公開日:2025.07.16

顧客満足度(CS)調査のやり方|調査手法や分析手法、失敗例と注意点まで紹介

  • マーケティングリサーチHowto

商品やサービスを提供する企業にとって、顧客の声は事業成長のための重要なヒントの宝庫です。しかし、「顧客満足度調査(CS調査:Customer Satisfaction Survey)を実施したいけれど、何から手をつければ良いかわからない」「調査はしたものの、結果をどう活用すれば良いのかわからない」といった悩みを抱えている担当者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、顧客満足度調査を成功させるために不可欠な「正しいデータ回収」と「正しいデータ把握」という2つの大前提から、調査の目的、調査手法、分析手法、失敗例、そして回答率を上げるポイントまでを、初心者の方にも分かりやすく解説します。

 

顧客満足度調査(CS調査)の大前提

顧客満足度調査(CS調査)を行うためには、大前提として下図2点「正しいデータ回収」と「正しいデータ把握」をすることが必要です。

図 顧客満足度調査(CS調査)の大前提
図 顧客満足度調査(CS調査)の大前提

 
正しいデータ回収
1つ目は「正しいデータ回収」です。
「正しいデータ回収」をするためには、総合満足度の他に、サービスやブランドのカテゴリ別の評価や推奨度(NPS ®)、対応面での評価や推奨度継続意向などを、顧客カテゴリ別に定量的な評価データとして取らなければなりません。
数値のまとまりや傾向として表す定量データは、調査票の“でき”によって、回答データの質が大きく異なってしまう部分となりますので、エンゲージメントを測るために必要な項目をきちんと調査票に落とし込む必要があります。
※ NPS®は、「Net Promoter Score(ネット・プロモーター・スコア)」の略称です。顧客が企業の製品やサービスを他者に推奨する可能性を数値化したもので、顧客ロイヤルティを測る指標の一つです。

正しいデータ把握
2つ目は「正しいデータ把握」です。
「どういう顧客層が何に満足し、何に不満なのか」、を要因分析し、重要度と掛け合わせたマッピングを行う、つまりポートフォリオ分析を行うことで、重点改善項目がハッキリし、具体的にどのような取り組みを行うべきかを明確にすることができます。このポートフォリオ分析についての説明は、後述します。
また、同じ調査票を用いて定期的に調査を行い、調査結果を経年比較することで、きちんと改善につながっているのかどうかの効果測定も行えます
 
 
このように、顧客満足度調査は担当一人が思いつきで始める調査ではなく、設計段階で、目的の設定から具体的な分析方法までを計画し、それに沿って進める必要があります
 
 

顧客満足度調査(CS調査)とは

図 顧客満足度調査(CS調査)とは

 
顧客満足度調査(CS調査)とは、自社の商品やサービスを利用しているユーザー(既存顧客)に対して、「問題や課題に感じていることは何か?」「満足していること、期待していることは何か?」を把握するために行う調査です。
最終的には、調査で問題点を見つけ、改善につなげることがゴールとなる調査です。
言い換えますと、「商品やサービスを売りっぱなしにせず、顧客からフィードバックをいただきましょう」ということです。分かりに点もあるかと思いますので、もう少し身近な例に例えて、掘り下げて考えていきます。
 

顧客満足度調査(CS調査)を健康診断で例えると

顧客満足度調査を健康診断で例えてみます。

健康診断は、会社にお勤めの方であれば、年に一度定期的に健康診断を受けている方が多いでしょう。よくよくこの健康診断のことを考えてみると、下図のように構造を分解できるかな、と思います。

図 顧客満足度調査を健康診断として例えると
図 顧客満足度調査を健康診断として例えると

 

