
2025.07.31
年齢と共に変化する“好みの一杯”|単身世帯男性へのインタビューから見る、アルコール飲料
はじめに コロナ禍が明け、生活スタイルにも変化が見られ、外食や外飲みの機会が増加しています。 こうした中、アスマークでは、週末を中心にお酒を楽しむ単身世……
公開日:2026.04.02
一人暮らしの社会人は、収入や貯蓄、支出のバランスをどのように捉え、日々の意思決定を行っているのでしょうか。
そこで今回は、この疑問に迫るため、東京都在住の一人暮らしの社会人男性に、収入や貯蓄、お金の価値観、お金に関する秘密(隠し事)などについて、インタビューを実施しました。
得られたヒント
また、インタビューをした方の簡単なプロフィールは下表となります。
| 性別 | 男性 |
|---|---|
| 居住エリア | 東京都 |
| ご家族 | 一人暮らし |
| ご職業 | 建設業(営業や企画) |
| 趣味 |
・音楽を聴くこと ・ライブに行くこと ・旅行 |
この記事では、お金に関する発言を整理し、センシティブなインタビューを実施してみたい方や若者のインサイトについて理解を深めたい方に向けて、役立つヒントを丁寧に読み解き、紹介します。
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支払い方法は人によってさまざまですが、彼はクレジットカードを利用しているとのことでした。支払いは基本的に一括払いで、必要に応じて分割払いを選ぶこともあるそうです。一方で、リボ払いは「やってない」と明確に話していました。
また、“いくら以上なら分割”といった金額の基準は特に設けていないとのことです。その代わり、比較的大きな買い物やサービスの支払い、あるいは支払いが長期にわたりそうな場面では、その時点の家計状況や予算感を踏まえて、「今月は月払いにしようかな」と判断することがあるといいます。

続いて、センシティブな収入や貯蓄という話についてインタビューをしていきました。
収入についてざっくばらんに伺うと、彼は「税金とかで差し引かれるので、なかなか貯蓄というか、そういうのに回しづらいなっていうのは思いますね」と話していました。
また、現在の収入を100%とした場合、「4割とか、3~4割とかあると嬉しいな」と思うそうです。
収入を増やすために普段取り組んでいることを尋ねると、支出を抑える工夫として次の2点を挙げていました。
そして、生活費や趣味に使ったうえで余ったお金は、積立NISAに回しているそうで、コロナが始まった約3年前から続けているといいます。
今後、収入を増やすために取り組んでみたいことについて尋ねると、しばらく考えたあとに、「自分の本業と別に副業がしっかりとできる環境とかもあれば、まぁ、そういうところでお金も増やせそう」と話していました。
最後にポイ活について尋ねると、ポイントを貯めることも「結構楽しい」ため、買い物する際はポイントの活用を意識しているそうです。楽天ポイントをよく貯めており、ポイント還元率が高いタイミングに合わせて買い物をすることもあるといいます。
一方で、ポイント還元率が高いタイミングが来週にあるとしても、今すぐ欲しいものは、そのタイミングを待たずに買うとも話しておりました。
彼は貯蓄について、「コツコツとは貯めている」と話していました。ただ、急な出費や将来のことを考えると、現状のペースでは“十分とは言えない”そうです。そのため、貯蓄ペースを今の3倍くらい増やしたいといいます。
貯蓄を増やすための工夫として、最初に挙がったのは家計簿でした。
手元の金額や投資額を把握し、“今後これぐらい増える”といった見通しも含めて管理するようにしているそうです。
また、しばらく考えたあと、「友達とか家族に言われて」ふるさと納税は昨年から始めたとも話していました。あわせて、次のようにも語っています。
「自分に利益が回ってくるような、少しでもちょっと損しないようにというか、っていうようなことはやってます。」
なお、こうした情報は家族や友人から聞き、SNSなどで調べながら自分でも確認しているそうです。
本章から得られるヒントは、「少しでもちょっと損しないようにというか」という言葉でしょう。
こうした“損をしたくない”という心理に、心当たりのある方も多いのではないでしょうか?
実は、行動経済学の代表的な理論としてプロスペクト理論というものがあります。
その説明に入る前に、次の質問を考えてみましょう。
質問1:あなたの目の前に、次の2つの選択肢があります。あなたならどちらを選びますか?
選択肢A:100万円が無条件で手に入る
選択肢B:コインを投げ、表が出たら200万円が手に入るが、裏が出たら何も手に入らない
選択肢Bを選択した人がいらっしゃるでしょう。
一方で、堅実に選択肢Aを選択した人もいらっしゃるのではないでしょうか?
