
2025.09.05
ペイシェントジャーニーとは?実例や必要性、解決課題と企画への取り入れ方など紹介
患者さんを対象とした調査で、「もっと本音を引き出したい」「表面的な言葉の奥にあるインサイトを掴みたい」と感じたことはありませんか? 患者さんは、ご自身の病気や……
公開日:2025.09.26
現在の飲料業界では、健康志向や環境意識の高まりを背景に、消費者のニーズが大きく変化しています。従来の炭酸飲料やジュースだけではなく、低糖質飲料や機能性ドリンクが支持を集める一方、アルコール市場でも低アルコールやノンアルコール飲料が急成長し、消費者の選択肢は多様化しています。
こうした変化を受け、飲料ブランドは迅速な対応を迫られています。環境配備の観点からリサイクル可能な容器の採用や持続可能な調達プロセスを導入する動きが広がっています。加えて、最新技術を用いたパーソナライズサービスの提供や、多様化するライフスタイルに合わせた新製品開発も加速しており、競争は一層激しさを増しています。
このような厳しい競争環境において、他社との差別化を図るマーケティング戦略は不可欠です。とりわけ多様化する消費者ニーズを的確に捉えるマーケティングリサーチは、製品開発や販売戦略を成功させる重要な鍵を握っています。
本コラムでは、飲料業界の調査事例を定性・定量調査の視点から厳選してご紹介します。これらの事例の「対象者の定義や手法、テーマ、調査内容など」を参考に、今後の飲料業界向けの調査企画のヒントが得られるでしょう。
新商品缶ビールに関する消費者意識調査
| 調査の結果得られたこと | 新商品の風味や使い勝手に対する高評価が得られた一方、デザインやサイズに関して改善が求められる点が明らかになった。 また、購入意欲の高い層と低い層の差が浮き彫りになり、ターゲットセグメントの再考に繋がった。 |
|---|---|
| クライアント | 酒類メーカー |
| 調査目的 | 新商品発売後、消費者の反応や商品に対する評価を収集し、今後のマーケティング戦略や商品改善に活用するため |
| 調査手法 | オンラインGI |
| 人数・対象者条件 | 36ss 20~50歳の男女、家庭でビールを定期的に飲用する人、ユーザー/ノンユーザーで割付 |
| 調査内容 | ・新商品の味、デザイン、サイズ、使いやすさなどの評価 ・購入意欲の有無とその理由 ・他のビール商品との比較、購入時に重視するポイント ・改善希望やさらなる期待 |
| 対応範囲 | 調査企画、対象者リクルート、モデレーター手配、当日受付、データ収集・分析、レポート作成 |
| 特記事項 | 各グループには新商品を試飲してもらい、製品への反応をリアルタイムで収集。 ディスカッション形式で意見交換を行い、購入における心理的ハードルや期待値を深掘りする。 |
乳酸菌飲料広告効果測定
| 調査の結果得られたこと | 広告の影響で乳酸菌飲料の健康効果への理解が深まったが、飲用意欲にはばらつきがあり、特に広告のメッセージが明確であるほど高い購入意向が示されることがわかった。 また、視覚的要素(パッケージデザインや色使い)が購入決定に影響することが確認された。 |
|---|---|
| クライアント | 乳酸菌飲料メーカー |
| 調査目的 | 乳酸菌飲料の広告が消費者の理解や購入意向に与える影響を評価し、今後のプロモーション戦略に役立てるため |
| 調査手法 | グループインタビュー |
| 人数・対象者条件 | 40ss 乳酸菌飲料に関心を持つ健康志向の高い層 |
| 調査内容 | ・広告内容の理解度と印象評価 ・広告視聴後の飲用意向および購買意欲 ・乳酸菌飲料に対する健康効果や利便性に関する認識 ・パッケージデザインや広告内の視覚要素が与える影響 ・他ブランドとの比較意識 |
| 対応範囲 | 調査企画、対象者リクルート、モデレーター手配、当日受付、データ回収、分析、レポート作成 |
| 特記事項 | 広告のビジュアルやキャッチコピーが消費者にどのような印象を与えるかを検証し、好意的な反応を引き出す要素を特定。 広告視聴後の短期的な印象に加え、1週間後にフォローアップ調査を行い、広告効果の持続性と飲用意欲の変化を確認。 |
ウォーターサーバー利用実態調査