  1. 受診:現状把握・病気発見
    まずは、受診をすることで、体の状態を把握することができ、さまざまな項目が評価(A~Cなど)されることで、病気の発見につながります。
  2. 予防 or 治療
    次に、病気の状態によって「予防」または「治療」の対応をとります。
    (ア)予防:緊急性が低い場合
     「緊急性が低い」場合は、予防措置となります。
     この予防にも2つの見方があり、それが「攻めの予防」と「守りの予防」です。
     「攻めの予防」は、「健康な状態をキープしましょう」「良いところが悪くならないようにしましょう」という見方です。
     「守りの予防」は、「悪いところがさらに悪くならないように状態をキープしましょう」という見方です。
    (イ)治療:緊急性が高い場合
     2つ目は、「緊急性が高い」場合で、「治療」という対応をとります。
  3. 経過観察
    最後に経過観察です。
    予防や治療を行ったあと、その様子を見る期間です。
    そして、予防や治療の結果を確認するために、次回の健康診断を受診することが重要になってきます。

 

健康診断の構造を顧客満足度調査(CS調査)に置き換えると

健康診断の構造や流れについてお話しましたが、今度はこれを顧客満足度調査(CS調査)に当てはめてみると、下図のような構造になるでしょう。

図 健康診断の構造を顧客満足度調査に置き換えると
図 健康診断の構造を顧客満足度調査に置き換えると

 
変更点は、予防を維持に、治療を改善にしていることです。
流れは、健康診断と同じとなり、顧客満足度調査によって、商品やサービスの現状を把握することで、優先順位を付けることができ、維持と改善に仕分けすることもできます。

また、赤枠の「攻めの維持」は、「企業の強みとなる部分」と捉えることができます。一方、青枠の「守りの維持」と「改善」は、「企業の弱みとなる部分」と捉えることができます。
これらのことから、ユーザーが具体的に何を評価し、何を改善する必要があるのかが明らかになり、マーケティング課題を解決する手がかりを探ることができるのです。

そして、最も意識していただいたいポイントは、「継続して調査を行うことです。
次回の調査の結果と、今回の調査の結果を比較することで、初めて問題に対する改善策の効果があったのかどうか、というのを確認することができます。
現状に問題がなかった場合でも、定点で調査をすることで、変化をいち早くキャッチすることができ、弱みの早期発見や強みが維持できているのかなどの気づきが得られます。
そのため、顧客満足度調査を実施する際は、2回目以降も想定した調査票づくりが求められます

顧客満足度調査(CS調査)

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では次に、どんな調査の方法があるのか、代表的な調査手法を見ていきましょう。
 
 

顧客満足度調査(CS調査)の代表的な調査手法

顧客満足度調査の代表的な調査手法は、下図の「アンケート調査(郵送・インターネット)」「インタビュー調査(来場調査・オンライン)」「覆面調査」の3つです。

図 顧客満足度調査(CS調査)の代表的な調査手法
図 顧客満足度調査(CS調査)の代表的な調査手法

 
アンケート調査(郵送・インターネット)
まず、アンケート調査です。
インターネット調査が主流ですが、ユーザーの環境によっては郵送での調査も実施します。
また、B2B(B to B)の場合は、クライアント様からいただいた顧客のリストを活用し、顧客のメールアドレスにアンケートURLをお送りすることが多いです。メールアドレスがないときには、QRコードを郵送し、そこからアクセスしてもらう方法などもあります。
そして、B2Cの場合は、以下のような方法があります。

  • 「ある商品やサービスを週に1回以上利用している人」といった条件に合致する消費者を、調査モニターから抽出して、アンケートを実施する方法
  • QRコード付きのチラシなどを使用して、実店舗に来店された消費者にアンケートの依頼をする方法

 

ネットリサーチ(WEBアンケート)

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インタビュー調査(来場調査・オンライン)
続いて、インタビュー調査です。
対面で話すことにより、行動の背景や深層心理を把握することが可能です。そのため、「なぜ満足(不満足)なのか」ということを、理由をもとに聞くことができたり、その思いに至ったエピソードなどを深掘りすることができたりします。これにより、自分たちが気づくことができないような視点を得られることもあります。

会場に来ていただいて話を聞くケースの他に、最近ではオンラインシステムによって、1対1もしくはグループ間での調査も行っています。
たとえば、弊社ではi-PORT voiceというオンラインインタビューシステムを開発し、オンラインでのインタビューを可能にしています。
詳しくは以下で紹介しております。
「i-PORT voice オンラインインタビューシステム」についてはこちら>
 