そして、彼もきっと選択肢Aを選択するかもしれません。
一般的にはこのような状況では「選択肢A」を選ぶ人が圧倒的に多いそうです。
こうした「人は損失を回避する傾向があって、状況によってその判断が変わる」という意思決定に関する理論をプロスペクト理論といいます。
このプロスペクト理論をマーケティングに当てはめて考えると、たとえば次のようなアプローチが考えられます。
今やらないと損をする
「得になる」よりも「今逃すともったいない」と感じる設計が有効に働く可能性があります。
たとえば、サブスクリプション系のサービスで、「今週末までの申し込みでポイント還元率は来月末まで○%アップ!」といった期限付きのキャンペーン設計です。
大切なのは判断のきっかけを与えることです。
「いつか検討する」状態から、「今なら動く理由がある」と感じる設計が重要になります。
安心感を高める
返金保証などの保証制度によって安心感を高めることも、損失を回避したい方々にとって価値になる可能性があります。
たとえば、電化製品や高額サービスでは、次のような保証制度が考えられます。
これらの内容を、商品ページなどで「初めてでも不安なく選べる」といったメッセージとともにわかりやすく紹介するのが良いでしょう。
もし今後、損失を回避する傾向がある層にアプローチする場合には、こうしたプロスペクト理論の考え方をマーケティングに取り入れることも一つの方法です。ぜひ、その際は検討してみましょう。
今後のお金の使い方について、不安や課題を感じていることがあるか伺いました。
すると、彼は「うーん、まぁどうでしょうね」と少し考えたあと、会社の福利厚生を活用しながら、日常の中でコツコツと貯めていく意識を大切にしていると話していました。
一方で、節約をしすぎるとストレスになったりすると思うようで、趣味といったところではお金を使うようにしているそうです。
また、これまでの買い物や投資について後悔した経験があるかを尋ねると、しばらく考えたあと、「ないと思います」と話していました。
お金の使い方に関する価値観について、いくつか質問しました。
まず、ご家族やパートナーなど身近な人との間で考え方の食い違いがあった経験があるか伺うと、彼は少し間を置いたあと、特にそういった考え方の食い違いみたいなものはないと思う、と話していました。
また、周囲の人のお金の使い方については、趣味にかなりお金を使っている人もいるものの、趣味の範囲内に入っていると思っているようで、「そこまでなんか考えてはなかったです」と話していました。そのため、感覚的には人それぞれなので、「別にいいんじゃない?」という感じだそうです。
次に、お金の管理に関する家庭内のルールについて伺いました。
中学生、あるいは高校生ぐらいまでは、「親のカードで一緒に何に使ったか、とかっていうのは決めてた」そうです。一方で、バイトをするなどで自ら収入を得られるようになってからは、特にルールはないとのことでした。
続いて、周囲からお金の使い方について何か言われたことがあるかを尋ねると、「特になんか別に趣味に没頭しすぎてお金使いすぎとかもうなかった」と話していました。
一方で、ゲームへの課金については、課金しすぎてしまう友人もいる中で、彼自身は「適度に課金してとか、あんまり使いすぎないようにっていう、制御みたいなものはかけるようにしています」と話していました。
こうした意識を持つようになったきっかけとしては、「自分の貯金が結構下がってきたっていう、タイミングがあって、『ちょっと貯めないといけないかな』と思うようなタイミングで、そういう思い始めた」といいます。
そして、貯蓄を意識し始めた時期については、大学生の頃に奨学金や学費などで大きな出費を経験したことを挙げ、「これから社会人にもなるし、なんかお金貯めないとなっていうようなそういう時期に、なんかこう意識するようになったのかなと思います」と話していました。
本章から得られるヒントは、「ライフステージの変化」から見える、アプローチのタイミングです。
彼の場合、大学生の頃に奨学金や学費などで大きな出費を経験したことをきっかけに、「これから社会人にもなるし、お金を貯めないと」と感じ、貯蓄を意識するようになったと話していました。
皆様もそういった経験が一度でもあるのではないでしょうか?