| 調査の結果得られたこと | ウォーターサーバーの利用頻度や目的が家庭ごとに異なり、特に健康意識や利便性の向上に対する満足度が高いことが分かった。 一方で、コスト面の不満や設置場所の確保が利用障壁となっていることが判明。利便性向上のためのサイズバリエーションや価格プランへのニーズが確認された。 |
|---|---|
| クライアント | 清涼飲料水製造・宅配事業 |
| 調査目的 | ウォーターサーバーの利用状況や利用者の満足度を把握し、製品改良やマーケティング戦略に役立てるため |
| 調査手法 | 訪問調査(インタビュー) |
| 人数・対象者条件 | 12ss ウォーターサーバーを利用している家庭の主な購買決定者 |
| 調査内容 | ・ウォーターサーバーの利用頻度と用途(飲用、調理用など) ・満足度(価格、味、利便性、安全性、デザイン) ・利用上の不満点と改善希望(設置場所、メンテナンス頻度、コスト) ・他ブランドとの比較意識および乗り換え意向 ・商品改良に対する要望(サイズやデザインのバリエーション、料金プランなど) |
| 対応範囲 | 対象者リクルート、自宅アテンド |
| 特記事項 | 訪問調査の際、実際のウォーターサーバーを使用してもらい、使い勝手やデザインについて直接意見を収集。 家族の人数や年齢層に応じてウォーターサーバーの使用頻度や用途が異なる点に着目し、家庭ごとのニーズを深掘り。 |
紅茶飲用行動と認識調査
| 調査の結果得られたこと | 紅茶の飲用シーンは、リラックス目的が中心であり、特に午後や夜のティータイムでの需要が高いことが分かった。 また、消費者の選択基準には「香りの良さ」「甘さの調整」「デザイン性の高いパッケージ」が含まれ、購入時には価格帯も重要視されることが判明した。さらに、特定ブランドに対するロイヤルティが強い層と、新製品に積極的な層の割合が明確になり、ブランド戦略の方向性が見えた。 |
|---|---|
| クライアント | 飲料メーカー |
| 調査目的 | 消費者の紅茶に対する行動や認識を詳細に把握し、製品改良や広告展開の基礎データとする。 |
| 調査手法 | 日記調査+インタビュー |
| 人数・対象者条件 | 50ss 全国20~60歳の男女、週3回以上紅茶を飲用していること |
| 調査内容 | ・飲用頻度とシーン(仕事中、ティータイム、リラックスタイムなど) ・購入時の重視ポイント(香り、味、価格、パッケージ) ・他飲料との比較(コーヒー、ハーブティーなど) ・ブランドロイヤルティと他ブランドへの乗り換え意向 ・製品への期待と改善希望 |
| 対応範囲 | 調査企画、対象者リクルート、日記調査画面、インタビュー実施、データ収集・分析、報告書作成 |
| 特記事項 | 約2週間紅茶を飲むタイミングや理由を日記形式で記録してもらい、具体的な利用シーンを把握。日記で明らかになった特徴的な行動や嗜好について、インタビューで詳細を掘り下げる。 年齢層や性別ごとの飲用傾向を分析し、ターゲットセグメントに応じた製品提案を可能にするデータを提供。 |
炭酸飲料購買行動と消費者意識調査
| 調査の結果得られたこと | 炭酸飲料の購買理由として、リフレッシュ感を求める声が多く、特に若年層では調査の結果得られたことクライアント調査目的調査手法人数・対象者条件調査内容対応範囲「気分転換」「楽しいイメージ」を重視する傾向が見られた。 一方で、健康志向が高まる中、糖分や添加物への懸念も浮き彫りになった。 |
|---|---|
| クライアント | 飲料メーカー |
| 調査目的 | ターゲット層ごとの嗜好や価値観を把握し、次期製品開発やプロモーション戦略の策定に活用する |
| 調査手法 | デプスインタビュー |
| 人数・対象者条件 | 20ss 首都圏15~39歳の男女、週に1回以上炭酸飲料を購入している、健康志向の飲料やトレンド製品に興味を持つ層 |
| 調査内容 | ・炭酸飲料を購入する際の選定基準(味、価格、ブランド、成分など) ・飲用シーンや頻度の確認(例:仕事中のリフレッシュ、休日の楽しみなど) ・炭酸飲料に対するイメージ(健康志向とのギャップ、飲用時の感情など) ・糖質オフやゼロカロリー商品に対する関心度と購入経験 |
| 対応範囲 | 調査企画、対象者リクルート、モデレーター手配、当日受付、データ収集・分析、レポート作成 |