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覆面調査
最後に説明するのが、覆面調査です。
ミステリーショッパーなどとも呼ばれますが、「調査員がお客様として店舗に訪問をし、サービスを受け、その評価をする」、という手法になります。
客観的なサービスやその場で感じた雰囲気などを知ることができるのがポイントです。
 
 
今回ご紹介した調査手法は、代表的なものとなり、クライアント様のご状況に合わせて、その他の手法のご提案が弊社では可能です。
「こんなことはできないか?」といったご相談や、小さなアドバイスからでも調査会社は、ご状況に応じて具体的な方法まで落とし込むことがサポートとしてできますので、お気軽にご相談ください。
 

顧客満足度(CS)調査をご検討でしたら、お気軽にご相談ください。
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顧客満足度調査(CS調査)の調査項目

では続いて、「どんな調査項目でアンケートを作ればいいのか」、について、アンケート調査にフォーカスして簡単に紹介します。

まず、最低限押さえておくべき項目は、以下10項目です。

  • 認知経路
  • 来店回数
  • 来店頻度
  • 店舗重視点
  • 来店理由
  • 再来店意向
  • 推奨意向
  • 総合満足度
  • 総合満足度理由
  • 項目別満足度

 
これらの調査項目は、「実店舗を持つクライアント様が、店舗を利用しているユーザー様向けに行う顧客満足度調査」をイメージしていただけますと、理解しやすいでしょう。

最初の項目である「認知経路」では、以下のような質問をすることで、「店舗をどの媒体で知ったのか」、を把握することができます。
 

Q.あなたは●●をどこで知りましたか。
1.テレビ
2.ラジオ
3.雑誌
4.新聞・チラシ
5.インターネット広告
6.インターネット検索
7.SNS
8.広告・看板
9.家族・友人・知人からの口コミ
10.通りがかった
11.その他

 
 
たとえば、SNSマーケティングを取り組んでいないにもかかわらず、「ユーザーの20代女性がSNSで店舗を認知している」という気づきが調査からあった場合、女性をターゲットにしたSNSマーケティングを展開することで、さらに認知度を向上させることができるのではないか、という仮説が立てられます。
仮説が立つと、どの媒体に注力すべきなのかが明確になり、PDCAのサイクルを効率的に回すことができます。

「認知経路」以外の項目の大半は、以下の資料ダウンロードページから無料でダウンロードをしていただけます。設問内容やその設問の意図についてもご紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。
「顧客満足度調査( CS 調査)の調査票作成のポイント【テンプレート付】」はこちら>
 
 

顧客満足度調査(CS調査)の分析手法

調査結果からどんな分析ができるのか、ご紹介していきます。

ポートフォリオ分析

まずは、「顧客満足度調査(CS調査)の大前提」でも軽く触れたポートフォリオ分析からご紹介します。
下図はポートフォリオ分析のイメージ図です。満足度と重要度の2つの質問を組み合わせることで、取り組むべき対応の優先度を視覚的に把握できるようになるのが、ポートフォリオ分析です。

図 ポートフォリオ分析
図 ポートフォリオ分析

 
商品やサービスの強み・弱みが分からない、満足度を上げたいが何から始めれば良いか検討がつかないといった場合に活用されます。

この図を見てみると、左下に「重点改善項目」、右上に「重点維持項目」といったように、4つの項目が各エリアで付けられていることが分かります。つまり、4象限を表しており、それぞれの説明が下表となります。

表 ポートフォリオ分析の4象限の説明
4象限 説明
右下
重点改善項目
重要視されているにもかかわらず、満足度が低い項目となり、最大の弱みとなります。
緊急性が高く、至急改善が求められます。
右上
重点維持項目
重要度も満足度も高いという項目となり、最大の強みとなる部分です。
優先的に、このエリアにある取り組みは、この満足度が高い状態をキープさせる必要があります。
左上
維持項目
重要視されていないけれど、満足度が高い項目となります。
注力する必要はありませんが、評価を落とさないことが求められます。
左下
改善項目
重要視されていない、満足度も低い項目となります。
緊急性はありませんが、いずれ取り組むべき課題となります。