筆者も学生から社会人になるときに一人暮らしをするため、引っ越し業者を探したり、賃貸物件を探したり、家具を探したりしました。
ちなみにここでいう「ライフステージの変化」は、たとえば次のようなライフステージの変化をいいます。
こうした「ライフステージの変化」は、生活環境や価値観が変わることがあり、その変化に応じて、引っ越しや家具の購入、投資の検討など、さまざまな行動が生まれます。
そういったタイミングで、「私たちはこういうことができます」と伝え、響くことで、引っ越し業者の選定や家具の購入場所などのリストに載ることができます。
そのため、何か商品やサービスを伝える際には、「誰に伝えるか(Who)」だけではなく、「いつ伝えるか(When)」というタイミングも重要なのです。
そこで役に立つのが、定量的なデータや定性的なデータでしょう。
たとえば、特定の月だけ売上が伸びていたり、特定の年齢の方の契約が多かったりする場合は、時期的な要因が考えられます。
そして、そもそもデータとしてなかったり、因果関係を調べたかったりする際には、定性的なデータが必要になります。
そこで活躍するのがインタビュー調査です。
インタビュー調査によって、調査したい目的に応じた質問をし、深掘りをしていくことで、どういった経緯で「そう思ったか」などを把握することができるので、仮説立案などができるようになります。
そして、インタビュー調査によって仮説を立てることができたら、「実際に同じようなタイミングで特定の行動をしている人がどのくらいいるか」などを明らかにするため、ネットリサーチ(Webアンケート)を実施する方法もあります。
インタビュー調査で“きっかけ”を見つけ、アンケート調査で“傾向”を確かめることで、より実態に即したマーケティングのヒントを得ることができるのでおすすめです。
お金に関する秘密や隠し事のようなものがあるかを伺いました。
あわせてインタビュアーから、結婚している人に話を聞くと“配偶者には話していない”といったケースが出ることもある、という話をしました。
それに対して彼は、「自分ではないんですけど」と前置きしたうえで、会社の先輩など周囲の既婚者の中には、男女を問わず「隠してることが多いみたい」と話していました。
一方で、ご自身については、「いや、ないですね。うん、ないですね」と話しており、お金に関する隠し事は特にないとのことでした。
この章から得られるヒントとして、オンラインインタビューシステム「i-PORTvoice」を利用したインタビューでは、こういったセンシティブなインタビューをすることができることが挙げられます。
1対1のインタビューをデプスインタビューといい、メリットとデメリットは以下となります。
メリット
デメリット
また、インタビューの効率や質を上げるために、テーマによっては、事前課題に取り組んでいただくこともあります。
たとえば、事前に写真や動画を撮ってもらったり、日記を付けてもらったりすることで、利用実態や記憶を整理してもらうなど、工夫ができます。
もしセンシティブな質問をしてみたいときは、デプスインタビューを検討されることをおすすめします。
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アスマークでは、デプスインタビュー(IDI)サービスを提供しております。対象者とインタビュアーによる1対1の面談式で実施する調査方法で、商品やサービス等の選択・購買理由などをより深く掘り下げて探ることができます。
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老後資金について、不安や心配に感じていることがあるかを伺いました。
すると彼は、いまの日本は高齢化が進んでおり、自分たちの世代の税金で上の世代を支える仕組みになっていると感じる、と話しました。その分、自分たちの世代ぐらいには税負担が重くのしかかっているように思うそうで、「将来的に『どうなるのかな?』ってのは、正直不安ではありますね」と語っていました。
この発言を受けてインタビュアーが、「『老後どうなるんだろう?』っていう漠然として不安…」と話していると、彼は「漠然とした不安はあります」と話しておりました。
最後に、仮に現金で3億円があったとしたら、どのように使うかを伺いました。
彼は少し間を空けて、「3億円か……なんか、もうちょっと多かったら仕事辞めるとか言いそう」と話しました。「辞めるには、なんかちょっと不安かな?ぐらい、みたいな感じです」とも言っておりました。
また、3億円あれば、休みを取って、宇宙に行けるような“すごいツアー”や旅行をしてみたいそうです。
最近は、海外旅行に行けていないので、いろいろな国を巡って、各地の人や文化、食べ物などに触れたいとも話していました。
続いて、「3億円、旅行に全額ベットしますか?」と尋ねると、世界一周に3億円かからないとしたら、残りはひとまず貯蓄に回すとのことでした。
今回のインタビューから見えてきたのは、彼が単に節約を重視しているのではなく、将来への備えを意識しながら、無理のない範囲で日々の支出を調整している姿です。自炊や飲み会の調整、ポイント活用などで出費を工夫し、余った分は積立NISAや貯蓄に回す。そうした、現実的なお金との向き合い方が印象的でした。
こうして得られた内容からヒントを整理すると以下となります。

また今回、GeminiのNanoBananaで、下図のようなグラフィックレコーディング風の画像も生成してみました。

※ 本記事の理解を助けるために、生成AIで画像を作成しています。生成AIによる画像は必ずしも正確ではなく、誤った表現が含まれる場合があります。画像内容の真偽や正確性は保証できませんので、あらかじめご了承ください。
それぞれ“注意は必要”ですが、ご参考になれば幸いです。
「損を避けたい」という心理や、「ライフステージの変化」による行動のきっかけ、そしてセンシティブなテーマにおける本音の引き出し方といった、生活者のリアルな意思決定の背景が見えてきました。
こうした選択や判断軸をヒントに、ターゲットに向けたブランディングや商品・サービス設計を、いま一度アップデートしていきましょう。
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