| 特記事項 | インタビュー中に複数ブランドのパッケージを提示し、デザインや成分表の印象を確認。健康志向の製品と従来型製品の比較検討も実施。 クライアントへの報告時、ターゲット層の心理を視覚化した「ペルソナ」を提案。 |
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家庭用ビールサーバー利用満足度および改良品評価調査
| 調査の結果得られたこと | 改良品によりビールの風味が向上し、特に注ぎやすさや保冷機能への満足度が高まったことが確認された。 一方、清掃の手間に対する改善要望も引き続き挙げられ、製品改良の方向性が明確になった。 |
|---|---|
| クライアント | 酒類メーカー |
| 調査目的 | 改良品を使用してもらい、ユーザーのフィードバックを収集することでさらなる製品改善および市場投入時の訴求ポイントを明確化する |
| 調査手法 | HUT(ホームユーステスト) |
| 人数・対象者条件 | 50ss 現製品を利用している会員であること |
| 調査内容 | ・利用場面に応じた改良品の使用感および満足度評価 ・現行製品との比較、特に注ぎやすさや保冷機能の改善効果についての評価 ・清掃やメンテナンスの手間に関する意見収集 ・改良品に対する今後の期待や改善要望 |
| 対応範囲 | 会員リクルート、製品配送、アンケート配信、データ収集、集計・分析、レポート作成 |
| 特記事項 | ビールサーバー現ユーザーの会員リストからリクルートを実施。 リクルート対象者には、応募時のアンケートで製品の使用頻度や購入時期を確認し、適切な利用経験があるかどうかを基に選定した。 |
ペットボトルコーヒーの模擬購買調査
| 調査の結果得られたこと | 消費者は価格と味に敏感であることが判明し、手軽さやデザインも購買に影響を与える要素として浮かび上がった。 また、特定のブランドへのロイヤルティが強い層も確認され、商品差別化の重要性が示唆された。 |
|---|---|
| クライアント | 飲料メーカー |
| 調査目的 | 消費者の購買行動と購買に影響を与える要因を明確化し、商品開発や販売促進に役立てるため |
| 調査手法 | CLT |
| 人数・対象者条件 | 200ss 首都圏在住20~50歳の男女、コンビニで週に1回以上ペットボトルコーヒーを購入する方 |
| 調査内容 | ・新商品を含む複数ブランドのペットボトルコーヒーを対象にした購買シミュレーション ・味、価格、デザイン、容量などの評価 ・購入時の重視要因と選択プロセスの観察 ・購入意欲や他商品との比較フィードバック収集 |
| 対応範囲 | 調査企画、対象者リクルート、会場手配、商品準備、データ収集、集計・分析、レポート作成 |
| 特記事項 | 多様な意見を収集するために、購買頻度やブランドへのロイヤルティの高低に応じたサブグループを作成。 実際の店舗を模した陳列と価格設定を行い、リアルな購買体験に近い環境を整備し、消費者行動を観察。 |
子ども向けゼリー飲料パッケージ評価調査
| 調査の結果得られたこと | パッケージデザインに対しては親しみやすさとカラフルな色使いが子供に好まれる傾向がある一方、親は内容量や栄養表示の見やすさを重視していることが確認された。 また、環境に配慮した素材の使用や再利用可能なパッケージに対する興味も見られた。 |
|---|---|
| クライアント | 飲料メーカー |
| 調査目的 | ゼリー飲料のパッケージデザインや機能性について消費者の評価を把握し、今後の製品改良や販売戦略に活用するため |
| 調査手法 | CLT+インタビュー |
| 人数・対象者条件 | 30組(親子ペア) 関西在住20~40代の男女と子供、ゼリー飲料を週1以上購入・飲用 |
| 調査内容 | ・パッケージデザイン、サイズ、内容量、持ち運びやすさに対する評価 ・栄養表示、成分表記の分かりやすさ ・環境配慮素材や再利用可能パッケージへの関心度 ・他社製品とのデザイン比較 ・改善要望や理想的なパッケージの特徴 |
| 対応範囲 | 対象者リクルート、会場手配、商品準備、データ収集、集計・分析、レポート作成 |
| 特記事項 | 商品の並んだ棚を再現し、消費者がパッケージをどのように認識し、選択するかを観察。 追加のインタビューで親と子供それぞれの観点からパッケージデザインの魅力や改善点について意見を収集し、両者のニーズに対応したデザイン改善案を提案。 |