 
前半では、「健康診断では予防、治療」を例に、「顧客満足度調査では維持、改善」を例に、ご紹介しましたが、このポートフォリオ分析にあてはめると、「重点維持項目(右上)」は「攻めの維持」となり、「重点改善項目(右下)」は「改善」となり、左側のものは「守りの維持」のように仕分けをしたことになります。
こうやって視覚的に表すことで、何をどの優先順位で取り組むべきかが明確になり、強みや弱みについて、社内の共通の認識を高めることもできます。
 
 

アフターコーディング

続いて、アフターコーディングについてご紹介していきます。
アフターコーディングは、自由回答に対する分析手法になります。
たとえば、以下のような「総合満足度理由」の設問では、自由回答での回答形式を採用します。

Q.【*前問回答表示*】とお答えの理由を具体的に教えてください。

 
こうした自由回答では、予想もしていない視点での評価を聞くことができ、新たな視座を得られます
一方で、一件一件自由回答の内容に目を通さないといけないものとなりますので、とても大変な作業になります。
そのため、全体で見たときに、どんなポイントが評価されているのかを把握するのが難しいです。
そこで、登場するのが、アフターコーディングなのです。
コーディング(コード化)という工程で、カテゴリ(分類)を定義し、その定義でコメントを仕分け(整理)していきます。

上記の「Q.【*前問回答表示*】とお答えの理由を具体的に教えてください。」を例にとり、「とても満足」の場合で得られた回答が以下だとします。

  • 品ぞろえが多いから
  • 何がどこにあるかわかりやすい
  • お菓子の種類が多いから
  • 色んなお酒があって助かる
  • 定期的なクーポンによる値引きが嬉しい

 
これを例えば、カテゴリとして以下3つを用意したとします。
種類の豊富さ(コード:1)
見つけやすさ(コード:2)
価格(コード:3)
※ このカテゴリ設定は、調査目的などによって同じ設問でも分け方が異なったり、大分類、中分類といった方法を取ったりするなど、異なる点がありますので、ご注意ください。

すると、下表のようにあらわすことができます。

自由回答の例 コード
品ぞろえが多いから 1
何がどこにあるかわかりやすい 2
お菓子の種類が多いから 1
色んなお酒があって助かる 1
定期的なクーポンによる値引きが嬉しい 3

 
 
そして、下表のように定量的に算出することができます。

コード カテゴリ名 該当数 該当率
1 種類の豊富さ 3 60.0%
2 見つけやすさ 1 20.0%
3 価格 1 20.0%
合計 5 100.0%

 
この結果から、自由回答による一見どんなポイントを評価しているのかが分かりづらかったことが、上記の場合、「『種類の豊富さ』という点で『とても満足』していただいているユーザーが多いのか」と判断することができます。
関係各所に報告する際も、「ポジティブな意見が多かったです」とだけ報告するのと、「ポジティブな意見が多く、特に『とても満足』しているユーザーは『種類の豊富さ』に関する意見が6割でダントツに多かったです」と報告するのでは、説得力が違いますよね。
 
 
ここでは、よく実施される分析手法を2つ紹介しました。
他にも専門的な分析手法はありますが、目的が達成されるものであれば、複雑なことはする必要はないと、当社は考えております。
基本的なクロス集計でも傾向の違いから課題が浮き彫りになることもございます。
肝心なのは、目的の達成を想定した調査設計や分析手法が想定できているかというところです。

 
 

顧客満足度調査(CS調査)の失敗例と注意すること

では、事前にどんなことに注意しなければいけないのか、失敗例を以下に紹介します。

 

調査目的が明確でない
「顧客満足度調査をすれば何かしらわかるだろう。といあえずやってみよう」ということで実施することが目的になってしまっているケースです。
どの部署が活用するデータなのか、どんなことが知りたくて、知ったあとにどんな対応を取る予定なのか、といった実施する目的が定まってしない場合、結果を見て、満足して終わり、ということになってしまいます。
そのため、実施前に必ず目的を明確化する必要があります。

