計処理されたデータであり、個人を特定できる情報は含まれません。
19. 研究終了後のデータ利用 本研究で得られたデータは他研究に転用せず、本研究のみに使用します。
20. 倫理審査結果の管理 審査承認書、提出書類、修正履歴を研究者・調査会社間で共有し、文書管理を徹底します。

 

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学術研究における調査で、倫理審査はなぜ必要なのでしょうか?

学術研究における調査で、倫理審査はなぜ必要なのでしょうか?

研究者は事前に調査の安全性と妥当性を第三者の目で確認してもらう必要があるからです。
人を対象とする調査では、たとえ内容が軽微に見えても、調査対象者に心理的な影響や不安を与える可能性があります。倫理審査はそれらを予防するチェック機能としての大きな役割を担っています。

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学術研究における調査では、どのような研究対象に倫理審査が必要になりますか?

学術研究における調査では、どのような研究対象に倫理審査が必要になりますか?

主に以下3つの研究対象において、倫理審査が必要です。

①アンケート調査
②唾液などの生体試料を使用する研究
③行動や環境、身体・心理状態などに関するデータの収集

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執筆者
アスマーク編集局
株式会社アスマーク 営業部 マーケティングコミュニケーションG
アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

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