ワインプロモーション効果測定
| 調査の結果得られたこと | プロモーション期間中に製品の認知度が15%向上し、購買意欲が10%増加した。 また、特定ブランドの購入意向が他ブランドに比べて顕著に高まる傾向が確認された。 |
|---|---|
| クライアント | ワインメーカー |
| 調査目的 | 実施したプロモーション活動が消費者の認知度、購買意欲、および購入行動に与えた影響を把握し、今後のマーケティング活動に活用する。 |
| 調査手法 | ネットリサーチ |
| 人数・対象者条件 | 800ss 全国の20歳以上の男女、過去3ヶ月以内にワインを飲用したことがある人。 |
| 調査内容 | ・プロモーション前後でのブランドおよび商品の認知度変化 ・プロモーション後の購買意向の変化 ・プロモーションによる購買促進要因の特定 ・プロモーションを通じて得られた消費者満足度 ・広告媒体ごとの効果測定(テレビ、SNS、Web広告など) |
| 対応範囲 | 調査票作成、アンケート配信、データ回収、分析、レポート作成 |
| 特記事項 | ブランド認知度と購買意欲の変化を把握するために、プロモーション前後で同じ質問項目を使用。 購買行動の結果を深掘りするために、自由回答欄を設け、詳細な消費者の声を収集。 |
トクホ飲料効果測定調査
| 調査の結果得られたこと | 一定期間の摂取後、トクホ飲料の摂取によるBMIや体脂肪率の減少が一部の参加者で確認され、健康意識の高い消費者層に対する飲用継続意向も向上した。 また、効果を実感した層では飲料の味や飲みやすさも好意的に評価され、購入意向が高まる傾向が見られた。 |
|---|---|
| クライアント | 飲料メーカー |
| 調査目的 | トクホ飲料の効果を科学的に測定し、製品のプロモーションや継続的な飲用意向を向上させるためのデータを取得する |
| 調査手法 | CLT+インタビュー |
| 人数・対象者条件 | 120ss 20〜60歳の男女で、健康意識が高く、日常的にトクホや機能性飲料を飲用している層 |
| 調査内容 | ・身長、体重、BMI、体脂肪率などの測定(開始時、中間、終了時に計測) ・トクホ飲料の味や飲みやすさに関する評価 ・飲用期間中の体調や気分の変化の記録 ・飲用終了後の効果実感度と今後の購入意向 ・他社トクホ飲料や健康食品に対する意識調査 |
| 対応範囲 | 対象者リクルート |
| 特記事項 | 調査期間中に、定期的な測定を行い、トクホ飲料の継続摂取が体重や体脂肪率に与える影響を確認。効果の有無に対する評価を明確にする。 調査終了後、効果を実感したかどうかを基に、飲用継続意向を確認し、長期的な販売戦略のデータとして活用。 |
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ここまで、飲料業界におけるマーケティングリサーチの具体的な調査事例を定性・定量の両側面から紹介しました。
現代の消費者は、単なる「飲み物」を求めているのではないかもしれません。例えば、自らの健康課題を解決してくれる一本、環境への罪悪感を抱かせない一本、そして、自分のライフスタイルを豊かに彩ってくれる一本を求めている可能性があります。このような無数の「個」のニーズに応えていくためには、企業側もまた、プロダクトアウトのような一方的な商品開発や情報発信から脱却する必要があります。
その変革の第一歩となるのが、顧客の「声なき声」に耳を傾けるマーケティングリサーチです。定量調査によって市場の地図を広げ、定性調査によって目的地へのルートを詳細に描き出す。この両輪を回すことで始めて、企業は激しい変化の波を乗りこなし、新たな市場を創造する機会を得る可能性が広がります。
このコラムが、皆様の飲料業界向けのリサーチに対する理解を深め、より良い製品やサービスの開発につながる一助となれば幸いです。
当社では『飲料業界向けの調査』についてのお困りごとについて、ご相談を随時受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。
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