アンケートの対象者条件が明確でない(B to C)
調査の重要なポイントの1つとして、「誰に聞くか」があります。
先程の目的で何を知りたいかが明確になると、誰に聞くべきなのか、ということが見えてきます。
分析したいユーザー像が部署ごとに違っていたりすると、後から分析することができない、なんてことも起こり得ます。
そのため、対象者条件を設定する際には、慎重に決めなければなりませんし、設定しなければなりません。

質問数や選択肢数のボリュームが多い
聞きたいことがたくさんあり、一度に盛り込みたいというのは、とてもわかります。
しかし、回答側に立ってみると、回答負荷を増してしまっていることが多々あるのです。
極端かもしれませんが、30問もある調査は、長すぎて途中でやめてしまったり、適当な回答になったりすることがあります。そのため、多くても15~20問程度に抑えたいところです。
また、選択肢も同様で、1問に30個の選択肢がある場合、読むだけで大変ですので、こちらも多くても10~15個程度に抑えられるとベターだと考えています。

実態評価の設問がない
言い換えますと、「なぜそう思ったのかの理由」を聞いていないということになります。
たとえば、レストランの満足度調査の場合、接客全体の満足度を聞いただけでは、何が良いのか、何が悪いのかがわかりません。
そのため、満足度が高い要因を探るためにも、挨拶や料理を出すタイミング、笑顔などの選択肢を用意し、選択してもらう設問を用意する必要があります。

質問内容や順番、調査時期を変更してしまう
顧客満足度調査は、継続して調査を行うことが重要といったようなことを前述しましたが、前回と比較するには、聞き方や順番、調査時期を変えないこともポイントになります。
もし、変更をしてしますと、時系列での傾向の違いに見られた場合に、使用の変更による影響の可能性を排除しきれなくなってしまいます
定点調査を行う際は、初回の調査票を作ることに、最も時間をかけることが鉄則となります。
 

 
 

顧客満足度調査(CS調査)で回答率を上げるためのポイント

顧客満足度調査で回答率を上げるための主なポイントとして以下3つご紹介します。

回答離脱を防ぐ調査設計
まずは、数を意識しましょう。
例えば、全体の質問数や質問の文章、選択肢の数、自由記述回答の質問数です。
いずれも多ければ多いほど、回答負荷がかかり、回答の質に悪影響を及ぼす可能性があります。
そして、環境も意識する必要があります。
例えば、回答デバイスです。PCとスマホでは画面の幅が違うため、選択形式がマトリクス形式だと、見え方が異なり、スマホでは横スクロールが必要なったりして、回答負荷がかかることがあります。

調査の実施時期
実施する際に年末であったり、3月の期末と言われる時期であったり、こういった時期で調査を実施してしまうと、回答率が下がってしまう可能性があります。

配信の曜日や時間帯
調査の実施時期と類似しますが、忙しい時間帯の場合、回答率が下がってしまう可能性があります。そのため、オフタイムであったり、週の中頃であったり、なるべく忙しい時間帯を避けて配信をするべきだと考えています。
 
 

まとめ

ここまで、顧客満足度調査(CS調査)の基本的な考え方から、具体的な実施方法、分析手法、そして回答率を上げるためのポイントまでを解説しました。

顧客満足度調査を成功させるためには、まず「正しいデータ回収」と「正しいデータ把握」が大前提となります。
具体的には、エンゲージメントを測るために必要な項目を盛り込んだ質の高い調査票の作成と、取得したデータを適切に分析し、顧客層ごとの満足・不満要因を明確にすることが不可欠です。調査は一度きりでなく継続的に実施し、結果を経年比較することで、改善効果の測定や新たな課題の早期発見に繋がります。

この記事を参考に、効果的な顧客満足度調査(CS調査)になるようつなげ、顧客満足度向上を実現していきましょう。

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執筆者
アスマーク編集局
株式会社アスマーク マーケティングコミュニケーションG
アスマークのHPコンテンツ全ての監修を担い、新しいリサーチソリューションの開発やブランディングにも携わる。マーケティングリサーチのセミナー企画やリサーチ関連コンテンツの執筆にも従事。
監修:アスマーク マーケティングコミュニケーションG

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